BAD LANDS バッド・ランズのレビュー・感想・評価
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セリフが聞き取れないと思っていたら・・・原田監督だった(爆)
ネットフィリックスでいつもの音量20から5ポイントUPして観ていたけど、台詞は半分しか聞き取れず雰囲気で流し見しちゃいました。只でさえ日本映画の声は聞き取り辛いのに、エンドタイトルで原田かよー!!!って感じでした💦
時々、金髪女ヤクザ(その子分のだみ声男)や、女親分ドラえもんみたいな面白キャラが出てきて(岡田君もね)楽しませてくれるが、いかんせんリアリティに欠けるお話なので尺が長すぎて飛ばし見でした。でも宇崎竜童御大は良かったですよ✨
安藤サクラじゃなくて、僕のタイプの満島ひかりさんが演じていればもっと面白い話になっていたかもしれないです。
安藤サクラが魅力的なだけのお子ちゃま向け裏社会ファンタジー
特殊詐欺グループの親玉とリーダー役女性、その手先たちが、老婆から500万円を騙し取ろうとする冒頭のシーンがいい。スマホを使い次々に新たな指示を繰り出す犯人グループと、囮を使って摘発を試みる警察双方の動きが、リズミカルにスピーディに描かれていく。特にヒロイン安藤の軽快な身のこなしとセリフ回しに惹きつけられる。
ところが特殊詐欺のシーンは、何故かそれでお終い。後は安藤と彼女を取り巻く社会の最下層の人びと、殺人グループの下働きをする弟、世界的ベンチャー企業の創業者とその性奴隷の話、かつて性奴隷だった安藤が創業者から日本中追いまわされていること…等々、ヒロインをめぐる雑多な話題に移ってしまう。
そして、どうやらこの作品は最下層でダークだが、何故かオシャレな犯罪社会と、そこを軽やかに泳ぎ回るヒロインの活躍に主眼があるとわかってくる。
ボロボロの集合住宅に住んでいるくせに、何故かドストエフスキーの『虐げられた人々』を語る教養あるオッサンがいたり、賭場にはヘーゲルの『精神現象学』を読んでいるヤツがいて犯罪の弁証法についてウンチクを垂れるw
ベンチャー創業者の男は、ビジネススーツ姿の若くてスタイルのいい女性秘書たちをサディスティックにいたぶり、性奴隷扱いする。さながらハーレムだ。
もちろん、これらにはリアルのカケラもないw 世間知らずのガキに「オシャレで恰好いいだろ~」と自慢しているだけなので、小生のような世間ズレしたオヤジは時折、失笑してしまうのである。お子ちゃま向けの裏社会御伽噺、といったところか。
リアルがないから、詐欺も暴行も殺人も、ただの空想の出来事に過ぎず、父親にレイプされたヒロインの話も、彼女の親殺しも、ヒロインが詐欺グループのカネを全部掠め取る際に活躍する老ヤクザも、姉を付け狙うサディスト創業者を殺しに行く弟も、残念ながらオモチャのような印象しか残らないのである。
指示出しシーンばかりで、やってる感を出しているだけに感じた!!
悲惨な生い立ちで身一つで生きなければならないのはありますが、詐欺のブリーフィングというか、指示出しのシーンばかりでやってる感を出しているだけの印象で、実際の被害者は殆ど映らないので、深刻さが薄い様に感じました。伊丹十三さんなら、また違った感じにしてくれる様に思いました。
はちゃめちゃな生き方だけど”さくらちゃん”味が出る映画
詐欺集団の上役的な、悪役なのに、何故か?悪を感じないのが否めない。
実父・弟などなど関係が入り組んでいるのですが、さくらちゃんは何故か?
一匹狼的な感じもします。色々な場面で伏線が貼られていて、やっぱり感も
ありますが、さくらちゃんの演技に引き込まれたバットランドでした。
面白かった
日本のノワールをしばらく見てなかったけど。
面白かった。
安藤サクラだからこそ興味を持った作品で、
みんないい味出してた。
これが現代の日本の大阪の在り方なのか、フィクションなのかわからないけど。
ありえないと思う構成もあったけど、面白かった。
最後の曼荼羅の電池が切れてしまったこと、弟がネリをすごく好きだったことがつながったような終わり方がよかった。
リアリティある…
全出演者が本物?と思うほどの狂気の演技。人から金を奪い、人を殺し、命を何とも思っていない、その軽薄さと自分の命を代えてでも大切なものを守る、このギャップが何とも言えない。優しい心根を持ちながらも、生き抜くために奪う悪者たち。安藤サクラ、サリngROCKは迫力あった。
善と悪の共存
何が善で何が悪なのか、
でもネリには逃げ切ってほしい
この囲われた世界から早く抜け出せる日が来てあげて欲しい、
そう願ってしまう作品でした。
岡田准一さんは友情出演でしょうか?
出ているの知らずに見たのでビックリしました。
曼荼羅の酒が抜けて意識がはっきりしている時が
痺れるほどかっこいいです、最後自分の死を見越して、
ネリをタクシーで行かせて、自分は死んでいきました。
金貸の姉さんも、詐欺師的なのかと思ったけど
ちゃんとビットコインで5%でやりとりするんですね、そこは筋を通すのか。
そういった世界に詳しくないため、騙して全額取られちゃうのかと思いました。
14歳の頃ジョーが、ネリを助けて父親からのレイプから逃れることができたようですが、最後の最後もジョーは自分の命をかけて、ほやを殺してネリを呪縛から解放していました。
人を殺しているけど、愛があるように見える狂った感覚です、いろんな人が続々と人を殺してるし、後半でどんどん死にますが、賭博も、あんなふうに遠くに出向いて裏で行われているんだなぁって、なんだか知らない世界に踏み入った気持ちで映画を見ていました。
出てくる人全員演技が上手いので見入ってしまいました、
あのままインドネシアに逃亡できてますように。
おもしろい作品でした。
たくさんの登場人物がいますが全員しっかり特徴があり
ややこしくなく、ストーリ性も見やすい映画でした。
山田くんがずっとイケメンでした。
特殊詐欺に加担するネリとチビネリの物語り
この映画を楽しめなかった自分がめちゃめちゃ悲しくて悔しい。
明石家さんまさんが好きでないから?
原作者の黒川博行さんは大阪弁以外では、
小説を書けない人だから?
私がこの映画の良さを理解するセンスないから?
(内容に深くネタバレしてます)
(この映画をケナしてますので、好きだった方は読まないで下さい。
15歳のとき、性被害を受けていた義父を義弟のジョー(山田涼介)が
殺害した。
その後東京のIT変態社長の性奴隷となり、
その男の暴力により鼓膜を損傷して、左耳の聴力を失う。
出所したジョーが賭博で借金を作る。
ハングレヤクザにした借金を返すため、
ジョーは手っ取り早くネリの実父で
特殊詐欺の元締めの高城(生瀬勝久)の財産を狙い強盗を決行する。
ジョーは組み合ううちに高城に刺されそうになる。
物音で駆け付けたネリが、背後から高城の背中を刺して殺す。
そしてジョーは共犯の男も殺す。
ネリとジョーは2つの死体を高城のベンツで運び
山奥に埋める。
さて、高城の財産を奪うための実印そしてキャッシュカードなどの
暗証番号をどう探すか?
それはみつかるのか?
という話し。
幾ら簡単に書いたつもりでもこれだけ長くなる。
粗筋を聞いたら詰まんない話しですよね。
(正直言って詰まんなかったです。)
良かった点。
撮影とセットと俳優そして音楽。予算は潤沢みたい。
場面転換に使われる弦楽合奏はヴァイオリンやチェロの美しい曲で、
この映画のクォリティを上げていた。
安藤サクラは、70%の余力で、フットワークの軽い、しなやかで
運動神経と頭のまぁ良い女•ネリを、そしてチビ煉を
今までにないサクラを見せました。
悪い点。
1、聞き取れないほどの早口、
「検察側の罪人」と「ヘルドックス」
はじめ喧嘩売ってんのか?と腹が立ったが、必死で聞いてたら聞こえてきて
結果ペースに乗せられて、早口は面白く効果的だった。
しかし今作は字幕有りで見たけれど、全く乗せられない、
乗っからなかった。
ワル滑りする会話に冷えてゆくばかり。
(関西人出ないからかな?ともかく笑えない)
2、陰湿な内容
性被害、実家の放火、そして性奴隷になり逃亡者となり、
実父を頼り特殊詐欺に加担して、遂には実父を殺害して死体遺棄。
こんなドロドロの役を軽々と演じる・・・
ときにドスの効いた声で凄むネリ。
これって、いわばネリはダークヒロインだよね!!
ヒロインである事に納得出来ない自分。
なんか割り切れない‼️
私には、この映画、古臭いし、ダサい・・と思う。
原作者の黒川博行さんはギャンブル中毒を自認してる方ですが、
曼荼羅(宇崎竜童)の花札賭博とか、今どき、する人いるの?
曼荼羅がタトゥーの上半身裸で晒すとか、
あり得ない(老骨に寒そう・・・)
今どき元ヤクザもんは、小さくなって生きてますよ。
セットも凝っててバーとかカフェは鉄パイプの組み立て様式で
センスが良かったが、
3、無駄にインテリアが美しい
広すぎる曼荼羅の部屋とか・・・
高い天井、太い立派な鴨居、
投資家社長のオフィスは、もっと無機質でいい。
社員が水商売みたいな服装で、社長が美女を侍らせる企業は
あるのかな?
基本、金持ちは女に不自由しない
(勝手に女が蟻のように砂糖にたかってくる)
ネリに拘る(彼の権勢を否定したから、かね?)
胡屋(渕上泰史)の気持ちが納得出来ない。
ついでにネリの居場所を突き止めて戦闘モードの胡屋を
復讐のために討ち死に覚悟で殺しに行くジョーが、
納得出来ない。
ジョーはネリを愛してるんだよね!?
そこら辺が山田涼介の演技力と存在感の足りなさか?
途轍もなく薄っぺらい。
格好良いネリ。
ネリがコートの裾を何回もひるがえす!!
ラストで3枚くらいコートを投げて着替えるよね!!
それが格好良さの表現・・・なんだか、北風小僧だね!
女性版のハードボイルド・ノワール。
ダークヒロインのネリ。
特殊詐欺の仕組みと警察の攻防、
後手後手だね、
江口のりこをもっと活かせたら良かった。
結局は同じ穴のムジナの《実父殺し》がメイン。
原田眞人監督作品は早口で捲し立てるうちに、
リズムに乗せられて夢中になるパターンなのだが、
この映画は最後まで私の中では盛り上がらなかった。
硬茹で卵(ハードボイルド)の黄身は、
実は孵化しかけたアヒルの卵を茹でる
ベトナムのアヒル料理のホビロンみたいに口に異物がモゾモゾして
飲み込めなかった。
(口に合わなかったんです)
安藤サクラはドロドロの不幸の連鎖を犯罪で断ち切る
ネリとチビネリの混迷を演じ分けていた。
(こんな事長々と書く自分に自己嫌悪)
(書きたくなかった)
裏のうらのうら
安藤サクラさんと原田監督のタッグは、やっぱりいい作品ですね。
主人公は、過去の人物と現時点の人物が別の人かのように変わってしまう所もいい演技だなと思いました。
過去に味わった屈辱な出来事から這い上がるっいく姿は、男前でした。
アクションシーンも見応えがあります。
ちょい役で登場する岡田准一さんも存在感が半端ない。笑
金と嘘。騙し合い。殺し。
全てのものが裏である。
自分を救ってくれるもの。
金だけはない繋がりに救われる最後のシーンは、良かったです。
生きる力強さ
詐欺に身を染め生きる女性の絶望と希望(未来の扉)の話。
主人公が手を染める世界で生い抜く道を描き、彼女の守るものの線引きを明確にしつつ、その選択に(死を匂わせつつも)生きる力強さがとても心地良く感じられた。
”どいつもこいつも狂ってやがる”
映画の開始からすぐに独特な世界に一気に引き込まれた。
ネリ(安藤サクラ)と高城(生瀬勝久)の会話シーンから始まり、関西弁で織りなされる、スピードの速い、聞き心地の良い、テンポの良い会話が自分には刺さった。
自分を魅了した独特な世界観は、多くの魅力的な登場人物によって表現されていた。全員どこかダークで、サイコパスで、狂った特徴を持っていた。
特に、イカれたジジイだった曼荼羅が、ラストシーンにかけて漢を見せるようになり、とても好きになった。普通からは外れた変な人物が、物語の上で活躍するとそのギャップ?に惹かれて、その人物を好きになる傾向があるように思う。
林田の知的でどこか蠱惑的なキャラクター。場面に少しポップな印象を加える林田の高い声の部下。この二人が出てくるシーンの雰囲気も印象的だった。
また、月曜日の巫女の伏線が最終的に回収されたのが気持ちよかった。
オレオレ詐欺グループの実態やお金を満足に得ることのできない人たちの生活について具体的に描かれており、普段生活している中では知ることのない世界を垣間見ることができた。
ブルーロックしかり、魅力的なキャラクターが多く出てくる作品は面白い。
やっぱり日本映画だな‼️
やっぱり原田眞人監督作、何かが足りない‼️それどころか詰め込みすぎてる感じがする‼️特殊詐欺に加担しているヒロインと義弟が、元締めである父親を殺害し、資産を手に入れ何とか外国へ高飛びしようとするお話‼️主人公たちが同じ特殊詐欺のグループから追われ、警察にも追われ、しかもヒロインが過去にDVを受けていたIT会社の社長にも追われ、うまく彼らを出し抜いてハッピーエンド‼️という展開なのですが、やっぱり日本版「スティング」というわけにはいかない‼️巧みな特殊詐欺の手口を見せてくれることもなく、頭のおかしな義弟が金欲しさに元締めを殺してヒロインもそれに加担、警察の目をかすめるのも、月曜日に奇抜な衣装でランニングしてる有名人の女の子に化けてって、なんか無理矢理感強いし、強引だし、泥臭い‼️日本人が日本という風土でやればこうなるのかもしれませんが、口座の暗証番号解明ももうちょっとウマイと思わせてくれる展開が欲しかった‼️ヒロインの、元締めである父との過去の確執や、IT社長との因縁も掘り下げ不足で、本当に必要かなと疑わざるを得ない‼️義弟役の山田涼介も全然魅力のないキャラで感情移入できないし、ラストも損な役回りですよね‼️安藤サクラもワンパターンな演技が目立つし、とてもIT社長が執念深く追いかける魅力が感じられない‼️江口のり子や岡田准一もファンサービス以外の必要性を感じない‼️ただこの手のジャンルが不得意な日本映画としてはまとまっている方だとは思います‼️
面白かったー!
2時間半と長かったですがテンポが早くて飽きなかった!
宇崎竜童さんがめちゃくちゃカッコよかったです。
あと岡田くんがちょい役で出てたのも知らなかったのでサプライズでした。
バブル
が弾け飛んだ時期から続くのバイオレンス作品の典型と感じました。
やり場のなさはわかるが南の島でパシャパシャしても結局誰も救われないんじゃ…。
これがこの時代にヒットするか…。
不幸な生い立ちの姉弟
安藤さくらは、ハマり役。
宇崎竜童もいい味出してます。
血のつながらない弟の山田涼介も、軽い感じがピッタリです。
このお三方に星半分プラスしました。
元総理の妻とか紅葉を見る会とか…おー!ついでに宗教法人とか出てきたら面白かったかな。
安藤サクラは名優だわ
私が安藤サクラのファンになったのは2017年公開の映画「DESTINY鎌倉ものがたり」で死神役を観てからであるが、今年は「怪物」、そして「ゆとりですがなにか」と、今回の「BAD LANDS バッド・ランズ」。続けざまに秀作を観た。いやー、彼女はなにをやってもいいねえ。名優だわ。
ところで本作は、直木賞作家・黒川博行の原作「勁草」を原田眞人が監督したべタベタの大阪映画。行き慣れたじゃんじゃん横町など親しんだ大阪のダークタウンの裏社会が舞台なので、私には親近感を持って楽しめたけれど、全国的にはどうなのかなあとは思った・・・(笑)
それにしても安藤サクラは芸達者だ。ネリ姉役の安藤サクラに尽きる映画だと思う。もちろん弟ジョー役の山田涼介も元ヤクザの曼荼羅・宇崎竜童も好演だったと思う。そうそう裏社会の謎多き女・林田役のサリngROCKも気味悪くて良かったなあ。
たぶん、映画の結末には賛否両論があるだろう。ま、サクラちゃんのファンとしてはそれなりのハッピーエンドで良かったと思った。月曜日の巫女の服を脱ぎ捨てていくシーンは、全体が重い展開のストーリーのオチとしては、嫌いではない。
ただ、近頃の私は耳が悪いので、Netflixなどの映画配信では字幕つきで見慣れていて、この映画も字幕付きで観たかった。字幕版で上映されているところもあるが、うまく時間が合わず、字幕なしでみたのだが、原田作品は台詞回しが独特で、けっこう聞き取りにくい。そこがちょっと残念。
映画の出来はお勧めです…テンポもいいし、ツッコミどころの脚本を差し引いても、サクラちゃんの名演技は評価できるし、★は4.0。好き嫌いがある映画かもしれないが、ここ数作観た邦画は概ね、頑張っているなあと思った。
期待度○鑑賞後の満足度◎
①前半1/3くらい迄は何となくとっちらかっている印象だが段々面白くなってくるというか観ていて心地よくなってくる。
②西成周辺を舞台にしているのが宜しい。単なる大悪党・子悪党の内輪揉めレベルの話に社会的なリアリティーを与えて映画世界に立体感と説得感をもたらしている。
③ラストシーンが素晴らしい。カモフラージュの衣装を脱ぎ捨てて走る安藤サクラの全てから解放されたような表情が最高。
地理的には山王の動物園前商店街(このサイトでの私の写真もここで撮ったもの)から出て天王寺に向けて走っていると思うのが周りの風景が違うぞ、というツッコミもありで。
④最近面白味が薄れてマンネリ感も出ていた安藤サクラだが、やはりこういう少し悪の匂いがする役をやらすと一番良い。
したたか
全編通して小気味がいい。軽やかだ。
冒頭に流れる音楽もそうだし、軽妙な大阪弁、台詞や特に編集が上手いように思う。
扱ってるネタは散々たるものだ。
ノワール映画と括られるらしいが、普通の生活をしていてはお目にかかれない世界が広がっている。
西成の一角などはスラムにも見える。
臭いモノに蓋
君子危うきに近寄らず
その"臭いモノ"や"危うき"が鮮烈に紡がれていく。
前半は好奇心。
へー、こんな世界や生活があるんだ、と。本編中にも何度か下級という言葉が出てくる。底辺の底に落とし穴を掘ってるような人々が映し出される。
詐欺や犯罪に手を染めた側も、めちゃくちゃ頭使ってんだなぁと感心する。
中盤以降はパワーゲームだ。
弟の登場で、厄介事に巻き込まれていくネリ。
結構な修羅場なのだが、コレまた軽妙なやり取りが続く。不思議と納得させられる。
関西弁に魔法でもかけられてるようだ。
後半になって「僕」と呼称する元用心棒もいい味だしてる。宇崎さんがやってんだけど、抜群の存在感だった。
最終的には全ての追い込みを躱し2億近くの金を手に入れる主人公・ネリ。
ラストカットのストップモーションが全てだった。
彼女は自由を手に入れた。
その解放までを描く143分だった。
その為の前半で、圧力と袋小路と絶望とを描き、そんな生活の中でも僅かな糧を描く。
安藤さんは最高に素敵で、本作ではサーファーのように畝り倒す波を乗り越えてゆく。彼女がプロサーファーのように見えたのも、監督が作り出す波とリズムなのだろう。作中に棲息する人物に、風景に、その画角に魅了さらてしまう。
1番おどろいたのは映画館を出た後だった。
いつもの帰り道がいつものように見えてこない。
街行くサラリーマンや、購買意欲を煽る広告、仲良さそうに手を繋いでるカップルとか、駅に向かう人の流れや、車内で沈黙しスマホを見つめる人達とか。
「あぁ、俺たち頑張ってんだなぁ」と思えた。
"普通"から振り落とされないように、経済を維持する努力を怠らず、頑張ってカッコつけて、自分達が背負ってる重荷になるべく気が付かないように生きてんだなぁと思った。なんと虚飾に溢れた世界なのだろうと。
洗脳から解かれたような錯覚に陥る。
その"普通"から疎外されたり放棄したりしたら、あんな風に身軽になれるのかな?まるで自身の命にさえ執着してないようにも見える。
諦めのような感情もあるのだろう。
そんな中のラストカットだ。
服を脱ぎ捨てて走り出す彼女の前には、今まで感じた事がなかった未来が広がってるようだった。
この清涼感は何なのだろう?
今までの全部を吹っ飛ばすようなラストだった。
安藤サクラさん。
今年度の俺的アカデミー最優秀主演女優賞かなぁー
全60件中、1~20件目を表示













