キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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妻を看病?する部屋の窓外が火の海、というイメージカットが鮮烈。ああ...
妻を看病?する部屋の窓外が火の海、というイメージカットが鮮烈。ああいう表現ってじつは最近見ない。石油が飛び散るハイスピードカットと合わせて、映画料金以上の価値ありあり。
・今回のMVPは間違いなくグラッドストーン。眼差し、表情、佇まい、...
・今回のMVPは間違いなくグラッドストーン。眼差し、表情、佇まい、どれをとっても凛として美しいのに、どこか儚げで危うい。だけど溢れるオーラは圧倒的に強く、魂の慟哭に全てを持って行かれる。
演技や表情にぐっと惹き込まれ、間違いなく物語を牽引していた。
スパイクリーも主演女優賞はこの人だと発言しているらしいけど、それあるかも、と簡単に思ってしまうぐらいには鮮烈な印象がある。
・最後、上からの踊りのシーンは鳥肌モノ。
ラストシーンは、歴史は円環しているとも捉えられ、切なく苦しくなった。
・エンディングで静かに響き渡る自然の音は民族に対する畏敬の念でもあり、犠牲になった、いくつもの魂に捧げる静かな祈りにも聞こえる。
・後半、ジリジリ追い詰められていくディカプリオと衰弱していくグラッドストーンの、手に汗握る演技合戦。ずーっと持続する緊張感で、眠くなる隙がない。
・タルサの虐殺への理解はマスト。時代背景など理解してから見るのがオススメ。今作に関しては原作本の需要高いはずだから、劇場で販売して欲しい。エンドクレジット終わった後に原作本販売サイト飛べるQRコード映し出されるとかあっても売れそう。フライヤーにあってもいいと思う。今回のイベントに関しては村山さんから「大草原の小さな家」の背景について言及もあったから、イベント後、それも合わせて原作本販売されていたら自分の財布ヤバかったと思う。
話の中で「遥かなる大地へ」なども出てきたので、作品についてもっと知れる一覧集あると便利かもしれない。
陰惨な歴史
こびり付いた泥に塗れたディカプリオと透き通るような清らかさのインディアンの女性の対比が印象的だった。
この作品が警鐘なのか懺悔なのかは分からないのだけれど、その対比が語るものは大きい時思われる。
まぁ、長い。
時系列が前後する事もなく、順を追って物語は進んでいく。特にミステリーがあるわけでもない。
ただただ金に執着する白人が原住民を蹂躙していく話だ。狡猾に善意の仮面を被って、ゆっくりと侵食していく。そのドス黒い闇を描くにはこの時間が必要だったのだろうと思われる。
元凶は「金」なのだろう。
格差を産み嫉妬を産み、慈愛を奪う。
資本主義の根幹とも言うべき「金」がもたらす悪意は計り知れない。「富を得る」それが正当性の理由になると他の事には盲目になるようだ。
そんな中、ディカプリオの役所は難しかったと思う。
おそらくならば彼女を守る為にやった事もあるんだろうし、その事で彼女が悲しみの淵に突き落とされても「消失」よりはいいと考えてたのかもしれない。
そんな彼女に毒を投与する。
もう何に支配されてるのかさっぱり分からない。
一応の裏付けは語られるものの、二律背反する感情を諦めたようにも感じる。
あんま見た事ないような顔をするディカプリオが印象的だった。終盤は苦虫を潰したようなへの字口が戻らなかったように思う。
デニーロは流石の貫禄で…アレに睨まれたら太刀打ち出来ないと本能が告げるような役作りだった。
モーリーさんが凄かったなぁ。
あんなアクの強いキャラに囲まれて、尚、周りを暖かく照らしてるような空気感が途切れなかったもんなぁ。
無口だけれど無知ではないを体現してらした。
なんちゅうか、金に囚われた人達の底無しの悪意に晒され続ける作品だった。
スコセッシの技術
スコセッシがやばすぎる!!! いつも通りクズまみれの胸糞映画、でもそこに隠された色んな要素が好奇心を掻き立てる。 最も印象的だったのは左右の使い分け。 とにかくツーショットトークが多く、その際左側が右側を諭す、もしくはなだめるみたいな構図が物凄い意識されてる。右に映る人物は嘘をついていたり、無茶苦茶なことを言っていたり。そうやって見始めるとあまりにもその構図が達成されていて冷や汗が止まらないくらい。 原作が存在する以上、話の大筋を変えることは難しいが細かな芸がより目立つ。 キングが牧場を焼く夜、モリーを看病するアーネストの肩に蝿が止まる。アーネストはモリーに必死でそんなことには気が付かない。しかし、そこから数分後取り調べを受けている際にアーネストがこれでもかというくらい蝿を気にするシーンがある。モリーに対しては誠心誠意接するアーネスト。最終的にキングではなくモリーを選ぶ布石となっている。最後のシーン、モリーに対する注射が毒であったことを本当にアーネストは意識できていなかったのであろう。(少なくともスコセッシの描き方からはそう伝わる)アーネストは余りにも率直だが間抜けな男である。随所にそうした描き方はなされるが最後のシーンは決定的であった。もしくはアーネストは自らのモリーに対する心情変化に気づかず自分の考えを再生産した、という解釈もあるかもしれない。どちらにせよアーネストは間抜けなやつである。 追記: 「アーネストは自らが投与していたのは毒であったことを認識したうえで自らの自尊心を捨てきれなかった。」 この意見のほうが正しいかもしれません、、、 と、ここまで言ったくせに心に残るのが"Real Medicine"と"Real Sick"。インスリンを打ちたがらないモリーに対してアーネストは"This is the real medicine!!!"とシャウトする。一方で(記憶が曖昧だが)モリーから引き離されるときに"She is real sick!!!"と何度も連呼する。あまりにも分かりやすい対比すぎるが、どう解釈しろというのか。インスリンを"Real medicine"と言ったのには欧米文化の先進性!みたいな考え方に対する皮肉もあるのだろう。 1つどうしても分からなかったのがKKKとオイルに塗れた男たちの対比。中盤でKKKがパレードに参加した数分後不自然に差し込まれるシーンである。(少し言いすぎかもしれない。一応ヘンリーが殺害されるシーンを目撃するかの様な描き方をされている)一般的にKKKと対比されるのは黒人であろうがオイルに塗れているのはおそらく白人である。何よりタルサでの一件を報じるニュースにしかこの映画において黒人は登場しない。黒人が存在しない街というのは非常に違和感を覚えるが、おそらく実際にそうだったのであろう。もしくは不確定な解釈を入れないためにわざわざ省かれたか。しかし、アップルが制作を務める映画においてその様な暴挙がまかり通るとは思えない。難しい。 自分の中でまとまりきっていない1つの構造として階層分化というのがあったと思う。オセージ族、裕福な白人、労働階級の白人、オセージではない他のインディアン、くらいであろうか?最初から意識的に見れればもう少し増えるのかもしれない、、、 もうひとつだけ! モリーの「内的独白」良かった。 少し思い出したことがあるので追記。 モリーとアーネストが初めてディナーを共にするシーン。モリーがアーネストを招待するにも関わらず場所は洋館であり、食事は欧米食である。モリーは食事せず、アーネストのみが食べる。左側にモリー、右側にアーネスト。(シーン中に何度か入れ替わるが、最も印象的なシーンでは)この頃からモリーは糖尿病を患っており、西洋風の食事には気を使っていたのだろう。しかし、これに対比される食事のシーンとして思い出されるのがモリーとアーネストがビルとリタの家を訪ねるシーン。モリーは既にかなり衰弱しているが、リタはトーストとコーヒーを白人の召使いに頼む。そしてモリーも何も不満を述べることなく(むしろありがたそうに)これを口にする。トーストとコーヒーなんぞ糖尿病の権化と言っても過言ではないのにである。こうした描き方は依存の怖さを描こうとしたのか?(そんな安易なことはしていないと信じたくはあるが、、、)モリーとアーネストの印象的なシーンとしてもう一つ思い出されるのがアーネストが逮捕後モリーに初めて会う草原でのシーン。このときはアーネストが左、モリーが右である。そして場所はオセージを象徴する(本来の故郷ではないが)草原である。モリーはこの後何かを自ら発信することをあまりせず一家の大黒柱をアーネストに譲る。くらいしか思いつかなかったが他にも何かあるのだろうなぁ。
スコセッシの最後の作品??
劇場で見た初めてのマーティンスコセッシ映画。彼の映画の主人公に善良な人間はいないってことで、「グッドフェローズ」も「ウルフオブウォールストリート」も両方悪役が主人公だったけど、今回の映画は多少違った。
デカプリオは悪人だけど、完全な悪人ではなくデニーロにこき使われる哀れな退役軍人。トムホワイト役を蹴ってあえてアーネスト役になったデカプリオは、アーネストが置かれた複雑な状況を理解して演技していた。オセージ族のモリーとの結婚生活の裏でオセージ族を殺していく残酷さ、最後にはモリーに毒を盛るという非道さが、なぜか100%デカプリオの責任とも言えずになかなか複雑な感情になった。
順当に人を殺していく前半シーンは常に暗かった。先住民がここまで出てくる映画も最近は中々ない気がする。ポリコレかな?マーティンスコセッシの遺作になるかもしれない。
「ウルフオブウォール・ストリート」「グッドフェローズ」とかにあったあのテンポの良さはあまり感じなかった。むしろ、「沈黙」の部類に属する映画じゃないかな?なかなかすごい作品だった。
マルチ商法って怖いよね。
傑作です。 3時間半とは思えないほど、世界観に入り込めました。 エンドロールまで全てが脚本になっていて、すごい映画だな、と見終わって噛み締められる映画でした。 エンドロール中の音響の演出も良かった。 全て良い映画でした。 鑑賞後の感想ですが、 人間って盲目になればなるほど、周りが見えなくなっていき、何かを失ってから過ちに気づくのだなぁ、と。 利益だけが全てではないよな、と感じました。 ある種の宗教的な何かを見ているようで、ただただ恐ろしかったです。 名優、デニーロの優しさの奥に潜む悪魔的なお芝居は怖すぎます。 又、駄目な人を演じるディカプリオ。 ここまでハマる人はいないです。 その主人公に共感する部分がすごくあって… 富を目の前に盲目になってしまう、すごく共感してしまう。自分もそういう部分あるんだろうなぁ、と。 主人公に関する演出で、ことある毎にハエ?がまとわりついていて、こいつめっちゃくせ〜なぁ(色んな意味で)って演出がすごい好みでした。 そして、ヒロインの方。 初めて知る女優さんでしたが、素晴らしいです。 目から感じる怒り。台詞を発しなくても伝わる怒り。 それを体現しているのが、素晴らしすぎます。 最後に、肌の色の違いや宗教感から生じる争いや差別はずっと起こっていて、今後もなくならないものだと思います。 しかし、盲目にならず歴史を忘れず、我々は生きていかねばならないんだな、と教訓になりました。 目の前の真実から目を背けたらいけないんだな、と。 最後の最後に書かせてください! 近年でもよくあるマルチ商法! この映画も一種のそれに近かったです! こんな昔からそれに似たものは存在していたんだと思いました! 皆様!目先に囚われず!マルチ商法は駄目!絶対!犯罪は駄目! 最後に一文! 家族を何よりも大切に!守り抜いてください! 家族を信じ抜いてください! そう思える映画でした。
無能力者
明らかな健常者が言うこの言葉の違和感。社会的な搾取の構図。結束するにはまだ遠い。ひとつひとつ摘まれていく。学ぶにはひと世代、交渉するにはまたひと世代必要となるか。この作品まで100年。 小男ぶりが際立つデカプリオの演技。爆破にビックリ、FBIにビビりまくり。そんなこと言うんだったらキングに言うぞって小学生か?マーロンブランドばりの顔芸も見事で芸達者。最後まで怒涛のように浴びせかけてくる。 しかし、さすがにお尻は痛い。
劇場でしか味わえない作品
重厚で丁寧に先住民、当時の雰囲気を描いた超大作で、地味なシーンも多くサブスクでは100%没頭できなかったと思うので見に来てよかった。原作未読ですが、本当はドラマ形式でもっと時間をかけて丁寧にアーネストの変化や、モーリーの健康状態の推移、当時のオクラホマの治安や雰囲気、オセージ族の歴史を生活などをもっと丁寧に見せた方がより伝わる物が多かったのかも。オセージ族にあまり金の香りがしなく、家も全然大きくなく、もっと狙われてもおかしくない感じがあった方ががよかったかも。現実そうなら仕方ないけど。 スコセッシの演出は冴えており、また役者陣の演技も凄いものがあった。ディカプリオは勿論だが、モーリー役の役者さんもスゴい演技力と感じた。脇もちょいちょい名優が出ており見応えがあった。 公開からちょっとたった、小さなシアターで夜の回だったがまあまあ人が入っておりすこし安心しました。
実話なんすごすぎる
アメリカって国はなかなか闇の深い歴史があるなーと実感する映画😢
デニーロの一見いい人を装った悪人っぷりとかほんま演技が凄すぎ。
ディカプリオの悪人とまではいかないなど、善人でもないダメ亭主っぷりもなかなか。
3時間半という超ロング映画だったけど、間延びすることもなく楽しめました‼️
レオナルド・ディカプリオに魅せられます
3時間半とかなり長編でしたが、体感的には2時間半でした。 会話劇が中心なので、苦手な人もいると思いますが…展開が多くてだらけないので最後まで飽きないで観られると思います。 ただ、精神的にくる内容なので個人的には1回観たら2回目はいいかな… レオナルド・ディカプリオ、レヴェナントも良かったですし、どんなバックグラウンドの人物にもなれる、良い役者さんですよね。 そして流石のロバートデニーロ… デニーロファンの方も観て損はないと思います。
インディアンの命は犬の命より軽い
この映画の伝えたいメッセージはこのセリフにあると思う。 終始一貫したメッセージとして強調されていたのが、インディアンの人権の軽視。 映画内では時代背景が省略されていたが、均等受益権、後見人制度などインディアンの苦悩・迫害の通史を学んでいないと、問題の深みには到達できないと思った。 この問題の根深さは現在にも至る人種主義の横行にも通じていると言える。 ただの暴力性に頼るだけでなく、それぞれの台詞を際立たせる脚本も素晴らしかった。
もっと短く、引きつけられる脚本と演出に出来たはずの金のかかった駄作
しっかり寝た土曜の昼の回だったにも関わらず、途中何度か寝ました。つまらなかった。 福田村事件のように、物凄い後味の悪さがあったとしても、怒りや悲しみと共に、これは知るべき史実だ、意義のある映画だと思えるはずの非常に良い企画だったにも関わらず、構成を考え抜くことを放棄した冗長で散漫な脚本がひどすぎる。 カットしてカットして必要なところしか残していないと言っていたスコセッシは、もはや観客に見せることを忘れ、自分の入れたいものは全部入れるという老害になってしまった。ゴッドファーザーのような大作にもなり得た企画がもったいなさ過ぎる。 白人の非道とオセージ族の哀切を縦軸、大物のヘイル(デニーロ)と小物で抗いきれないアーネスト(ディカプリオ)の対立を横軸にし、同じような迫害シーンを何度もだらだら繰り返さず、畳みかけるように描けば、2時間半程度でもっと濃い内容になったのではないか。ディテールも刑務所で被告人と証人が向かい合って牢に入れられてるとかあり得なくて興醒めだし、アーネストが署名した書面も登場シーンがなく、分からないまま。ラストのスコセッシが出てくるくだりも陳腐で見てられない。 先々週予約した映画館を間違えて、ムビチケを無駄にした本作だったけど、あれは見なくていいというお告げだったのかも。
人間の悍ましさ
アメリカの歴史を知るための映画だと割り切れば、見てよかったなと思えます。 受益権とか難しい言葉が出てくるので、予備知識がないと雰囲気だけ掴んだまま話が進んでいきます。 地獄の3時間26分でした。
206分チャレンジ
まずこの上映時間に目を疑うところから。 終映時間を考えるとこの映画を何かについでに見るタイムスケジュールは組みにくい。 しかしその価値のある作品です。 白人と先住民の命の価値が異なっている時代の話でこの不公正の中で起きた連続殺人事件の話です。ディカプリオはずっといい男ですが、このダメすぎる色男役を正義の味方ポジの捜査官を断って希望したと言うエピソードに考えさせられます。そしてその効果が作品にはっきり出ていて素晴らしいアクトでした。
見応えたっぷりなスコセッシの大作、エンドロールの音に耳を澄まそう
名匠スコセッシの大作。とても見応えのある作品でした。 「見応えたっぷり」という表現は日本語としてはおかしいのかもしれないけれど、そんな言葉が頭に浮かびました。 この映画、たしかに長い。けれども、冗長さは感じなかった。必要だと思わせる、納得のいく長さだった。約3時間半、スクリーンに映し出された物語は吸引力を失わなかった。 本作の重要な要素は、「欲望」です。 人間は欲望によって成長もすれば、破滅もする……。 何度か登場する「蠅」は、欲望の対象に群がる人間たちの象徴であるとともに、欲望の犠牲となった者たちの死を連想させるためのメタファーでもあるのか。 そして、エンドロールの自然界の音が、やけにこころに響き、沁みました。何だかそれまでの長い物語が序文で、このエンドロールこそが本文ではないかという感じがしたほどです。 同じく人種問題を扱った『それでも夜は明ける』に似たムードと内容を予想して鑑賞したのですが、本作のほうがエンターテインメント性が強くあらわれており、陰惨・悲痛な出来事もその素材の一部になっている印象を受け、史実としての「重み」はだいぶん薄らいでいるように僕には見えました。 とはいえ、優れた作品にはちがいない。 欲をいうと、終盤にもう少しエモーショナルな盛りあがりと見せ場があってもよかったんじゃないかという気もしましたが、どうでしょう。 まあとにかく、名優たちの名演をたっぷりと堪能できた。それだけでも観る価値はじゅうぶんにありました。 追記 本作の予告編をはじめて見たときから「ひどいタイトルだなぁ」と思っていましたが、やっぱり何のひねりもないこの題名がベストなのかなぁ。 いや、でももうちょっと気の利いた邦題をつけられなかったのだろうか。『12 YEARS A SLAVE』を『それでも夜は明ける』としたように。『花殺し月の殺人』じゃ、お客さんは入らないだろうし。むずかしいところですね。
脅威の上映時間206分。 2時間程度の映画に慣れてるので、プラス1...
脅威の上映時間206分。 2時間程度の映画に慣れてるので、プラス1時間半はさすがに長く感じました😅 ですが、内容はすごく濃い。 見て良かったです!
がっぷり組んだふたりの名優
遅ればせながらやっと観に行った。ふたりの名優ががっぷり組んで重厚だったね。先住民が権利を持つ石油を白人が奪おうとする事で起きた連続殺人事件だが、次々に殺されていく中で次は自分だと認識する様になるのは恐怖だな。 最後はちょっと難解だったのか、読みが足らないのか証人 になったにも関わらず刑が確定したのは消化不良だったな。
混沌とした
ディカプリオといば苦境に合わされてひたすら困った顔してるの最大の特徴だと勝手に思っているので3時間以上に及ぶ対策でひたすら困り顔さらすのかな?って思ってたら思ってた以上に困り顔をさらしていた。とても満足。 今作ディカプリオ演じるアーネストは先住民の土地でオイルマネーを受理するために糖尿病の妻を病死に見せかけて殺害し保険金得ようとしている真っ黒な悪人なのだが 何故か見ていて彼が憎めない。 何故なら彼の本心に偽りがないからだろう。 保険金が欲しいかと聞かれれば迷いなくウンと首を振るだろうし、妻を愛してるかと聞かれば迷いなくウンと答える。良くも悪くも裏表がない人間。 妻を愛する気持ちと虐殺の命令者である叔父に逆らえない気持ちで板挟みになり自分で毒を盛っておいて妻を看病するという矛盾の行為を行う。 傍から見れば狂人だが彼の心に偽りはない。 妻を愛したいという欲求と叔父逆らえないという保身と金がほしいという欲望。すべて同時に存在しすべて行動に移しているだからアーネストは序盤ちょっと過ぎた辺りから常に余裕がなくて悪人だがとても人間らしく見える。 元々FBI捜査官の設定でオセージ族不審死の謎を暴く話からオセージ族視点からみないとダメだろってことでディカプリオはこの配役になったが白人側の傲慢な差別意識とオセージ側の文化や心情を写しにはこれ程適した役はないと思う。
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