キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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紛れもないスコセッシ映画!
人の愚かさをここまで正しく映画に落とし込めるのはスコセッシ監督しかいない!
完全に1920年代の空気に取り込まれ3時間20分にも及ぶ壮大なドラマに圧倒されました。
犯罪の実録集、ノンフィクションをアーネストの視点でここまで脚色したのは素晴らしい。
また、ディカプリオのまさにAmerican idiot な愚か者ぶりも素晴らしい。本当にバカ過ぎてイライラするくらい笑 正直でさえいれば救われたものを、その正直ささえも手放した彼の行く末はお先真っ暗。
さすがのApple Movieといった2億ドルという製作費で(ザ ・クリエイター 創造者は8000万ドル)、1920年代アメリカ オクラホマ州オーセージの舞台の作り込みが半端ない。本当にあの時代のあの街が存在するようにしか見えない。そして「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、「アイリッシュマン」に引き続き近年のスコセッシ監督作を支える撮影監督ロドリゴ・プリエト。
本作のカメラワークはとてもスリリングで、アカデミー撮影賞も狙えるかもしれない。
物語の終盤で投入されるジェシー・プレモンスタ、ブレンダン・ブレイザーの存在感もバッチリ。こういった俳優の使い方もとても遊び心があり、80歳になるスコセッシ監督まだまだ若い!ラストのスピーチも映画的なジャンプ!スコセッシ監督本人による話の締めくくりにはビックリしました。
スコセッシのキャリアの集大成的作品
沈黙、アイリッシュマンという本人にとっても念願の大作を撮り終えて、肩の荷が降りた後にスコセッシが何を撮るのかなと思っていたが、キラーズオブザフラワームーンは、まさかのその二作に勝るとも劣らないヘビー級の作品で、作品としての完成度の高さに驚かされた。
スコセッシは「カジノ」ぐらいまでで完成した自分のスタイルを一旦封印して,20年ぐらいかけて自分のスタイルを再構築してきたと思うが、今作はその集大成という気がする。テーマ性においても、暴力と信仰というスコセッシのいつもの二つのテーマが「沈黙」よりも巧みに織り込まれて、更に洗練されているように感じた。
内容的には予想される悲劇がただただジワジワと起こっていく、アメリカの暗部を描いた陰惨な内容であるにも関わらず、ノンフィクション小説を読むかのようにのめり込んで3時間半見てしまう。上手く言語化出来ないが、今作を見ている間、物凄く「映画を見ている」という満足感があった。フィルム時代の大作長編映画を見ている時のような満足感と言ったらいいだろうか。撮影、編集、音楽、衣装、セット、役者陣の演技、全てが高いレベルにあるからこそ、このような風格が生まれているのかもしれない。
リリー・グラッドストーンの静かな悲しみと諦めの混じった演技、ディカプリオの、力ある物に屈して、飲み込まれていってしまう男の演技も素晴らしかったし、かつてのあの「怖いデニーロ」を久しぶりに見れたのもうれしかった。デパルマのアンタッチャブルを思い出させる剃刀シーンや、グッドフェローズと同じように法廷で指を指されてデニーロが睨み返す場面等、ニヤニヤして見てしまった。
その他にも法廷場面の意外な配役に、エピローグのラジオ番組、そしてまさかの本人登場という意外なメタ演出。オーセージ族の宗教観を表す様々な象徴的イメージや音の効果も素晴らしい。ボリューム満点で、いくつものレイヤーがある本作は集大成と言うにふさわしい大作だと思う。
大傑作
藤井風の「何なんw」が聞きたくなった
この映画のライブ感に痺れる!
血は軽くも薄くもなく、ただただ濃い。
3時間23分
IMAXで鑑賞する意味は特になし
スコセッシ監督作はもともと尺長めのものが多いが、前作アイリッシュマンに続いて今作も200分超えの3時間26分! まあ、岩井俊二に3時間使うならこっちだろうということで鑑賞(キリエに失礼)。マフィアだの詐欺師だの平気なツラして世の中に巣食うヤバいやつら(ホメ言葉)をいつものように描いていて、作劇を楽しむスコセッシ作品として長尺を飽きずに観届けられた。
ただ、今作はこれまでの監督作とちょっと異なる印象で、白人に蹂躙されるネイティブアメリカンの悲劇が物語に組み込まれていることにより、面倒見のいいおっさんの皮をかぶったデ・ニーロはじめ、待ってました!な連中が次々登場し悪行を働く一方で、モリーら先住民たちへの哀れみが並立していて、白人どもの非道ぶりを素直に楽しめない感じ。
それは歯並び悪くウケ口気味な顔面演技を続けたディカプーの、殺人まで犯してもモリーには変わらぬ愛を注ぐアーネストというキャラのどっちつかず感にも表れているような気もした。ただのボンクラといえばその通りだけど。
そんなわけで、今作では、FBI捜査官のジェシー・プレモンスが姉さん女房のキルスティン・ダンストの尻に敷かれる姿も勝手に想像しつつ、そっちを応援したくなってしまった。
ちなみに虫の声エンドロールは沈黙サイレンスの焼き直しだろうか。
ダメんずやらせたらレオ様最高ですww
帰省したタイミングで“ん10年ぶりに”両親と映画鑑賞✨✨✨
3時間超えの映画を集中し続けて観ることができるのか些か不安だったけど全く心配無し。終わってみたら『あれ?あっという間だったかも!』と。事件全般の後日談を後世で上演されている舞台という形でコンパクトに紹介してくれた手法にはマジ感謝😂(←)アレがなかったらさらに30分は延びたんぢゃない??)まぁ、あっという間体感だったけど、後から目や頭がズーンと重く感じてはいたけど💦💦💦
表向きは優しく慈悲深いイケおじデニーロを頼って戦争から戻った“調理場の”ヒーローレオ様。
善人の皮を被った狼と男の見栄とエゴを振りかざす典型的なダメんずがオイルマネーを手にしたネイティブアメリカン達を見下し(いや、ダメ男はただの女好きか😅)自分のものにするためなら殺しも『やむなし』といった具合にホント軽〜い感じでどんどんバンバン殺していくお話。
正直なところ、トレイラーで見ていた映像からストーリーは容易に想像でき、その想像の域を脱しなかったため、映画を見終わった後も「良かった〜、けどまぁこんなもんか。」くらいに思っていて、そのまま点数をつけたら恐らく3.6くらいだったかな。
でも鑑賞後にFilmarksの記事でこの映画に関するものを読んで印象が大きく好転💕
かつて実際に起きた事件を元に書かれた小説を原作として描かれたこの映画。元々は原作小説をなぞり、オセージ族の連続殺人事件とその事件解決にD.C.からやってきたFBIのミステリー作品的な脚本で、レオ様はFBIのトム・ホワイト役をオファーされたとか。でも、このストーリーの本質は殺人事件の解決よりもオセージの在り方やダメ男夫妻の愛の物語なんだと訴え、脚本の大幅修正を要求した上に自分がダメんず役を買って出たとのこと。
それを聞いたら映画全体の評価が格段に上がってしまい、気付けば4.4点🍀こーゆー記事を読むことも非常に重要なんだなーと気付かされる良いきっかけになりました😊💜
半端ないオープニングの高揚感とエンディングの余韻。
スコセッシの新作今年一番の期待作。
公開初日に駆けつけたかったけど、上映時間の関係と少しでも大きなスクリーンで観たかったので、一週間経ってしまった。
石油が噴き出してくるオープニングから、ディカプリオ、デニーロの登場、カーレスまで、ワクワクが止まらない。とんでもないものを観ているという高揚感が半端ない。
途中、いつものギャング映画みたいな展開になってきたけど。3時間が全然長く感じなかった。
最後のドラムの響きにのってのダンスの俯瞰から、エンドロールのドラム、雨音、虫の音、コヨーテの鳴き声、いつまでも余韻に浸っていられる。これがまだ3時間続いてもずっと聴いていられる(嘘です)。
アメリカ映画によくある登場人物の後日譚は、よくあるようにナレーションと写真・字幕くらいでよかったかも。ラジオ劇の製作場面風なのは面白かったけど、この作品には合ってないような気がする。スコセッシ監督が自ら最後持ってくくらいだからやりたかったんだろうけども。
それにしてもこの年齢でスコセッシはすごい。
ずっと画面に引き込まれてしまう。
マーベルは映画じゃなくてアトラクションだって批判したのも納得できる。(ジェーン・カンピオンが乗っかってきたのはどうかと思ったけど。)
心の中にいつまでも残る作品でした。
タイトルなし(ネタバレ)
20世紀初頭の米国オクラホマ州。
19世紀末に先住民族オセージ族の居留地内で石油が発見され、彼らは一躍、世界屈指の富裕層となった。
石油利権に白人たちは群がり、オセージ族の民には白人の後見人が必要な制度が作られた。
第一次大戦から帰還したアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)は、オセージ族の後見人で町の有力者である伯父ビル・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼って彼の地にやってきた。
ヘイルはアーネストに自動車運転手の職を世話し、アーネストは富裕オセージ族一家の娘モリー(リリー・グラッドストーン)と知り合う。
アーネストはモリーに恋心を抱くが、ヘイルはそれを利用してモリーの一族が有する財産・石油利権を奪おうと計画、アーネストもその計画に乗せられてしまう・・・
といったところからはじまる物語で、巻頭、オセージ族が石油を発見し、裕福な暮らしを手に入れたことが、短いショットの積み重ねで紹介されます。
この冒頭部分、食い詰めた白人たちが蒸気機関車で多数乗り付けてくるシーンなど、風俗描写も堂々としていて、大作映画感があり、「もしかして『天国の門』的な、米国暗部を堂々とした風格で描く映画かしらん」と期待が持てました。
が、ロバート・デ・ニーロ演じるヘイルが登場してからは、悪い奴らが自己の利益のために暗殺・謀殺を繰り返す、いつものマーティン・スコセッシ監督映画。
殺人も非情なタッチで描かれ、オセージ族側の描写も少ない。
ロビー・ロバートソンの、低く唸るような音楽が常に流れ、陰鬱な気分になってきます。
また、主人公のアーネストも、伯父ヘイルに言われるままに、自らの手で謀殺したり、暗殺者を手配したり、その上、ヘマをしたりと、あまりにも「出来ない男」。
モリーと子どもたちを愛しているのだけれども、ヘイルに逆らう気概もない。
まぁ言うなれば「ヘタレ」。
終盤30分ほどになって、ようやくヘイルに反旗を翻す気概を見せるのだが・・・
先住民vs.悪徳白人、アーネストvs.ヘイルといったわかりやすい対立軸がないので、ドラマとしては観ていてあまり面白い類ではない。
映画最終盤は、公開ラジオショウをかたどったエピローグで、スコセッシ監督本人が暗殺・謀殺されたオセージ族を含む先住民族へのレクイエムを述べるあたりは興味深いが、公開ラジオショウのことがわからないと何のイベントなのかしらんと疑問に思うかもしれません。
映画のタッチとしては『グッド・フェローズ』(鑑賞済み)に近いかなぁ。
異文化を扱った映画としては、『クンドゥン』(未鑑賞)と見比べてみたいな。
人種差別がテーマの犯罪ドラマ
オイルマネーを手に入れるために、インディアンの隣人を殺していくという本当に悪魔のような人間(白人)たちの物語。
白人がインディアン対して差別意識を持っているため、当時は金のためならインディアンを殺すことに大した罪の意識を感じなかったということなんだろうな。
実行犯が殆ど躊躇なくインディアンたちを殺すシーンはスコセッシらしい演出だけど、実際もこんな感じだったんだのかもしれない。
まぁ、オイルマネーが絡むと同族でも殺し合いになることはあるけどね。
インディアンを殺しても顔色ひとつ変えず、
最終的には自分の大切な人まで手に掛けようとする犯人が、自分の血を分けた子供が死んだ(殺された?)と聞かされたときに慟哭するシーンは滑稽の極み。
スコセッシ監督が描きたかったのはそこなんだろうなと思う。
デニーロの演技はお得意な役柄とはいえ、さすがの存在感。
ディカプリオはとても難しい役柄なんだが、完全な悪なのか、利用されているだけなのか、演技の方向性がボヤケてしまっていた感はあるな。
こういう内容の映画なんだから、中途半端に人間性や愛情を絡ませずに『インディアンなんて人間じゃねぇ』と犯人が偏っているくらいに振りきっても良かったのかもしれない。
事実ベースの作品で明確な謎解きも、意外な人が犯人とかのサプライズ的などんでん返しもなく、予想通りの範疇を超えない内容だが、それでも飽きさせないのは演出が上手いからなんだろうな。
宣伝内容に興味が持てた人なら観に行って損はないと思う。
生々しい
映画館にて鑑賞しました。
3時間を超える上映時間でしたが、つまらないなぁ、と思う部分はありませんでした。だからといって、短く感じたというわけでもありません。もう少し時間が短いといいな、と思いましたが、これだけ描いているとこうなってしまうのかな、とも感じました。
最初から事件の犯人が分かっている形で話が進んでいきますが、いつモーリーに魔の手が伸びるのか、とヒヤヒヤしました。
アーネストは心が弱い奴だなと思いますが、自分としては人間臭さを感じました。レオナルド・ディカプリオの演技もとても良かったな、と思いました。また、言わずもがな、といいましょうか、ロバート・デ・ニーロ演じるヘイルのオフィサー感はやはり尋常じゃないですね。
少し詩的な言い方をすると、インディアンの土地から採掘された石油に市場価値が付いてしまった瞬間に、先住民の文明・文化が資本主義の人間の欲望に飲み込まれる運命が決定づけられたんだなと感じました。このように書くとインディアンが一方的に弱者に感じますが、物語の端々に白人(資本主義側の人間)から見るインディアンの特性も描かれているように見えました。
石油だけがインディアンを追い込んでいったわけではないのでしょうが、彼らが石油を手にしていなくても、彼らの生活が残り続けたというビジョンも見えないのが少し切ないですね。
これは!
アメリカの「福田村事件」だ。しかし、根は更に邪悪で闇深い、何せ人間だと思っていないから。
奪い取る事に全く罪悪感が無い、銃が許されている、ダラダラ裁判社会。最後スコセッシは、ああいうエンディングにするのが当事者としての精一杯では無かったのか?
日本の話じゃないので「福田村」程ヒットしないかも。これも一つだけ、奥さん役凄く気品が有った。
やはりスコセッシ監督はスゴイ
円熟した俳優たちの素晴らしさ
マーティン・スコセッシ健在
206分もあるのに長さを感じなかった。マーティン・スコセッシ健在。
偶然見つけた油田のオイルマネーで潤ったネイティブたちが、あっという間に白人たちに搾取されて破滅に追い込まれる後味悪い話かと思ったら大分違った。
オセージ族がやられている描写が続いたあと、一転してFBIが介入して事件を追求する話になっていくのだ。
ディカプリオは、何も自力で考えない気弱で顔だけは良いクズ男アーネストなりきりで、相変わらずスゴい演技力。
デニーロは、元々が親切親身な篤志家良い人の体でも絶対裏があるだろ、と疑いたくなる風貌なので、この役はピッタリと思う。
金の為なら殺人も厭わず、だが自分の手は汚さない。そして甥すらも最初から抹殺する計画で利用するという真性クズ、というのに納得してしまう。
オセージ族は物静かだが頭が良い、と認めながらも、自分たちを凌駕するほどとは思いもせず侮っていた「キング」が、逮捕、裁かれる立場に置かれるのは気分が良い。
キングが侮っていたのはオセージ族だけでなく、自国の警察、司法、行政もだ。どうせ金の力でなんとでもできるという成功体験しかないのでずっとそのつもり。時代は変わったのだ。変えたのはオセージの女、モーリーだ。
次々と起きる残忍なオセージ族殺人事件に町の警察も行政も動かない。
さもありなんだが観ていて憤懣やるかたない。
連邦捜査局の捜査官たちが黒のT型フォードで街に現れたとき、「やったぜ!」と思うと同時に、インディアンであるモーリーの嘆願が連邦政府に聞き届けられたんだ!?(意外)と思った。(彼女の持つオイルマネーのお陰?とも思った)捜査官たちが形だけでなくぐいぐいと捜査を進め、キングとその一味を逮捕、裁判に持ち込んで、インディアンは案外公平に遇されている、と思った。
インディアンにも土地の所有権や掘削権、相続の規定など、白人同様に法で認められており、ちゃんと機能しているし、後見制度という理不尽なものがあったにせよ裕福で良い生活をしていた人もいる。
ただ虐げられた存在と思っていたイメージと現実は少し違うようだ。
そして、オセージ族のように、自分たちの「財産」を守れた人たちもいたことにほっとした。
インディアン迫害の歴史は周知のこととなって久しく、そろそろ、ネイティブのステレオタイプなイメージを現実に即して修正できる時期に来た、という判断が動いたかも。
マーティン・スコセッシ監督はそれをやってのけたようです。
ちっとも衰えていない旺盛な意欲に感心しました。
モーリーが気高く美しい。賢いし。
確かに自分を愛しているようだが、「私に何を注射したの!?」と問われて口ごもるような夫には愛想つかすよ。アンタなぁんにも自分で考えないわけ!?ってその場で叩き出しますね。
白人たちがKKKを隠そうともせず、陰湿な手法で先住民の利権を強奪していく
想定通り
なるべくちゃんと寝て備えたつもりだったが…途中何度か寝落ちしかけた。
それは想定通りで。汗
サスペンスだが、最近見ているドラマほどハラハラしないのが敗因かな。
さほどハラハラドキドキしない3時間は、長い。
ディカプリオ、役作り?大きくなったよね…。
簡単に相手が見つかるほどイケメン健在?
割と簡単に人を殺せる時代だったんだろうか。
計画も行動もあっさりで。
とはいえ、史実に基づいたものなので、観てよかったと思う。
観ている人は少なかったけれど。
全395件中、201~220件目を表示














