「享年50歳、殺人への言及無し」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
享年50歳、殺人への言及無し
かの『ロード◦オブ◦ザ◦リング💍』にも匹敵する3時間半の長尺。
トイレにもいかず、見届けることができたぜ❗️
とひと息ついたら、いきなりブ〜ンと蚊の羽音が左から右に…
え?秋の映画館なのになんで?
と思ってたら、エンドロールはすべてこの地域の環境から採取⁈(本当はこれも効果音の積み重ねかもしれませんが)したと思われる自然の営みの音で貫かれるため、否応なく想像力を掻き立てられます。個人的には石油とは縁の無さそうな『ザリガニの鳴くところ』の湿地帯が被ったりもして…
ラストのラジオ番組収録の人工的な効果音との対比が見事でした。
モリー、享年50歳。殺人への言及は無し。
オーセージ族の人にとって、〝白い人々〟の邪悪な精神も雷やハリケーンと同じ「自然災害の一種」という捉え方もある、ということなのだろうか。
ヨーロッパの中世から近代にかけての様々な発展経緯とは無縁だったアメリカ先住民にとっては、石油による富を得たことも受動的で、そこから派生する利権の継承とか奪取もさほど関心は無さそうだし(お金があるなら使っちゃおう)、そこに知恵を働かす利殖という発想も主体的には持っていなかったように見えました。白い人たちにそうさせられた、ということだとしても。
経済的利益に対して無垢で無知なアメリカ先住民。
経済的利益の追求に貪欲で小賢しい白い人たち。
ヨーロッパ諸国が第一次世界大戦(塹壕戦だけでも百万人単位で多くの若者が犠牲になった)で疲弊していた時に、アメリカではこんなことが起きていたのですね。
今現在もウクライナやイスラエルにおける不幸な状況で儲けている人の多くは〝白い人〟だと思うけれど、お隣の〝黄色い人たち〟にもかなり儲けている輩がいそうなのが、なんともやりきれなくて悲しくなってきます。
確かにデニーロはそうかも知れないですね〜
特徴的なニヒルな?笑顔は角度によって良い人にも悪い人にもみえる仕掛けつきのお面にすら見えてきます。
それにしてもアーネストの妻の妊娠を知ったときの一瞬の呆れた顔の向け方など細かやかにすばらい。
匠の技炸裂ですね。
あのタイミングの虫の音、リアルでびっくりしましたよね。
私も顔をぶるぶるっと振りました。
それにしても、おっしゃるように
汚れた搾取の歴史は終わらずなのですよね😢
コメントありがとうございます。
エンドロールの虫の羽音がこっちに向かって飛んでくるんじゃないかというほどリアルで、映画館の音響すごいなあと思いました(笑)。
次の鑑賞の前でも後でも、原作はオススメです! 私はかなり理解の助けになりました。