哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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この映画に出会えて嬉チーズ
天才外科医のゴッドによって蘇ったベラは、体は大人だが知能は幼児レベルという女性。
ゴッドの屋敷で大切にされてきたが、人と関わり知識を増やしていく中で外の世界を見てみたいと思うようになる。
ゴッドの助手のマックスと婚約することになるベラだったが、婚姻届の作成のためにやってきたダンカンという弁護士と急遽駆け落ちしてしまう。
リスボン、アレクサンドリア、パリと世界各地を転々とする中で、彼女は着実に1人の女性として成長していき……
やっと観れた。
大好きなヨルゴス・ランティモス監督の楽しみにしていた最新作。
今作もただの女性の成長物語では終わらないトガった作品ではあるが、今までの作品とも明らかに違う雰囲気。
ここまで解放へと向かうハッピーエンドは初めて。
独特の世界観であったり、性に奔放なベラの人間性だったり、勿論異色さも十分感じるのだが少々毒が足りないようにも。
これはこれで良いが、今までのヨルゴス・ランティモスを期待して行った身としては少し複雑な部分があった。
とはいえ、相変わらずセンスの光りまくる映像には驚嘆させられたし、ストーリーもかなり面白く、好きだと大きな声で言いたくなるような映画だ。
手術を受け、全く新たな人間として生まれ変わったベラ。
世の中を学び、性に目覚め、世界に出て、色を見る。
そして永き旅を経た彼女は、人を知って、自分を知る。まだまだ彼女の旅はこれからも続いていくだろう。
人間は哀れな生き物だ。
欲のままに行動して失敗し、それを繰り返す。
だがそれは同時に、探求し続けることのできる生き物だということ。
知的好奇心の塊である我々は確かに“哀れなるものたち”なのかもしれないが、全く新たな世界へ踏み出せる力を持っている。そうやって人類は今日まで繁栄してきたのである。
今作はそんな監督なりの人生讃歌、人間讃歌のようにも感じられた。
新感覚のフェミニズム映画とも言えるだろう。
男を下劣な存在とただ貶すのではなく、男女の性を分けて描きつつも性別に縛られずに女性が勝利を掴み取る物語として描き切っているのがとても好感。
過激なシーンも難なくこなしたエマ・ストーンがプロデューサーとして作品に大きく関わっているのもまさに象徴的だ。
前作でヌードを自ら提案したエピソードも好きだが、今回もより攻めの姿勢が伝わり、女性としての芯の強さを感じてかなり好きになってしまった。
人体改造という倫理的に難しいテーマでありながら、珍しくかなりソフトに仕上げてある。
ゴッドの一連の行動は正しかったか?という点は一概には言えないが、否定したくないどころかそこに愛を感じられた。
前夫のアルフィー以外、みんな人間味に溢れていてなんだかんだ愛すべきキャラクターたちなのだ。
笑えるシーンが多かったのも印象的。
特に「3つのことだけ言うんだ」のシーン、恒例のヘンテコダンスのシーン、娼館でのおかしな客たちとのやり取りは声出して笑ってしまった。
ラストシーンのカタルシスも最高だった。
今年のアカデミー賞では11部門にノミネート!
頼むから何かしら獲ってくれ。
今年のオスカーイチオシです。
ヨルゴス・ランティモス監督作暫定ランキング
1.籠の中の乙女
2.聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
3.ロブスター
4.哀れなるものたち
5.女王陛下のお気に入り
ヨルゴス監督の計算された奇妙な物語とエマ・ストーンの怪演
好みが分かれる作品だと思いますが私はジャストミートでした。 Emm...
好みが分かれる作品だと思いますが私はジャストミートでした。
Emma Stone をはじめ、出演者の素晴らしい演技、美しい映像、衣装、個性的で耳に残る音楽 etc. R18指定ですが嫌らしさを感じません。ラスト以降の Bella の成長が気になるところです。
ウィレムでフォー!
ランティモス監督の前作、女王陛下のお気に入り同様、ゴージャス感のある画面作りがみごと。女性の解放や自立をテーマに描く展開に難解さはなく、なんの制約なしにゼロから世界を捉えていくベラの姿が見どころなのだが、売春においてさえ自由奔放にふるまうに至っては、さんざ熱烈ジャンプしてきた彼女を自らの所有物としておきたいダンカンの気持ちもわかってしまって、オレも結局、哀れなるものかと思ったりした。
マッパまで披露するエマ・ストーンの女優魂を感じたけど、序盤、蘇生して未熟な状態のベラが、個人的にはちょっと市川実日子に見えなくもなく…。一方、ゴッドウィンのつぎはぎ顔はウィレム・デフォーの元顔か?と思えるほどマッチしていたが、口から吐き出すシャボン玉が破裂するとめっちゃにおいそうな気がする。
私には必要ない映画
世界観の割に物語は典型的だし、まあ女の子がよく考える事を何やら難しい言葉で説明・解説してるだけ。私には何も響かなかった。
独特なカメラワークも最初は興奮するけど、すぐに慣れるし、可愛い世界観がただの背景になってるのが、ティムバートンとの違いかなと。グロさとエロさを和らげる為じゃないはずなのに、そうとしか捉えられないほど世界観が機能不全。
『Barbie』の方が面白かった!
物語展開はぐっちゃぐちゃで、でもワクワクさせてくれて、女の味方も男の味方もしない、現代の問題扱いながらもっと根本的に、そして簡潔に、「君が生まれてきてくれて嬉しい!」って、言ってくれるから、なんか映画が友達みたいに側にいてくれて嬉しくなる。
でもこの映画は偉そうなおじさんって感じ。友達にはなれない。
船の上で叔母さんと紳士がベラに世界を教えてくれるところは楽しかった!
でも下の世界を見て子供が埋もれてるのは、もうこの映画に慣れてる私たちからすれば何もグロさがないし、ベラの妊婦設定と関連づけての子供の死体の描写なんだろうけど、やたらあそこ手抜きすぎじゃ無い?人が遠くからで人形みたいに見えるしカットも短いし、死んだ子供の顔とか見えないし、そんなんであんなに絶望されても、、え、逆に「ベラのいた研究室などの世界の方が残酷だ」って事?
ベラを好きになれないのも、この時代を生きる女の子である私にとってベラは必要ないからだと思う。
普遍そうに見えて、意外とそうではないんだよねこの映画。
今の私には全く必要のない映画でした。
真理
意味深きもあり感動
体は大人、中身は子供な人間の成長物語。(どこかで聞いたことがある反対バージョンですね)
体は大人だから故に周りの人間関係や秩序を知る前に知らなくてもいい大人の悦びを先に知ってしまう。
すべての知識の蓄え方が順序が逆。そして世間知らずをいい事に利用しようとする男等。
けどね、、、お金を使わせるだけ使わせて感謝の言葉やお礼もなく捨てられた男性には気の毒としか言いようがない。。。ナムwww
高級客船でたまたま出会えたご婦人に本から得られる教養の喜びを知るが、ご婦人と同船している男性にそれも邪魔されそうになる。
だが、そんな魂胆も感じる事なく(感じる能力がない)直球で受け止めた本人は、教えてもらった事の全てを素直に受け止めて感じたままに行動する。もうほんとハラハラもの。
最終的には自分の目標を見つけて全ての人を進化させる(助ける)技術を持ちたいと医師を目指す。
「あなたはヤギ以下の人生だったからヤギくらいからやってみて」というオチはちゃんとありましたwww
ヤギも進化できるし。
感じ方は男性、女性、さらに年代によって、また何度か見返す度に全く感想が変わりそうな気がしますね。いろんな方の感想に興味が湧いてきます。
素晴らしい作品でした。
ヨルゴス・ランティモス こ〜わ!!
米アカデミー賞に大量ノミネートで
俄然注目度が上がってますね。
お腹に子供を宿したまま自殺した直後の女性を
天才外科医が発見したものだから
胎児の脳を女性に移植する事で命を救う。
大人の身体に子供の脳を持つ女性が
この世界を知り成長して行く過程を
大人の寓話的に描いた本作。
こういう映画こそ、映画館で観なくてどうするよ!
画面の隅々までコリに凝った美術と背景の素晴らしさ〜〜
もちろん役者陣の演技も素晴らしい〜
絶対絶対映画館でご覧ください。
で、月に8回位映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
私が初見後、瞬間に感じたのは
ヨルゴス・ランティモス こ〜わ!
なんちゅう世界観、なんちゅう映像表現。
人間の頭っちゅうのは、
こんなに飛んでもない所まで
想像を膨らませられるものなのだなぁ〜。
それと今更ながらエマ・ストーン ス〜ゲ!
大人の体に赤ちゃんの脳を移植された主人公のベラは
通常ではあり得ないスピード感で成長して大人になって行きます。
その変化を見事に演じ分けるエマ・ストーン
唯一無二の映像世界とエマを観るだけでも超お値打ちです。
様々な社会の局面に触れてと女性の在り方、
人としての在り方に急速に目覚めてゆく主人公ベラと
関わりを持った男たちのあまりにも自分勝手な行動が
対比を成して、どんどん男達が滑稽に見えてくる。
特に最後の最後までクソ野郎を演じたマーク・ラファロ!
まさか「アベンジャーズ」で、自身の境遇に悩みながらも
最後はそれを受け入れ、ご陽気な緑の巨人に変貌した人が
こういう役をやるんだな〜〜。
役者さんて凄い!!
この話は所謂「フェランケンシュタイン」の女性版的な
話でもあるのだけど主人公のベラは、まだ脳が子供の時代
父代わりであるウィレム・デフォー演じるゴットウインに
深く愛されていた。
幼少期にしっかり人の愛を受ける事の大事さが
「フランケンシュタイン」の中の怪物が誰からも愛されず
不幸な道を歩んだ事と対比を成していてとても興味深い。
見応え十分です。
ベラの気持ちわかるぞ!!
成人女性の体に赤子の脳を移植してできたクリーチャーベラ。
赤子から目まぐるしく成長していきます。
本作ファンタジー感というか非現実感がすごいんですが、
ベラが出会う男性がめちゃくちゃリアルであぁこういう男性いるよな~
こういう男女のケンカしたことあるよな~
の連発でした笑
とても印象的だったのは婚約者のセリフ。
ベラにセックスワーカーとして働いてたことを気にしないのか尋ねられた時、
君と他の男性が時間を一緒に過ごしたことには嫉妬するけど、君の身体は自由だから。的なことをおっしゃります。(曖昧なので正確じゃないかもです💦)
それを聞いたベラは彼との結婚を決意します。
わーこれすごく共感だなーと。
本物の愛とは束縛し、行動を制限することではなく、
相手を信じ自由にすることなんだと。
これはベラが冒険して色々な男性と出会った末に出した結論であって、
あのまま旅に出なかったら、このような愛の形にならなかったのかな~と感じました。
ダメな男を好きになって、散々な思いをした挙げ句わかることってありますよね!?
本当それなーといった感じでした笑
個人的には物語も飽きずに見れますし、エマストーンが好きなので
彼女も制作に関わってることが理解できる作品できたので、
見て絶対に損はない傑作だと思いました。
気になっている方、迷ってる方は
是非見に行ってほしいです!
グロテスクで美しい、珍妙で創造的
グロテスクで珍妙でありながら、とてつもなく創造性にあふれ、美しさに目が釘付けになる。
ヨルゴス・ランティモス監督はモラルに相反するとてつもない問題作を作った。
2時間半近い時間はあっという間だ。それほどこの世界にのめり込んでしまう。
ある問題から主人公のベラ(エマ・ストーン)は身投げをしてしまう。(理由はのちに判明する)
しかし、マッドサイエンティストのゴッドウィン(ウィレム・デフォー)に救われる。
しかし、妊娠していた胎児の脳を移植するという人体実験だったのだ。
ベラは見た目は同じだが完全に生まれ変わったのだ。
この映画を端的に表現すれば、生まれ変わったベラの幼児から大人への成長譚だ。
美しい大人の女性の姿形は男達の羨望の的。
ある時、出会う好色弁護士のダンカン(マーク・ラフェロ)の誘いで冒険旅行に出てしまう。
中身は幼児で常識も道徳心も何もないのでそこで出会う大人たちを本音でぶったぎる。
なんとも爽快だ。
食べて、寝て、セックスをする。体は成人女性だが知能は胎児なので生理的欲求を抑えられないのだ。
だが、リスボン、アレキサンドリア、パリを巡る旅で様々な人と出会い、世の中の不条理を体験し目覚ましく成長する。
成長し旅から戻ったベラはどうなっていくのか・・
人間とは一体何なのか。ランティモス監督は人間の本質を探求している。
モノクロとカラー、魚眼レンズなどを駆使するロビー・ライアンの撮影が素晴らしい。
前衛音楽のような音楽も世界観を見事に表現。
ファンタジーのような美術造形は夢と現実の世界を曖昧にする。
ベラの狂気を表現したような衣装も素晴らしく、総合芸術としての映画の完成度がとてつもなく高い。
しかし何と言ってもエマ・ストーンの捨て身の演技が素晴らしい。
2度目のアカデミー主演女優賞は確実なのではないか。
カップルで観ることはお勧めしないが必見の傑作。
これは衝撃的!!
男漂流記
子供が最初は色々なことを教えてくれるお兄ちゃんと旅をして生の喜びを教えられる。
少女で知識を得て自我をもつ、大人になって売春で色々な男を知る(下手な男が多いいことを学ぶ)。
そして最後には父の元へ帰り、そこで自分のルーツを知ってDV男の元へ行くが挫折。
最後は真面目で自分を見捨てないでくれる男と結婚。父親と真面目な男がいいねって作品だと思っている。
内容は平凡だけど見せ方を頑張っていたイメージ。
みなさん演技が素晴らしい。
映像は及第点だが、途中に挟まる章のタイトルの映像が素晴らしい。セット感があまりにも強くて疲れる時もあった。もう少し美術は頑張ってほしい。
ギャグもなかなかいい。笑いどころで誰も笑わないので少し見ていてキツかったが、もちろん作品に責任はない。
最後にバケモノと呼んだ父と同じ道を選ぶ子という状況も良かったね。
ベラの冒険と成長の物語
なるほどアカデミー賞
なるほどアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるだけのことはある。エマ・ストーンさん頑張ったね…。何故18禁なのかというと、これでもかと性的行為のシーンが出てくるからと思われる。「え?こんなにオープンな話なの?!」と序盤から驚いたが、先行き見えないストーリーに思わずのめり込んでしまった。
人間の愛、欲望、暴力、醜さ、愚かさをありのままに表現し、本能に問いかけてくる。果たしてこれは神に許されることなのか?最後まで分からなかった。ベラを造った医者は、自分のことを「ゴッド」と呼ばせる。
衣装はアカデミー賞受賞しそうな勢いでお洒落だった。映像もモノクロとカラーが入り交じり、色の配置も美しかった。個人的にはフォントも好きだった。
周りの観客が話すには「めっちゃイギリス映画」「男のひとは気まずいかも、女性同士が良いかも」とのこと。なるほど…。
マーク・ラファロがかなり良い味を出していた。もともとマーベル作品で知っていたのだが、今作の個性的で迫真の演技にとても驚いた。
芸術品を眺めているような、リッチな時間を過ごせたように思う。
良作だが、人物像が極端な気も
ベラ・バクスターの冒険 面白かった!
エマのとりこ
時間と金を無駄にした
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