哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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哀れなるものたちとは
「哀れなるものたち」とは、「良識」や「社会」に縛られた人たちのことだ。
ベラは、好きなものを好きと言い、嫌いなものを嫌いと言い、自らの欲求に正直で、好奇心が旺盛で、真実を知ることを恐れず、人の善を信じ、世界が良くなるように努めている。そこには一点の曇りもない。ベラはいつも満ち足りている。
とはいえ、ベラの作った世界(ゴッドの作った世界)もやっぱりいびつで異常だ。
まだまだ成長途中のベラが行き着く世界は。
ストーリー、世界観、美的センス、最高。
評判通りの傑作である。いかにも実際、昔あったかのような怪しい医学を軸に奇想天外のストーリー、ブルジョア風俗もゴージャスに再現、風景や世界観がスケール大きく描かれ、美的センスは衣装からエンドロールの背景に及ぶ。人間性とは倫理とは何かという、いささか哲学的なテーマとともに、明け透けなセックスシーンも入れた娯楽性もある。ヴェネツィアで金獅子賞も納得、恐れ入りましたという感じ。最初は奇怪なベラが、この映画を見終えた後は誰もが好きになる。
哀れなるものたち
哀れなるものたち
最高だった。
心を揺さぶるものって感動とか、感情移入とかじゃなくてもできるんだと知った。何か見てはいけないものを見ているような、見たくないものに目をそめたくなるような体験。人が人の形をしていなかったり、人間のあるべき姿ではない何か奇怪なものは、気味が悪く、かわいそうに映る。そういういけないものを見ている背徳感は、人間の重要な感情なのだ。だからこそ、ベラの周囲の人たちは平気でいられるのだ。だからこそ、哀れなるものたちなのだ。
①『生の感情』はあったか
おそらくこの映画で1番重要なのがこれ。胎児のような頭脳を持ち大人の体をあやつる、いわゆる「逆コナンくん」のベラは、まさに生の感情の権化。全ての意思表示が生の感情であり、それを抑える術を持たぬ。だからこそ純粋で、愛しく思えてくる。やはり我々観客は、生の感情が爆発するものに共感を覚え、この世界の社会的抑圧から解放されることを願っているのだろう。
②緊張感はあったか
特段、特筆するような緊張感のあるシーンはなかったように思える。それがこの映画がエンタメでない理由だろう。もっとエンタメ性を出すのであれば、ベラの行動がきっかけで命の危険に晒されたり、誰かを殺してしまいそうになったりするが、どちらかというとこの作品はそういう緊張感のあるシーンすらもコミカルに描いている感じがした。だからこそ、ベラに対して嫌な印象を持たず、終始感情移入できたのだろう。
③「謎」はあったか
これはなかった。ほぼなかったと言っていい。この作品は、1人の人物を追っていく物語で、ベラという少女の成長を追っていく物語だった。不必要な要素だと思う。
成人女性の体に胎児の脳を移植して誕生した、見た目は大人で頭脳は子供の少女、ベラ。彼女は、子供ならではの自由奔放さから、ベラを創生した父親代わりのゴッドに半ば監禁されていた。
その事実を知った遊び人のダンカンは、ベラをリスボンに連れ出し、外の世界の冒険をさせる。ベラはそこで出会うさまざまな人間や世界に触れ、だんだんと成長をしていく。しかし、まだ未成熟の彼女の行動により、ダンカンと共に破産し、パリに置き去りになってしまう。
そこで彼女は、自身の性的好奇心と金銭的危機を考え、娼婦になることを自ら決める。
そうした中、ゴッドの危篤を知り、帰ってくるベラ。そこで彼女は、自らの出生の真相を知り、やがてゴッドが死ぬと、医者になることを決意するのであった。
24-015
ディズニーでR18+、
そういう事なんですねぇ。
趣味の悪い設定に奇怪な生き物、
そしてモノクロ。
しんどい始まりだなぁと思っていると、
成長と向上のお話。
なかなかええやんと思っていると、
食欲と性欲の話、そして支離滅裂。
終始よくわからん。
フランケンシュタインとピノキオに
何が足されたようなお話し。
寓話で啓示のような、ないような。
まあ、
エマストーンの表情だけで満腹です😅
オトナの童話
女フランケンシュタインの怪奇路線モノかと思い観始めたけどラストに向かいエマはもう成長していくしなかなか面白かった。
画が独特の色調、ウィレム・デフォーのメイク良いし、エマの脱ぎっぷりも良いし。オトナ向けの童話で好きだわ。
ブッ飛んだけどスゴイ映画と言うしかない
ぶっ飛んだ、スゴイ映画を観てしまった…という感想です。あくまでもいい意味で。
数々のR18指定の映画はあれど、
ここまで真っ向から描かれると
それは、食べたり眠ったり…といった人間の日常の行為と何ら変わりません。
そればかり注目されがちですが、
人はこうやって成長していくのか…とまじまじと考える
真面目で、でもシュールな映画だと思いました。
1人の女性の驚くべき成長と純真無垢な様を前にして
「哀れなるものたち」は
ひれ伏すしかありません。
主人公ベラも、演じたエマ・ストーンもあっぱれ、です。
エマ・ストーンというと
私はずっとラ・ラ・ランドのイメージを引きずっています💦
もし、あの映画の中で、最後は有名な女優になった設定のミア=エマ・ストーンの人生が続いているとしたら、
相手役を演じたライアン・ゴズリングは、
「ミア、君はなかなかスゴイ女優になったんだね…」とつぶやくことでしょう。
まあよくこの役を引き受けたし、
製作側にも加わっているそうです。
本能と理性と感性を刺激する一作
公開を楽しみにしていた一作。
奇作でアート的な作品かと思いきや、中身はわかりやすい作品ではあった。
しかし、いい意味で期待を裏切られた。
奇抜な設定から、しっかりと人間の本能と、社会性と愛が新しい視点で描かれており、斜め上の行動をするベラから目が離せなかった。
セックスシーンだらけではあるが、最初は微笑ましくなるが、だんだんと生々しく、重くなってくる。人間が生きるのに性が深く結びついており、人間たらしめることが改めて感じさせられる。
体当たりで演じたエマ・ストーンにただただ脱帽である。
社会性を学んでいく過程でのさまざまな登場人物も癖が強くも魅力的である。
そして、不協和音と優美だが禍々しくもある、こだわり抜いた美術も長い映画を飽きさせない。
最後は丸くおさまってしまった感はあるが、人間の期待と怖さを感じるベラであった。
好き嫌いはあれど主演女優賞レベルです
予告CMをみた時は生理的に苦手かも…と思いましたが、解説やレビューをいくら読んでも作品のイメージがわかず、結局は気になって自分の目でみに行くことにしました。
フランケンシュタインでもマイフェアレディでもなく、もっと単純な成長物語のように感じました。性的なシーンが多いですが、動物的で色気がなく、あぁ人間も動物だわという気分になります。
かなりファンタジックで非現実的な衣装や装置、演出があまり私の好みではありませんでしたが、とにかく主人公を演じたエマ・ストーンから目が離せず、ベラが次にどうするのか、どうなるのかが気になって見守ってしまいます。いかに彼女が真剣に役や作品に向き合い、全身全霊をささげて演じているのかが見て取れて感動しました。
くせの強い内容で好き嫌いが分かれるとは思いますが、たとえ映画自体が嫌いでも、この演技はアカデミー主演女優賞レベルではないでしょうか。
ヨルゴス・ランティモス × エマ・ストーン
これは今年のベストワン候補となる傑作。
自ら命を絶った身重のベラ。天才外科医によって自分の胎児の脳を移植され蘇生した。
そう、これは新生児の脳と大人の体を持ったベラの成長記。無垢だからこそ、偏見がないからこそわかる物事の本質。
例えば性欲は食欲と同じように自然に存在するもの。なくてはならない大切なものなのに何故に恥ずべきもの、包み隠すべき存在になってしまったのだろう。
何の先入観もなく善し悪しを判断するベラ。
ここに清々しほど明確な哲学がありました。
美術も好きだった。好きな世界観を形成した。あり得ない世界で、作り物の世界で真実を模索する。久々に「映画は映画である」と叫びたくなった。
とんでもないムービー
これはとんでもなく面白い映画でした。
とんでもない実験で生まれたとんでもなく魅力的なキャラクター。
フェミニズ厶などのメッセージもありますが、主人公の成長物語として単純に楽しめます。
しかしエマ・ストーンの演技はとんでもなく素晴らしかったです。こういうハリウッドスターの体当たりの演技を見ると、日本の人気女優はとても敵わないなと思ってしまう。
とっても文学的
こういう小説があれば大好物と思ってたらハヤカワepi文庫で原作出てるんですね。早速購入して読んでみようと思ってます。
赤ん坊の知能、大人の肉体。彼女に常識なんて言葉は存在しない。不味いものは吐き出す。気に入らないものには暴力も辞さない。自分の欲望を満たすために駄々もこねる。お金と肉欲のために身体だって売ってしまう。気持ちいいことして何が悪いの?欲望、好奇心の思うままに何でも試してみる。それがベラという女。
物語が進むにつれ、赤ん坊が子供になりそして大人になるようにベラも成長していく。その過程も面白い。
『ベラ・バクスター』の世界を知る冒険
主役の『ベラ・バクスター』を演じる『エマ・ストーン』は
自身がプロデュースも兼ねる熱の入れよう。
それだけ本作の映画化を強く願ったということだろう。
そこで魅せるのは役者魂。
〔女王陛下のお気に入り(2018年)〕より更に過激に。
よくみればレイティングは「R18+」とされており、
予告編でもその類のシーンは一切無かったので
かなり虚を突かれた思い。
もっとも、余禄として嬉しくはあるのだが。
とは言え本作のテーマは女性の自立と解放。
型や枠に嵌めようとする社会や世間、
なかんずく男性からの。
綺麗ゴトを言い、
最初は自由に振る舞わせていても、
次第に束縛が強くなるのは、ありがち。
または最初から
女性を自分の所有物としか思わない者まで。
そこからの解放が終幕に向け、
うねるように紡がれる。
本編は若い女性が橋の上から身を投げるシーンで始まる。
彼女が次に目覚めた時には、
全ての記憶はおろか、脳もまっさらの状態。
そこから、驚異的なスピードで
しかも貪欲に知識を吸収する。
そこで再び『エマ・ストーン』の演技の素晴らしさである。
とりわけマリオネットのようなぎくしゃくとしたムーブと、
舌足らずのしゃべり方、
好奇心丸出しの表情も、観客を圧倒。
劇中ではそれを蠱惑と捉え、
入れ込む者が現れるのも納得なほど。
一旦死んだ『ベラ』を再生させたのは
医学者の『ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)』。
彼の風貌は『フランケンシュタイン』が生み出した
『Frankenstein's monster』のよう。
それは彼もまた、父親から虐待に近い抑圧を受けて育ったことの結果。
しかし自身が生み出した創成した女性には『ベラ』との名を付け、
先のクリチャーが最後まで名無しの『?』だったことに比べ雲泥の差。
既にして、ハッピーエンドは約束されていたのだろう。
カラダそのものは最初から大人の姿。
一方で精神は幼いまま。
最初は子供らしい残虐さが
次第に憐みの心と共に
他人に感情移入できるまでに成長を遂げる。
その過程がユーモラスなエピソードで語られ、
観る側は思わず哄笑してしまう。
舞台の設定は「ヴィクトリア朝」を模したロンドンも、
建造物や交通機関や医学技術は時代を超越。
そんななか、幾多の失敗も繰り返しながら貪欲に知識を吸収、
セルフプロデュースもしていく主人公の姿は
現代に生きる我々の目から見ても
ほれぼれするほどのロールモデルかもしれない。
ただ寓話としてみた時には
〔ピノッキオの冒険〕の近しい
ストーリーと印象を受けもする。
導く人物により、
人はどうにでも染まる、との。
世界観は面白いが
ストーリーはエロが多すぎて、ややお腹いっぱい。訳が分からない世界観だけど、一応、蒸気機関で動いている乗り物が可笑しい。徐々に成長していくエマ・ストーンの演技は凄い。ハルクのマーク・ラファロがこんな役でもやるんだとビックリ。
哀れなひとたち 96点
いや〜これはすごい作品でした。面白くはないが凄い作品。まずは主演エマ・ストーン、そして監督がとにかく凄い。エマ・ストーンの演技、まるで子供かのような演技するのに苦労したんだろうなぁと思うぐらいぎこちない感じがまた不気味である。
また好奇心の塊の様な主人公なのでいまの現代人も見習わないといけないかもしれない。
そして監督もまた新たな変人監督を見つけた感じ。ベネデッタよりも変態監督かもしれない。
編集について、前半は画面がモノクロ、後半からカラーに変わり主人公の世界観が変わるという意味なのか分かりませんが、面白い見せ方だなと思いました。
ただ長すぎなのかなぁと思ったのでマイナス点数。
とにかくセックス!セックス!セックス!金!セックス!ずっとアクション映画ばかり見ていたのでたまにはイカれた作品観ると面白いですね!
エマの将来を(勝手に)心配…
La La Landで好きになったエマ・ストーン。
これからの女優人生が心配になるほどの、さらけ出しっぷり。
胸チラくらいならまだしも…。
ということで、この作品は問題作です。
エマ・ストーンの将来を(勝手に)憂いてます。
アカデミー賞主演女優賞は間違いなし!
ですが…
女性解放ですか?これ
最初のシーンに 人造動物が出てきた時 何か嫌な予感がしましたが 的中!
ヨチヨチ歩きなのに 性には目覚めるって?
ラストシーンは やはり そうなりますよね?
耳障りな音のBGM に 奇妙な動物 夢に出てきそう!
久しぶりに胸糞悪い映画でした~
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