哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
全656件中、401~420件目を表示
とんでもないムービー
これはとんでもなく面白い映画でした。
とんでもない実験で生まれたとんでもなく魅力的なキャラクター。
フェミニズ厶などのメッセージもありますが、主人公の成長物語として単純に楽しめます。
しかしエマ・ストーンの演技はとんでもなく素晴らしかったです。こういうハリウッドスターの体当たりの演技を見ると、日本の人気女優はとても敵わないなと思ってしまう。
とっても文学的
人生謳歌
R18指定で奇想天外な話しだけど、ただの
所有物とされ感じてきた主人公ベラ・バクスター
は飛び降りを。
科学的実験も大好きな医師、ゴッドにより蘇生。
胎児の脳を移植され生きて行くお話。
行動、言動やシーンもかなり枠外ではあるが
徐々に知性と感情を身に纏っていくベラ。
自由を手に入れる為に出た冒険の旅立ちが
自分自身を築いていき、人生謳歌をしていく。
そして物扱いをしていた男性達を蹴散らす。
男性社会の権力により社会追放を受けてた時代。
性に対して自由な欲望を吐き出せなかったフェミニズムを主張してる感じもする。
エマストーンの陰と陽の演技は凄かった。
不協和音は頭がクラクラする程の余韻が
あり、心に残る色彩と世界観。
所有物では無く自由の権利を訴える。
男の支配力は哀れ。
哀れなものは誰だったのかを突き付けられた
映画でした。
『ベラ・バクスター』の世界を知る冒険
主役の『ベラ・バクスター』を演じる『エマ・ストーン』は
自身がプロデュースも兼ねる熱の入れよう。
それだけ本作の映画化を強く願ったということだろう。
そこで魅せるのは役者魂。
〔女王陛下のお気に入り(2018年)〕より更に過激に。
よくみればレイティングは「R18+」とされており、
予告編でもその類のシーンは一切無かったので
かなり虚を突かれた思い。
もっとも、余禄として嬉しくはあるのだが。
とは言え本作のテーマは女性の自立と解放。
型や枠に嵌めようとする社会や世間、
なかんずく男性からの。
綺麗ゴトを言い、
最初は自由に振る舞わせていても、
次第に束縛が強くなるのは、ありがち。
または最初から
女性を自分の所有物としか思わない者まで。
そこからの解放が終幕に向け、
うねるように紡がれる。
本編は若い女性が橋の上から身を投げるシーンで始まる。
彼女が次に目覚めた時には、
全ての記憶はおろか、脳もまっさらの状態。
そこから、驚異的なスピードで
しかも貪欲に知識を吸収する。
そこで再び『エマ・ストーン』の演技の素晴らしさである。
とりわけマリオネットのようなぎくしゃくとしたムーブと、
舌足らずのしゃべり方、
好奇心丸出しの表情も、観客を圧倒。
劇中ではそれを蠱惑と捉え、
入れ込む者が現れるのも納得なほど。
一旦死んだ『ベラ』を再生させたのは
医学者の『ゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)』。
彼の風貌は『フランケンシュタイン』が生み出した
『Frankenstein's monster』のよう。
それは彼もまた、父親から虐待に近い抑圧を受けて育ったことの結果。
しかし自身が生み出した創成した女性には『ベラ』との名を付け、
先のクリチャーが最後まで名無しの『?』だったことに比べ雲泥の差。
既にして、ハッピーエンドは約束されていたのだろう。
カラダそのものは最初から大人の姿。
一方で精神は幼いまま。
最初は子供らしい残虐さが
次第に憐みの心と共に
他人に感情移入できるまでに成長を遂げる。
その過程がユーモラスなエピソードで語られ、
観る側は思わず哄笑してしまう。
舞台の設定は「ヴィクトリア朝」を模したロンドンも、
建造物や交通機関や医学技術は時代を超越。
そんななか、幾多の失敗も繰り返しながら貪欲に知識を吸収、
セルフプロデュースもしていく主人公の姿は
現代に生きる我々の目から見ても
ほれぼれするほどのロールモデルかもしれない。
ただ寓話としてみた時には
〔ピノッキオの冒険〕の近しい
ストーリーと印象を受けもする。
導く人物により、
人はどうにでも染まる、との。
世界観は面白いが
哀れなひとたち 96点
いや〜これはすごい作品でした。面白くはないが凄い作品。まずは主演エマ・ストーン、そして監督がとにかく凄い。エマ・ストーンの演技、まるで子供かのような演技するのに苦労したんだろうなぁと思うぐらいぎこちない感じがまた不気味である。
また好奇心の塊の様な主人公なのでいまの現代人も見習わないといけないかもしれない。
そして監督もまた新たな変人監督を見つけた感じ。ベネデッタよりも変態監督かもしれない。
編集について、前半は画面がモノクロ、後半からカラーに変わり主人公の世界観が変わるという意味なのか分かりませんが、面白い見せ方だなと思いました。
ただ長すぎなのかなぁと思ったのでマイナス点数。
とにかくセックス!セックス!セックス!金!セックス!ずっとアクション映画ばかり見ていたのでたまにはイカれた作品観ると面白いですね!
無知な美女を愛でたい男VS自立したい女
面白かった!というよりも、現代においてもまだ女ってこういう扱い受けがちだよね〜(苦笑)ってなりました。もちろん、苦笑で終わらせてはならないんですが、嫌がる男性は居そうとも。あとマンスプ気味な(特に)男性からすると絶対面白くないし意味不明だろうなとも思いました。
開幕手術シーンがあったりしてウワと思ってたんですが、最後はめちゃくちゃ集中して見てたので星4.5。満足度はめちゃくちゃ高いんですが、グロテスクなシーンがあるので-0.5にしてます。
煌びやかな無知無知大冒険だと思って見たら寧ろ真逆で笑いました。というか予告の段階でアッこれは違うやつだ〜…ってなってました。
めちゃくちゃざっくり言うと、前世から男に散々振り回されまくった女が自立する話、という感じ。
自立してほしくなくてもがく男たちが滑稽でした。いるよね、女が自立してるのを嫌がる男。
時代設定が謎
でも多分そこに重きを置いてないんだろうなというのもわかる。たぶんこれまでずっとこうで、これから変えていかねばならない主題だからね。
あと急に手術のシーンやセックスシーンが出てくるのでびっくりしました。血みどろが苦手な人は気をつけてください。
英題「POOR THINGS」、邦題「哀れなるものたち」なんですが、これは誰のことなのかな〜と考えてみたらやっぱり出てくる男たちのことかなと。まあ、「物」なので違うかもしれないですけど。
個人的にラストの庭のシーンが一番好きです。化け物と罵っても結局同じことやってるのが最高に皮肉ですね。あの使用人の方々が幸せな未来を進んでいることを祈っています。もちろん、お洋服を着たワンちゃんも。
それから、wiki見たら「SFラブコメ」って書いてあって、コメディだったことを知りました…コメディ…?
1/31追記
「代金30フラン」、鑑賞時はあまり考えずに相場がへえそんなもんなんだと思っていたし「随分安くないか」というセリフでそうなんだ〜と思っていたんですが、1フラン170円としたら5000円くらいみたいで、そりゃエクレアだけで終わるわけだよと思ったし、ベラ(というより無知な人)も知っていればまた違う言葉が出てきたんだろうなと思って恥ずかしくなった。様々な事を知ろうとしなかった結果が上記の様な「へえ」であり、知っていれば「安すぎる」と思えたのかなと。凄く恥ずかしい。知識を蓄えたり見識を広めたいなと思う。
エマの将来を(勝手に)心配…
女性解放ですか?これ
ベラの大冒険
ラ・ラ・ランド以来のエマ・ストーンという以外、
全く予備知識なしで行ったのはいいが・・・
あまりの作品に驚きであった。
自ら命を絶った女性が、天才外科医によりお腹の中の子の脳を移植され蘇生、
見た目は大人だが中身は子供。
成長するにつれ、外の世界に興味を抱き、冒険に・・・
といった、とんでもない設定。
最初は、中身は子供ということもあり、やることなすこと、子供だったのに、
外の世界でいろいろな経験をしながら、少しずつ成長していく姿や
話す口調もだんだん大人になっていくところは、いろいろと思うところはあったが。
でも、あんまり共感はできなかったなぁ。
そして最後のシーン・・・ヤギ?
とんでもないことに。。。
殺したくない、と言ってたけど、そうくる?笑
主役のエマ・ストーン、脱ぎまくってびっくりでしたが、
さすがの演技力でしたね。
原題は「Poor things」らしいけど「Poor pepple」だよね。
個人的にはやはり共感できない。
脳内洗浄2.0
少女の自立とそれを許せない男たち
素晴らしかった
表現と創作に対する踏み込みと覚悟が尋常じゃない。作り込みがすごいしセンスもすごい。そして何よりテーマ性がすごいし、SFとしてすごい。
ゴッドが探求心と好奇心最優先で人間や命をおもちゃにすることに躊躇いがない。とんでもない人で、とんでもなくピュアだ。理屈が感情を凌駕していて、正負の面を常に考える。自分の父親にされた虐待的な行為に対する負の感情と正のもたらされた結果をそれはそれとして考える。割り切りが気持ちがいい。
ベラもゴッドの影響が大きくて、理屈や好奇心が感情を上回る。周囲の人が皆、感情に振り回される。女性的と言ってしまいたいが、差別的なので避けるけど、それは人間として男女で区別できない。時代設定が古いため、女性はなおのこと理不尽に屈服させられるが、ベラは子どものピュアさとゴッドによる理屈があるため屈しない。かっこいい。ゴッドにされたことを知って、許せることではないと言いながらゴッドへの愛情を示す。
ベラが幼児のようながに股でよたよたと歩く。しかしあれは、幼児の股関節や筋肉ができてないからあんなで、大人の肉体があったらああはならないのではないだろうか。しかし分かりやすく幼児的であることを示したのかもしれない。
船で出会うおばあちゃんがいかにも上級で、上級のなりの寛容さでベラに接する。元夫は、ヤギの脳を移植されていたけど、ゴッドの脳を移植するのではと思って見ていた。しかしそれが成立すると拒否反応の問題など、SFとして成立しなくなる。ヤギでよかった。
ウェス・アンダーソン的な絵作りで似た雰囲気だが、あんな空疎で何も描いてないやつとはレベルが数段違う。
全656件中、401~420件目を表示