ノー・ホーム・ムーヴィー

2015年製作/112分/ベルギー・フランス合作
原題:No Home Movie

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Collections CINEMATEK - (C)Fondation Chantal Akerman

映画レビュー

3.0ようやく観れたムービー

2023年10月22日
スマートフォンから投稿

筋は無い。
けど人物の不在が気になり、
姿が気になる。

直接顔合わせてるよりも、
間接的に話している方が
お互いに素直なような気がして、
なんて不器用で愛おしいんだ!と思いましたよ。

アケルマンの人への距離感や
風景への寄り添い方がすき、
そして何より、その自由さがすきだ!

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JYARI

4.0母と娘の物語。

2023年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

20代でフェミニスト映画の傑作を手がけて世界的名声を手にしたアケルマンが、最晩年に遺作として自らカメラを向けた、老いた母親の姿。

扱いの難しかったはずの娘に、母親は「あなたはいつもすばらしいアイデアを思いつくわね」「あなたの仕事が本当に楽しみ」と、つねに愛情に満ちた言葉をかける。母と娘は深い紐帯を築いていて、出張先からスカイプで母親と話すとき、アケルマンが画面に映った母親の姿へ、手持ちのカメラで最大限のズームをかけるシーンなんか、見ていて思わず泣きそうになる。手の届かない母親に、それでも手を伸ばそうとする娘。

しかし母親の老いが深まってくると、この幸せな関係がしだいに崩れ落ちてゆく。母は娘にぶつぶつと不満をもらすようになる。それと呼応するように、幸せな光にあふれていたアケルマンのカメラは、だんだんと真っ暗闇のトンネルや、逆光で白く飛んで輪郭を失った街並みといった、「なにも見えない」ショットが増えてくる。

母親がアウシュヴィッツからの生還者だという決定的な証言が終盤に出てくるが、これも娘のアケルマンはフランス語ではなく、覚え立ての片言のスペイン語で家政婦へぼつぼつと語るのみだ。老母の言葉も急速に不明瞭に、聞き取りづらくなっていく。だからこの映画が想定しているフランス語の観客にとっては、だんだんと言葉も破片のようになってくる。

画面も不鮮明、言葉も意味のかけらになるということは、「映画」というものを成り立たせている「視覚と聴覚」が、ともにばらばらに崩れてゆくということだ。アケルマンは、最晩年に、この境地に到達した。

ソニーのハンディカムをアケルマンが振るショットだけで成り立っている映画だけど、サウンドデザインは、20代のとき作品同様に周到で清新。映画とはこんなふうにしても作ることができるのだという驚きは、まだ学校を卒業する前の若い観客にこそ体験してほしい。

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milou

4.0母娘でも触れられない部分

2023年5月10日
iPhoneアプリから投稿

余命僅かなシャンタルの母を記録した映画
Skype越しに娘のシャンタルを見た母親が、「こんなふうに姿が見えると抱きしめたくなるわ」
でも会って沢山会話してもシャンタルは大事なことは何も話してくれないと言う母親
かわいい娘を想う母親と
美しい自慢の母を想う娘
直ぐ疲れて眠くなってしまう母に、もっとお話しして!と何度も起こす。まだ向こうには行かないでと縋るように

撮影後まもなく亡くなった母の後を追うようにして亡くなったシャンタル

シャンタルが亡くなった時に日仏で追悼上映があった時に見たかったけれど、どうしても時間が合わずに今まで観れずにいたので今回の特集上映で見られてよかったです

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