「皆しんどい」星くずの片隅で りかさんの映画レビュー(感想・評価)
皆しんどい
2020年、コロナ禍真っ盛りの香港🇭🇰。
ザクは、正直で真面目、信用第一をモットーとする清掃業を営んでいる。業務用のワゴン車は故障ばかり、仕事に必須な洗剤もなかなか手に入らない状況に頭を悩ます日々。
ある日、若いシングルマザーのキャンディがバイトにやって来た。
キャンディ母娘には、ちょっとした物は万引きすればいいという考えが染みついている。
ザクは、事業所や店舗だけでなく個人宅の清掃も請け負う。ある個人宅で買い溜めしてあった子供用マスクを数箱持ち帰ったキャンディのせいで顧客を失う。
一旦はクビにしたが、人手不足のせいか再び雇う。
キャンディの働きぶりはなかなか優秀だったのだ。
守りをする者もいないジューも仕事場に来るようになり、
遊具のボールプールで拾った時計を正直に申告する姿勢に安心するザク。
ザクの最愛の母親が倒れ亡くなってしまった。意気消沈しつつも葬式の準備を進め忙しい中事務所に不在の日、
手伝うつもりのジューが洗剤をこぼし、足りなくなった分を補充する為に違法の洗剤を注文したキャンディ。
ザクが事務所に戻った時にその洗剤が届き、直後に調査が入りバレてしまい逮捕されるザク。
拘束はされないものの、SNSで拡散され、信用失墜、
余儀なく倒産の羽目に。
ザクはキャンディを庇い罪を背負い罰金刑に。
いなくなったキャンディを街で見かけ、ネットカフェで掃除する姿や卑猥な客の近くにジューの姿を見つけ、
思わずジューを連れ出しプレゼントを渡す。
貰った現金を借りておくと告げに来たキャンディに、謝るザク?
堰を切ったかのように泣きくずれるキャンディ。
ザクはガードマン、キャンディはカフェでそれぞれ働く。
ザクは、キャンディが可愛く仕事は熱心だったので、
横道に逸れるような点には目をつぶって包み込んでいた。それが度々、仕事に影響を来たし廃業に。
だけど、必死に生きているキャンディを責められない。
再出発して行こうというラスト。
引っかかったのは、キャンディ&ジュー母娘のファッション。二人とも可愛く綺麗な服を取っ替え引っ換え着ていて、生活に貧していた雰囲気を感じられなかったな。
ただ、だんだんとシンプルな服に変化していったのは、キャンディの心の変化かなと思う。
共感とコメントありがとうございました。
とてもうれしいです。
実は、皆さんのレビューを読むこと専門だった私が、どうしても本作のことを書き留めておきたくなり、レビューを書き始めるきっかけになった作品なので、殊更に思い入れがあります。
個人的に2023のNo.1作品でした。
齢60にして、孫は現在3人おります。(^^)