グランツーリスモのレビュー・感想・評価
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傷だらけのゲームレーサー。
◯作品全体
『グランツーリスモ』ファンである主人公・ヤンの自室から始まる本作。父からのサッカーの誘いを断って自室でゲームを楽しむ作品の導入や「ダメだったらリセットすればいい」というセリフによって、本物のレーサーとは遠いところにいるヤンを映し出す。将来を心配する父に対しレーサーになる夢を話すヤンはどう見ても現実的ではないが、ヤンの並外れたドライブスキルをリアルでもバーチャルでもダイナミックなカメラワークで演出していたのがまず良かった。
ただ、これでそのままプロレーサーになってしまったら他のレーサーたちと同じ。何千回もサーキットのコーナーを経験してきたヤンに足りないのは実体験だ。それはレースの実体験だけじゃなく車同士の接触やクラッシュの危険性だったり、時には観客をも巻き込んでしまうレーサーの責任感も含んでいて、そうした実体験がヤンの身体も心も傷つける。
インタビューの練習でも優しさとか弱さを滲ませていたヤンはそうした実体験に押しつぶされそうになるが、ソルターの檄とソルター自身の過去に触れることで再び前へ進む。この展開はグッときた。傷だらけのまま立ち直れず終わったしまったソルターだからこそ、ヤンに再びハンドルを握らせることができる。物語の展開としては「この作品独自」ではないけど、サーキットの事故現場から再びアクセルを踏む、という演出はレーサーを主人公にした本作ならでは。
ル・マンのレースでアクセルを踏み込めなくなったヤンに対して怒りを与えてアクセルを踏ませる展開は、作品を見ていた時には少し物足りなさを感じたけど、ヤンがシムレーサーとして馬鹿にされてきた経緯であったり、レーサーとしての道を歩むまでやるせない時間を経験してきたことを考えると、確かにここで爆発させるのは憤りなのかもしれない、と感じた。
心と身体で味わった傷がゲーム上の数値ではなく、実体験としての経験値を語る。負の感情さえも力に変えて一つ上の順位を目指し続けるヤンは、まさしく傷だらけのゲームレーサーだった。
◯カメラワークとか
・ゲーム画面からリアルのレースへディゾルブするカットとか車が分解されてゲームをプレイするヤンになるカットとか、双方がリンクするような演出が面白かった。
・レースシーンのカメラワークは駆け引きしてるところで空撮カットが入ったりして少し物足りなかった。車もヤンも熱量があがる演出として、トルクが動いたりエンジン音が上がるのはすごくよかったんだけど、冷静すぎる画面が多かった気がする。
◯その他
・実際にあることだろうし実際にいるんだろうけど、スポーツを題材にした作品に出てくるダーティな相手役は正直魅力的じゃないなあ。話が展開させやすいからだろうけど、アカデミーのライバル・マティみたいな敵対するけど勝負はガチンコ…みたいなキャラの方が見ていて気持ち良い。
ゲームのクオリティとチーム日産の発想が融合して生まれたシンデレラストーリー
本作の中心にあるのはゲームではなく、本物のカーレースと師弟の絆の話なので、ゲームそのものがどうすごいのか、という細かい説明はさらっと流される程度だ。
それでも、ゲームをやり込んだ感覚がリアルドライビングで通用すること(それはゲームがそこまで緻密に作り込んであることを意味する)、本物のレーサーとしてのセンスを判別するフィルターになり得ていることで、私のようなプレイ経験のない人間にも「グランツーリスモすごい」と思わせてくれる。
ゲーマーが本物のレーサーになるという夢のような、フィクションだったらなろう系に分類されそうな話が実話だというのだからぐうの音も出ない。元をたどれば、ソニーのゲームのクオリティとチーム日産の柔軟な発想から生まれた物語だとも言える。日本人としてちょっと誇らしい(と、全くの部外者だが言ってみる)。東京ロケもそこそこあるし、平岳大も出てくるし、思ったより親近感の湧く要素が多い映画だ。
ゲームをしている時に陥る実車を運転しているような感覚、本物のレースの最中にゲームのコントローラーを操っているように感じるイメージを、ちょっと戦隊モノっぽくも見えるCGでうまく表しているのも面白い。レース中の順位をゲーム画面のように車の上に表示したりする表現は、実際ゲーム繋がりの話なので違和感がなく、かつレース展開が分かりやすくてよかった。
白眉は、レースや事故のシーンの迫力(実際の事故の動画を見たが、そっくり映画の通りだった)と、ル・マンの場面で終盤に向けて緊迫したレース展開とともに高まってゆく高揚感だ。
人間ドラマの面は、師匠であるジャック・ソルターとの絆にかなり重点をおいた描写がなされている。
ル・マンに悔いを残した元レーサーが若い才能に夢を託す。この構造はつい最近「春に散る」でも見たが、師弟愛というのはやはり普遍的なテーマなのだろう。ソルターがもうひとりの主人公という見方もできそうだ。それくらい、彼に関しては丁寧に描かれていた。
当初はシムレーサーがリアルレーサーとして通用するかかなり懐疑的だったソルターが、ヤンの才能と努力を見て考えを改め、彼の味方になってゆくさまは見ていて熱い気持ちになれる。
また、ヤンの真面目な父親の、不器用な愛情も印象的だ。親の気持ちもよく分かる。ゲーム漬けの息子が突然本当のレーシングカーに乗るとか言い出したら、まあ普通の親御さんは止めますよ。
しかし、プロサッカー選手だった父の、何かひとつのことを突き詰めるという気質をヤンが尊敬し、受け継いでいたからこそ、レーサーとして結果を出せたのかもしれない。
一方で、ソルターと父親以外の登場人物は相当描写をはしょった感がある。
クライマックスのル・マン24時間レースよりも前のパートは、かなりちょいちょいかいつまんだ感じで進む。特にGTアカデミーに入ってから選抜されるまでは、10人のメンバーが揃ったと思ったら、あれよあれよという間に減っていき、ヤンとの人間関係はほぼ描かれずモブに近い扱いだった。
ヤンの彼女(名前を忘れた、作品サイトにもパンフにもキャスト紹介がない)はヤンとの血の通った絡みがあまりなく、憧れの女の子がレーサーになったら寄ってきてくれた、程度の扱いで、まるで90年代くらいの映画のトロフィーワイフならぬトロフィー彼女のような扱いだ。この子はぶっちゃけいなくても物語に支障ないのでは?
リアルレーサーのライバルであるキャパも、怒りやすくて、レース中に嫌がらせをしてくる、ただそれだけの人物で描写が浅い。
これはおそらく、最も重要なレースシーンと師弟の絆の描写に尺を取った結果で仕方がないとは思うが、工夫の余地も感じた。
物語と実話の違いをひとつだけ書いておきたい。映画ではレースでヤンが事故を起こし、観客の死に打ちひしがれるがソルターの励ましで立ち直り、その後ル・マンで一念発起、トラウマに打ち勝って結果を出すという流れになっているが、実際の事故はル・マンでの3位入賞の2年後に起こっている。この点が、観客の死に関わる事故を作品の感動のために再構成しているとして、一部批評家から批判されているようだ(Gamingdeputy Japanの記事より)。
このアレンジをどう評価するかは見る側の解釈次第だが、現実に観客が亡くなっている事案かつ物語の要の部分なので、事実との違いは知っておいたほうがよいように思う。
ちょっと批判めいたことを書いてしまったが、映画館で見る価値のある作品であることは間違いない。ゲームのプレイ経験があれば、この夢物語をさらに身近に感じられそうだ。
主人公が無双するだけの映画。元から天才なので何もかもうまく行きすぎ。
原作未プレイ、実話の元ネタ知らない、車に興味なし。話題になってたのと、私もゲーマーなので鑑賞。
主人公が無双するだけの映画だった。元から天才なので、漫画の主人公のような弱い状態から成長してって強くなる過程を見る楽しみがない。レース中も「どうせあっさり勝つんでしょ」って気持ちが先行して、勝ってもあまり興奮できなかった。
さらに主人公の家庭環境(両親健在、離婚してない)もよく、恋人も居て、欠点がなさすぎる。父との衝突も小競り合い程度だったので、もっと大喧嘩しても良かった気がする。欠点がない主人公って感情移入できないものね...。
ジャック(デヴィッド・ハーバー)は良い味出てて良かった。ストレンジャーシングスで好きになった俳優。
最初はゲーマーを見下しながらも、徐々に心を開いていき、ヤンと友情が芽生えるのは感動した。ヤンからウォークマンをもらうシーンと、ジャックがレーサーをやめた理由を語ってヤンに夢を託すシーンが好き。
原作ゲームや車好きの人からしたら、色んな見方とか楽しみ方があるのかな。決してつまらない作品ではない。だけど、どちらも興味ない私はとくに熱狂できるほどの面白さは見出せなかった。
実話に基にした安定したストーリー
グランツーリスモのトップ・ゲーマーから本物のレーサーを育てるという企画の実話を基にした映画。ストーリー展開としては、オーソドックスで安定した感じ。息子の夢に否定的な父親との葛藤、憧れつつ一歩踏み出せない彼女の存在、ライバルとの競争、本物のレーサー達からの洗礼、事故によるトラウマ、最後のチャンス。実話をどの程度反映しているか分からないが、あるある設定。その後の展開がなんとなく読めるにせよ、レース映像の迫力で飽きることなく、レースの凄さを堪能できる。
ゲームで何千回も経験していたル・マンのレースを最後に持ってきて、彼独自のコース取りを回収するのも予想できたけれど、悪くなかった。
自分はこのゲームをやったことはないけれど、この映画を見ると、やってみたくなった。
強いて言えば、ゲームと本物のレースの違いをあぶり出し、それを克服するような場面を強調するともっと良かった。Gがかかることによって、アクセルやブレーキが遅れるとか、恐怖心が働いて踏み込めないなど。
嬉しい作品。日本が世界に認められたような気がした。
この作品はグランツーリスモと言うソニーが制作したプレイステーション用のレースゲームが元になっている。
そのゲーム自体、実写映像と変わらないほどリアリティーに溢れているレースゲームだったがその為か、そのゲームのトッププレイヤーをリアルでレーサーにしようと企画されたという内容である。
リアルとゲームの違いに苦しみ、仲間達と葛藤しながら自分の譲れない好きなことで成功を納めるサクセスストーリーであり、ゲームやアニメーションが進んでいる日本でも同様の内容がもしかしたら⋯と考えてしまった。
また、日本初のゲームがその様に評価され海外で映像化されることに日本人として喜びを感じ、ソニーに対して誇らしさと尊敬の念を覚えた。
つまり、人間は機械を超えられるって話だと思う。 RPG以外はほぼ手...
つまり、人間は機械を超えられるって話だと思う。
RPG以外はほぼ手を出した事が無いゲーマーだったが(ゲーマーとは言えないか?)、この話が実話なら、やっぱり、人間は凄いよ。是非、車だけじゃなく、フライトシュミレーター見たいな物も開発して貰いたい。後は自分で行く世界一周の旅とかね。そんな風に機械が発展するなら、それが一番だと思う。
幼き頃の夢
というゲームを全く知らなかった。
グランツーリスモのゲーム会社のダニーが、
世界中から選んだトッププレイヤーをシムレーサーとして本物のレースに出そうと考え実際にやり遂げる話。
主人公のヤン、大学を休んですることと言えば
このシュミレーションゲームのハンドルを握る毎日。
部屋の壁には、父に写してもらった
赤い車の前で微笑む5歳の自分がいる。
この時にレーサーになる決心をしたとか。
元プロサッカー⚽️選手の父親は、息子を歯痒く思う毎日、次男に期待している。
夢を実現すべく、選考が始まり、見事、
GTアカデミーに合格。10人の一人に選ばれる。が、まだこれからだ。
元レーサーで、レーサー仲間の死で辞めた
ジャックが、指導にあたる。
ジャックは懐疑的である、
ゲーマーがレーサーになんかなれないと。
見事1位で、選ばれた。
ヨーロッパでのレースで4位以内に入り
FIAのライセンスを取り日産と契約して
資金援助してもらいレースに臨む。
調子良く走っていたが、他からの妨害を上手くかわせず、完走に終わった。体力作りも必要。
トルコでは8位に入ったものの、
スペインではリタイア。
色々噂されるのも気にせず、ドバイで4位。
やっとFIAライセンス取得。
ジャックからもべた褒めされる。
ジャック自身、レーサーになれるとは思って
いなかったからだ。
ジャックの憧れは、ル•マンだった。
東京のSONY本社へ。
オードリーも誘い二人連れ立って。
東京、私も行きたい。
ドイツでのレース、好調かと思いきや⁉️
ジャックの話、
人の生き方だな、と思った。
きっつい苦難があり、
その後どうするのか、という問いかけ。
乗り越えるか、そのまま退避するか。
もちろんヤンは決めている。
ジャックと出会えて良かったヤン。
ダニーは一歩先を進む、
シムレーサーに懐疑的な世間の反感を
跳ね返すため、
ル•マンに出場して4位以内に入り
見返すだとぅ⁉️
シムレーサー3人揃えて着々と実行。
ヤンの父も来てくれて
ハグする二人。
親としての不安な気持ちを告白する父。
フランス兵士がヘリコプターでフラッグを
運んで手渡すところ、プチ感動。
ジャックが上手くリードしてくれる‼️
24h、過酷だが、レーサー憧れのル•マン。
シュミレーションゲームの精巧さ、
ヤンの能力体力何千回ものシュミレーション、
ジャックの素晴らしい指導、
ダニーの先見の明、
ニッサンの車と整備スタッフ、
たくさんの人々によって成し得た栄光!
実話なのがスゴイ!!
小さい頃から車は大好きで、以前は日産の直6ターボ車をマニュアルで運転、夜な夜なプシューッていわせてました。そんなんだから当然グランツーリスモも第1作目からリアルタイムでプレイ、途中ハードがPS2になって対応できるGT4までは、まさに相当やり込んだゲーム(ドライブシミュレーターでした笑)です。当然ながらやり込めばやり込むほど上手くなってくる訳で、当時自分でも「得意なコースなら、もし実車で走ってもそこそこタイム出せるんじゃね?」などと夢見たものです。
そのグラツーが実写で映画化、しかも実話ベースで評価も高い。観ない訳にはいきません。(と言いつつアマプラでの鑑賞になっちゃいましたが…。)
前評判が高過ぎてハードルを上げていた感があり、正直言って出来過ぎた話だなと思いましたが、よく考えれば実話な訳だし、あとで知ったのにはご本人がスタントとしてドライビングされていることも手伝い夢は叶うと再確認できたこと、また当時他のレースゲームには無いそのリアルさへの驚きを思い出させてくれたこと、レースシーンのド迫力の映像・音響、たまらん部分が多いです。
また単なるサクセスストーリーでなく、父親との軋轢を超えて理解し合えた親子愛、「お前を支えることができなかった。守ることしか考えていなかった。」の言葉、自分が子供だった時に父親を鬱陶しいと思った経験、また子供を持ったことでその気持ちがわかるようになったことも思い出させてくれました。
PS2(3以降は持っていません…。)を引っ張り出して久々に全開でプレイしたくなるそんな映画です。
面白いけど…
ゲーマーがプロレーサーになる、という切り口は秀逸。
ただ、展開自体はとてもベタ。
挑戦、成長、挫折、成功というある意味予想通りの展開。
エンジン音がかなりうるさいため、何度もボリュームの上げ下げが必要で面倒だった。
映画館で見るべきだったのかもしれない。
最初は
どうせゲーム感の強い映画だと思って観たが、全然ゲームじゃなくて楽しめた。
ただ、アカデミーを作ったマニーがちょっと残念…口ではドライバーの可能性を信じてると言う割には、信用してない場面が多かった。
逆に当初反対してたダニーは最高だった。
ル・マンで同期のライバル達とチームを組んで走るストーリーも良かった。
映画のような本当の…
まさか実在するのと、ゲーマーがレーサーになった話。まずレーサーにしようとした発想が凄い。ゲームはあくまでもゲームだし、危険がともなう実際のレースと違うだろうと誰もが思うはず。映画は師弟愛、父子愛、ライバルとの確執、不慮の死亡事故、恋人の存在が深みを与え、ラストの感動へ導く。PlayStationが生んだレーサー、恐るべし。
呼吸するのを忘れるほど面白い
とにかくアツすぎる!!!!!実話ということもあり、感動と興奮が止まらない。血管がはち切れるくらい興奮した。こんなに興奮する映画はない。息できない。
それとともに、色んな人にエールを送るメッセージ性もあった。誰からも期待されなくて、今作のように、父などの家族からも「無理だ」、「諦めろ」と言われても、めげずに突き進むことが大切なんだとわかった。そこで諦めてしまったら、可能性を自ら潰してしまう。
鬼コーチと絆が深まっていく人間関係も最高!最初は現実の厳しさをゲーマーたちに教えていき、しごきまくるが、徐々にゲーマーたちを認めていき、逆に「お前ならできる」と応援する側に立つのがめっちゃいい!
最後のル・マン24時間レースのキャパとの勝負とか息できなかった。
デヴィッド・ハーバーが演じる、ジャック・ソルターは現役時代にル・マン24時間レースで事故に巻き込まれて死人も出た。それがきっかけでレーサーをやめた。
ル・マンで結果を残せなかったソルターがピット側の人間に回って、ル・マン24時間レースに参加するという展開で、すでにアツい!
ゲーマーのときはレーサーに憧れていたが、レーサーとなった時は、ゲーマー時代を思い出し、その経験がレースに活きるのがとてもアツい!
また、父は元サッカー選手で、すでに引退し、栄光を失っている。
だが、結局ヤンがル・マン24時間レースでライバルであるキャパに勝利し、3位に輝き、世界にゲーマーもレーサーになれると証明したとともに、ソルターと父の栄光までも取り戻すことに成功したのだ。
これがノンフィクションだという衝撃。
実話だという土台があるからこそ、好きなことは突き進んでやった方がいいんだと思える。
ダントツでオールタイムベスト。今後、これを超える映画に出会えるのだろうか。
ゲームの話かと
ネット記事でグランツーリスモ実写映画化と言うのを見て「はぁ?」と思っていたが、実際にグランツーリスモでレーサーを育てるGTアカデミーがあって、それの話だと言う。まぁ、当然に脚色はされている(映画だと最新のPS5のGT7だったり、時代的にはこの二三年程度だけど、実際にはPS3時代の事らしい)。
でも、思ったよりは面白かった。まぁ、いかにもハリウッド映画的要素だらけだし、グランツーリスモ的な映像表現を入れたりするのは、映画としては興醒めする部分もあるけど、まぁゲームが題材だから致し方ない。
GTアカデミーなんて日本で話題になってないよなぁ?と言うか、この時代の日産にこんな余力有ったのか?と言うのが一番の感想w
衝撃!!
無知なので実話と知らずに観戦😂
てっきりゲームの中の話を映画化したんかと。
何でこんな評価高いかなぁ?って思いながら観たけど。
衝撃的すぎるでしょ、こんなん実話とか!
ってかニッサンがこんなすごい挑戦してたなんて全然知らんかったし。日本でニュース流れてた?ってなる。
ゲーマーを一流レーサーに育ててあげそこで表彰台に立たせるなんてほんますごすぎるよー。
そんでレースシーンも手汗かくぐらい興奮する!!
事実は小説よりも奇なり!!
ほんでピットクルーのおっさん実際のおっさん似すぎ😂
挑戦を走り抜けろ
基は日本生まれのTVゲーム。いつもの事ながら全く知らず。
シミュレーション並みにレースを超リアルに体感出来るゲームなんだとか。レースそのものや車のみならず、性能やサーキットまで。
そんな超リアルゲームを、見る我々が本当にレースで走っているかのように体感と臨場感たっぷりに映画化…ではあるのだが、ただそれだけじゃないのが本作のミソ。
ゲームから生まれた“実話”の映画化。
レーシングゲーム『グランツーリスモ』の天才プレイヤーが、本当のレーシングドライバーに。
ゲーム上の設定のそういう話…?
じゃない。本当なのだ。本当にゲームプレイヤーがレーシングドライバーに…!
驚き。実話とはにわかに信じ難い。
誰もが思う。だって、ねぇ…。
実際とゲームは違う。
だけど、それを実現させた人物がいた。本当の話があった。
ただのゲームの映画化やレーシング映画じゃない。胸熱いサクセス・ストーリー!
見事それを実現させたのは、ヤン・マーデンボロー。
今はプロのレーシングドライバーとして華々しい記録がWikipediaに載ってるが、当初はゲームの『グランツーリスモ』に毎日のめり込む青年。ゲーマー。私はあまりこの言葉が好きじゃない。差別的に感じて…。
そんなある日、人生を変える知らせが。
『グランツーリスモ』を製作したゲーム会社“SCE”と大手自動車メーカー“日産”の主催で、ゲームプレイヤーをレーシングドライバーに育成するプログラム“GTアカデミー”の存在を知る。
その訓練を受けられるのは、ゲームの成績優秀者10名のみ。
世界中の参加者の中から、ヤンは見事10名の中に残った。
『グランツーリスモ』に熱中するヤンは、子供の頃からカーレーサーになるのが夢であった。その第一歩。
“GTアカデミー”の立ち上げ人は、日産のマーケティング担当のダニー。日本に赴いて直談判。
『グランツーリスモ』はただのゲームではなく、リアル・シミュレーション。そのスキルと訓練を積めば、本物のレーサーになれる。
マーケティング担当としての考えもあったろうが、熱弁振るい、途方もない事を立ち上げた彼もまた、夢追い人。
そして遂にスタートしたGTアカデミー訓練。
ここからが大変なのだ。
ヤン始め候補生10名は、ゲームでレーサー並みにコースやレースを走っている。ある程度のスキルや知識はある。
でもやはりそれは、ゲームの中の話。実際は違う。
身体に掛かるG、ハンドルの重さ、体力作り…。今注目されているeスポーツもアスリート並みに身体を鍛えるという。
何より危険とアクシデント。ゲームでは失敗したらリセットすればいいが、実際は…。最悪、死を意味する。これからは、ゲームじゃないんだ。
彼らを鍛えるチーフ・エンジニア、つまり“鬼教官”に選ばれたのは、元レーサーのジャック。
端から見下し、貶し。『セッション』並みに言葉と教えで、しごく、しごく。ゲーマーのガキどもが、本物のレースを舐めるんじゃねぇ!
10人があっという間に半分に。ヤンはまだ残っている。
だが、ここぞという時にビビり、インタビューの受け答えもヘタなヤンを、ジャックもダニーも期待していなかった。
ある時の訓練レースで、ブレーキを踏んだ踏んでいないでジャックと対立。どうせまたビビったんだろう? いや、ブレーキが効かなかったんだ。
ヤンが正しかった。
ここから周囲の目が変わり、ヤンもじわじわ才を伸ばし、遂には有能ライバルとのレースで競い勝つ。
優勝を果たし、本物のレーサーになれる権利を手に入れた。
だが、大変なのはまだまだこれからだった。
本物のレーサーと交じって、本物のレーシングカーに乗って、本物のレースをする。
このイレギュラーに対する周囲の偏見、嫌悪、敵意剥き出し。周りは皆、敵。チームの技術メンバーでさえ邪険に。
徐々に才能を認めてくれたジャックやダニーはいるが、ヤンたった一人で挑むようなもの。
まずはライセンス獲得の為、幾つかの国際レースに出場し、4位までに入る。
初レース。走りは上々でいきなり4位入賞出来ると思われたが、他ドライバーの汚い手によって最下位に。
周囲はせせら笑う。それ見ろ。
その後のレースも振るわぬ順位が続くが、徐々に向上していき、遂に4位入賞! ライセンスを獲得した。
日産との正式契約の為、ヤンは日本へ。
ヤンにとって日本=東京は、いつか一番行きたかった地。聖地。日本人として何だか嬉しい。
そこで彼は、『グランツーリスモ』の生みの親、ゲームクリエイターの山内一典氏とも対面する。(演じたのは平岳大だが、ご本人も寿司職人役でカメオ出演。またヤン本人もカースタントに参加)
念願の東京観光。一人ではなく、片思いのオードリーを招待して。
夢だったカーレーサーのライセンスを獲得し、憧れの地で、想いを抱く人と。
映画を見続けていると、薄々察する。この後“何か”が待ち受けていると…。
あるレースで、事故…。
非常に難しいコースで、向かい風も受け、ヤンでなくとも誰だってどうする事も出来なかった。
ヤンはすぐさま病院に運ばれ、命に別状はなかったが、あの事故で観客が死んだ。
皆が慰める。君が悪いんじゃない。どうしようもない事故だったんだ。
が、ヤンは自分を責める。自分が殺した。自分のせい。カーレーサーになろうとしたのが間違い。父の言う通りにしておけば…。
法的罪は免れた。事故だと認定された。
が、何もお咎めナシにはならない。多くのレーサーやカーレース自体から批判の的。
スポンサー離れ。日産もGTアカデミーの存続に疑問を…。
真剣勝負の世界では仕方のない事かもしれないが、イレギュラーがした事に対しての一際不条理なバッシングに感じた。プロのカーレーサーだったら勿論一部批判もあるだろうが、ここまで言われるだろうか…? 勘違いしちゃいけない。ヤンもライセンスを獲得したプロのレーサーなのだ。
現状を覆す方法は、たった一つ。実績を出す事。挑むレースは…
“栄光のル・マン”。
カーレースに疎い私も知っている24時間耐久レース。
が、ヤンは…。
そんな彼を支えたのは…。
ゲーマーからプロのカーレーサーへ。
一人の若者の成長物語。
序盤、唯一の取り柄はゲームの腕前のみくらい。そんな彼が自信を付け、期待のルーキー、レーサーとしての顔に。
実話基だから殊更胸がすく。
アーチー・マデクウィがフレッシュに好演。
『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』はもう20年前。イケメンで人気爆発したオーランド・ブルームもいい感じで歳を重ねた。
でも抜群の存在感を魅せるのは、デヴィッド・ハーパー。
彼演じるジャックは、当初はGTアカデミー批判側。ダニーから依頼されたからただやってるだけのようなもの。ヤンたちの事も侮辱する。が、ヤンが才能を開花させ、認めていくようになる。いつしかそれは、自身が諦めた夢をヤンに託すようになる。ヤンをしごき、鼓舞し、支え…。事故の後塞ぎ込むヤンに自身の過去を語り、再びヤンを奮わせる。ヤンもある時、自分を鍛え導いてくれたジャックに恩返しのプレゼント。ジ~ンとしたなぁ…。
ヤンのサクセス・ストーリーも熱いが、二人の師弟関係も熱い。
さらに本作は、家族のドラマでもある。
常々、ヤンの胸にあるもの。
家族。特に、父の存在。
父は元サッカー選手。ヤンの弟は父の跡を継ぎサッカーの道に入り、父も期待しているが、ヤンは…。
身体を動かすサッカーとは程遠い、家の中に籠ってゲーマー。
父は落胆しただろう。でも、父の期待とは違う“自分のライン”で父の期待に応えたい。
が、父は理解してくれない。万国共通。ゲームばかりやってるな。現実を生きろ。
父と息子の確執、わだかまり。
やがてそれが…。いちいち語らずとも、分かっていても、胸打つ。ジャイモン・フンスーも好助演。
ゲームであろうとカーレーサーだろうとサッカー選手だろうと、何だっていい。何かに挑戦する姿を、認めて貰いたかっただけなのだ。
実際にeスポーツ選手になりたい子供に対し、否定的な親は多い。親の気持ちも分からんではないし、そうそう簡単になれるもんじゃない。プロ野球選手を夢見るのと同じ。
だが、挑む事に意味がある。それを否定しちゃいけない。世の中は変わっていく。それを認め、受け入れる、これからへ一石投じるものでもあった。
ゲームを映画化するなら、その設定や世界観通りやるのが普通。
しかし監督は、あの斬新な『第9地区』を撮ったニール・ブロムカンプ。
この人ならではの変化球。であると同時に、斬新な『第9地区』や意欲的な『エリジウム』『チャッピー』を手掛けてきた彼にとって、ある意味“変化球”の王道的な快作。
印象的な画作りも。『グランツーリスモ』プレー中は周囲が本物のレースのように。実際のレース中は『グランツーリスモ』プレーのように。ゲームと実際のレースの一体感をユニークに表す。
そして本作はれっきとしたカーレース映画でもある。そのスピード感、迫力、臨場感は言うまでもない。
劇場で観たかったなぁ…。上映しなかった地元の映画館を恨む。
その体感をたっぷり魅せてくれたクライマックスのル・マン。
ドラマチックな展開も加わり、熱さ迸る。
このレースで実績を残さねば、GTアカデミーは…。
訓練時ライバルだった候補生も仲間に加わり、バックアップ。
いざ走ると、ヤンの脳裏にあの悪夢が甦る。見る見る失速…。
それを覚醒させるジャック。覚醒したヤン。
追い上げていく。
表彰台に上がれるのは、3位まで。
その3位に、殊更忌み嫌ってくるライバルレーサーがいる。
その差を縮めるヤン。拮抗するほど。
勝負の最終ラップ。結果は…
実話が基だが、かなり脚色もあるらしい。(まあ確かにあの事故は…)
それでも、この興奮!感動!
1位優勝ではなく、3位というのが何だかリアルでもある。
順位は関係ない。途方もない夢を、実現させた。
ヤン自身の夢、ジャックの夢、ダニーの夢、父の夢、皆の夢…。
いやもはや実現させたのだから、単なる夢ではない。
こういう挑戦がある。
それに挑む事、諦めない事、追う事。
前代未聞、前人未到はいつだって叩かれる。
ならば、やり遂げろ。
自分のラインで。
苦難のレースを走り抜けろ。
その先に、新たな自分と世界がある。
情熱を傾ける
レースのシュミレーションを作ったものたちの情熱を元にゲームに落とし込んだ「グランツーリスモ」に情熱を傾けな若者の挑戦する姿が心を熱くさせる。
ゲームに没頭しレーサーを夢見た少年少女たちの夢と挫折を夢物語ではなく事実に落とし込み、しっかりと地に足のついた物語として描くことで観てる私の心を鷲掴みにした。
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