「陸上版トップガンとは言い得て妙」グランツーリスモ LCさんの映画レビュー(感想・評価)
陸上版トップガンとは言い得て妙
同名レーシングシミュレーターの映画化ということで、ゲーマーとしては見逃せませんでした。
第9地区やチャッピーのニール・ブロムカンプが、今まで得意としていたSFではなく地に足の付いた実話ベースのドラマを撮るというのにも大変興味を惹かれましたが、蓋を開けてみれば非常に面白い作品でした。
要所要所でゲームらしい演出や、実際のプレイステーションのシステムサウンドを使用していたり、訓練生が紆余曲折を経て大舞台で活躍する流れはトップガンに通じるものがあります。
原作となったゲーム、グランツーリスモにはストーリーがなく、レーシングシミュレーターの名の通りリアルなレースが主体の作品なので、初めて映画化が発表された際、一体どういうものが出来るのか全く想像がつきませんでしたが、グランツーリスモを基にしたものではなく、グランツーリスモという作品にまつわる熱いドラマを描いたのは、今後のゲームの映画化作品においても可能性を拡げたと言えます。
プロジェクトの責任者役のオーランド・ブルーム、主人公の父親役のジャイモン・フンスー、レーサーのコーチ兼エンジニア役のデヴィッド・ハーバー、それぞれが今までのキャリアであまり演じた事が無いタイプの役柄で存在感を発揮していたのも注目に値します。
ゲーマーはニヤリとできるかも知れませんが、ゲーマーではない映画ファンも十全に楽しめる傑作です。
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