四月になれば彼女はのレビュー・感想・評価
全234件中、41~60件目を表示
人それぞれの恋愛観
今回の映画『四月になれば彼女は』の監督は、MVの監督で有名な山田智和監督です。
(過去に担当したMVでは、米津玄師の『Lemon』、あいみょんの『マリーゴールド』、宇多田ヒカルの『Gold~また逢う日まで~』等、素敵な作品を世に送り出してくれています。)
そういったことから、知っている人の中では「あの山田智和監督が長編映画作品を初めて監督するの? 観に行ってみるか」と、期待して観に行った方もいるのではないでしょうか?
かく言う自分は……残念ながらそんなこと知らずに映画を観てきました。
ただ「面白そう」と、告知と主題歌の良さから滲み出る良作感に惹かれて観てきました。
が正直、観終わったときの感想は微妙でした。
万人受けする映画では決してない。
恋愛に悩める人の為の映画、俳優陣の方がそんなことをインタビューで言っていたのを聞きながら、恋愛に無縁な自分にはこの映画は難しいものだと感じさせられるばかり。
そんな自分ですが、自分なりに考えてみたので映画レビュー書いていこうと思います。
この映画には、3人の主人公が居ます。
精神科医の藤代 綾、獣医の坂本 弥生、元カノの伊予田 春、の3人です。
(男性1人に、女性2人です)
それぞれが悩みを持っていて、共通して恋愛についての苦い思い出も抱えています。
悩みがあるとモヤモヤしますよね?
苦い思い出も笑い話に出来れば少しはラクになりますよね?
劇中の彼女達はモヤモヤと苦い思い出を昇華するために終始動いているのだと思います。
今身の内で起こっている問題(モヤモヤ)を解決出来れば、人は幸せです。
なので最後まで問題(モヤモヤ)を解決しようとしない藤代 綾は最後まで幸せになることはありません。
そんな藤代 綾は、態度もモヤモヤしているので劇中の登場人物達から、『しっかりしろよ』っと色々なことを言われます。
バーテンダーの「まだ分かんないの?」や、同僚や坂本 弥生の妹からの、「どうして、そんな状態で結婚しようと思ったの?」、
「お姉ちゃんのこと全然わかってないよね?」等です。
全て的を得た登場人物達からの言葉なのでしょう。が、自分としては彼らが藤代 綾に厳しく言うのは納得いきませんでした。
藤代 綾は藤代 綾なりに真剣なのに……。
恐らくですが、こんなに厳しい言葉をかけられるのは、藤代 綾と彼らの間に過去様々なことがあったからだと思います。
過去は詳しく描かれていませんが、本音で厳しいことを言うぐらいには仲が良いのだと思います。
本音は仲が良くないと、気をつかってなかなか言えないものですからね……。
藤代 綾は愛されやすい人間なのかもしれません。
特に元カノや今カノの想いはデカイように思います。
だから二人とも彼のことを想って、劇中でアクションを起こして、彼から離れました。
皆さんは、
『自分よりも大切な存在、自分よりも大切にしたいと想えた存在はいますか?』
この映画のレビューは、「理解不能」という内容の不評なものが多いですが、それはどうしてなんでしょうか……?
彼女達の行動は、理解不能でしたかね……?
人のことを想って、好きになって何かをする時、盲目になったり、バカになったりするものじゃないんですかね……?
好きな作品を語る時、熱い気持ちになってしまうように、そのものへの想い入れが強いほど、動く感情はデカイはずです。
彼女達は主人公が好きすぎるが故に、自分のせいで彼の人生を壊すのが怖かったのかも知れません。
気持ちがデカすぎたが故に、最終的には自己中になって、彼を傷つける結果になった。
その行動の先の結果(手紙を送ったり、失踪して元カノに会いにいく)が意味不明なのは、彼女達が盲目になって、バカになっていたからなんじゃないかなと思うと、この作品は面白いのかもしれません。
そして、この作品で忘れていけないのはペンタックスという存在です。
ペンタックスは、伊予田 春との出会いのキッカケと坂本 弥生との再会のキッカケを作ってくれた存在です。
作中冒頭付近で、坂本 弥生が、教会って結婚式だけでなく葬式もやる、ということをを少し面白がっていたシーンがあります。
あれは後日譚として、伊予田 春の葬式と坂本 弥生との結婚式をどちらも教会で行う伏線のようなものではないですかね……?
そして、そのどちらの式にも参加するのは、主人公の藤代 綾はもちろんのこと、そのほかで言えばペンタックスのみです、恐らく。
ペンタックスは、劇中で恋愛とは無縁な存在ですが、藤代 綾の恋愛において1番助けを出している存在かもしれません。
ペンタックスがいるので、きっと藤代 綾の未来は明るいです。
あとですが、今回の長編映画『四月になれば彼女は』の主題歌である『満ちてゆく』の「手を放す、軽くなる、満ちていく」という歌詞には、物語が終わった後、この2人の行方を明るく照らしてほしいというニュアンスの意味があるそうで、それも相まってこれからの藤代 綾と坂本 弥生はきっと大丈夫だと思わせてくれます。
あと、山田智和監督さん、今話した主題歌の『満ちていく』のMVの監督も担当しているということで、気になった方は見てみるといいかもしれません。
(作品の解像度が上がるかも?)
あとですが、作中通しての謎として
「愛を終わらせない方法とは、それはなんでしょう?」
というものがありますが、
坂本 弥生の言う
「手に入れないこと」
は、正解では無いのでしょう……。
坂本 弥生自体、それについて悩んで失踪していますから。
坂本 弥生は答えを見つけるために、藤代 綾の元カノである伊予田 春に会いに行きます。
彼女が自分とは違う価値観を持っていたからです。
坂本 弥生は独特な恋愛観を持っていると妹にも思われるほど、少し変わった人です。
「手に入れないこと」とは、満たされないことです。
満足しないこと、満タンにならないこと。
劇中で、ワイングラスを割った坂本 弥生はそれをキッカケに失踪します。
そのワイングラスは藤代 綾との同居をはじめる記念として買った思い出の品です。
思い出の品なのは藤代 綾も同じはずなのに藤代 綾はそのことを覚えていないようで、割れたワイングラスを簡単に捨ててしまいます。
割れたワイングラスは液体を注いでも満たされることはありません。
満たされない彼女がワイングラスを割ってしまった。
彼女は複雑な顔をして、
そして、その日を境に失踪した。
その行先は、藤代 綾に対して手紙という形で愛を伝え続けていた元カノの伊予田 春です。
坂本 弥生達が怠った、愛を伝えること、愛を育むことを逆に怠たらなかった人間の元へ。
そして彼女の気持ちを知り、藤代 綾と最後は再会して、エンドロールには2人の行方を明るく照らす意味を込められた『満たされる』と言う曲が流れる。
きっと、2人は伊予田 春という愛を伝えるピースが加わることで、愛を手に入れたはずです。
つまり、「愛を終わらせない方法は、なんでしょう?」の答えは、『愛することを怠らないことです』、多分。
自分が愛していれば、少なからずその愛が終わることはありません。
俳優陣の繊細な演技が見所。
俳優陣の繊細な演技が素晴らしい。
佐藤健演じる藤代が回想シーンで、春に告白するとき、すごく緊張が伝わってきました。エスカレーターで泣き崩れるシーン、端整な顔が歪み、ここもまたよかったです。
森七菜演じる春も、ピュアな雰囲気がはまってました。ただ、死ぬ前にしては、ずいぶん元気に海外行ったり、たい焼き食べてるなあとは思いましたが。。大学時代の彼女はよかった。
春の父親が娘に依存してる様子は、竹野内豊だからよかった。「苦しいんだ」と呟いたシーンで気持ちが伝わりました。あれは、ただの親父風の俳優が演じたら気持ち悪いだけです。
長澤まさみ演ずる弥生には、少々呆れましたが、あれも長澤まさみだからよかった。もう少し粘着質なタイプの女優だったら、ただの痛いメンヘラ女になるところ。
映像も全体的にキレイ。
たぶん弥生のメンヘラ気質にちょっとついていけない人も多いと思うけど、絶妙なキャスティングに救われています。
春がお父さんと彼氏を選べない、ということは、即ちここでは佐藤健と竹野内豊を選べないということ。
それは選べないよね~と勝手に納得。ここも、キャスティングの妙。
内容的には「愛することを怠る」という表現が印象的でした。
たしかに恋愛中って、好きなら好きなほど、ピークが過ぎたのではないかと不安になったりしますよね。
そういう頃の気持ちを思い出しました。
素敵な景色
昔の初恋と大人の愛を表現したストーリー。写真で切り取られた海外の景色がとても綺麗でした。精神科医の主人公の心の闇や婚約者の弥生の生い立ちなどそれぞれもっと深く掘り下げられていたらもう少し感情移入して観れたかも知れないと思いました。
大人であるほど「どゆこと?」と思いそう
事情があるとは言え、10年前の彼氏に手紙を送りつける元カノも怖いし、婚約者の元カノの暮らす病院に行って勤める女も怖いし、婚約者は職場をいきなり長く休んだり辞めるって大人としてどうなの?とか、元カノは何故手紙を送る住所を知ってたの?とか、元カノは何故婚約者の正体がわかったの?とか、細かい違和感が残る映画でした…
フィーリングで見るべきで、余計なことを深く考えてしまう大人が見る映画ではないのかも。でもテーマは「愛とは」なのだろうし、大人向けだと思うのですが…
主人公の言葉の足りなさとかはわかるけど、出奔するくらいなら喧嘩してでも話し合えばいいのに。
友達になりたくないタイプの人達だなぁ…
とか、考える自分が冷めてるのかなとか、見ながら考え出してしまいました笑
子供を束縛する父親とか、昔の恋愛を引きずる主人公とかは妙にリアルだなという気がしたので、男性が思い描くロマンチック、なのだと思うとなんとなく納得できる気もしました。
映像と役者陣の演技、藤井風さんの歌はよかったです。
愛を静かに語る映画です
正直に言うと、派手な演出はありません。派手な出来事もありません。それ故に共感出来ることが多いはずと思える映画です。
原作を先に読んで、見に行ってきました。限られた時間の中で完結させているため、原作の内容とは多少違ってきています。ですが、キャストさんの繊細で優しい演技、映像・音楽もマッチして、なんとも言えない感覚がありました。主題歌の「満ちてゆく」エンディングで流れた時、自分の想いと重なって涙が溢れました。
映画を見ながら、恋人のこと、家族のこと、そして、自分のことを振り返ってほしいなと思います。この映画は、見る度に感動が増す映画。できれば、2度目3度目と見に行ってほしい映画です。
あと、付け加えるとしたら、優しくなれる映画かなと思います。
「語らない美学」
まず役者さんの演技について触れたいと思います。
登場人物が少なかった分、違和感のある演技をすると目立ちやすい映画だったと思いますが、全員が全員役に嵌っていて素晴らしかったと感じました。
次にストーリーですが、原作が川村元気さんということで、「百花」を観た身としては小説を読んでから映画を観たかったのですが、結局読む機会を逃し映画を観る日を迎えてしまいました。
肝心な話の内容ですが、僕自身大好きなタイプの話でした。まだ高校生という我が身にとって結婚観というのはあまり共感できるものではなかったのですが、関係性が変わるということについては交際などで自分自身これまで何度も考えてきたことがあったので、この映画を観て視野が広がった感じがしています。
タイトルにも記載しましたが、本当に語らない美学という言葉が当てはまる映画だなと感じました。その分登場人物の行動と内面が、僕の頭の中ですぐ結び付かないシーンも少々あり、評価が低くされている理由もここにあるのかなということを考えて観ていました。
ただ僕自身はそういった映画が好きです。
幸せとは何か、そういった人間の心情を描いてくれる映画や小説は、これからもたくさん観て読んでいこうと思います。
そしてエンディングの藤井風さん。最高でした。曲は最近ずっと聴いていましたが、エンドロールで流れる曲はやはり格別でした。映画を観て曲への理解も深まり、これからもしばらくリピートすることになると思います。
自分でも総評をなぜ4.5にしたのかは分かりません。ただ、なにかが欠けている気がしたので0.5マイナスさせていただきました。
ただ、本当に良い映画だったので、是非もう一度観に行きたいと思います。加えて、小説も読もうと思います。
レビューを読んでいただきありがとうございました。
変化に寄り添うこと
人間の恋愛という複雑で難しいテーマを扱っているからこそ、弥生の行動など難しいところが多いのかも。
物語全体に対する春のアンサーが全てだと感じる。、
『愛の一瞬を共有した2人ならば、変わっていくこと
に寄り添うことができると思う。』
つまらん、主題歌が勿体無い
なんかつまらんくて7割は寝たと思う。
難しいって言ってる人いるけど、別に難しくはない
てか春さん彼女がいる元カレに手紙かくとかキモいし、弥生も元カノがいる所で働くってキモすぎる:(´◦ω◦`):
原作とはかなり違う
良くも悪くも原作とはかなり違う。森七菜が長澤まさみに、わかっていた、来てくれてありがとう、と言ったところで涙腺崩壊。厳しいコメント多いけど、いい映画だと思います。森七菜さんが可愛かった。
色々と考える機会を与えてくれた
男脳で感じる愛と、女脳で感じる愛はこんな風に違うんだろうなと、今までそう思ってきた事を映像にしてくれたような感じでした。弥生が「私達は努力を怠った。」と言った所は自分に凄く刺さり、そのせいで実生活ではもう愛は終わっているんだなと思いました。でも同じ監督の作品の藤井風さんのMVと曲を聞き直して、私も「満ちてゆく」人生にしたい、その為には?と考えさせられました。答えはこれから探さなくては。
ふわっと、ぼんやりしたような感じ。
正直に言うと、内容は少し理解しにくかった。
でも恋愛ってこうなんだろうなという感じは伝わってきたかな。
「愛を終わらせない方法は、手に入れないことだよ」という台詞がずっと頭の中に残っています。
そして、風景の映像がすごく綺麗。映画館の大きなスクリーンいっぱいに広がる絶景に思わず吸い込まれそうになりました。
ふわふわしてる映画。 弥生が緩和ケア施設で働き始めるのが理解できな...
ふわふわしてる映画。
弥生が緩和ケア施設で働き始めるのが理解できない。普通にコワすぎる。あと急に出てきたお父さんがそれっきり。景色はとても綺麗です。
愛を終わらせない方法はない
冒頭、式場見学のシーンより。
同棲している彼女がピアノを習っている事さえも知らない彼、別々の寝室。
「愛を終わらせない方法ってなんだと思う?」という過去された質問さえも忘れてしまっていた。
愛を終わらせない方法は手に入れない事だと。
手に入れる事ができなかった彼の元恋人からの手紙、
そこから読み取れる痛いほどの愛に彼女は心を乱されたに違いない。
愛が本当に終わってしまう前に彼女はその熱に触れようとする。
ただ実際に元恋人に会ってその熱は過去のものだと、その熱を元恋人自身も追っている事を知る。
愛を終わらせない方法など無かった。
途中、先輩の医師が放つセリフ。
「今の時代、皆んなどこかしら病んでいる。」
登場人物みな、どこかしらに問題をかかえていて、極端に言えば心なのか、身体なのか、どこかしら病んでいた気がする。
そんな病をお互いに分かり合って、補い合っていく必要があるのかもしれない。
皆さんは愛が終わらないように、愛する事をサボらないで欲しい。
これまでの恋を思い出し、これからの恋を思わせてくれる映画
いい意味で淡く不完全燃焼になるような映画。なので、ものすごく原作を読みたくなる。(読もう!)
愛を終わらせない方法とは…とひたすら考えさせられる。愛の終わりについては「恋人同士の気持ちのすれ違い」とかそういう単純な言葉では表せられないほどぼんやり曖昧なものなのかもね。
一度でも恋をしたことがある人はその恋を思い出すなと思ったし、これからの恋についてもきっと想いを馳せるだろう。
好きな気持ちだけではどうにもならないこともある。けれどもその好きな気持ちをもし未来の私から見たらどう思うのだろう。未来から見た時、希望ある愛の形になっているだろうか。
ふわふわと色んな考えを巡らせながら見られる映画。脇役キャストの方々は、出演時間こそ短いものの、とてもいい味を出しているし、主役三人が上手い具合に引き立っている。
タイトルに立ち戻り考察できるほど深く入り込めなかったので、やはり原作を読んでみようと思う。
真剣に永遠の愛を求める人たちのお話
当初想像してたストーリーとは違っていて、意外性があった。純文学の忠実な映画化なのかなと見た。真剣に永遠の愛を求め、失う事に怯える人達。そういう話は過去にもあったけど、現代にほんとにこういうテーマに共感出来る人達がいるのかな…と思ってしまった自分は下世話な人間なのかも。
主役御三方の演技は、鮮度が高く純粋な主題に合った表現をされていたと思う。マッチングアプリとか使ってる人達にどう映るのか…。
森七菜、良い女優さんですねー!
佐藤健と長澤まさみは流石
役者さんの表情だけでなく景色の描写も素晴らしい
目に映らないものも個人的にはとても良い映画だと思いました
期待するもラストレターの様なこじつけた作品
3人は同世代の設定?
やはりどうしても最近まで女子高生専門役だった森だけ若くみえるのが不自然 物語も過去と現在とその中間が同時進行していくので分かりにくい
手紙には今の勤務先が書かれていたのか?今の時代手紙と言ったって電話やメールで良いだろうし婚約者が元彼に会いに行くかな?
全234件中、41~60件目を表示