劇場公開日 2023年12月22日

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PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価

全733件中、501~520件目を表示

4.0役所さんの演技が素敵

2023年12月31日
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いつもと同じ日常の中でも違う、ひとつひとつの光景の面白さ。
他者との関わりによってもたらさせるいつもと違うこと。
他者との関わりの面白さと辛さ。
それらを感じさせる映画。

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ゆ

5.0何で解るの〜?!かんとく〜?!

2023年12月31日
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泣ける

知的

幸せ

60代女、ダブルワークで清掃業をしています。
50代でこの業界に入ってから約10年、毎朝4時起き。トイレ清掃も必須。家を出る時は平山さんと同じく空を見上げます。星が綺麗。今日も行ってくるかと決意しながら。職場に着いたら作業着に着替え缶コーヒー、これも同じ。
もれなく汚い仕事だと人は言うでしょうが、私は「人の心ほど汚いものはない」と思っているから。
休みの人がいるので今日はトイレ5フロア。4時間で男女5フロアはキツイ。平山さんの様に連日だったら死ぬ。本社に泣きつけば人を何とかしてくれる。助かった!!ここもしっかりと描かれていた。
14階からの夜景と富士山が綺麗。平山さんは木漏れ日と風、等感じられるから公園トイレ清掃を選んでるんだよね。
便器、洗面台をガッツリ清掃するとピカピカになるし、達成感ハンパない。心の垢とホコリを拭って、釈迦仏の一弟子、周利槃特の境涯になれる。
平山さんが眠りにつくときユラユラと影絵の様に今日あった出来事を夢見てる。私もよくある。眠りが浅いんだよね。朝起きれないかもという不安からかぐっすり眠れない。使う人がいる限り、トイレ清掃は連日続く。ラストの平山さんの悲喜交交の表情。
毎日ハンドルを握り、清掃道具を積んで現場に向かう。清掃は道具が命。
トイレ清掃の毎日が全て中心。何があっても。
こんなに素敵な映画をつくって下さってヴィムベンダース監督、スタッフキャストの皆様、有り難うございました~又リピートします。
細かい描写、美しい映像、素晴らしい演技をもっと見つけたいです〜✨

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かなに~な

4.5ラストシーンの凄味

2023年12月31日
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流石は話題作。

年末に眠気がある状態で観たので途中寝落ちはしましたが、この作品の凄味はラストシーン。

ニーナ・シモンの『フィーリング・グッド』をバックに車を運転する役所広司の表情が全て。

生きるということはこういう顔つきなんだと。圧倒されます。
映画というより芸術を観たという心持ちになるでしょう。
一見にしかず、です。

他、東京の情景とか役所広司の所作とか色々見所はありますが、全体を通じて受けた印象としては、清貧であってもスナックのママへの恋とか姪っ子への愛とか人間の業とも言うべき感情は隠せないし、それこそが人間、生きている証なんだということだと思います。

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キッドマン

4.0サニーアフタヌーン

2023年12月31日
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久々のヴィム・ヴェンダース監督作品。渋谷のトイレプロジェクトを映像化する企画から、一本の長編劇映画に発展したとのこと。
60年代・70年代のロックナンバーを使用するのは、ヴェンダースならではの持ち味だが、今作での選曲も絶妙。特に、主人公自身の選曲という形で、早朝出勤途中の「朝日の当たる家」、休日午後の「サニーアフタヌーン」(お馴染みキンクス!)、ラストの朝焼けでのニーナ・シモンと、まさしくシーンにぴったり合わせているのが面白い。
単調に繰り返される日々の行いを丹念に描いているが、ちょっとした出来事や人との触れ合いで、全く同じ日というものはない。
ヴェンダース作品では、小津安二郎からの影響をよく言われるが、今作では特に、「死の影」の存在について共通するものが感じられた。さらに言えば、小津安作品では酒場シーンも見どころだが、今作での石川さゆりの歌唱シーンは、日本の観客へのサービスとも言えるだろう。
ラストの役所広司の表情は絶品。カンヌでの評価を決定付けたのもこれだろう。

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山の手ロック

4.5東京の原風景を優しさで映す

2023年12月31日
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日本人が撮るより、日本的な映像。美しい。
見た後に自分の身近の風景が美しく見え始めた。
登場者が皆優しさを持っている。
この監督は、人間の優しさを描くのが上手い。
私も平山さんの様に生きたいと思ったことがあったが、無理だった。基本的に欲の塊で、俗に流されてしまう。煩悩が多いのだ。

自分の人生が豊かになった気がします。

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morihide

4.0正にわびさびの世界

2023年12月31日
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泣ける

悲しい

幸せ

 中年男・平山の日常を淡々と綴る物語は平板で面白みに欠けるが、ここまで徹底されると、まるで環境ビデオでも観ているような心地よさを覚える。正に”わびさび”のような映画である。

 何と言っても、ラストの平山の表情が印象に残った。
 彼のバックストーリーは時折挿入される夢や、後半から登場する彼の縁故者との関係から色々と想像できる。しかし、その詳細については謎が多く、そのせいで感情移入しがたいキャラクターとなっている。ただ、何らかの事情を抱えた男であることは間違いなく、このラストを見ると決して今の人生に満足しているわけではないということも分かってくる。それに気付いた瞬間、自分は何だか泣けてきてしまった。
 平山は日々に芽吹く小さな奇跡に時折柔和な笑みをこぼすが、それもどこかで無理をしていたのではないか。本当は悲しいはずなのに、それを忘れようとして無理に笑っていたのではないか。そう思えてならなかった。

 これは孤独な人間の物語だと思う。平山は他者との繋がりを極力持たず、自分が決めたルーティンの中に閉じこもって生きている。まるで外の世界に踏み出すことを恐れているかのようである。
 そして、翻ってみると自分も似たような日常の繰り返しの中で生きていることに気付かされる。だからこそ、最後の彼の表情に共鳴してしまったのかもしれない。

 「PERFECT DAYS」というタイトルも実に皮肉的である。”完璧な日々”とはこれ如何に。平山の孤独な生き方を見て憧れる人は余りいないのではないだろうか。
 確かに人生は映画のように劇的なことは起こらない。そういう意味ではこの映画はリアルと言えるが、これを”完璧な日々”と認めてしまうと何だか自分自身がわびしく思えてしまい複雑な気持ちになってしまう。

 ちなみに、劇中で流れるルー・リードの楽曲「PERFECT DAY」はドラッグ中毒について歌った曲というのが通説であるが、これも実に皮肉的な内容の歌詞である。本作の平山の日常にこれが被さると少し残酷なものに見えてくる。

 監督、共同脚本はヴィム・ヴェンダース。
 ヴェンダースと言えば、小津安二郎を敬愛してやまないことで有名だが、所々に小津オマージュのようなカットが見られるのが興味深かった。例えば、平山の部屋を捉えたローポジションのカットなどは正に小津的である。

 また、平山を演じた役所広司の温もりに満ちた眼差しには、小津作品の常連・笠智衆が連想させられた。飄々とした表情にユーモアを滲ませながら、人間味あふれる人物像を見事に創り上げている。繊細で懐の深い演技が堪能できるという意味では、本作は正に役所広司を代表する1本になっていると思う。

 撮影も見事だと思った。平山が住むアパートは東京の下町にあり、すぐ傍には東京の新たなシンボル、スカイツリーが立っている。雑多な下町と近代的な高層ビル群の対比が画面に良いアクセントをつけている。
 また、渋谷のユニークな公衆トイレはガジェットとしての面白みに溢れており、浅草地下のディープな飲み屋街や場末のスナック、古本屋、コインランドリー、銭湯等、昭和の匂いを感じさせる風景も面白い。前川つかさの漫画「大東京ビンボー生活マニュアル」のような趣が感じられた。
 かつて「東京画」でパチンコ文化をフィーチャーしたヴェンダースだけあって、今回も通り一辺倒な有名観光地ではなく、敢えてマニアックなスポットを選定したセンスが素晴らしい。

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ありの

2.0作為的

2023年12月31日
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寝られる

トイレ清掃員として働き、裕福でもなく特段の変化があるわけでもないが豊かで満ち足りた、男の日常の「幸せ」が淡々と描かれている、そして同じように見えても、毎日何かしら起きて、一日たりとも同じ日はないことが分かった、などの評価、というか感想を想定して作られたような映画と思いました。平山のような生活は、理想の生き方のひとつでしょう。

映画そのものに関して、辛辣になってしまって申し訳ないですが、いろいろ、あり得ない。
強引にきれいごとを並べただけ、な気がする。

リアリティーが感じられなく、いちいち作為的で、なんか鼻につく。

主人公が住んでいるアパートがこれでもかとボロい(取り壊し待ちのレベル)、相棒に金を貸したらガス欠になり大事なカセットを売りに行くとか(どう考えても位置的にムリがある)、姪を迎えに来た妹が、運転手付きの高級車を使っていたり(今どきこんな人いる?)、いい加減なやつと思った相棒が障害者に優しい、(実はいいところもある、の描写に障害者を出してくるんだ?)とか、なんかもう、作為的です。

役所広司の年代なら、年金をもらいながら清掃業すれば、風呂なし洗濯機置き場なしだが都内に立地するボロアパートの家賃を支払い、自家用車を持ち、駐車場を借りて、銭湯へ行き、コインランドリーで洗濯、毎日コンビニでお昼を買い、その上行きつけの居酒屋で毎日のように一杯やって、時々美人のママのいる飲み屋にも行くような生活ができるかもしれない、とそこだけは妙に納得しました。

何度も挿入される木漏れ日の映像、ただ木漏れ日を撮るのが好きなだけ?
主人公が眠りについたときに現れる心象風景のような映像も、特に意味もなく肩透かしでした。
トイレ掃除するのに素手で始めるのにびっくりした。手袋しないのか? 特に、コロナ禍を経た今、素手というのはありえないと思う。汚れた作業着を洗わずに吊っておくだけっていうのも、衛生観念上大きく違和感があり、こういう人がいたら本人的には完璧に幸せかもしれないが、あまり近づきたくない。

毎日の描写が延々続くが、いつになったら終わるんだろうかと思ってしまった。

そもそも、日常の小さな幸せに満足して満ち足りて生きている人を描写するのになんで「トイレ清掃員」なんだろう。底辺に見られがちだが実は満ち足りて幸せです、というテンプレみたいだけど、トイレ清掃員の何を知ってるんだろう。上から目線で失礼な感じがする。

そこそこのお年を召した外国人映画監督が思い込んだ美しい日本と日本人な感じで、私には違和感が多々ありました。

(追記)
星をつけたときになにかのはずみで1.5になっていました。
大変失礼しました。
多くの人にとって、PERFECTな日々を送るには生活の心配がないことだと思うので、意外と浪費家な平山の生活を支える収入の点で説得力のある描写があれば、それと掃除するトイレがあんなにおしゃれで綺麗じゃなくてありがちな汚さ臭さの描写があったら、もっと星多くつけられるのにと思いました。(トイレプロジェクトの一環なのでそれはムリでしょうが)

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かばこ

4.0木漏れ日のような光と影の素晴らしさ

2023年12月31日
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トイレ清掃員の日常を描いたヒューマンドラマ。どこにでもいるような平凡な男の日常の姿だけで引き込まれるのは主演の役所広司に魅力に尽きるのではないでしょうか。木漏れ日のような光と影にの素晴らしさを表現している良作です。

2023-210

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隣組

4.5「完璧な1日」の再発見

2023年12月30日
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知的

幸せ

役所広司さんがカンヌで主演男優賞に輝いたことで、年の瀬から新年にかけて国内で最も注目を集めている作品と言えるのでは。

役所さんの本作での芝居に関しては、他にもたくさんその凄さを見せる作品があるので、日本の映画ファンにとっては「?」と感じるところもあるかもしれません。ただ、ラストで見せる悲喜交々の表情を同時に見せる芝居には唸らせられます。このシーンが海外でも評判になっていたようです。

主人公の平山は渋谷の公衆トイレの掃除が仕事。仕事のある日は決まった時間に起き、決まったルーティンで仕事に出かけ、仕事後の銭湯から夕食、寝る前の読書まで、ほぼ決まった毎日を送り、休日も掃除や洗濯、買い物など毎週ほとんど変わらない生活を送っている。そんな男の日常の中に、”PERFECT DAYS (=完璧な日々)の要素がいくつも描き出されていきます。

まるで「こんな幸せもあるよね」と語られているようで、ストレス社会に生きる人や、生活に刺激が無いと感じている人たちに救いを与えてくれているようです。

恥ずかしながらヴィム・ヴェンダース監督の作品は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』しか観たことがなく、監督がそうした「救い」を描くことを意図していたのかもわかりませんが、「何もないような日常こそが完璧な一日なのでは」というメッセージを感じずにはいられませんでした。

あと魅力的だったのは主人公が毎朝の出勤中にカセットテープで聴く音楽。60-70年代の洋楽が中心で、本当にうまい選曲。特にアニマルズやパティ・スミス、ルー・リードがフィーチャーされ、個人的には大好物です。ヴィム・ヴェンダース監督によると、主人公の平山が聴く可能性のなさそうな曲は排除すべく、かなり入念に曲選びをしたとのことですが、やはりマニアックな曲もあり「いや、多分聴いていないでしょ」と突っ込めそうなところもありましたが、いずれにしてもサントラは買いです。

海外でも話題になっている作品ということで、本作でロケ地となった渋谷区内の公衆トイレはロケ地巡りの聖地にもなるかもしれませんね。ただ、登場するのは"The Tokyo Toilet"のプロジェクトで設置されたおしゃれな公衆トイレばかりなので、海外の方には日本の公衆トイレが全てこんなにキレイなトイレであると勘違いもされそう(海外に比べれば比較的どこもキレイではありますが)。本当はもっと一般的なトイレが出てきた方が作品をリアルに感じられたのかもしれません(本作は元々同プロジェクトがきっかけで生まれた作品なので、仕方ないところもあったのかなとは思います)。

他にもなぜ、現代ではを描いた本作を4:3で撮ったのかなど細かい疑問もありますが、とにかく印象に残る、観て良かった作品でした。

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Yutes79

4.5優しさ・強さ・孤独・切なさを感じました

2023年12月30日
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泣ける

知的

まず第一にヴェンダース監督の愛情溢れる日本の風景描写に感謝します。
平山が姪っ子に話した言葉とラストシーンの表情が印象的でした。
純粋な感性を持つ姪っ子には平山の優しさが分かるんですね。寡黙な平山が自らの人生観を力強く語り幸せそうでした。でも姪っ子も成長過程でその感性を失っていくのかな?
ラストシーンの平山の表情にはこれまでの自らの人生、その時々の感情を思い起こして感極まっているように見え、その姿に孤独という言葉も浮かび切ない気持ちになりました。

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Koba-chan

5.0日常を大切に思う

2023年12月30日
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少しセンチメンタルで、
でも、いっぱい温かくて、とても優しい気持ち。

起きた時に、木漏れ日を見た時に、空を見上げた時に、
笑顔になれる平山って素敵だ。
そして、ラスト、平山の泣き笑いに尽きると思った。

最初のトイレ清掃から帰ってくる車中のシーンで、
なぜだか泣いちゃいました。
悲しさとは違って、音楽のセンチメンタルさも加わって、
涙中枢を刺激されてしまったみたいで...。
なんで泣いてんねんって、心で自分にツッコミ入れた。
でも、音楽って悲しい曲じゃなくっても、歌詞がわからなくっても、
泣いてしまうことあるよなー。そんな選曲が上手い!!!
サウンドトラックも最高だったなー。

普段は、役所広司さん、顔圧が強すぎて、少し敬遠してしまうんですが...。
カンヌで男優賞を取ったのも納得の平山さんでした。
渋谷のトイレで、押上の道端で、ひょっこり会えるんじゃないかと。

そして、ラストの泣き笑いの顔は、本当に素晴らしかったです!
なんだか、これを打ちながらも、思い出して泣けてきちゃいます。
あのシーンを見ながら、
欲張らずに、一日一日を、その時間時間を大切に思おうっ!て、
そんな気持ちにさせてくれて、なんだか幸せだなーって思った。

あと、ヴィム・ヴェンダースさんの影の使い方や、
光の加減や、色味がとても心地好くて好きだなー。
間の取り方とか、セリフの感じとかも、同様に心地よく、
小津安二郎監督を思い出させる部分もありつつ、
監督の作品らしさというか外国っぽさというのかなー、
きちんと主張されていて、さすがのヴィム・ヴェンダース監督!!
ポスターもカッコ良い!色彩感覚が違うのかな…。

また、78歳という年齢に驚いたんですが、年齢なんて関係なく、
才能って枯れるどころか、どんどん、磨かれていくのですね!
まだまだ、これからも監督の作品がたくさん観たいです!!

2023年の映画納めに最高の作品に出会えました。
ありがとうございます。

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hkr21

3.5淡々と続く日常

2023年12月30日
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幸せ

ヴィム・ヴェンダース監督。僕が若い頃、映画ファンの間ではカリスマ的人気があった監督。僕も昔、レンタルビデオで漁るように観ていた。ただ、今回久し振りの鑑賞になった。
そのヴィム・ヴェンダース監督によって切り取られた東京の風景。
スカイツリーを見上げるアパートに住む公衆トイレ清掃員の日常。繰り返す毎日は特に大きな事件は起こらず、淡々とした日常が続いていく。
それだけなのに全く退屈させない。変わらない監督の風景と生活を切り取る巧みさ。
それにしても東京は色んなトイレがあるんだなぁ。
それと、役所さんが家を出る時、いつも鍵を閉めてないのが気になりました。😅
何にせよ、今年の映画納めにピッタリの映画でした。

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naichin

5.0忘れたくない作品になりました

2023年12月30日
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ヴィム・ヴェンダース監督が東京を舞台に素晴らしい作品を残してくれたことに感動しました。

人生、生活‥それは木漏れ日のようなものなのかもしれません。影で覆い尽くされた日常に一瞬差す光。そこに喜びを感じることこそ、生きていく上で大事なのだというメッセージがあったように思います。

大きな事件もなく、淡々と過ぎて行く日常。お金はないけれど、楽しむ術はたくさんある。この作品を観ていたら、部屋を掃除したくなったし、古本屋に行きたくなりました。

僕らは色々なものを欲張り過ぎているのでしょうね。このシンプルな生活に憧れを持ってしまいました。

それにしても役所広司さんの演技は素晴らしい!凄い!ラストシーンの涙と微笑みのバランスは、今考えてもゾクゾクします。

忘れたくない作品になりました。

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ホシ☆ケン

4.0期待と不安

2023年12月30日
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 ヴィム・ヴェンダースというフィルターを通して見た日本って一体どんなふうに映るんだろう・・・期待と不安に胸膨らませて鑑賞に挑みました。
 前半は布団を畳んだり銭湯や相撲のTV中継のシーンが何度も出てきたりして、日本を舞台にした外国人監督の作品によくありがちな、滑稽な日本文化をこばかにしたような映画の類のように思え落胆。正直、一体何を伝えたいのか理解できず不安が的中といった印象。
 ところが、中盤以降から派手ではないけれどいくつかの下世話な事件が勃発し始め、無機質だった映像に役所広司さんの豊富で絶妙な表情が散りばめられていきどんどん人間臭さとその温かみが増していきます。個人的には、終盤の三浦友和さんとのからみが圧巻で、生きていることへの哀愁と幸せを改めて気づかせられた気がしました。
 結局、私にとっては期待通りというかそれ以上に印象深い作品になりました。それは外国人といった我々と違った視点で我々の日常を表現することによるギャップによるものなのか、もしくはヴェンダースの研ぎ澄まされた感性によるものなのか、今日一度観ただけでは整理しきれていません。多分ずっと気になると思うのでまた時間をおいて観なおしたいと思います。いずれにせよ、まだ観られてない方は肩ひじ張らず平常心で観ていただくことをお勧めします。

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おまつ

5.0木を見るように

2023年12月30日
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まるで一本の木を見ているようだった。

揺らがない日々の暮らし。
でも、時折起こる出来事が木をしならせる。
風が吹いて、隣りの木々と重なり合う。
なぜここにいるのか、いつからいるのか。

たゆたう枝とは対照的な、スカイツリーや三角のオブジェも印象深い。

何より、木漏れ日のように笑える役者がいるとは。

しばらく余韻が続く、素晴らしい作品です。
選曲や選書の妙がわかればなぁという悔しさはありつつも、ただ生きることの美しさを見ました。

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Kiki

4.5おしゃれ映画は このレベルでやって欲しい

2023年12月30日
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オープニングの画でもうやられちゃうね。「参りました」って感じになる。
そこからのカットが全部、工夫が入っていて綺麗。
紫の使い方とか、陰影とか、ほんとすごいね。
ストーリーが動き始めるまで、画の綺麗さでもってっちゃう。

役所広司演じる平山の毎日を淡々と撮ってくの。
日々を淡々と観せてく感じがジム・ジャームッシュ監督の《パターソン》に似てると思ったな。

毎日をきちんと、淡々と過ごす平山に感情移入ができるのは、なんでなんだろうね。
この人が、静かな毎日を送れるといいなと思ってしまう。
そして平山はもてる。近づいた女の人は、例外なく、平山に好意を持っているように見える。

役所広司はうまいね。台詞が少ないこの役を、やり切れる役者さんは、そんなにいないと思う。
ヴェンダースが役所広司を撮った作品と言ってもいいね。

キャスティングも良かった。
石川さゆりにママ役やらせるの凄いね。歌も《天城越え》とかで狙ってこないサラッと感がいい。あとOL役の長井短よかったな。
ちょい役で安藤玉恵とか色んな人出てくるけど、その中に芹澤興人がいて『この面子に入るってすげえな芹澤興人』と思ったよ。

三浦友和とのシーンでは『がん患者に酒すすめちゃ駄目だろ』とか面白いんだよね。
ここからラストにいくのも良かった。

ラストに流れる曲が《PERFECT DAY》なのかな。歌詞が分かったら、もっとくるんだろうなと思ったな。

平山は毎日写真を撮ってて、休みの日に現像出してフィルムを買うんだけど、そのフィルムがHOLGAなの。白黒のHOLGAって、そんな簡単に買えないと思うんだよね。その辺に写真家・ヴェンダースのこだわりがあるのかなって思ったよ。

東京の景色は毎日観てて、そんなに映えるところはないと見過ごすけど、ヴェンダースの手にかかると映えてくるね。敢えて、狙った画を作らなくても、すごい画になってくる。
「どうして日本に住んでる人が、この画を撮れなかったのか」と思ったけど、首都高まわりは1998年にホンマタカシが《東京郊外》で撮ってるから良しとしよう。

おしゃれな画で引っ張りたいなら、ヴェンダースぐらいやって欲しい。でも、無理なの。ヴェンダースは写真家としても一流だから。
ヴェンダースにはかなわないだろうけど、そのレベルを目指して、綺麗な画の映画が出てくるといいな。

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Scott

5.0善き人 善き生き方

2023年12月30日
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幸せ

観終わっていつまでも余韻に浸っていたいと思った

日本の善き人の心象をこの監督はどうしてこんなに精緻に普通の日常から描けるのか

日本に親しみがあるとか、日本映画に深い敬意を持っているとか、そのような次元を超えて異国人でありながら凡人には知り得ないこの文化、風土への理解力を示してくれたように思った ただし監督が異国人であることは首都高や東京の街並みの映像が翻訳されて目前に映し出されることで疑いもなく感じ取れるのではあるのだけれど。

その理解力は平山の夕食の店主とのやりとりや銭湯で一人静かに享受する開放感や居酒屋で幸福のうちにいただく酒のうまさの切り取り方に無駄も無理もなく描かれていた

そしてそれは、この国において、正しく美しく生きる善人の姿を等身大で捉えていたように思った

私はNHKの72時間というドキュメントを観てしばしば胸がいっぱいになる
それは正しく生きている方々の日常を垣間見せていただくことで自分の心の在り方を正さなければという衝動に突き動かされるためだ

この映画はフィクションだからこそ純粋に、強く心を揺さぶられたのだと感じた
善き人として生きたいと思う

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Toshiya

3.5作家映画というよりブランド映画?

2023年12月30日
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多分今年最後の劇場鑑賞作品ですが、さて何から話しまょうかねと少し迷ってしまう様な作品でした。
ヴィム・ヴェンダース監督って私には初期の名作しか記憶が無くて、どんな監督だったのか?、どんな映画を見て感動したのか?そうした問いかけに対して即答できない監督なので、嫌いではないが自分の中で消化しきれてない監督の一人なのでしょう。
本作も見終わって、嫌いではないし、鑑賞中も色々な事を考えたし、良い映画だとも思いましたが、感想となるとなにを言ってよいのか難しい作品ですね。
例えば、海をずっと眺めている人がいたとするじゃないですか。そういう人の頭の中って百人いれば百通りで、人それぞれに全く違う事を考えているのと同じで、この映画も多分そんな海を眺めている様な作品なんだと思いますよ。

ただし、映画サイトのレビューの高評価を見てしまい意地悪な見方になってしまったのですが、本作ちょっとお洒落過ぎの様な気もしましたし、本当に分かっているのかね?って気分にもなってしまいました。
よく村上春樹の本を出版されたら直ぐに、カバーもせずにこれ見よがしに純喫茶でお茶をしながら読書している2~30代のサラリーマン的な、ちょっと軽薄な感じも重なってきましたからね。
音楽の使い方もカッコイイしお洒落だしねぇ~(笑)
本来、この物語の設定と役者の演技には見る者によって全く違った感情を呼び起こすだけの複雑さを含んでいる筈なのに、通り一遍の絶賛レビューが並んでいるのを見てしまうと、ついそんな疑念を抱いてしまうのです。

私はたまたま主役の役所広司と同学年なので、本作の主人公の平山も同学年と仮定して見ていたのですが、今の自分が平山の境地に達することが出来るのか?を考えると答えは「無理」でしたね。60代後半にあの仕事であのシフトはキツ過ぎて、現実的には90%無理だと思います。あと、この年齢ならではの高齢の親の面倒という宿題があり、平山の様な生き方はかなり例外的なものであることは間違いない。
しかし、平山の生き方(スタイル)に対してこれほどに共感する社会とは、現実の日本人を眺める限り考え難いし、感想なども美化し過ぎの様な気がしました。
作品に共感・感動するのは勝手ですが、実際に彼の様な生き方に誰も憧れていないから今の日本(人)がある訳でしょ。
なので日本人の私にとっては作品そのものよりも、気軽に絶賛する(日本人)鑑賞者に対しての疑念を呼び起こす作品であったようです(苦笑)
まあ、日本好きの外国人監督が作ったのだから、当然日本に対しての敬意やら、自分の感じた日本の特質などを真摯に描こうとしているのは理解出来ましたし、この作品の根底にある哲学的な「幸福とは」についての示唆するモノに対しても賛同できるし、決して反対するものではありませんでしたが…

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シューテツ

3.5ラストの役所広司の表情が全て

2023年12月30日
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人は結局、デジタル(0or1)の世界ではなく、アナログ(日と影)の世界に佇む者なんだな。

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ムーラン

4.5平山という男の日常

2023年12月30日
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ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞🎥

平山という男の日常を淡々と描いていく映画だが、少しずつ外的要因に影響されて若干の生活パターンの乱れも見られるものの、ひとりの男の生活ドラマが上手く描かれていた。

しかし、渋谷あたりには「変わったトイレが色々ある」ので、外国人などが本作を観ると「日本にはいろんなトイレがあるんだな…」などと思わないだろうか?😄笑

舞台となっているのは、平山の住むスカイツリーが見える下町、平山の働く渋谷のトイレなどであり、いかにも「今」を描いているのだが、平山は車で音楽聴くのに「カセットテープ」!
懐かし過ぎ…🤗

普段の生活での「仕事終わってからの一杯とメシ」・「フィルムカメラ撮影」・「寝る前の読書」などが繰り返して描かれるのは、平山の日常ドキュメンタリーっぽくて良かった。

この映画で平山は家を出る時や昼食の時に空を見上げるが、役所広司は「普段は空は見ません。映画撮影中の天気待ちの時は見る程度」らしい。
このあたりは、ヴェンダース監督の演出なんだろう。

年末ギリギリになったが、今年の日本映画では佳作の部類であった✨

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たいちぃ