「やめたタバコをまた、、、」PERFECT DAYS 亞lexさんの映画レビュー(感想・評価)
やめたタバコをまた、、、
ヴィムベンダースの映画は何本か観てきた中で、一番好きな映画だった。俺も歳を取ったのかな?
流石のベンダース、ゴジラ-1.0のような説明セリフは一切なし。
それゆえに、観た人それぞれ経験してきた人生によって、十人十色の映画なんだろうなと思う。
平山の過去を想像してみた。
彼は、その仕草や佇まいから、とても仕事の出来る人、几帳面で、どうすれば効率よく仕事ができるかをいつも考え、実行する人。
父が興した会社をいずれは継ぐことを自分も考えていたのだろう。
だが、父とのとても大きな確執によって、修復不可能なほどの、平山自身の考え方をも変えてしまう経験をして、家を出た。
妹との束の間の抱擁は謝罪のように思えた。
好意を寄せるママさんの元夫が抱き合うところを目撃して、やけ酒とばかりに酒とタバコ、とても愛おしかった。
最後のシーン、音楽聴きながら、思わず泣いてしまいそうになる感じ、とても好きなシーンでした。
「素晴らしき世界」といい、この映画といい、役所広司の深さ、優しさ、強さを感じた、いい映画だった。
みかずきです
主人公は、過去の柵、特に父親との確執を断ち切って、精神的に開放されストレスフリーになります。心にゆとりができます。
このゆとりが、主人公の感性を開放し、主人公は些細な事にも喜びを見つけ満たされていきます。
父親との確執を断ち切った主人公は、トイレ清掃員として、人間関係に距離を置いて、自分の時間を確保し、自由を手に入れます。
本作を観て感じたのは、主人公のように心豊かに生きていくためには、心にゆとりが大切で、そのためには、自分を取り巻く人間関係を良好にするのが不可欠だということです。
といっても、人間関係って相手があることなので、自分の思い通りにはいきません。いつもというわけにはいきませんが、人間関係が良好になりように努めて、一日でも良いので、心のゆとりを持てる日を作って心豊かに過ごしたいものです。
以上から本作のタイトルがDAYでありLIFEではないのは納得です。
ー以上ー
みかづきさん、コメントありがとうございます。
多分妹とのやり取りを観ながら、観客は平山の人となりを想像し、観客の人生と重ねながら最後の平山のように泣いたり微笑んだりするんだろうと思います。
そこに想いを馳せることができるかどうかが、この映画の評価に繋がるように思います。
達観しているようで、時折り見せる大人気ない表情、観ている自分を肯定してくれている気がします
みかずきです
平山は、過去を捨てて清貧生活をしますが、
彼の表情には、達観しているというか開放感がありました。
中盤で、姪と母親が登場して、彼の過去が少し見えます。
かなり経済的に裕福だったこと、父親と壮絶な確執があったと推察できます。彼は、特に人間関係の柵を捨てて開放されたと感じました。
だから、過去の二の舞にならないように人間関係に距離を置きます。
しかし、それでも、相棒は勝手に辞めるし、馴染みのスナックのママのところにも元夫が現れ、平山の心は乱れます。怒ります。ルーティンを破って沢山の酒を飲み、煙草も吸います。
平山のルーティンは、人間関係が穏やかで、順調であることが前提です。我々の生活も同様です。人間社会で生きている以上、当然です。
平山の清貧生活がDAYSではなくLIFEになるためには、人間関係に距離を置くのではなく、人間関係としっかり向き合わうことが必要だと思います。難しいことですが。
人間社会の中で、人は人との繋がり、絆を糧にして生きていくものだと思います。あくまで経験に基づいた私見ですが。
では、また。
ー以上ー
こんにちは!
盗られても困る物はないから閉めなかったんですかね!?(笑)
それとも鍵を閉めてるシーンが絵的に何か?ちょっとで、閉めなかったか(笑)
ニコの時だけはつじつまが合わないですよね。
こんにちは
本作、とても良かったですよね。役所広司さんは、私も大好きな俳優さんですが、ホントこの作品は、彼の方の抑制した演技無くしては成り立たなかった映画だと思います。
正月休み中に、もう一度観ようかなあ・・。では。