「Vague」メイ・ディセンバー ゆれる真実 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Vague
少年ジョーと成人女性グレイシー、23歳差での妊娠という実話を映画化にする女優が夫婦に密着していくという、妊娠をメインではなく、役者としての関わり合いというのをメインに据えるという珍しい構成に興味を持って鑑賞。
妊娠するまでの事に至った経緯だったり、グレイシーが起こした事件だったり、服役中の事だったりの描写が一切ないというのが面白い構成で、映画作りの様子の密着を観ているようで、フェイクドキュメンタリーのようでした。
落ち着いた暮らしをしているジョーとグレイシーの元にズカズカと割り込んで、長期の密着にも悪意全く無しで居座っているエリザベスの肝っ玉も中々のもんで、グレイシーの元旦那だったり、事件を起こしたペットショップの店長だったりとめっちゃ取材に行って、その仕方も手慣れていて自然なのもあって、すんなり情報を聞き込める流れも上手いなぁと思いました。
エリザベスが行動やメイクやら、どんどんグレイシーに近づいていってるのが女優という役職も含めて仕事だと割り切ってるぽかったし、制作会社からとかの依頼ではなく、エリザベス自身が興味を持っての取材、しかもジョーとS○Xに及んでしまう流れ(例によってモザイク処理されているのでR指定なのに…と少し萎えます)もこれも仕事となっている仕事人間っぷりは中々に怖いもんです。
そこから出来上がる過程も最後の方に流されますが、実際の話とは異なりまくるダラーっとしたドラマで、これは本当に面白くなるのか?というくらい安っぽいんですが、エリザベス自身はめちゃくちゃ本気で演技に取り組んでいるギャップがなんともいえない気分にさせてくれます。
劇伴がドカーンといった感じで唐突にここが見せ場ですよー!と言わんばかりに流れてくるのが露骨すぎて笑ってしまいました。
この手の作品でこんなに音楽を鳴らしまくる作品は珍しくて、狙ってやってるんだろうなぁとフフッとニヤケっぱなしでした。
映画としてのパンチはあまり強くないので、演技面以外で画面に惹かれる事がなかったのは惜しかったんですが、家だと滅多に見ないジャンルなので劇場公開に踏み切ってくれた事に感謝したいです。
鑑賞日 7/14
鑑賞時間 10:50〜13:00
座席 F-3