劇場公開日 2024年4月26日

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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のレビュー・感想・評価

全64件中、41~60件目を表示

3.5さすがの巨匠(マエストロ)

2024年4月30日
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鑑賞方法:映画館

本作公開週、GW狭間の平日サービスデイのヒューマントラストシネマ有楽町の午前回の客入りはまあまあで、全体的に年齢層高めです。
イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ作品と言うことですが、私は同監督の旧作を1作品しか観ていなかったため、予習として前日に追加で2作品を配信で鑑賞。結果として、そのうちの1作『シチリアーノ 裏切りの美学』は本作とフォーマットが似ていたため、いい予習になったと思います。
そもそも、1860年頃のイタリア(統一運動の終盤であり、大きな転換期)であったり、その当時における宗教の影響力など殆ど知識なく観ている私には非常に難しい題材。特に状況の理解が必要な前半は集中力が要りますが、中盤以降の展開はドラマチックで目が離せず楽しめます。というのも、本作、史実をもとに作られたとありますが、その背景としての当時イタリアにおける「地政学的事情」と「宗教(法)」を除けば、現代的にも置き換えられる普遍性があり全く特殊性や古さを感じません。さらに、そのドラマを惹きたてるファビオ・マッシモ・カポグロッソの劇伴がまた効果的で素晴らしい。世界観も含めて演劇でも楽しめると思える脚本と演出になっています。
正直に言えば、観る前はここまで楽しめるとは思っていませんでした。巨匠(マエストロ)、大変失礼いたしました。もっと勉強いたします。

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TWDera

4.0カトリックの権威とは?

2024年4月29日
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雨雲模様

4.02023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇...

2024年4月29日
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2023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇が世俗権力(教皇領)をもっていたイタリアで、ユダヤ人の子どもがカトリックの洗礼を受けていたという訴えがあり、教会権力が少年を家族から引き離して連れ去ってしまう。教皇の元でカトリックの教育を受けて次第に厳格なクリスチャンになっていく少年と、少年を取り戻そうとするユダヤ人家族。やがて教皇の権力は縮小し、イタリアは世俗的に統一されていくのだが、、、という話。
政治方面(教皇、王国、共和派の三すくみの対立から国家統一へ)にはほとんど触れず、カトリック教会とユダヤ人家族の対立に焦点をしぼっている。その分、わかりやすいところもあれば、わかりにくいところもある。カトリックの「無謬性」に現代的な政治感覚でメスを入れているのだが、かたやユダヤ人の母親の頑なさもすごい。譲れない原則は人を不幸にするのだ。

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文字読み

4.0重厚な歴史犯罪ドラマ。甘ったるいものの見方が意味を持たないことを徹底的に思い知らされる。

2024年4月29日
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さすがイタリア。ロケ場所には事欠かない。室内、室外ともに重厚な映像が展開する。そして音楽。生ぬるい耳障りの良い映画音楽に慣れた我々の耳には音量も大きく不協和音のように聞こえる音楽が随所に使われている。それはこの映画が史実には基づいているものの不条理な物語であることを強烈に印象づける。
邦題は「エドガルド・モトローラ ある少年の数奇な人生」。少年時代の純粋さ、可愛らしさと、青年になった後の複雑というかややひねくれたような彼の人となりを配してエドガルドの人生を追いかけていることは間違いない。でもこの映画は彼の人生を甘酸っぱく回顧するためのものではない。彼の人生は教皇、もしくは教皇庁によって形づくられた。その本質は何か。原題の「Rapito(誘拐)」の通り。犯罪である。つまりこの映画は教皇ピオ9世の行った犯罪を告発している。
洗礼を利用して子供を取り上げる、このことに本質的なキリスト教の非人間性を指摘するレビューがあるがそれはあたらない。歴史上、事例としては他にもあるにはあるが、ピオ9世が教皇だったこの時代ほど頻繁に、確信的に、組織的に、児童誘拐がなされたことはなかった。
ピオ9世の時代はイタリア独立戦争の真っ最中であり教皇領は日に日に縮小する傾向にあった。世俗勢力と戦いを続ける教皇の編み出した作戦の一つが有力者の子弟を集めた神学校をローマにつくることだった。いわば人質である。そしてこの頃、エドガルドの出身地であるボローニャをはじめとしてイタリア各都市の裕福な実業家はユダヤ人が多かった。ユダヤ人の子供を集める方法として洗礼を受けさせるという手段が編み出された。エドカルドの場合は金欲しさの使用人と土地の司祭が結託して一芝居打ったものだろう。
もちろんこれは異教徒に対するカソリックの寛大さをアピールする目的もあったようだが、エドガルドの場合は米英のユダヤ人社会までこのことが伝わりネガティブな評価がされたという点で全くの失敗だった。これが後々、教皇のエドガルドへの態度に表れるところが実に胸くそ悪いのだが。
まあ、一つの時代の一つの挿話として観るべき映画だと思う。ローマをはじめとして各都市にユダヤ人の協会がありユダヤ社会が形成されているところも面白かったけどね。この時代になるとユダヤ人はゲットーを出て一般社会に溶け込みはしていたようです。でもやがては両社会のズレというかひずみが大きくなりそれがジェノサイドに向かっていくのだけと。

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あんちゃん

3.5ローマ教皇を市民が平気で攻撃できる空気感にビックリした。

2024年4月29日
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60代の男です

3.0結構な人入でしたが、年配の輩は映画内容を事前把握してますか?

2024年4月29日
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個人の自由なので悪いとは言いませんが、見る前にどんな映画かを調べてから来たほうが良いと思います。最前列で、映画が気に入らなかったのか帰る時間を気にし携帯つけまくりな人がいました。こんな便利なサイトがあるので宜しくお願いします

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michi

3.5なんて悲しいんだろ

2024年4月29日
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悲しい

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ひかりすぎ

3.5難しかったよ

2024年4月28日
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歴史プラス宗教、知識不足だから置いてかれっぷりが強い。
でも理不尽なことはわかる。子を突然さらわれた親の気持ちもわかる。だからとんでもなく切ない。
子供は無垢なときに連れて行かれるから何色にも染まるよね、それがまた辛い。

とにかくずっと重苦しかった。
信心で家族が切り離されるのは無念ですね。

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ニコラス

4.5信仰心は親子の繋がりよりも強い

2024年4月28日
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らん

4.0期待度◎鑑賞後の満足度◎ 信仰という個人的なものが、一家族の幸せが、宗教権力という公的なものに呑み込まれ、潰える怖さ。

2024年4月28日
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もーさん

3.5歴史の勉強にはなったけど、あまりにも衝撃的

2024年4月28日
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19世紀中盤の揺れ動くイタリアのお話でした(ってか、イタリアはいつも揺れ動いてるか)。史実を基にしたお話ということでしたが、そもそもその辺りのイタリア及びヨーロッパの歴史に疎い私としては、驚きの連続でした。鑑賞後に少しばかり歴史を調べたところ、現在のイタリア共和国の基盤となるイタリア王国が生まれたのは1861年と比較的最近のこと。それまでは、ローマ教皇の直轄領のほか、両シチリア王国やトスカーナ大公国、パルマ公国などの小国が割拠する状態だったものの、1848年にヨーロッパ大陸全土に広がった”1848年革命”の動乱の末に、統一イタリア王国が誕生することになったようです。そして本作の舞台は、主人公のエドガルド・モルターラが生まれた1850年代から1870年代に掛けての四半世紀ほどの激動の時代を背景にしたもので、1人のユダヤ人少年の成長(と言って良いか微妙だけど)と、彼の家族、そしてローマ教皇との関わりを題材にしたお話でした。

まず驚いたのが、ボローニャに住むユダヤ人一家であるモルターラ家に、突如としてローマ教皇庁の役人が訪れ、息子のエドガルドを連れ去っていったこと。理由は彼がキリスト教の洗礼を受けたことが判明したため、彼をユダヤ教徒ではなく、キリスト教徒としてローマ教皇庁が育てるというものでしたが、全く意味不明というか、無茶苦茶極まりない話でした。しかも後に分かることですが、エドガルドを洗礼したのは、彼がまだ赤ん坊の時にモルターラ家で働いていた家政婦が、両親の許可もなく、勝手に洗礼したという話であり、にも関わらずその洗礼を盾に子供を連れ去るんだから、全く酷いものでした。

最近も、統一教会問題の報道の中で、信者の親の子供が宗教2世として育てられ、そこから脱したいのに中々出来ないということが社会問題化しましたが、ローマ教皇庁が子供を連れ去って無理矢理改宗させるなんて、いくら人権意識が低かった19世紀とは言え、あまりにも酷い話でしょう。実際国際的なユダヤ人コミュニティの連携もあり、国際的に教皇庁が批判の的になったようですが、逆に教皇庁は態度を硬化させてエドガルドを親元に返そうとはしません。

因みに本作の原題「Rapito」とは、イタリア語で「誘拐された」ということを意味するそうで、ローマ教皇庁がエドガルド以外だけでなく、年端のいかない子供たちを親元から引き離して、というかまさに誘拐を行い、事実上彼らを監禁してキリスト教教育をしていたなんて、しかもこれが史実だと言うんだから、驚き以外の何物でもありません。加えて子供を返して欲しいという親の要求に対して、家族全員がキリスト教徒に改宗するなら子供を返すというのだから、本当に呆れてしまいました。

しかもやるせなかったのは、エドガルド自身が最終的に敬虔なキリスト教徒になってしまい、臨終の床にある母と再会した際に、逆に母をキリスト教徒に改宗させようとしたこと。あまり宗教の悪口は言いたくありませんが、一度洗脳されてしまうとそれを解くのは難しく、結果的に家族であっても受け入れられない間柄になってしまったのは実に悲しく感じたところでした。

題名の通り、あまりにも数奇な物語だったので、映画として観るというよりもドキュメンタリーとして観てしまった感があったのですが、俳優陣としてはローマ教皇役のパオロ・ピエロボンの狂信的な感じの演技が光っていました。少年期のエドガルドを演じたエネア・サラは、東洋風に言えばまさに”紅顔の美少年”であり、そんな彼だからこそ、エドガルドの置かれた悲惨な立場がより強調されていたように感じました。

あと、19世紀のイタリアの風景も美しく、物語の内容がこんな話でなければ、もっと風景を楽しめたのにとすら思えたところです。

という訳で、あまりに衝撃的だった本作の評価は★3.5とします。

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鶏

4.5評価がきわめて困難。かなりの知識を要するタイプ

2024年4月28日
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今年164本目(合計1,256本目/今月(2024年4月度)38本目)。
(前の作品 「キラー・ナマケモノ」→この作品「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」→次の作品「夢の中」)

 この映画自体が描くのは史実に基づくものなので、ドキュメンタリー映画の様相も一部あり、あることないこと描けないので、かなり「退屈」な印象があります。また、この映画の背景となる「教会法」といった概念は知らない方も多く難しいのだろうなといったところです。

 表面的にみればそれは「誘拐以外の何物でもないだろう」ということになりましょうが、単純にそうは言えない点(後述)もあり難しいところです。

 なお、事件の趣旨的に、「公式パンフレット等を除けば、公的サイトでの記述が極端に少ない」背景があります(当然のこととして)。このあたりも人を選ぶのかなといったところです。

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 (減点0.3/以下のような理解をするにはかなりの知識を要する)

 ユダヤ人問題や、イタリアの成り立ちなど高校世界史を知っていればある程度背景の推測がつきますが、この映画を7割でも正しく理解しようと思うと事前に学習しないと難しいかなという事情です。
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 (減点なし/参考/この映画の背景とカトリック教会の「教会法」)

 特にカトリック教の教会では、その教会でのみ通用する法がありました。これを「教会法」といいます。三権分立がまだ未熟でもあったし、そもそも建国まもなくバラバラに近かったイタリアでは「教会のやりたい放題」であり、この「教会法」も今でいう「他のチェックを経たもの」ではないので好き勝手ができる内容でもありました。

 映画で描かれるように「緊急洗礼」というものは認められていましたが(日本の民法であえていえば緊急事務管理に近いもの)、これを経たもの(受けたもの)は、人種やもとの信教に関係なく宗派が変わるという趣旨が「教会法」に存在し、これをつかれた形になります。もっとも、この時期ですので、積極的に当該の子を悪用したという積極的なものではなく、他の宗派や他の勢力などから守るといった「子を利用した悪用」ではありました。

 ただ、強固とされる教会も、この事件はそうそうに明るみになり、知識人はもちろん他の宗派の反感をかうことになります(これによってキリスト教をめぐる勢力は少しだけが低下した)。これには教会もある程度「情報の開示」や「適正な法手続き」といった論点で譲歩せざるをえなくなり、また同時にイタリアも含めて第一次世界大戦等を経て今でいう三権分立が当たり前の国に多くの国がそうなっていきますので、「そういう法や存在を許していた、近現代の境界線となりうる時代」におきたできごと、ということになります(なお、こうした事情もあるので、この点について教会はあまり強くあれこれ言えず、公式資料等にも掲載があえて控えられているなど「めをつぶりたい」状況は理解しますが、当然、歴史としては残ることになります)。

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yukispica

2.5ユダヤ教とキリスト教の確執

2024年4月28日
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悲しい

1858年、イタリアのボローニャで暮らすユダヤ教徒のモルターラ家から、教皇ピウス9世の命令によって、カトリックの洗礼を受けた6歳の息子エドガルドが連れ去られた。教会のきまりによると、キリスト教の洗礼を受けた子をキリスト教徒でない親が育てることはできないためだ。息子を取り戻そうとするする両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の協力も得たが、教会とローマ教皇は権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じなかった。そんな事実に基づく話。

6歳から宗教教育を受ければどんな子だって改宗するだろうな、というのは容易に想像できる。
元々ユダヤ教から派生したキリスト教なだけに、キリストを殺したユダヤ教徒(ユダヤ人)に対する憎しみは相当なものだろうということもわかる。
で、何を見せたかったのかと考えたが、親と離れ離れにされた可哀想な子供、という事だけじゃないだろう。小学1年生位の年齢から改宗教育を受ければ誰だって親より宗教が大切、となるって事でもないだろうし。
事実に基づく話なのはわかるが、性的暴行を受けたわけでもないし、何を描きたかったのか、なんかピンと来なかった。
ユダヤ教とキリスト教の確執は当然知ってるとすればあまり見所はなかったような気がする。

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りあの

3.5このことが事実だったことの恐怖と怒り この少年の生涯を描いてほしかった

2024年4月28日
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怖い

時々思うことですが、何のための宗教か。
時に、人の命や自由を奪う。
特に、人よりも権威、威厳を守る「教会」の問題が取り上げられることがある。
コピーどおり、何より事実だったことに恐怖と怒りを覚える。
これではただの洗脳ではないか。
映画は、特定の宗教を非難するものではなく、権力に翻弄された親子の運命を描いたもので、このようなことがあったことを、世の中に知らせて、事実を残すことに非常に意義があると感じます。
出来れば、この後、映画に描かれた先の人生、死ぬまでどう生きたかを描いてほしかったです。

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ITOYA

3.5醜悪な側面

2024年4月27日
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私の嫌いなものは、借りた金を返さないこととと、汚職とハラスメントと暴力と宗教と犯罪(法を犯すこと)なんだけど、全部盛りだった!
キリスト教もユダヤ教もろくでもないね。
法を守るのではなく、保身や権威のために他人を踏みにじる。

宗教団体という組織は、血筋、家というのと同質で、権力者の既得権益を守り、支配拡大を図り、その社会を維持してくことが本質なのかなと。
大多数に所属する安心感は、阿片(麻薬)と同じで依存性がある。

過去の歴史を紐解けば、宗教(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教…etc)が人を救ったことなんかなく、侵略を正当化する詭弁。
または、支配地へ価値基準を子供の代から刷り込み洗脳し、統治の道具として機能してきたものでしかない。
誰一人として「親の心」「家族」について慮ることなく、時間が過ぎて誘拐された子供が洗脳されていく姿を追うことで、宗教の醜悪な側面を見事に描き切っていたと思います。

ただ、これ当時のイタリア統一運動による、キリスト教というよりは教会の権力失墜、教皇領の没収の危機、新政府と教会の断絶、自由主義だったピウス9世が教皇就任後に保守にまわりコンクラーベでの公約を破って人々の期待を裏切り憎まれた、って背景を知らないと、いまひとつよくわからないかもしれません。

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コージィ日本犬

2.5信仰の不自由

2024年4月27日
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悲しい

怖い

難しい

1858年ボローニャで、6年前の生後6ヶ月の時にカトリックの洗礼を受けたとして教会によりローマに連れ去られたユダヤ人少年と家族の話。

エドガルド・モルターラは知らないし、信仰心なんかこれっぽっちも持ち合わせていない自分からしたら、信仰するのは勝手だけど人に迷惑かけるなよという、ある意味稚拙な感想が一番に浮かぶw

時代背景はあれどちょっと父親は情けないし、そして謂わば何でもありな教皇国家。

洗脳と言っても過言では無い様なアイデンティティの上書きと、そして相容れない兄弟や母親の想いというところをみせてくれたのは良かったけれど、伊仏独の作品ですよね…カトリックの人はこれをどう観るのかが気になった。

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Bacchus

3.5音楽に圧倒される

2024年4月27日
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ミーノ

2.5エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 無宗教であり宗教につ...

2024年4月26日
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

無宗教であり宗教についてはあまり知識がない。その為本作では宗教を利用した怖さ、理不尽さを繰り返し映され衝撃を受けた。
これが実話だというのだから尚驚きと怖さを体感した。

最後の暴力的な音楽だけ個人的には凄く苦手でエンドロール後も流れてきたのですぐ帰った。

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13 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
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26 プリシラ 3.2
27 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
28 コヴェナント/約束の救出 3.0
29 僕らの世界が交わるまで3.0
30 ゴジラ×コング 新たなる帝国 3.0
31 ブルックリンでオペラを 3.0
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35 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
36 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
37 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
38 関心領域 2.6
39 ジャンプ、ダーリン 2.5
40 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
41 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
42 マダム・ウェブ 2.3
43 落下の解剖学 2.3
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45 哀れなるものたち 2.3
46 エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 2.3
47 ザ・エクスチェンジ 2.2
48 DOGMAN ドッグマン 2.2
49 パスト ライブス/再会 2.2
50 リトル・エッラ 2.2
51 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
52 ボーはおそれている 2.2
53 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
54 瞳をとじて 2.2
55 ゴースト・トロピック 2.2
56 葬送のカーネーション 2.2
57 Here ヒア 2.1
58 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
59 ハンテッド 狩られる夜 2.0
60 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
61 ゴッドランド GODLAND 2.0
62 キラー・ナマケモノ 1.9
63 ザ・タワー 1.9
64 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
65 マンティコア 怪物 1.9
66 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
67 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
68 デストラップ 狼狩り 1.6
69 No.10 1.5
70 VESPER/ヴェスパー 1.5
71 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5

番外
ソウルフル・ワールド 5.0
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
犯罪都市 NO WAY OUT 4.5
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
メメント リバイバル 2.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
貴公子 1.5
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5

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ego

4.0ホラー

2024年4月26日
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母親が美しく哀しい
最後まで…

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m m

5.0世俗権力の台頭、弱体化する一方の教会権力

2024年4月26日
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泣ける

怖い

難しい

すごく面白かった。映像と音楽が素晴らしく美しく、映像のカットがよく練られていた。エドガルドがとても可愛い。ママとの静かな面会後、きょうだい(自分を入れて9人きょうだい!)にもママにもパパにも会いたいと泣き叫びながら連れ去られる様子が可哀想でならなかった。ユダヤ社会とキリスト教徒社会が緩やかに共存していた時代。エドガルドが生まれ育ったボローニャの家は裕福でイタリアの地方出身の女性を女中として雇っていた。方言を話されたら意志疎通ができなかった。

誘拐後も、エドガルドはママに言われた通り眠るときはユダヤ教のお祈りをちゃんとする。修道院ではエドガルドと同じ年齢層の男の子達と生活を共にし、ラテン語やカトリック・キリスト教の教えを学ぶ。賢いエドガルドは目覚ましく教義を習得していく。

青年になったエドガルド、自分を可愛がってくれた教皇が教会の祭壇に向かう中、いきなり教皇を手で押し倒す。その時、私は驚いたが嬉しかった。でもそれも束の間、エドガルドは教皇に謝罪を求められた。床にキスを、更に床に十字架を3つ、舌で描けと言われその通りにする。教皇の死後、ローマの街では暴動が起き、教皇の遺体をテーヴェレ川に投げこめ!の声が怒涛のように燃え上がる。初めは「もう亡くなった方です!」と教皇を守っていたエドガルドも「こんな教皇は川に投げ捨てればいいんだ!」と叫ぶ。危篤の母のもとに駆けつけたエドガルドがしようとしたことにはショックを受けたが、青年エドガルドの怒りと従順と信仰と理性の混乱は私の想像を超える。それとも教皇への反発はエドカルドの妄想か?

イエスの磔刑像を見上げながら、手足を貫く杭はユダヤ人によって打たれたものと修道女に教わった子どものエドガルド。彼は夢を見る;自分が磔刑像によじ登って両手、両足の杭を抜く。するとイエスは生き返り十字架から降りてすたすたと歩いて外へ行った。イエスもユダヤ人であることをエドガルドはその後、学んだはずだ。この夢はイエスの痛みと悲しみを自分のものとして生きていくエドガルドの決断の端緒になったのだろうか。

ナポレオンは教会で行われた戴冠式(1804)で市民に支持されて王になったことを示すため教皇からでなく自ら王冠を自分の頭にのせた。それを待たずとも教皇の力は中世以降弱体化に向かっていた。フリードリヒ2世(シチリア国王で神聖ローマ皇帝)は教皇から二度破門された。教皇からせっつかれて仕方なく実施した十字軍派遣(1229)は無血でやり遂げた。これも教皇は気にくわない、なぜならキリスト教徒の血を流してこその十字軍だからだ。早く生まれすぎたフリードリヒ2世、外国語能力高くアラビア語で当時のイスラムトップと書簡交換し無血でエルサレムの期限付き返還を成し遂げた。1517年はルターによる宗教改革、イングランド王ヘンリー8世は離婚したくてカトリックから離脱し1538年に教皇から破門される。

「誘拐」から3年後の1861年(エドガルド10歳)、イタリアが統一した。世俗権力が強大になりリベラルな空気が市民の中に満ちる世界の中で、教皇の精神的支柱としてのオーラも権威も財力も低下するばかり。ドイツ統一はイタリアに遅れること10年、1871年。フランス革命(1789)後の暴動と保守反動、急進的にことが進む際に避けられない暴力に恐怖を覚える。それは長く鎖国状態だった島国が開国し西欧化を推し進め習慣・言語・人種・思想弾圧を経て昭和の敗戦を経験した日本にも当てはまる。「むかしむかし、あるところに・・・」で始まるお話でなく、いつでもどこにでもある権力の揺らぎに伴う理不尽に信仰の存在意義を加えてベロッキオ監督は今の問題として提示した。

おまけ
1)青年期のエドガルド役は『蟻の王』(アメリオ監督)で主人公と恋に落ちるエットレ!この映画でも美しく素晴らしい演技だった。名前はレオナルド・マルテーゼ、銘記!
2)スピルバーグも映画化したかったが断念した。もし彼が撮っていたら、視点も描き方も全く異なっていただろう

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talisman
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