「2023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇...」エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.02023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇...

2024年4月29日
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鑑賞方法:映画館

2023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇が世俗権力(教皇領)をもっていたイタリアで、ユダヤ人の子どもがカトリックの洗礼を受けていたという訴えがあり、教会権力が少年を家族から引き離して連れ去ってしまう。教皇の元でカトリックの教育を受けて次第に厳格なクリスチャンになっていく少年と、少年を取り戻そうとするユダヤ人家族。やがて教皇の権力は縮小し、イタリアは世俗的に統一されていくのだが、、、という話。
政治方面(教皇、王国、共和派の三すくみの対立から国家統一へ)にはほとんど触れず、カトリック教会とユダヤ人家族の対立に焦点をしぼっている。その分、わかりやすいところもあれば、わかりにくいところもある。カトリックの「無謬性」に現代的な政治感覚でメスを入れているのだが、かたやユダヤ人の母親の頑なさもすごい。譲れない原則は人を不幸にするのだ。

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