エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のレビュー・感想・評価

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4.0宗教という存在

Kさん
2024年5月4日
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洗礼を授けられていた為にユダヤ教の家庭から離れ、カトリック教徒として新たな生活に順応しなければならず、徐々に洗脳されていく姿には言葉を失いました。
忠実心から家族を改宗させようとしてしまう姿にも…。

原題である「Rapito」の意味がとても強い言葉なので物語の全てを表していると思いました。

教皇の強大な権力と支配力は現代の宗教においても通じるものがあります。映像化に感謝。

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K

3.5少年エドガルドの表情の演技が凄い!

2024年5月4日
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またしてもドッシリずっしりボリュームたっぷりのスタミナ丼を平らげた気分……。しかし曲と映像は共に重厚で美しく、B級グルメの代表格のすた丼とは似ても似つかない雰囲気。

宗教が焦点となると一つ一つの行動の“善悪”が個人の価値観のみで判断出来なくなるところが難しい。1番初めに出てくるムチムチボディちゃんも自分の信仰に従ってお水ちょちょっと振りかけただけなわけだし。でもエドガルドの家族の立場ではその信仰心を理由に振りかざされても怒りしかないだろうし。複雑……。エドガルドひとりの心境の変化を見ても複雑な変化をするし。パパの時には堪えられたけど、ママが来たら号泣してしまったあの甘えん坊は何処…。磔に釘刺されたキリスト像の肢体から釘をこっそり抜いてあげてたあの心優しい少年は?

『宗教』が信仰の対象だけでなく洗脳的と宗教に馴染みのない人から思われてしまいがちな理由がよくわかる映画。コレが実話だというのがまた奇なり。

宗教画的な荘厳なタッチで描かれる本作品は画だけでなく音も素晴らしい✨✨目と耳と、そんな楽しみ方をしてもよいかと。
もう少しちゃんと世界史の中でもイタリア史、とりわけ宗教史と美術史を勉強しておけばもっともっと理解が深まったのかもなー、と後悔。

作中では『俗世』を体現化していたピウス9世だけど、故Jニー氏のような見るに堪えない性描写がなくて良かった。在任期間が31年の最長記録ローマ教皇ともなるときっと裏ではやりたい放題だろうに😂(←個人の感想です)

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らまんば

3.0壮大なストックホルム症候群

2024年5月3日
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カツベン二郎

3.5子供泥棒

2024年5月3日
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イタリア共産党の党員もしくはシンパだった映画監督は非常に多い。ヴィスコンティ、パゾリーニ、アントニオーニにロッセリーニ、現役のナンニ・モレッティなんかも確か共産党出身の映画監督である。そして、そのイタリア共産党とは敵対関係にあったバチカンによる誘拐事件を扱った本作の監督マルコ・ベロッキオもまた、イタリア共産党出身の映画監督てあることをまず頭にいれておかなければならない。

19世紀中頃、フランス2月革命の影響を受けたイタリアでも自由主義運動が勃興し、保守反動的なローマ・カトリック教会と対立する。裕福なユダヤ人家庭から6歳の男の子エドガルド・モルターラを拉致誘拐、子供を解放する条件として一家のキリスト教改宗を迫った実際の事件を映画化している。歴代最長在位期間(31年間)を誇る時のローマ教皇ピウス9世の頭には、(洗礼云々はもちろん口実で)弱体化著しかった教会の権威回復が目的としてあったのだろう。要するにみせしめである。

84歳を迎えたイタリア人巨匠が、スピルバーグでさえ映画化を諦めたと伝えられる史実を、なぜ今頃になって映画化しようと思いたったのであろうか。現在ガザへの大規模侵攻により世界中から大バッシングを受けているイスラエルと何かしら関係があるのだろうか。尊敬する兄貴をエンデベ空港でアラブ人に殺された私怨を決して忘れないネタニエフを、今更擁護(あるいは批判)しようとでもいうのだろうか。いつのまにかゴリアテと化してしまったダビデに本気で同情する者などほとんどいないにも関わらず。

私は本作を見ながらデ・シーカの『自転車泥棒』をふと思い出したのである。“盗られたら盗りかえす”資本主義の愚かさを皮肉った映画として知られている名作だ。本作の場合、盗まれたのは“自転車”ならぬ“6歳の男の子”なのだが、ユダヤ人家族とローマ教会の間で争奪戦を繰り広げる様子がとてもよく似ているのである。子供は親のものなのかはたまた神のものなのかという、資本主義が認めている私有財産制度に(今更ながら)疑問を投げかけた作品だったのではないだろうか。

誘拐事件を例に自由主義者たちからやり玉にあげられる度に、無原罪のおん宿り儀式などをとり行って体面を保とうとするピウス9世が、しごく滑稽に描かれている。そんな教皇勢力にすでに洗脳されてしまっている“生身の人間(エドガルド)”を取り戻そうと躍起になるモルターラ一家。そもそも私有財産を認める資本主義自体に欠陥があるのか、それとも意志のある人間を“もの”のように奪い合いすることが間違っているのか。世界中に無批判的に受け入れられているこの自由主義の“教義”を、そろそろ疑いはじめていい頃なのかもしれない。

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かなり悪いオヤジ

3.5やるせない...

2024年5月2日
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数奇な話が実話だもんな…

教皇が憎たらしくて…
心の中で、気持ち悪っ!て何度つぶやいたことか…

これは、もう拉致監禁洗脳だよ…
6歳だよ…
やっぱり、長い年月を掛けて、
本人はそれが日常になっちゃったら仕方ないよな…
やるせなさしかないや。

このような宗教がテーマの作品は、
いくつか観る機会があり学びにはなりますが、
毎回、あまり理解や共感ができないです…。

作品としては、
子役やお父さんお母さん、宗教関係者たちの演技や、
映像や装飾、音楽など
とても興味深く観ることができました。

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hkr21

5.0ユダヤの子

2024年5月2日
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大吉

3.0洗礼か洗脳か。

2024年5月1日
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宗教ものはやはり難しいな。
自分たちが神の側で他宗派は邪悪である。たとえ花瓶の水でも聖水は聖水、洗礼を受けたお前は今から神の側だからこっちへ来なさいか。困ったもんだ。

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あらじん

4.0氏か育ちかみたいな

2024年5月1日
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一人の少年連れ去り事件があのように大きく発展しようとは!背景となる🇮🇹統一運動とユダヤ教vsキリスト教が分かっていないとちょっと厳しいですが、当時の慣習、教会の様子等が伺えてとても興味深かった 映像も美しく、法皇や枢機卿演じる俳優さん達も渋くて良かった ただ宗教無関心な身としてはあんな簡素な洗礼の何がそんなに決定的なのかとても不思議に思えた 皆様信心深い故か強情な人達ばかりでしたが、母の最期の心情や主人公のふとした弾みに垣間見える分裂された複雑な心の演技も巧みで見応えがありました

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ゆう

3.5ユダヤ教vsキリスト教と洗礼は洗脳の始まり

2024年4月30日
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悲しい

怖い

難しい

宗教に全く詳しくない私でも、なんとなく理解できた❗
ユダヤ人夫婦(家族は全てユダヤ教)の間に生まれた何番目かの子供に、お手伝い❔(キリスト教徒)の手ぐせの悪い女性が、人の赤ちゃんだというのにも関わらずキリスト教の洗礼をしてしまったことで、話が始まる(ユダヤ教→キリスト教に改宗)
これを知ったキリスト教のトップは、こともあろうか七歳にも満たないその子を誘拐(この時期はキリスト教が法律も定めていたようだが… 刑法224条だったかな?7年以内)し、キリスト教に洗脳させていくという…
何度か迷いはあるものの、最終的には…宗教二世問題もあるなかで、興味深い内容でした ま、日本の天皇も昔は神だったのだし、そのおかげて第二次世界大戦にどれくらいの日本人が命を落としたことか… テムズ川ならぬ淀川にでも沈めたい気がするのは…
ユダヤ教から派生したのがキリスト教とイスラム教というのも勉強になった
子供がキリストの釘を抜くシーンは見所です❕

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ろくさん

3.5何が正しいのか判らなくなった

2024年4月30日
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怖い

難しい

保護する者の了承を得ることなく受けた洗礼によって、自分を中心とする世界がガラリと変わってしまった彼。未就学の頃から隔離された生活を送っていれば、成人になる頃には、すっかり「洗脳」されたようだった。何を信じるか、どう解釈するか、宗教の教義を理解するのは難しい。
ラストのシーン。
臨終間近の母親に洗礼をしようと聖水を見せた時の、母親の眼光が一番怖かった。

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ちゃ坊主

3.5さすがの巨匠(マエストロ)

2024年4月30日
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本作公開週、GW狭間の平日サービスデイのヒューマントラストシネマ有楽町の午前回の客入りはまあまあで、全体的に年齢層高めです。
イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ作品と言うことですが、私は同監督の旧作を1作品しか観ていなかったため、予習として前日に追加で2作品を配信で鑑賞。結果として、そのうちの1作『シチリアーノ 裏切りの美学』は本作とフォーマットが似ていたため、いい予習になったと思います。
そもそも、1860年頃のイタリア(統一運動の終盤であり、大きな転換期)であったり、その当時における宗教の影響力など殆ど知識なく観ている私には非常に難しい題材。特に状況の理解が必要な前半は集中力が要りますが、中盤以降の展開はドラマチックで目が離せず楽しめます。というのも、本作、史実をもとに作られたとありますが、その背景としての当時イタリアにおける「地政学的事情」と「宗教(法)」を除けば、現代的にも置き換えられる普遍性があり全く特殊性や古さを感じません。さらに、そのドラマを惹きたてるファビオ・マッシモ・カポグロッソの劇伴がまた効果的で素晴らしい。世界観も含めて演劇でも楽しめると思える脚本と演出になっています。
正直に言えば、観る前はここまで楽しめるとは思っていませんでした。巨匠(マエストロ)、大変失礼いたしました。もっと勉強いたします。

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TWDera

4.0カトリックの権威とは?

2024年4月29日
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雨雲模様

4.02023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇...

2024年4月29日
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2023年。マルコ・ベロッキオ監督。19世紀後半、カトリックの教皇が世俗権力(教皇領)をもっていたイタリアで、ユダヤ人の子どもがカトリックの洗礼を受けていたという訴えがあり、教会権力が少年を家族から引き離して連れ去ってしまう。教皇の元でカトリックの教育を受けて次第に厳格なクリスチャンになっていく少年と、少年を取り戻そうとするユダヤ人家族。やがて教皇の権力は縮小し、イタリアは世俗的に統一されていくのだが、、、という話。
政治方面(教皇、王国、共和派の三すくみの対立から国家統一へ)にはほとんど触れず、カトリック教会とユダヤ人家族の対立に焦点をしぼっている。その分、わかりやすいところもあれば、わかりにくいところもある。カトリックの「無謬性」に現代的な政治感覚でメスを入れているのだが、かたやユダヤ人の母親の頑なさもすごい。譲れない原則は人を不幸にするのだ。

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文字読み

4.0重厚な歴史犯罪ドラマ。甘ったるいものの見方が意味を持たないことを徹底的に思い知らされる。

2024年4月29日
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さすがイタリア。ロケ場所には事欠かない。室内、室外ともに重厚な映像が展開する。そして音楽。生ぬるい耳障りの良い映画音楽に慣れた我々の耳には音量も大きく不協和音のように聞こえる音楽が随所に使われている。それはこの映画が史実には基づいているものの不条理な物語であることを強烈に印象づける。
邦題は「エドガルド・モトローラ ある少年の数奇な人生」。少年時代の純粋さ、可愛らしさと、青年になった後の複雑というかややひねくれたような彼の人となりを配してエドガルドの人生を追いかけていることは間違いない。でもこの映画は彼の人生を甘酸っぱく回顧するためのものではない。彼の人生は教皇、もしくは教皇庁によって形づくられた。その本質は何か。原題の「Rapito(誘拐)」の通り。犯罪である。つまりこの映画は教皇ピオ9世の行った犯罪を告発している。
洗礼を利用して子供を取り上げる、このことに本質的なキリスト教の非人間性を指摘するレビューがあるがそれはあたらない。歴史上、事例としては他にもあるにはあるが、ピオ9世が教皇だったこの時代ほど頻繁に、確信的に、組織的に、児童誘拐がなされたことはなかった。
ピオ9世の時代はイタリア独立戦争の真っ最中であり教皇領は日に日に縮小する傾向にあった。世俗勢力と戦いを続ける教皇の編み出した作戦の一つが有力者の子弟を集めた神学校をローマにつくることだった。いわば人質である。そしてこの頃、エドガルドの出身地であるボローニャをはじめとしてイタリア各都市の裕福な実業家はユダヤ人が多かった。ユダヤ人の子供を集める方法として洗礼を受けさせるという手段が編み出された。エドカルドの場合は金欲しさの使用人と土地の司祭が結託して一芝居打ったものだろう。
もちろんこれは異教徒に対するカソリックの寛大さをアピールする目的もあったようだが、エドガルドの場合は米英のユダヤ人社会までこのことが伝わりネガティブな評価がされたという点で全くの失敗だった。これが後々、教皇のエドガルドへの態度に表れるところが実に胸くそ悪いのだが。
まあ、一つの時代の一つの挿話として観るべき映画だと思う。ローマをはじめとして各都市にユダヤ人の協会がありユダヤ社会が形成されているところも面白かったけどね。この時代になるとユダヤ人はゲットーを出て一般社会に溶け込みはしていたようです。でもやがては両社会のズレというかひずみが大きくなりそれがジェノサイドに向かっていくのだけと。

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あんちゃん

3.5ローマ教皇を市民が平気で攻撃できる空気感にビックリした。

2024年4月29日
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60代の男です

3.0結構な人入でしたが、年配の輩は映画内容を事前把握してますか?

2024年4月29日
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個人の自由なので悪いとは言いませんが、見る前にどんな映画かを調べてから来たほうが良いと思います。最前列で、映画が気に入らなかったのか帰る時間を気にし携帯つけまくりな人がいました。こんな便利なサイトがあるので宜しくお願いします

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michi

3.5なんて悲しいんだろ

2024年4月29日
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悲しい

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ひかりすぎ

3.5難しかったよ

2024年4月28日
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歴史プラス宗教、知識不足だから置いてかれっぷりが強い。
でも理不尽なことはわかる。子を突然さらわれた親の気持ちもわかる。だからとんでもなく切ない。
子供は無垢なときに連れて行かれるから何色にも染まるよね、それがまた辛い。

とにかくずっと重苦しかった。
信心で家族が切り離されるのは無念ですね。

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ニコラス

4.5信仰心は親子の繋がりよりも強い

2024年4月28日
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らん

4.0期待度◎鑑賞後の満足度◎ 信仰という個人的なものが、一家族の幸せが、宗教権力という公的なものに呑み込まれ、潰える怖さ。

2024年4月28日
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もーさん