墓泥棒と失われた女神

劇場公開日:2024年7月19日

墓泥棒と失われた女神

解説・あらすじ

「幸福なラザロ」「夏をゆく人々」などで高く評価されるイタリアのアリーチェ・ロルバケルが監督・脚本を手がけ、愛の幻想にとらわれた墓泥棒の数奇な運命を描いたドラマ。

1980年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う考古学愛好家の青年アーサーには、紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡を発見できるという不思議な力があった。アーサーはその能力を利用して墓泥棒の仲間たちと埋葬品を掘り起こしては売りさばいて日銭を稼いでいる。そんなある日、アーサーたちは希少価値を持つ美しい女神像を発見するが、事態は闇のアート市場をも巻き込んだ騒動へと発展していく。

「ゴッズ・オウン・カントリー」のジョシュ・オコナーがアーサー役で主演を務め、「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニ、「ハングリー・ハーツ」のアルバ・ロルバケルが共演。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/131分/G/イタリア・フランス・スイス合作
原題または英題:La chimera
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年7月19日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

出品

コンペティション部門
出品作品 アリーチェ・ロルバケル
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(C)2023 tempesta srl, Ad Vitam Production, Amka Films Productions, Arte France Cinema

映画レビュー

4.0 豊かで独創的なイメージの連続に酔いしれる

2024年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

傑作と評された前作『幸福なラザロ』に比べればやや取っつきにくいかもしれないが、しかし主人公の不機嫌さの表層をめくると、途端に眩いばかりの表現性の渦に飲み込まれる。かくなるイメージの連鎖を泳ぎつつ、観客が自ずとストーリー、状況、登場人物の心境をつかまえていく映画とでも言おうか。難解なことは何ひとつない。我々はただ、あの列車のコンパートメントから乗客がひょっこり顔を出すシーンのおかしさ、フェリーニ的な狂騒と祝祭、イタリアという名の女性の調子っぱずれの歌声、唐突な電子音楽へ包まれゆく奇想天外な味わいを受け入れるだけでいい。そうやってあらゆる描写が記憶となり、131分の愛すべきキメラ(幻想)を崇高に織り成していく。掘って、掘って、掘り続けた先にたどり着く結末も、もはや言葉では説明不要。あくまで映画的な言語として提示されるからこそ、心掴まれ、胸にすとんと落ちる。糸はまるで暗闇に射す一筋の光のようだ。

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牛津厚信

4.0 宝の位置

2025年11月26日
iPhoneアプリから投稿

が分かるアーサー。仲間達とまさしく墓泥棒を行い生業としている。
トスカーナ地方イタリア独特の雰囲気は充分感じられ、思いの外時間はあっという間に過ぎる。不思議な映画感は墓泥棒と生業と関係してる様に感じる。

ラストはとてもいい。鳩の表情で墓にはいるのを躊躇するアーサー。
入った途端、墓が崩れて生き埋めになる。
その後一筋の光と糸まさしく、希望が生まれる神からの助けなのか。独特の雰囲気充分に堪能。アーサー役のオコナー、安定した演技で、言葉は少ないが、面白い。

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ken

3.5 イタリア女性のイタリアさん

2025年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

物語の舞台であるイタリアの田舎町では、紀元前に繁栄していた古代エトルリア人の遺跡が発掘できてしまったので、墓泥棒を生業とする人たちが出てきたのだと思うのだが、。その行為はやはり死者を冒涜してるとしか思えないので共感は出来ない。
ましてや、その上前をはねてオークションをしているペットショップの経営者はもっとイケすかない。
主人公のがアーサーが何故、墓場を見つける能力がついたか定かではないが、おそらく昔の恋人(死んでるだと思う)に導かれ、探しあててもらう為に授けられたのではないのか?な?
イタリアなんだから、もっと軽やかにコメディタッチで描いてくれたら楽しめたのになぁ、。良作ではあるが、。

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アベちゃん

5.0 フェリーニの再来

2025年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

今年一の映画になると思う。
フェリーニの再来という表現は適切だった。
幻想を恍惚と見つめるのはカメラを通した我々自身でもあった。
ただの光が異様なまでに美しいのはどうして?
どうやったらそうなるんだ。
できるだけ長く映画が続けば良いのにと思ったのは久しぶりだった。
終わって欲しくなかった。
ずっと美しい画を見ていたかった。
恍惚とした。
本当に素晴らしかった。

追記
この映画に出てくる水色の車ゴダールの映画に出てなかったっけ?

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悠