落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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夫婦喧嘩と犬
犬の名はスヌープ。『ピーナッツ』のスヌーピーのようにモノトーン。冒頭、なぜか体を洗ってから散歩に行く...時系列を変えているのかな。終盤の白目からの復活はCGではないらしく、その演技が絶賛されている。
三か国語を話せるサンドラに扮するのはサンドラ。名前が同じ。
アマプラにて日本語字幕を出して日本語吹き替え版で観た〈英語の時はこのカッコが付く〉。
弁護士との仲は怪しいとも怪しくないとも言える。
両親とも作家なら才能は有りそうだが、残念ながら視力が弱い息子ダニエル。なぜスヌープでアスピリンを試したのか、なぜその後「僕を助けて」と言ったのか、自分も殺されるかもしれないという意味なのか、それとも自分が知らずに父を殺していたことがわかったのか、母が父を殺したことがハッキリしたからなのか、母が無罪とハッキリしたのか、或いは何も信じられなくなったから助けてという意味なのか。いずれにしても、母親を無罪にするためにクライマックスで父親のセリフを完全に作り上げた描写がある。
見れば見るほど謎は深まるばかり。
録音された夫婦喧嘩、暴力シーンの映像はない。当事者の証言を信じるしかない。
裁判後の何かが起こりそうな雰囲気、遅く帰ったサンドラの行動の詳細は不明...弁護士と何かあったかどうか。それは視聴者の想像に委ねられている。
ラスト、ダニエルがスヌープではなくサンドラの頭を撫でた理由と、スヌープがサンドラの隣に来た意味もハッキリわからない。
序盤からイライラさせたりモヤモヤさせ、計算していて意図的で、印象操作を感じる作品。
夫婦喧嘩と犬が印象に残るエンターテインメント。
家族の解剖
検証すればするほど真実は分からなくなるもの
法廷劇を通して知らなくても良い事を知らされる残酷さや
事実から引き出される答えの不確かさに疲弊する当事者たち。確かな証拠がないまま裁判は死んだ夫と夫婦間の気持ちが何処にあったのか人の内面を切り開き感情なんて曖昧なものに決着をつけようとしていく。
主人公が弁明時に使う母国語ではないが流暢な英語と慣れないフランス語、どちらも場合によっては嘘っぽく聞こえたり真実味を帯びていたり。一時の感情の激しさや修復不可能な傷があっても家族に愛をもって向き合っている事だって感じる。大切に思ったり憎らしくなったり日常の気持ちのゆれに対してとても敏感な話しでした。
法廷劇であばかれるものが生々しくて途中こんなにも子供に残酷な話ってあるかよと見ていて苦しくなるシーンもありましたが、その子が突きつけられた選択肢の中から自分が進みたい未来を真実として選び取ったのはある意味爽快だった。
そこに落ちて跡を残した証拠、事実、言葉といった動かしようのない事実は存在している。でもそこに落とすまでの真意は何を思ってのものだったのか、心はずっと動いているもので本当の気持ちなんて本人にさえ分からなくなる時がある。第三者も含め登場人物はみんな自分のための真実を選んでいるのだから、そこにある事実がどういった跡を自分に残した事にしたいのか、自分はどう受け取りたいのか、曖昧で前に進めないなら自らが答えを決めて良いのだと思える終わり方だった。
生理的に好きになれない登場人物とストーリー
話題性が高かったため、気になり見てみました。
何か・・・冒頭のシーンからちょっと「嫌だなぁ・・・・」
二人の会話の内容が、意味がわからないなりにもキザっぽくて嫌悪感。それに輪を掛けて大音量が流れてくるけれど、その利用されている音楽のメロディーも嫌だし、客人が来ているのに大音量を流す行為を行う夫の性格も・・・・・・
そこから物語が進んでいくうちに、主人公の「サンドラ」がとても嫌なキャラクターだな・・・・・何か、とても図々しい人という印象を受けました。
それに輪を掛けて息子が可愛そうだな・・・・・と。
ストーリーも自分の好みではない、鬱々とした展開で前日の夫婦の言い争いの録音テープのシーンで、耐えられず視聴を止めました。(そこからネットで物語の概要を知り、あぁ、見なくて正解だったと思っています)
サンドラが嫌なキャラクターだと印象付いてしまったのですが、それだけ役者さんの演技が素晴しかったのだと思います。
個人的な好みです。自己主張する人間同士の憎しみ会いは無理して見る必要性がない。不愉快。
夫婦の仲
できた息子…
両親は彼の視力も奪い、裁判によって心もズタズタにしながらも、父親殺しの疑いもある中、母親を守った。両親とも自我を主張し過ぎで身勝手だ。殺しの有無の真実は分からない。息子の証言の真実も分からないが、健気で聡明な息子に頭が下がる。彼の精神は大丈夫なのだろうか。子役が素晴らしかった。また、カメラワークがドキュメンタリー風で終始引き込まれ、派手な展開は無いものの、見入ってしまった。
人間だけでなく、犬に注目
【鑑賞のきっかけ】
本作品は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞していることもあり、劇場鑑賞を予定していたが、機会を逃してしまいました。
このたび、動画配信が始まったので、早速、鑑賞してみました。
【率直な感想】
<「ミステリ」ではなく、「人間ドラマ」>
本作品は、フランスの雪の積もった山奥の山荘に、夫と妻(サンドラ)とひとり息子(ダニエル)という三人家族が暮らしているという設定です。
ある日、11歳のダニエルが飼い犬と散歩に出かけ、戻ってきてみると、父が山荘から転落して倒れていて、既に絶命していました。
やがて、警察の捜査の結果、妻のサンドラは殺人容疑で刑事訴追を受け、裁判が開かれることに。
…と、記載してくると、シチュエーションは、完全に「ミステリ」、しかも、ジャンル的には、「法廷サスペンス」なのですが、本作品は、そうではありません。
宣伝用のポスターには、「これは、事故か、自殺か、殺人か」とあるけれど、どれが真相かを追求する作品ではありません。
本作品で描こうとしているのは、「人間ドラマ」です。
夫婦の人間関係はいかなるものであったのか、視覚障害のある少年ダニエルに対して、父と母はどのように接していたのか。
これらが、2時間半という長尺の物語の中で、じっくりと描かれていきます。
<2番目の注目点があります>
多くの映画作品において、冒頭のシーンが後の展開を考えた時、非常に重要だったりします。
本作品は、それに該当します。
本編が開始した時、カメラは階段を下から、映しています。
この階段から、ポンポンとボールが「落下」してきます。
階段の下まで落ちてきたボールを、駆け下りてきた「犬」が咥えて、再び、階段を上っていきます。
つまり、本作品で最初に登場するのは、「人間」ではなく、「犬」です。
「人間ドラマ」重視なのに、「犬」が最初に登場。
本作品は、カンヌ国際映画祭において、パルム・ドール賞のほかに、「パルム・ドッグ賞」を受賞しています。
私も、今回初めて知ったのですが、優れた演技をした「犬」に対して与えられる賞だそうです。
そうした視点で捉えてみると、この「犬」が物語の中で、重要な役割を果たしていることがよく分かります。
【全体評価】
人間の演技に注目するとともに、「犬」の演技にも大注目という本作品は、強く胸に刻まれる、期待を裏切られることのない秀作であると感じています。
優れた脚本と今な画作りの傑作
タイトルが秀逸
誰しも
事件か事故か それだけではおさまらない
他殺か、自殺か、事故死か
山荘で父親の死体を息子が見つける。
山荘にいたのは父親と母親だけだったため、母親に殺人の嫌疑がかかる。
そして裁判となり、家族の秘められた過去が、次から次へと晒されることになる。
証拠のない事件で、観ている方もわからないが、家族それぞれの人生が裁判という形で、みんなの前に繰り広げられる残酷さは強烈だ。
感想メモ
裁判で双方の主張を聞けば聞くほど真相がわからなくなる
誰も信じられない、子供に付き添ってたお姉さんしか信用できない
最後の方の事件前日の喧嘩、凄すぎて笑っちゃった
私は乱暴よ!何かを殴る音
物語のアイデアを盗まれた!?
子供も証言を変えたり、母親を守ろうとしているのだろうか、見てた感じ母親は余り育児に協力的でなかったみたいだけどねー
真実かどうかではなく、どう事件を解釈するのか
ラストはスッキリしない感じではある
自分で体験してみた事を話にする、と最初のインタビューで言っていたのが妙に気になる
フランスの裁判所おしゃれ
弁護士のおじさんの顔が綺麗過ぎる
新しい試み
他の皆さんがおっしゃる通り、真相が明らかにならないまま終わり、一本取られたなぁとはなりましたが…それだけでした。2時間半まで引っ張られてモヤモヤが残った分マイナスかなと思いました。
物の見方
勝った時はご褒美があるのかなって
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