劇場公開日 2025年3月14日

Four Daughters フォー・ドーターズのレビュー・感想・評価

全10件を表示

3.0理解の範疇を超えた異文化、家族の有り様に落ち着き所を見出せず

2025年3月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

配信で観て惹き込まれた、シリア難民を主人公とする「皮膚を売った男」を監督したKaouther Ben Haniaの作品。

国を捨てて過激派組織IS(イスラム国)に加わったチュニジア人の姉妹、その姉妹との関わり、残された二人の姉妹との関係に葛藤する母と妹たちを描いたドキュメンタリー映画。

実在する母と妹2人が自然体で臨み、母役は本人と女優のダブルキャスト。国を捨てた姉妹を女優が演じるという形で再現した、異色のドキュメンタリー。シングルマザーである母の人生、そして家族の複雑な歴史が描かれる。

チュニジア、リビアといった国における家族関係、男尊女卑など、また黒装束で顔を隠すニカブを着用する女性の心持ち、イスラム国の存在以前に、未知の異文化における家族の有り様が、自身の理解の範囲を大きく超える。

イスラム社会の一側面を、実在する家族を通して見るという初めての体験。淡々と家族の歴史が語られる前半は、アラブ系の女性の美しさと強さを感じつつも、台詞の洪水に思考がついて行けず、眠気に襲われる。

消えた2人の姉妹の今に通じる後半部分では、実際のニュース、幼い頃の妹たちが出てきたり。リアルな映像とともに、目まぐるしく展開するものの、どうしても、自身の異文化に対する理解レベルを越え過ぎている。

自分自身にとって、女系家族が身近でない割には、母娘、姉妹の深い家族愛を感じることが出来たが、その他に落ち着きどころを見つけられないまま、アラビア語とフランス語による読めないエンドロールをぼんやりと眺める、そんな映画だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Toru

3.5幸せの理想はみんな違う

2025年3月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

母という呪縛から逃れたかったのだろうか。
残されゆく者達の苦悩を想像できなかった訳でもないけど、それに勝る魅力があったとしか思えない。
自由を求めた先にあったものはもはや本人たちにしかわからない世界。
家族とは。
信仰とは。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
icco

4.0チュニジア版「どうすればよかったか?」

2025年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
Jax

4.0俳優と本人のダブルキャストという演出の妙

2025年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

チュニジアでイスラム国に身を投じた長女・ラフマと次女・ゴフランを持つ母親・オルファと三女・エア、四女・テイシールの”ドキュメンタリー”でした。というか、実際に母親や三女、四女らにインタビューするシーンのほか、過去の出来事を再現する再現ビデオ、さらにはその再現ビデオを撮影するシーンを撮影しているメイキング物でもあり、”Making of Four Daughters”というべきものでした。

「イスラム国に身を投じた長女と次女」というサワリを聞くと、イスラム教という狂信的な宗教のために家族が壊されたかのような印象を受けましたが、全編を観ると必ずしも宗教が主役になっている訳でななく、彼女たちの祖国チュニジアの大混乱こそが、彼女たち家族の分断を生んだ原因であったという結論に達しました。

2010年から2011年までの間で勃発したチュニジアのジャスミン革命では、23年間続いたベン・アリー政権が倒れ、その後ヨルダン、エジプト、バーレーン、リビアなどの周辺国に革命の火の手が広がり、”アラブの春”と称される動きに繋がって行きました。このベン・アリー政権は、イスラム組織や共産党を弾圧する一方、新自由主義的な政策を実施して一定の経済成長を達成したいわゆる開発独裁の典型みたいな政権でした。そのため、ベン・アリー政権が倒れたことで、従来弾圧されていたイスラム組織が力を得て、その波に長女や次女が飲み込まれていったというところなのだというのが私の見立てです。

また、腐敗した政治や、思想、信条、信教の自由を認めない体制が長年続いたことで、失業率が高く、母親が海外に出稼ぎに行かなければ一家を養えないと言ったこと、また男尊女卑の風潮が酷く、特に若い女性に鬱屈した不満が溜まりやすかったことなども、結果的に長女と次女がエクストリームな過激宗教活動に身を投じてしまうことになる要因だったように思われました。

さて作品の背景は以上の通りでしたが、本作を映画として観ると、非常に面白い趣向がありました。再現シーンにおける母親のオルファの役を、役者のヘンド・サブリが演じていたとともに、オルファ本人も演じていたことです。イスラム国に身を投じ、現在リビアで投獄されているらしい長女と次女は役者が演じており、また三女や四女は本人が演じていることを考えると、母親は本人が演じるのが普通なのですが、敢えて役者を起用しているところが面白いところ。なんでそんなことをするのかと思えば、実は再現シーンの前後で交わされる役者と本人たちとの会話を収めるのが目的だったのだろうと推測され、そういう演出が中々興味深いものでした。

そして再現シーンを演じる彼女たちが、時に長女たちがいた頃を思い出して感情が溢れて演技が中断するところなど、彼女たちの感情が伝わってくる印象的な場面でした。長女たちは懲役20年以上の罪に問われているようで、家族が再会できるのかは非常に微妙なところですが、彼女たちの家族が救われますように、心から祈りたいと思います。

そんな訳で、本作の評価は★4.2とします。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
鶏

3.0セリフが多すぎて休む暇がない映画だった 今日見たもうひとつは【Fl...

2025年3月18日
iPhoneアプリから投稿

セリフが多すぎて休む暇がない映画だった

今日見たもうひとつは【Flow】で、そっちは全く台詞なし

それはさておき

インパクトのある作品だった

でも、最大のインパクトは母親のキャラで、

それよりもっとイスラム国のことを扱うと思ってた

そこの辺は想像に任せる感じの意図なんだとしたら、

まんまとはめられた

家族関係をメインにしたちょっと前衛的な舞台劇、

みたいな感じだった

その認識だけで良いならもっと点数つけても良いけど、

多分そこじゃないので、このくらいで

思ってたのとちょっと違うのは間違いない

コメントする (0件)
共感した! 0件)
jung

3.0負の連鎖を断ち切る唯一の方法

Kさん
2025年3月16日
iPhoneアプリから投稿

長女と次女が過激派組織ISへ参加。
残されたのは母親と三女、四女。
役者の助けを借りながら対話し、真実と演出が交錯。
過去を振り返える新しいドキュメンタリー。

そこには国、政治、宗教、価値観などが
絡み合っていました。
母から子への呪縛がかなり強烈。

「狼の餌食になった」
「私の人生に男が入ってきた」
「逃れるために選んだのが信仰の道しかなかった」
「女の体は夫一人のもの」
「私の体は私のものでしかありえない」
「私達はアバズレと言われる。
男の役者は何をしても何も言われないのに」
「父親は性行為を通じて私の誕生に貢献してくれただけ」

数々の言葉が記憶に残っています。

また、男性の登場人物は全て一人の男性の役者が演じているのも印象的。

家族の喪失と葛藤が最初から最後まで
ダイレクトに伝わってきました。

今までにない形式のドキュメンタリーなので、
退屈してしまう人と没入できる人に分かれそう。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
K

3.575点ぐらい。イスラム国じゃなく、4姉妹にフォーカス

2025年3月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

過激派組織イスラム国に加わったチュニジアの若き姉妹の決断と残された母と妹たちの葛藤を描いたドキュメンタリー、ってことで、

イスラム国がらみの話をメインで聞けるかと思ったら、メインは母親と4姉妹の話で、イスラム国がらみの話は終盤の20~30分ぐらいだけです。

劇映画っぽいけどもドキュメンタリーで、人生のエピソードを演技で再現するパートがあります。

4姉妹の2人はイスラム国に参加し不在の為、不在の2人役は女優が演じ、時には母親役も女優が演じます。

この母親は娘がイスラム国に参加したということで、すごく有名になったそうで、実際のテレビ出演時の映像も使われてます。

1番聞きたかったイスラム国がらみは少なかったんだけど、

気の強い肝っ玉お母さんと4姉妹の話が面白かったのと、少ないながらもイスラム国がらみの話が印象深かった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
RAIN DOG

3.0単純なドキュメンタリーとか再現ドラマとかではないのが─

2025年3月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

単なるドキュメントとか再現ドラマではなく、役者との絡み合いや対話などで過去から現在の出来事を伝えようとしている試みに、かなり引かれるものがあったし、実際に冒頭からもう泣きそうになったのですが、思えばそこが自分のMAXだったような・・・
リアルな人物が役者に対して要求や演出めいたものを助言したりと、なかなか面白いところはあるのですが、スクリーンの中も外も、感情が変に煽られるような印象がして、事実関係がしっかりと捉えることができず、途中から見るのがなんだかイヤになってしまいました。
家族の悲しみはあるのでしょうけど、現状、誰にも非など感じられず、悲劇的な状況であったことは間違いないけれど、それぞれが行き着いているところは至極妥当だとしか思えず、状況の打破とか理不尽なところはそれほど感じなかったので、さらりと悲しい人生を垣間見ただけでした。別にそれはそれでいいと思うし、独特の手法で見るべき価値は十分あるとは感じるものの、個人的にどうもこの悲壮な雰囲気の部分は受け入れがたかったです。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
SH

3.5IS

2025年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

2025年3月2日
映画 Four Daughters #フォー・ドーターズ (2023年)鑑賞

チュニジアの15歳と16歳の少女がイスラム国に参加したのはなぜか
⺟と妹二人は俳優の助けを借りながら⾃分たちの⼈⽣を追体験する

新しいドキュメンタリーの形式に注目です

@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました

コメントする (0件)
共感した! 0件)
とし

5.0(オンライン試写会は内容に関係せずネタバレ扱い)現在の事情を扱っている点は評価できる

2025年3月2日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
yukispica