「レベチ」ヴァチカンのエクソシスト toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
レベチ
想像以上に強力で狡猾、そしてはっきりとした目的を持った
悪魔だった。
正直言って自分はクリスチャンではないしその方面を
勉強したことはないのであまり身近な話ではなかったのだが
ホラーや謎解きの要素を上手く取り入れており、映画的な
見せ場が多くて最後まで見飽きることがなかった。
悪魔の憑依に見える事に対して何でもかんでも悪魔の仕業と
考えるのではなく、客観的な考察により精神疾患と判断される
事例がほとんどらしい。その部分がしっかり描かれていて
説得力がある。
自分の年代だと1973年製作の「エクソシスト」(原題:The Exorcist)
の印象が強烈だった。オカルトという言葉を知ったのはこの映画が
きっかけだったように記憶している。「エクソシスト」でもまず
医学的な見地で異常が無いかを調べていた。
「ヴァチカンのエクソシスト」(原題:The Pope's Exorcist)で
描かれる悪魔の仕業や悪魔祓いの儀式は「エクソシスト」を
思い起こさせる描写もあるが、今作の方が相手が遙かに強力だった。
実在のチーフ・エクソシストの著書を基にしているとのことだが
どこまで事実に即してどこからが映画のための創作かは知らない。
脚色されたものであっても、見えない力で人や物を物理的に操ったり
人の過去を暴いて心理的に攻撃してくるところがぞっとする。
神父とて完全無欠ではないから触れて欲しくない過去がある。
後悔していることを見透かされ執拗にそこを突かれる悍ましさ。
謎解き部分も含めて脚本が良くできていると思った。
悪魔の目的は何?アモルト神父は悪魔祓いに成功するのか?
「エクソシスト」と比較してみるのも面白いかもしれない。
結局揺るがぬ信仰に勝るものはないというメッセージも伝わり
怖さ以外にも得るものがある映画だった。
ラッセル・クロウがさすがの貫禄。フランコ・ネロ他の出演者も
良かった。
2023年にKADOKAWAから発行された「脳に棲む魔物」という医療ノンフィクションでも、いわゆる悪魔憑きと言われる人の中には脳疾患があるだろうと書いてありました。
映画でも、触れられているんですね。
興味が湧きました。
toshijpさん、たくさんの「共感」をありがとうございます😊
ヴァチクソ、私も見ました!そして、リンダブレアーとウィリアム・フリードキンのそれを振り返ってました。今作の方がエクソシズム場面の迫力があり、何よりエンタメ性があり好きです❤️フランコ・ネロも嬉しかった。