首のレビュー・感想・評価
全512件中、401~420件目を表示
北野たけしさんが想像した『本能寺の変』の解釈
北野たけしさんが想像した『本能寺の変』の解釈で描いた衝撃のバイオレンス映画。
寝首も掻く、裏切り、下克上の戦国時代、歴史家が描く美談などはあるわけもなく現実的に描いた狂人達の物語、さもありなんも納得できるこれまでの歴史家の常識を覆す問題作。
加瀬亮さん演じる見たことない織田信長像はじめ全員がハマり役の豪華縁者たちも見所。
壮大なる中途半端。これが集大成か?
長く構想を温めたというが、規模は壮大だが、色々中途半端で落ち着かない。これまでの北野作品で俳優北野武のセリフ回しの悪さはアウトロー設定ならギリギリセーフだったが、信長を訛らせながら、秀吉は堅苦しい共通語で下手さが目立ち、他のプロ俳優と会話が馴染まない。もう俳優はやめて、監督に徹して映画を作ってはどうか。首切りの首を見せるという時代劇のタブーを破ったが、それによってむしろ首のオモチャ度、ニセモノ度が際立つ。普段の北野作品で悪役を演じる俳優までボーイズラブにして画面が汚い。なぜこれを作ったのか、納得できなかった。
まさに戦国アウトレイジ
ここまで生理的嫌悪感と狂気と利己主義感、それでいながらカリスマ的魅力を感じさせる信長を描けるのは北野武以外は多分不可能
家族愛だとか男女愛だとかそういった要素を一切廃して(男色は一生分が一度に摂取できます)徹底的なバイオレンスと死の呆気なさ、綺麗でカッコよく描かれる戦国武将が多い昨今の流行とは完全に対極、登場人物皆自分のことしか考えてなく「色々気持ち悪い」と思える混沌とした世界観はまさに戦国アウトレイジ
氏のかつての戦国物の作品である「座頭市」が万人受け?を目指したエンタメチャンバラとして描いた後だからこそ、この作品を世に出せたのだと思います
本作品は決して万人受けはありえないですが北野作品戦国版を楽しめる怪作です
首の価値観
俗説が多い本能寺の変周りの歴史を北野武監督のエッセンスで煮詰めてごった煮にした作品だと感じました。予告の時点ではバイオレンスで頭のネジが外れている戦国時代の武将達の探りあいや関係性を重厚に描いてくれるのかとワクワクしたのですが変にコメディリリーフな部分があり個人的に肩透かしを食らってしまったのがマイナスな点です。武士、農民、南蛮人、商人、それぞれのもつ首級に関する価値観の違いは見ていてなるほどなと感じました。それでいて最後のあれですから物語として完成度は高いと感じました。映画の中で印象的なセリフとして予告でも使われていた「人生はそれこそ座興」といった旨のセリフです。あれには首という本題とは別に北野武監督の思いが乗っているような印象を受けました。前述したコメディリリーフ的な部分がもう少し薄ければ評価として☆4〜5でもいいような作品です。殺陣や戦はやはり大画面大音響に限りますので見るのであればぜひ劇場で。
北野武は黒澤明の域に達した
北野武作品が基本的に好きであるが、「アウトレイジ」シリーズなど暴力シーンはあまりいただけない。
本作も、R-15指定も当然の暴力、殺害、血みどろの残酷シーンが多い。
その手のものが苦手な人は受け付けないかもしれないが、それを遥かに超える中身の濃さ、熱さのある一本だ。見ないと損する。
このところ-前妻との離婚、オフィス北野崩壊など-、映画作家としてもタレントとしてもネガティブなことを書かれることが多いたけし。本作も公開前から、制作元のKADOKAWAとうまく行っていないなどの話がよく週刊誌に書かれていた。
その意味で、たけちゃんも色ボケで終わった人か…と作品については半信半疑だったが、そんなことはまったくなかった。世界のキタノは健在だった。
企画から脚本、演出、そして個々の役者の熱演も満足ゆく内容。
このところ、「ゴジラー1.0」「正欲」と自分でも高評価をつける作品が続いているが、同時期にこれだけの映画が公開されるというのは映画ファンとしてもうれしい限りだ。
自分ではどちらかというと、時代物とくに戦国時代は興味が持てないのだが、たけしらしい切り口はやはり斬新。時代背景、人物関係などあまり気にせずとも、合戦シーンその他に目を見張り、欲望渦巻く武将たちのぶつかり合い、信長の狂気に満ちた不条理な行動への怒りと反発で、登場人物にも感情移入できる。
ストーリー展開、映像美…いろいろな意味で、黒沢の域に達した、と評価しても言い過ぎではない、と思う。
鑑賞後、980円のパンフレットも購入。これまでのレビューでしばしば書いてきたが、1000円近くも出してペラペラで中身のないパンフが多く、損したと感じることがほとんどの中にあっては、「首」のパンフは分厚く、内容も充実している。映画鑑賞の記念に買うことをすすめたい。
本作における「最高傑作」は織田信長
日本映画は織田信長、ひいては本能寺の変が大好きな印象があります。北野監督にしても30年の「構想期間」とういうことですが、観る側からしたら正直「また本能寺の変ですか」感は否めません。
本作、大筋は割と「史実」とされていることに忠実ですが、それにまつわるエピソードと過去作とは比べようもないほど思い切った武将たちのキャラクター設定に北野監督のオリジナリティを感じます。
予告編において俳優、そして役柄の紹介のために切り取られた映像をご覧になればお判りでしょうが、何といっても本作における「最高傑作」は加瀬亮さんが演じる織田信長です。若いころから「うつけ」と呼ばれ、しまいには「第六天魔王」と自称するまでになる信長について、映像を通してこれほどまでの「ヤバい奴」表現は観たことがありません。終始方言一本槍とその狂った振る舞いで、情け容赦ないパワハラ、モラハラ、セクハラ、そして完全に度起こした傷害行為に耐える部下の様子など、遠慮のない演出はさすが北野監督の手腕かと思います。
そしてもう一つの魅力は勿論、可笑しみたっぷりのユーモア。現代的にはあり得ないような言動を自然体の演技でみせたり、また何気ない調子で会話する内容につい吹き出してしまうシーンもここかしこに。また、秀吉(北野武)、秀長(大森南朋)、官兵衛(浅野忠信)の掛け合いは、どこまでが演技でどこからがアドリブなのか判らず、特に、展開に合わせたバランスを取ることに長けている秀長(大森さん)の絶妙な反応に、思わず笑ってしまう北野さん(秀吉)という構図、意図的に役者名と配薬名のカッコ付けを逆にしていますが、まさにこう見えて、そして成立させているところは監督、流石だと思います。
ただ、冒頭で書いたようにいかんせん大筋は史実に忠実です。どうやってこの展開になるかは、史実に残らない人々や裏話を駆使して創造していますが、残念ながらその魅力はキャラクター設定に頼る部分が多く、話としてはあまり面白くはありません。
とは言え、敵味方が判りにくい構造を巧みに利用しつつも、その展開について観客を腑に落させるところ、また、あんに史実を捻じ曲げることを「オリジナリティ」とうそぶくようなことはしない潔さなど、言うまでもなく北野さんはやはり名監督だと思います。まだまだ新しい作品を楽しみにしています。
黄色いクソ野郎!涙が出るほど大笑い
「黄色いクソ野郎」を筆頭に、涙が出るほど何回も笑った映画は久しぶりでした。おそらくNHKの大河ドラマが好きな人は受け付けないかもしれません。ともすれば、コントのような時代劇にとられがちですが、北野武監督のカラーをしっかり押し出せたのではないかと思います。
観る前は、猿の羽柴秀吉役に北野武監督を起用したのはミスキャストじゃないかと思っていました。北野監督は猿顔でもないし、俳優として正直どうなのかなと感じていたからです。
しかし、観終えた後、秀吉が百姓から大名(関白)にまで登りつめたように北野監督も世襲ではなく、自分の能力と努力があったからこそ、今の芸能人の地位を確立できたということを示したかったのではないかと思い、秀吉役にマッチしていると考えが変わりました。
キムタクの信長にはなかった合戦もかなり迫力があり、どの役者も個性的で能力を十分発揮していたと思います。
カンヌ国際映画祭で上映されたので、外国人の専門家がどんな評価を出したか知りたいですね。
今までで一番納得の「本能寺の変」だった。
今までで一番納得の「本能寺の変」だった。
北野武が秀吉役なのだが、もう「北野武」にしか見えない!
でもそれはあえてやっており、それがコメディリリーフとなってあの時代の狂気や残酷さを和らげてる。
R15指定になったとしてもちゃんと男色も描いており、今までにないリアルな戦国時代だった。
北野監督版恋愛映画!?
【感想】
歴史映画かというと語弊があります、北野作品を戦国時代にタイムスリップさせたような印象で、例えるなら「清須会議」をより生々しくした感じです
【推奨したい方】
北野監督作品が好きな方
【気になる点】
演じられた役に対して北野監督と小林薫さんがお年を召され過ぎている
【総評】
★の評価を凄く悩みましたが、好き嫌いがはっきり分かれそうな作品です
贅を極めた壮大なコント
贅を極めた壮大なコントに過ぎないのだがそれが北野武なのだろう。男色の愛憎も物語の主軸となるほどの切実さはなく全くお笑いのそれであり、戦はぐちゃぐちゃで暴力的。小ネタは笑えるが面白いとは思えない。でもその世界を嘲笑う茶番こそおそらくとてつもなく有り難いものなのだ。
俺はお前一筋だから
なんというか、豪華キャストによるテンポの悪いコントを見せられているようだった。
役者さんの演技は、さすがというほど素晴らしいんだけどね。なんか高級食材で普通の料理作ってるみたいで、勿体無い感満載な感じでした。
キム兄とかタケシさんも存在感はあるんだけど、本職の役者さんの中だと、演技という点ではどうしても見劣りしてしまいますね。
あと、おっさん同士のラブシーンはキツいわ。
おっさんがおっさんに「俺はお前一筋だから」とか言われてもねぇ、、、
織田信長のクレージーさ!以上!
織田信長のクレージーさはメチャメチャ良いよ。でも、それだけかな。
そもそも私は日本史が不得意なので、人間関係とか勢力図が全然解んないのよ。
できればそういう人でも解るような映画作りだったら良かったな。
深みのなく浅い出来、ヒリヒリ感がない
北野武作品でかつ戦国時代ということで、バイオレンスものはエグいだろうと予測していたが、グロテスクで残忍なシーンはストレートすぎて、そういったものが苦手なひとは観ない方がいい作品。
北野作品、純愛ものとバイオレンスものがあるし、出来不出来が極端に振れると思っているのですが、この作品は外れた方と思っている。笑いの方にも振れておらず、そういったシーンもあるがそれほど笑えるものではなかった。
北野作品のバイオレンス版ではしっとりするようなドラマはまったく期待できなくて、そういったものをぶった切るようなもの、蹴とばしてしまうものがあって、それはときに吹っ切るようなカタルシスが生まれるときがあるが、この作品はあまりに残忍なシーンでそれよりも気分の悪さが先だってしまう。後味の悪さが残る作品。単に風雲たけし城の映画版かつグロテスク版なのかと思いたくなるような浅い出来。
俳優スタッフが北野武ブランドに乗って出演しているが、もったいない使い方。北野監督も芸能界の地位にどうしても安心しきっているような感じがあって、作品自体にヒリヒリするような斬新さがなくなっている。
遠慮なくストレート
男色要素は賛否分かれるかもな…と思いつつ、面白かったと思います。難点と言えば、ややしばらく主役が一体誰なのか分かりづらいことくらいですかね。
人は簡単に死んでいくんですが、想定よりは笑いの要素が多く、そこでたまにふと「なんだこれコントや…あ、いや、まぁたけしだもんな」と引き戻されてしまいましたがw
豪華俳優陣とその世界に資金注ぎ込んで、これやっちゃうのが北野武のすごいところじゃないですかね。
ただし、北野映画のどの作品が好きかで評価は割れそうな気もします。多分、アウトレイジが好きな人に響くんじゃないかな…。
勢いだけで一気に最後まで見させてくれる
終始ラストまで飽きる事無く鑑賞できた。
しかしストーリー及び演出等は散発的かつ中途半端感を感じました。もっと内容を絞り込んでもいい様な気がしました。そんな中織田信長役の加瀬亮さんの振り切れた演技は凄く印象に残りました。
私は60代なのでどうしても、本格的時代劇は黒澤監督の作品と比べてしまう。令和の時代の映画と思うがもう少し芸術性の高いものを期待していましたので、少し残念でした。
期待はずれもいいところ💦
外国人が喜ぶ日本のsamurai movieってだけ。でも、日本人が観ても特に目新しさはない。年齢設定がめちゃくちゃ過ぎて『んんん???』ってなるし、知らない人が見たら若い信長に年寄りの家臣達が虐められてるだけの戦国パワハラムービーにしか見えない……
“みんな狂ってやがる”という言葉が覆い被さり武士道の精神まで隠されてしまったね😂暴力と愛欲だけのやりたい放題過ぎでした。(どちらかと言うと色狂いの意味合い強くない?)
まぁ、外国の映画祭では評価されるのわかる気はする。だって外国人はなかなか作りづらいもん、こーゆーの。
トレイラーでは加瀬亮が信長なん!?と違和感感じてたけど思いの外よくてそれだけが満足💛
暴力と死が身近にある時代
大河ドラマを見てても気にならないが、北野武が描く戦国時代は正に暴力と死が身近にある。多くのドラマでは歴史を追いかけ時を見せていくのでしょうが、本作で感じるのはそこ儚い生死感でした。
幼くして病で倒れる者、飲まず食わずで栄養失調で倒れる者、戦で呆気なく亡くなる者、腹を切っていく者、そもそも人生50年と謳う者、誰もが今の時代よりもきっと死を身近に感じていたのでしょう。
正に北野映画にはうってつけの舞台。
冒頭のタイトルからして正に首でした。
全512件中、401~420件目を表示