「監督の目を通して」首 berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の目を通して
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首
半蔵が次々家康に影武者を呼んで自身が本体を守る、官兵衛は秀吉に大半の策を預ける
生き残る布陣としては、確かにこのようだろう。
合戦の全盛期にあっては、武士のみならず、当然のように民衆も巻き込まれて犠牲になる。しかし地位の低さ故か、それは問題にはされていない。意趣返しとして、出自が百姓の秀吉には、武士の礼節(潔い切腹)や情け、首級への拘りは嘲笑の対象に映る。しかし一方で、心底軽蔑している風にも見えない。
戦国に猶予はなく、最後まで様になったとは言えなかった武士もいただろう。信長にしたって、稀代の暴君としての狂気を見せながら、まるでそんな人々の内の一人であるかのようにも思えた。
最後に光秀が首を差し出すシーンでは、武士として最高の演技を見せている。後で全て台無しとされるわけだが、監督の目を通して様々な視点を描いているのであって、そこに軽さは見えない。
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トミーさんのコメント
2024年2月6日
コメントありがとうございます。
今作は下層に居る人間たちの元気さが目立ちました。結局、曽呂利含め全滅なんですがね、成り上がるのも一握りというのも監督の解釈なんでしょう。