劇場公開日 2023年11月23日

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「男色の戦国の世」首 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5男色の戦国の世

2023年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

今年のNHK大河ドラマとなった戦国時代を舞台に、北野たけしが監督・脚本・主演も手掛け、たけし色がかなり強く染み出た戦国絵巻。史実を元にしながらも、信長、秀吉、家康・光秀、官兵衛、村重等のキャラも大いにアレンジする中で、戦国武将達が密かに抱える野望と策略が描かれている。

北野作品だけあり、大河ドラマでは決して描くことができない、刀を突きさし、血しぶきが舞う戦闘シーンや生首を切り落とすシーンが、ふんだんに盛り込まれている。実際の戦場は、きっとこんな感じだったのだろうと思わせるリアルさが伝わってきた。北野監督が『アウトレージ』等でも魅せた、血生臭いバイオレンス・アクションシーンをしっかりと受け継いだ集大成として、壮大なスケールの戦乱の世が描かれている。

そして、何より驚かされたのは、光秀、村重、そして信長までもがオッサンズ・ラブの構図になっている事。光秀を演じた西島秀俊は、『きのう、何食べた?』でも、内野聖陽との恋人関係を演じ、なかなか好評だったが、今回の村重役の遠藤憲一や信長役の加瀬亮の男色シーンは、正直、目を背けたくなった。しかし、これも北野作品でなければできない演出なのだろう。

物語は、信長が天下統一に動き出す中で、傍若無人の信長に認めてもらえない家臣・荒木重信の謀反を起こすが、失敗に終わる所から始まる。逃げ延びた村重を捕える為に、信長は跡目相続を餌に、大名達を重信捜索にあたらせた。しかし、その裏で秀吉は、信長を亡きものとして天下人となる為に、黒田官兵衛や実弟・秀長等と共に、明智光秀を信長討伐大将に担ぎ上げようと策略を練っていた。そして、本能寺の変から明智軍の全滅へと結びついていくのだが、ラストシーンは、あっけない幕切れで、物足りなさも感じた。

出演者については、たけし監督の元、これまでに彼の作品出演に声のかかった日本を代表する豪華な俳優陣が集結した。誰もが主役を張れる中、秀吉の北野武、秀長の大森南朋、官兵衛の浅田忠信の3人で語るシーンは、台詞と言うよりコントを観ているようで、アドリブ合戦の様相で笑いを誘う。そんな中で、信長役の加瀬亮と百姓上がりで秀吉に憧れる難波茂助役の中村獅童は、これまでにない役回りで異彩を放っていた。

今年の大河ドラマでも、その史実とは違う脚本に異議もあがったようだから、本作については、それ以上に賛否両論となるだろう。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2023年12月1日

麻布豆ゴハンさん(^^)本当に、遠藤憲一、嫌いな役者じゃないけど、あまりに美しさとはかけ離れていましたね。男目線でも、いやーな気持ちになりました。

bunmei21
麻布豆ゴハンさんのコメント
2023年11月30日

共感ありがとうございます。この作品は評価は真っ二つですね。自分の中でも無理にでも乾いた笑いモードにしとかないと、特に女性目線ではおっさんずラブのラブシーンは美しさがまるで感じられず生理的に受け付けない感じでした。

麻布豆ゴハン
bunmei21さんのコメント
2023年11月30日

コメントありがとうございます😊たけし流の描き方なんでしょうね。イマイチ、入り込めなかったかな。とにかく俳優陣が、豪華。それだけで見る価値が有りかな。

bunmei21
トミーさんのコメント
2023年11月30日

共感ありがとうございます。
血みどろ、泥まみれでもなんか美しい美術は良かったですし、目を背けたくなる男色シーンはたけし爆弾炸裂! なんでしょう。ただお話が・・首を蹴っ飛ばすのは良かったですが、生き残った村重は最後に何か言ってほしかった。

トミー