「雑な映画でした」首 helio624さんの映画レビュー(感想・評価)
雑な映画でした
宮崎駿の「君たちはどう生きるか」にも通じるところがあるんだけど、平凡な巨匠にありがちと言うか、巨匠になったら多くは平凡になるのか、やりたいことを上手くまとめ切れていない。ただやりたいことを垂れ流すのをみんなで良しとしてるだけのような感覚。
いくらなんでも天下布武を衆道と狂気だけで語るのは無理があり過ぎでしょ。
北野武がそうしたかったにせよ、そう思わせるだけの必然性があまり感じられず「そうかあ?」と首を傾げる展開のオンパレードでした。
テンポも北野秀吉の滑舌と同じで流れも良くないし、何より秀吉が凄い奴に全く見えない。ただの曲者程度で頭も大して良さそうに見えない。本能寺に至る陰謀も雑そのもの。
そして、秀吉は信長から酷い目に遭わない。まぁ…そりゃそうですよね。世界の北野を蹴れません。
スタッフ全員に崇め奉られてる偶像というか、たけし軍団にヨイショされてる風雲たけし城の殿様と大差ない。
ただ、画面は綺麗でリアリティがありましたね。戦国時代ってこうやって人が死んでいくんだろうなあという。そこは大したものでした。
もう無理だろうけど、プロデューサーに本当に力のあるしっかりした人を据えたら、もうちょっと良いものになったと思う。
アマプラで充分ですよ。
ありがとうございます。
題材も含めて名前だけである程度の数字が見込まれますからね。
そういうビジネスの都合と、もはや誰も止めることの出来ない巨匠の暴走が合わさってこうなったのかな?と。
見せ方が派手なだけで、これを時代劇だと外国に向けて喧伝されると辛いなぁと思います。
「君たちはどう生きるか」も含めて、レビューおもしろかったです。
やりたいことを垂れ流すという話、わかるような気がします。
実は昔、黒澤監督の「夢」にもそれを感じたことがあります。あちらは、まだおもしろいのも入っていましたが。