劇場公開日 2023年11月23日

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「北野武はやはり天才でいい人です」首 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5北野武はやはり天才でいい人です

2023年11月26日
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原作、脚本、編集、監督 、主演
北野武
武さん、もういい歳なのに大変だったろうね
自業自得の分も含め、障害が山積みだったのに見事です

日本人なら誰もが知っている本能寺の変を題材にしているので、人間関係がややこしくてもなんとかついていける
予備知識の無い外人には難しいだろうけど、
”座頭市”ほど海外を視野にいれた作品では無い(と思うけど、カンヌに持っていったかぁ)
30年来の構想をやっと実現したという方が大きいと思う

改めて天才未だ衰えずというか、編集までやってこの出来は凄いとしか言えない
円熟味さえ感じました
とはいえ、なれない作業のせいかな
伝令のフリして大将クビを狙う
信頼しあっているようで裏切る
などの同じパターンが複数回でてきたり

戦には女性は連れて行けないから、男色が常だったのも知識としてある
織田信長の小姓の森蘭丸とかね
だから、他の武将もそうだっただろうけど、イカつい遠藤憲一が人気なのはおかしかったけど、テクニシャンの設定かな
とりあえず、女性がほとんどいない
まともな出演が柴田理恵だけ
そんな男色も武の秀吉だけが歳とり過ぎてるかカヤの外なのも仕方ないとはいえ違和感がある
結局、主演は北野武の羽柴秀吉なんだから
もうちょっと早く作れればね

明智光秀役の西島秀俊が新鮮だった
”きのう何食べた”でみせるあの愛くるしい笑顔が場違いなようで、ある意味怖い
火縄銃の練習で簡単に人を殺しながら、あの笑顔ですよ
震えます
みんな狂っていたあの時代、今なら平和に同棲愛をしていただろあ人達が、眉ひとつ動かさず人を殺す
意味で見た事のない光秀でした

なんでも、渡辺謙にオファーしたところ、残酷なだけで面白く無いという理由で断られたそうな
彼の光秀ならだいだい予想のつく演技しか出来なかったろう
当の本人、”クリエイター”なんて、つまらん映画に出演してましたね
ざまぁない

いい役を貰ったのは清水宗治の荒川良々
ビートたけしとして、最後ちょっとだけ荒川良々らしい笑いをはさみました
”あさイチ”火曜日の顔、副島淳も美味しいとこを持っていきましたね
おばさん方、真っ青でしょう
縁深い、ホーキング青山を出してあげたり北野武はいい男です

nakaji