劇場公開日 2024年5月31日

「反戦アニメだと考えるのが妥当だとは思うけれども」ユニコーン・ウォーズ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5反戦アニメだと考えるのが妥当だとは思うけれども

2024年6月10日
PCから投稿

今年212本目(合計1,304本目/今月(2024年6月度)12本目)。
(前の作品 「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」→この作品「ユニコーン・ウォーズ」→次の作品「」)

 個人的にはアニメ作品は見ても評価は書かないのですが、外国アニメに関しては、外国人取次を視野に入れる行政書士の資格持ちとしてはよほど低評価ではない限り見ています。…が、他の映画に推されているのか1週目はヘンテコな時間帯に置かれて2週目の18:50がちょうどよかったです。

 映画の趣旨としてはある森を巡る2つの考え方の対立という概念があることはわかるし、またそれを通して戦争の無意味さを問うことは直感的にわかると思いますが、スペインといえば(この点後述)スペイン内戦をへた経験があるのも事実で、いわゆる「反戦」といってもヨーロッパの国の中では「ごく最近」内戦が起きた(スペイン内戦)スペインではちょっと違った部分があり、この部分にも触れているのではないかな…といったところです。

 良かった点としては、他の方も書かれている通り、スペインの標準的なアニメが描かれている点で、日本ではジブリ作品ほかに通じるタッチがある点かつ、明確に誰かが悪いと描かれているものではない点でしょう。一方でこれまた他の方の紹介とかぶりますが、PG12でよく通ったなという部分があり(飲食物などを持って入ると吐きそう…)、そこが厳しいかなといったところです(予告編からはこの部分がわからない)。

 ただ、アニメのタッチほかは予告編からわかるので、見に行くいかないの判断には使えるかなといったところです。

 個人的には日本のアニメ以外、それもスペイン映画という「超ではないがニッチな部分」の作品が見られただけで満足です。

 採点に関しては以下を考慮しています。

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 (減点0.2/PG12でよいか疑問が残る) ※この点は減点幅0.2統一扱い

 他の方も書かれていましたが、R18とはいわないにせよ、R15ついてもちょっと文句はいえないかなといったところです。むしろPG12で通った理由が謎です。

 (減点0.3/やや映画の宣伝の方法不足/スペイン映画かどうかの判断)

 後述しますが、「スペイン映画」といった場合、「スペインで話されているスペイン映画」か、「南米(ブラジル除く)の国のスペイン映画か」は実際に見ないとわかりませんし、この判別は初歩的なスペイン語の知識を要求します。ここは、適法に在住する南米ペルー、アルゼンチンの方等が多く住む愛知・静岡ほかでは混乱を招くので、しっかり書いてほしかったです。
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 (減点なし/参考/スペインのスペイン語と南米スペイン語の違い)

 NHKのテレビ・ラジオ講座でも交互に放送されるように(2024年春の講座は南米スペイン語講座)、この2つの言語は微妙に違います。

 少しでも聞き取りの知識があれば、南米スペイン語では使われない vosotros という語(2人称複数の主語)、およびそれに付随する動詞の活用形が出るので「スペインのスペイン語だ」ということはあたりがつきますが(よって、南米スペイン語では、vosotros を使わないしその対応する活用形を学習しないので、テキストの動詞の表などが異なる)、この点は当事者や外国人取次を実際に行っている、あるいはアンテナを張っている行政書士の資格持ちには常識ですが、一般にはそうではないですし、まして公式サイトから「スペインのスペイン語か、南米のスペイン語か」まで書かれておらず(仮に書かれていたとしても、日本で適法に在住する外国人の方では10年くらい住んでいて日本語能力検定の上位級を持っていないと情報を引っ張れない)、この点はしっかり書いてほしかったです。

 ※ 同じ点は「ポルトガルのポルトガル語」と「ブラジルのポルトガル語」か(ポルポル語、ブラポル語といったりする)でも生じますが、日本でポルトガル語による映画は2~3年に1本あるかないかなので、それとは規模が違います(なお、1月だったかの「フィスト・オブ・コンドル」は明確に「チリ」と書いてあったので、南米スペイン語)。

yukispica