「失ったものは、、、」ミッシング ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
失ったものは、、、
胸くそ作品はイケるくち。
むしろ好き方面。
だけど吉田恵輔作品はちょっと刺してくる角度が違うので、注意が必要。
「空白」も「ヒメアノ〜ル」も
ああああーーーー!!(´ཀ`)だった。
おか〜さ〜ん!麦茶2つ持って来てぇ〜
((((;゚Д゚)))))))
フライヤーはPOPで、何なら可愛らしかった「神は〜」だって、結局(´ཀ`)←こうだった(´ཀ`)
いや、作品は全て好きです。
毎回違う角度から切り込まれるその衝撃たるや!
唯一無二!信頼できる監督さんです。
凄すぎて何か、呼び捨てになっちゃうの。
吉田恵輔すごーー!ってなる。
で、新作ですもん。敬意を込めて初日初回で鑑賞してきました。
んーーー。。こうキタか!!
さとみちゃんは個人的に「アンナチュラル」の演技が一番ハマっていたと思う。
(野木脚本も素晴らしい)
感情の起伏が激しい役だと、喜怒哀楽の表現が、やや大袈裟に見えてしまう印象。
だけど、無難な役(きれいな役。顔がじゃなく)ばかりだと、もっと上には行けないという覚悟を見せられました。
本作は正に「挑戦」でしたね。
彼女自身も「自分自身に飽きた」と言っていたようですし、プライベートでも大きな変化があり、今後の彼女の俳優人生の、ターニングポイントとして位置付けられそうな作品でした。
全体像としては、これまでの吉田監督作品に比べ、より雑音溢れる世の中のリアルを描き出していたように思った。
その中に生きる今の私達を切り取り、抱えている問題を突きつけてくる。
そんな印象を持ちました。
事故なのか事件なのか。
責めるべき対象(相手)がわからないから、皆な犯人を見つけたい。真相を知りたい。
単純ではない善意。そこに悪意が入り混じる。
メディアやSNSの在り方。
沙織里(さとみちゃん)と豊(青木さん)にとっては娘だったが、それぞれの人物が失ってしまった大切なものを取り戻していく姿を丁寧に描いた秀作でした。
豊が、ホテルの外でタバコを吸っている時、前を通る3人家族。
自身の家族と重ねて涙を耐えるシーン。
SNSで誹謗中傷した人物を訴える覚悟をしたシーン。
特に印象に残っています。
◯追記◯
鑑賞してから半日経ち、皆さんのレビューも拝読させて頂きましたが、あまり触れられていない様だったので、個人的に引っかかっていた所を書きたいと思う。
虎舞竜発言(彼のセリフより前に頭に浮かんでしまった方は正直多かっただろう)や、丸められて捨てられたビラが地面に落ちている
「いかにも」なカットが欲しくて何度も撮影しているカメラマン不破(細川さん)
彼を不快の象徴のようにみせておきながらの、あの、砂田(中村君)と向き合っての会話のシーン。
「何が撮りたいんですか?」
「あの家族に寄り添って真実を報道したいだけ」
「意外ですね。美羽ちゃんが見つかる事じゃないんだぁ〜」
私も思ったの!!
(監督が意地悪過ぎる件)
真実を報道する事が正しいと言いながら、沙織里達がバッシングされる事がわかっている真実は隠したいと思っている。
だけどヤラセ誕生日会は躊躇なくやっちゃう矛盾。
そもそもが、もう砂田自身が美羽ちゃんは見つからないだろうと思ってるんだよね。
だけど自分でとってこれるスクープもない。流すネタがない。家族に寄り添うと言いながら、結局自分の都合なんだもん。
失踪を、風化させないために、コンスタントに放送する重要性は理解出来る。
万が一、その放送で情報が集まるかもしれない。でも本当に万が一。。
あの程度の内容なら、家族がバッシングされるリスクの方がはるかに高いのはわかっているはず。
それにより沙織里と圭吾(森君)の関係も崩壊寸前だ。
親はね、その万が一にかけるのはわかる。
だけど砂田はもう見つからないと思っている。
砂田自身の善意は私たちが持ち合わせている善意と同じだ。
しかしそれは、顔の見えない悪意とあまり変わらないんじゃないかと冷や汗が出た。
根本的にちがうんだよ砂田君。
砂田を良い人と捉えた方が多いようだったのですが、勇気を出して告白すると、私には一見誠実に見える砂田は、終始残念な人にうつりました。
それは我々にむけられた監督の皮肉なんじゃないかとも思いました。
(砂田がカメラの回っていない所で、或いはプライベートで、沙織里達と一緒にビラ配りをしているシーンなどあれば、彼を理解出来たと思う。
だけど、監督はそれをしなかった。)
同じ様に感じた方は、、
たぶんいないかっ!汗汗('◉⌓◉’)
個人的に中村君の芝居が苦手だからなのかな?
いや、今作の芝居は良かったぞ!
私が砂田に覚えた嫌悪感、違和感。
それこそ中村君の演技力という事か?!
監督は砂田の立ち位置をどう捉えていたのか興味深いです。
◯おまけ◯
携帯の電源オフるのって普段は映画鑑賞の時だけですが、その度に、この2時間の間で、子の学校から連絡が来やしないかと、いつも少し気になる私です。
そして
沙織里のTシャツの文字!(;_;)
ピアノで一緒だった子のパンチあるお母さんが着ていたバンドTシャツ!
Tシャツがキーアイテムでしたね。
小物使いが巧い!
あ!あと、予告での
「笑い堪えるの必死でしたよね〜!」
そっちか〜〜い!!
ミスリードされたぜ〜( ̄  ̄)
でもでもホッとした。良かった。
共感ありがとうございます。
ビラ配り、しても良かったかもしれませんね。でもなんか謝礼とか受け取っちゃって・・また大炎上とか、謹慎、担当外れとか、大体涼し気だった表情が石原さとみ並に崩壊するのも面白かったかもしれません。
砂田さんは別の意味での無力感の象徴に感じました。ネット中傷の報道を自分がしたかったんじゃないか? カメラマンも変えられぼーっとアザラシ待ち、辛いですか?童・・。「深呼吸!」には同情しましたが。
弟には暴力まで振るうのに、警察署では「そうですか…」とアッサリ引き下がるんですよね。
自分の非を自覚するくらいには紗織里もまだ狂い切れてなくて、だからこそ苦しいだろうなぁ、と感じます。
砂田は、大多数の“一般人”代表なのかもですね。
連投メッセージは、自分も最悪の結果を想像してしまったので、安心しました。
本心では後悔と苦悩を抱えてただけに、本当に危なかった。
ホテルにチラシを頼んでたシーンは良かったですね。
あれで少し冷静になり、自己を省みたであろうことを表情で表す石原さとみの演技も。
本作かなりキツかったので、次は笑顔の石原さとみが見たいですね。
人情なのか、事実報道なのか、局都合なのか、正義なのかと悩んで決めきれない彼は、記者としても番組の作者としても二流で、後輩君の方がTVマンとしてはある意味はっきりしている。
まあ映画ですし脚本なんですが、監督はその辺りを分かってて描いてるはずで、ゆきさん仰る通り「イジワル」な仕掛け人でしたね笑
コメントとお褒めの言葉!ありがとうございました。
砂田記者への感想は私も異口同音で。TV関連の仕事を少しだけしているのですがTVって「作る仕事」でありバラエティにせよ報道にせよ、視聴者へのアプローチの着地点が何なのかをビシッと杭打って、良くも悪くも物凄くそれを気にしないと良いものが生まれない世界と考えています。
砂田、上司に直談判を流されてあんな顔してたのに、番組ぶち壊したりはしないんですよね。
残念といえばそうなんですが、リアルだなぁ、と見てました。笑
でも、彼なりの正義や葛藤はあって、結果として沙織里の支えにはなってたと思うんです。
身近な人ほど激情をぶつける沙織里が、あれだけ感情的になってたんですから。
カメラマンも悪気はなく、あのままだと絶対ネットの玩具にされるから指摘したと思うし。
(丸めたチラシも、彼なりに切実さを伝えようとしたのでは)
出てくるキャラクター全員、善人でもヒーローでもなく、普通の“人間”だったんですよね。
ゆきさん、いつもありがとうございます。みかずきさん共々、私の拙レビューを取り上げていただき、恐縮というか恥ずかしいというか😅
砂田の立ち位置に関する、監督の意図にまで及ぶ考察。どこかの映画祭の『ある視点賞』的でとても刺激的!
大変な思いをしている人に『寄り添う』とかいうのをテレビに出てくるコメンテーターが簡単に口にするのを見てると、どうにも胡散臭く感じるところは私にもあるので、とても腑に落ちました。
共感ありがとうございます。
いつもながら、テキパキとした歯切れの良いレビューですね。
追記を拝読しました。
砂田は沙織家族を失踪事件直後から取材していたと推察します。
失踪事件から三ヶ月経って、沙織家族が崩壊の危機にあると感じたと思います。
故に、あの家族に寄り添って・・・という発言をしたと思います。家族に寄り添うとは、家族を救う、守るという意味だと解釈しました。砂田は、家族に寄り添うことを最優先にして行動します。バッシングの件然り、誕生日会日程変更の件然りです。しかし、肝心の家族が自ら立ち上がらなければ家族の再生はできません。
コメントが長くなってしまうので、この続きは、グレシャムの法則さんのレビュー・コメント欄の私のコメント、私のレビュー・コメント欄のグレシャムの法則さんの返信コメントを拝読頂ければ幸いです。
では、また共感作で。
ー以上ー
おはようございます!
ブザービートに青木さん出てましたね!個人的には今やってる「プロポーズ大作戦」が好きで全話録画予約済みです(笑)
青木さんもうちょっとヘアスタイルと髭整えてくれるといいんですけどね~
清潔感!(笑)
今晩は。コメント有難うございます。
妻が2年間、愛娘の事を想い精神的に不安定な状況を青木崇高さん演じる夫は努めて冷静に振舞ってきたのが、同じ思いをした母親からの優しき言葉でずっと耐えて来た堰の様なモノから解放されたのかな、と思い、あの嗚咽のシーンは涙が出ましたよ。
私も、吉田恵輔監督作品はほぼ総て好きです。(「馬車馬さんとビッグマウス」は、パンフが売り切れだったので通販で買った事を思い出します。(最近は、書棚が一杯なのでパンフは滅多に買いませんが。)
理由はオリジナル脚本で勝負出来る貴重な監督だからですね。最近、ドンドン作風も広がっているのも嬉しいですね。では。