「お金を稼ぐという事」アシスタント himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
お金を稼ぐという事
映画『アシスタント』アメリカのエリート社員の現実とは、高額の報酬にあわせて、そのストレスは、そうとうなもの。これは、しかたがない、本人がそれを望んだのだから。ただ、パワハラ、セクハラとなるとその判断は難しい。犯罪でない限りその境界は曖昧だから。
名門大学から更に狭き門をかいくぐり
やっとたどりついた、映画業界のアシスタント。
将来プロデューサーを目指す彼女の最初の仕事は、会長のアシスタント。
秘書みたいなものでしょうか、とにかく雑用すべて。
上手くやって当たり前。
ちょっと失敗すると、会長から罵声を浴びさせられ。
始末書ならぬ、謝罪文を書かされる。
設定では、入社2ヶ月目だからしょうがないよね。
でも、そんなことでと思うことで、謝罪文。
めげるよな。
誰よりも早く来て、帰るのは一番後。
長時間労働は、あたりまえ。
文句を言おうもんなら、君のかわりは、アイビーリーグの秀才が、400人順番まちしてると、言われる始末。
同僚の対応も、冷たい。
それが、女性に対する態度、と思えるくらい。
エレベーターってレディーファーストだよね、と思うんだけど、そんなことはお構いなし。
同じ部屋にいても、用事のある時には、紙くずを丸めて投げられる始末。
まあ、映画だから多少の誇張は、あると思うのですが。
パワハラと取るか、当たり前のことととるか。
彼女が、受ける待遇をどう取るか。
まあ、入社2ヶ月目ですから、同僚からまだ仲間と認めてもらえず、冷たくあしらわれるのは、致し方ないかな。
じゃあ、会長から受ける罵詈雑言は。
これも、入社間もないと、ありえるかな。
かなり、高給取りとなるようですし。
残るは、会長のセクハラ、彼女にではなくて、会長のお気に入りの素人の俳優志願の女の子を、無理やり秘書にすること。
そして、情事と疑われる所業。
エンターテイメントの世界では、ごく当たり前のように映画では。
だろうなと、想像はつきます。
芸能の世界に、常識を求めるほうが、無理。
ただそれが、力ずくでとか、薬を使われたとかなると、別問題ですが。
一般の会社だってあることでしょ。
一流企業の最高責任者となったら、鶴の一声でしょ。
大体権力を手中にした人間の考えることなど、皆似たようなもの。
エンターテイメント業界ほどではないとしても、逆らえないでしょ。
となると、平社員のわたしは、どう生きてゆくかということになるのですが。
泳ぎ切るか、収入が減っても自分らしく生きるか。
しかし、どこへ行っても、大なり小なり、この問題は、ついて回りますが。
そう、経済活動に正義と言えることなど、ほぼない。
こう言うと、身も蓋もないのですが。
そう大げさなことでもなく、お金のためと割り切る部分は、大事です。
会長に囲われた、俳優志願の女性にしても、同僚の言葉が印象的「彼女なら、上手く会長を利用できるわよ」
そう、この映画は、エンターテイメント業界を題材に、一般の会社でも起きることを拡大して見せているだけ。
ストレス社会をどう生きるか。
ラストの場面が、象徴的だった、皆が帰った後、会長と二人。
もう帰っていいとの許可。
その彼女が、オフィスの外のカフェから、まだ明かりのついている会長の部屋を眺める場面。
そう、まだ仕事してると。
アメリカの責任者は、高額の報酬に合わせて、そのプレッシャーも相当なものなのだと、総連想させる場面で、終わる。
そう、経済活動とは、そういうもの。
収入に合わせて、そのストレスは増大する。
ストレスが、増大すれば、そのはけ口をどこかに求める。
パワハラ、セクハラ、あるいは犯罪ぎりぎりか。
まさに、人の世をデフォルメしたような作品。
さあ、後は、あなたはどの様な人生を選択しますか。
過度なストレスに、さらされないよに。
ストレスからは、にげられません。