SAND LANDのレビュー・感想・評価
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文句なしの出来、是非とも売れてほしいが・・・
個人的鳥山明の最高傑作【SAND LAND】は【ドラゴンボール】の連載終了後に立ち上がった短期連載シリーズの一つとして生まれ、いぶし銀のじっさまを主役に置き、アシスタントなしのアナログで描き込んだ戦車を筆頭に緻密で圧倒的な作画力を堪能する作品だ、ストーリーも枯渇した水を探し求める冒険活劇と単純明快、全14話で完結し一冊に収まってるから作者の技量と作風を手早く伝えられる点を含め、鳥山明を知らない人間にはこの漫画を最初に見せると決めている。
それの映画化にあたって本筋はそのままに動機づけや展開のブラッシュアップ、不要な要素は削ぎ落し、終盤の展開を映画向けに派手+結末を少々変更させた結果、完成品は原作ファンも納得の丁寧で理想的なアニメとなっており非の打ち所なしな出来栄えだった。
3DCGの戦車バトルはガルパンに比肩するクオリティ、声優は全員プロで観賞の気が散る心配なく、2Dと3Dそれぞれの手法で描かれたキャラ達は違和感を出さずに溶け込み会話し、物語は先の通り王道ゆえ万人受けは間違いなし------なのだが本作おそらく売れないだろう、ぶっちゃけ20億に届けば大健闘レベル、なぜなら題材にした【SAND LAND】そのものにある弱点が原因だ、それは2つ。
~地味~
・漫画上では鳥山明の限界突破した作画を楽しめたが、動いて色が付くアニメとなると舞台が荒涼とした砂漠だけはどうしても殺風景で映像映えしがたい、これはガルパンと同等と評した戦車バトルの戦場にも言える、またシナリオは綺麗で面白くまとまっているが一巻に収まる内容なので意外性なし、作者の十八番である肉弾戦表現も物語のメインじゃないので淡々と描写するうえ短く、登場人物も良いキャラばかりだが全般無骨で女っ気なし等々、【ワンピースFILM RED】を例にすると劇中曲とヒロインのような突き抜けた要素や突出した特色が存在しない“極めて良く出来てるがどこまでも地味な作風”が一つ目の弱点。
~認知度~
・二つ目の弱点は【SAND LANMD】自体の知名度の低さ。鳥山明の最高傑作だと断言したが【ドラゴンボール】【ワンピース】【鬼滅の刃】に比べればマイナー名作に該当する。知られてないわけだから公開初週からヒットは見込めない、ただ自力があれば口コミで“じわ売れ”状態になって売れ行きに繋がる、でもそれには『とにかくおススメ!奢ってでも知ってほしい!何回でも見れる!』といった観賞者の熱量が必要な訳だがそこまでじゃないのは先に述べたとおり、加えて上映館数が認知度と比較して多すぎたのも悪手だったと思う、出来よりガラガラ具合ばかり取り上げられ悪い印象が横行しそれを跳ねのける程のポテンシャルが無いという悪循環が生まれてしまった。あえてスクリーン数を抑えて公開してればガラガラは回避し残った評判で“じわ売れ”は成立したのではないかと考えてしまう。
以上、売り上げに暗雲が立ち込めてるが満遍なく良く出来ているのは確かだ、少なくとも原作を知ってる人は絶対観に行って欲しい。
幅広い年齢層で楽しめる映画
鳥山明の絵が動いてる!
素晴らしき鳥山明先生の世界
今夏、宮崎アニメや洋邦話題作より面白かったなんて許されると思うか?
鳥山明と言ったらやはり『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』が有名。私もド世代。
この2作の他にも短期連載漫画も幾つか手掛けているのだが、これらの知名度はあまり…。『ドラゴンボール』とは雲泥の差。
本作の原作コミックもファンの間では“隠れた名作”と言われているが、恥ずかしながら何となくタイトルは聞いた事あるくらいで、読んだ事もなかった。
“原作・鳥山明”だし、一応見ておくか。そんな程度で見てみたら…!
水が枯渇し、砂漠と化した世界“サンドランド”。
水は国王が独占し、超高値で売られていた。
老保安官のラオは、水不足で困っている国中の人々を助けるべく、砂漠の何処かにあるという“泉”を探そうとする。
しかし、人間一人では不可能。そこでラオが助力を求めたのは…、魔物!
人間と魔物が協力するなんてとんでもない話。が、水不足で困っているのは魔物も同じ。
かくしてラオと、悪魔の王子・ベルゼブブ、お目付け役のシーフの泉探しの冒険が始まる…。
原作漫画読んでなくとも、開始10分程度で分かる話(冒険の目的)、世界観や設定、キャラ個性。
その分かり易さと捌き方は見事で、ポンポンポンとテンポ良く冒険が始まるのも見事で、その後の展開も飽きさせず退屈さとは一切無縁。
これぞ少年漫画! 鳥山明の世界=“トリヤマランド”!
まずはキャラの魅力から語って行こうか。
悪魔の王子、ベルゼブブ。
悪魔よりワルだなんて許されると思うか? ワル中のワル。昨日も悪い事してやったぜ。歯みがきしないで寝てやったぜ!
…え?
はっきり言って小生意気な子供って感じ。本人は悪ぶってるけど、意外やいい奴。人間に悪戯はするけど、殺しはしない。
悪魔なだけあって身体能力は人の比じゃない。メチャクチャ強いし、ジャンプ力もあるし、耳や目もいい。お陰で冒険がどれほど助かったか。
好奇心旺盛で、陽気な性格。悪魔ヒーローはまるで少年悟空…?
でも、パパサタンには頭が上がらない。(このパパサタン、『ドラゴンボール』のダーブラそっくり!)
そのベルゼブブに嫌々冒険に連れて来られたお目付け役のシーフ。老人風だが、歳はベルゼブブよりちょっと上くらい。ベルゼブブは2500歳で、シーフは3000歳くらい…?
性格はベルゼブブとは正反対。ネガティブ思考で心配性で、あれこれあれこれ口うるさい。ベルゼブブにいつも悩まされるが、盗みの腕は超一流。必要なものは揃える。物知りで助言役。冒険ではドライバーとしての才も開花…?
非人間の悪魔キャラだけじゃない。人間キャラも魅力。保安官のラオ。
真面目で正義感の強い。ベルゼブブらに対しても偏見は持たず、一定の礼儀を保つ。ベルゼブブの呼び方も“ベルゼ”から→シーフに注意されて“王子”→本人から“ベルゼ”と呼んでいいぜと。懐深く優しくもあり、ベルゼブブやシーフに運転させたり。
老体ではあるが、身体能力や銃の扱いは人並み以上。ベルゼブブ曰く、今まで見てきた人間の中では一番か二番の強さ。
彼はただの老保安官…? ある秘められた過去があり…。
性格や描写明確な3キャラのやり取りがとにかく楽しい。
マイペースなベルゼブブ、神経質なシーフ、真面目なラオ。教科書のようなお手本のようなキャラ個性。
人間と悪魔。種族を超えた友情や信頼もしっかりと。
と言うか、話の面白さ楽しさより、実は深いテーマと大切なメッセージに大変魅せられた。
貧困や独裁。水不足のサンドランドは資源が枯渇し始めている現世界そのもの。
人間も悪魔もお互いをよく思っていない。だがいざ知り合えば、それが誤解だったと分かる。
人間は悪魔を恐れている。残虐な行為や人々を苦しめ…。そんな事、一度だってしていない! 盗みや悪戯はしてるけど。
人間は都合の悪い事は全て魔物のせいにする。人間は人間同士で殺し合うが、悪魔は悪魔同士で殺し合ったりしない。人間も殺したりしない。
寧ろ、悪魔以上に悪魔なのが…、言うまでもない。
人間。一部の人間。
欲や金の為に水を独占。
他を支配。“戦争”という偽善を掲げて。
かつてこの国で戦争があった。ピッチ人の恐ろしい計画を軍事力によって滅ぼした。
が、それは真っ赤な嘘であった。国中の為に水を造り出す装置を開発したピッチ人。水独占の為に装置もピッチ人も葬った。これが真相。
悪魔からしても、何と罪深く愚か。
ラオはこれに激しく動揺する。我々人間の愚行だからか…? 否。
その時指揮を執った伝説の将軍、シバ。装置の大爆発で巻き込まれて死んだと思われていたが…、生きていた。
そう。ラオこそシバだったのだ。
この時ラオは多くの部下と妻をも亡くした。以来名を変え、ひっそりと生きてきた。
命令で正義の為にしたと思っていた事が、嵌められた大量虐殺と知る。
自責。
そして命令を下した上官だったゼウ大将軍への怒り…。
バカな国王を操って、今やこの国の実質実権を握っているゼウ大将軍。水の独占や過去の陰謀もコイツが主犯。
泉探しの冒険の先に、まさか昔の因縁。絶対に、奴だけは許せない…!
ゼウ大将軍の配下でラオたちを執拗に追うアレ将軍。
ただの敵キャラかと思いきや、軍人としての誇りや人格もある。ラオたちとの戦車バトルで敗北し、部下の身を案じ投降する。
かつての大戦で軍人だった父を亡くした。亡き父はラオ=シバの部下だった。
ラオから事の真相を聞き…。
ラオたちとアレ将軍部隊の闘いに割って入ろうとする“スイマーズ・ファミリー”。自称“悪党No.1”だが、彼らだって…。
根っからの極悪人は登場しない。皆、一度分かり合えば分かり合う事が出来る。
だからラオもベルゼブブも命を奪ったりしない。一旦闘った後、話し合いで解決を。
ベルゼブブはゼウの科学者集団が造り出した“虫人間”も命までは奪わない。
そういや、『ドラゴンボール』で悟空もそうだった。これ、凄く大事な事だと思う。特に今の世に於いては。
そんな中で悪役を一手に引き受けるゼウ大将軍。
勧善懲悪な娯楽活劇に於いて、悪役も必要。フリーザ並みに憎々しいくらいの。滑稽な面を踏まえつつ。
時として許せない人間の醜悪さを集結。だからこそ思う存分ぶつける事が出来る。
コイツをブッ飛ばせ!
バトル漫画の第一人者故、アクションの見せ場や躍動感はたっぷり。
でもそれ以上に、戦車バトルに興奮。
鳥山氏のメカニック好きは有名。本作でも相当こだわったであろうメカニックのデザインやディテール。
本当にこれが描きたくて本作を書いたんだろうなぁ…と、伝わってきた。
そして素晴らしく童心くすぐる。
虫人間に苦戦するベルゼブブが真の力を覚醒。それはまるで、『ドラゴンボール』のセル編で秘められた力を解放した悟飯そのものではないか!(尚その虫人間は明らかにサイバイマンやセルジュニアだろう)
老人と少年が活躍って所も亀仙人や少年悟空を彷彿。
決着はラオvsゼウの老人バトル。老人老人と言っているが、老いても尚闘志は燃え尽きぬ。この決着シーンは、西部劇なシチュエーション!
判明するラオの正体と過去。
アレ将軍や敵対していた者たちとの和解。
ベルゼブブら恐れていた者たちへの理解。それはベルゼブブたちだって同じ。
信頼を築く。
偏見を捨て去る事。
人間より彼らの方が純粋。
悪いのは一部であって、人間だって捨てたもんじゃない。
これらの過程やメッセージがとっても感動的。所々目頭熱くさせられた。まさかまさか感動させられるとは…!
闘いはあるけども、その果てに非暴力や平和を訴え、鳥山明の心根を見た。
それを余す所なく描き切った横嶋俊久監督の手腕にも。
画のクオリティーも素晴らしい。
声も本職起用。安心して世界に入って行ける。山路ボイスはステイサムでなくともカッチョイイ!
シンプルな分かり易さ、面白さ、楽しさ。
だからこそ響くテーマやメッセージ。
軽い気持ちで見てみたら、予想を遥かに超えてきた。
普通に面白かったじゃない。クオリティーもエンタメ性もメッセージ性も含め、素晴らしかった!
子供にも大人にも自信を持ってオススメ出来る。いや、世界にだってウケるでしょう!
もう夏も終わりに近付いたというのに、今夏の超大穴登場!
宮崎アニメや洋邦話題作より面白かったなんて許されると思うか?
個人的に、本作こそ今夏のNo.1!
みんなでガタゴト砂漠をいくよ。
大人が十分楽しめる
原作は読んだ気もするけど、覚えていなかった。
いや、誌面ではつまらなかったから記憶していないんだった感じ。
予告編から、かなりのお子様映画をイメージしていたが、全くそんなことはなく、ちゃんと大人が楽しめる善良なファンタジーSFアクション映画だった。
我々ジャンプ全盛期直撃世代は、鳥山明の新作ってだけでも有頂天なワケだが、もう、あの「鳥山キャラクター」に「鳥山メカ」を拝めた幸せに、鑑賞後はただただ賢者タイム。
物語がしっかりしていて、キャラクターの個性も出てる。
もちろんベルゼブブはこの話の直接的主役ではないと考えれば、今回の消化不良気味な活躍はしょうがないけど、やはりもう少しアクションにメリハリを付けて、ラストにカタルシスを持たせても良かったとは思うけどね。
ただ、大人が子供に合わせるタイプのファミリームービーではなく、ちゃんと大人が大人の視点で味わえる作品。
私が行ったシネコンでは思ったより客入りが良くなかった様だけど、もっとたくさんの人に観て欲しいな。
メッチャ満足度が高い邦画アニメ。 本年度ベスト級!!!
軽い気持ちで鑑賞したけど予想外に面白かった!
観賞後の満足感がハンパ無い!
川の水も干からびた水不足の国。
サンドランド。
そんな国の保安官のラオ。
悪魔の王子、ベルゼブブと魔物のシーフの3人で「幻の泉」を探しに出かけるストーリー。
幻の泉を探す道中、盗賊に襲われたり、ある理由でサンドランドの国王軍に追われる展開。
戦車同士の戦いが熱い!
自分のお気に入りの作品。
ロシアのT-34戦車を題材とした作品を彷彿させる感じ!
でも戦車は可愛い(笑)
道中で保安官ラオの衝撃的な過去が明かされて行く感じに泣ける。
ラオを追う国王軍のアレ将軍との関係が明かされる展開にも泣かされる。
悪魔のベルゼブブがメッチャ良いキャラクター。
悪ぶってるけど全然悪じゃない(笑)
そしてメッチャ強い!
ラオ、ベルゼブブ、シーフの3人のバディーが最高過ぎた!!
保安官のラオがカッコ良いけど、ベルゼブブやシーフも良いキャラクター。
ラストである施設を破壊するシーン。
最後のとどめを刺したキャラが最高だった!
観賞後の満足度は最近ではピカイチだったかもしれません。
可能であれば本作のシリーズ化を是非希望します( ´∀`)
ベルゼは優しいアクマの子
ゲームは1時間!映画は1時間46分?
魔物と人間が共存する水不足に苦しむ世界で、国民を救う為に保安官が悪魔と共に幻の泉を探す旅に出る話。
手に入る水は国王の売る高い水だけという悪政の中、ウォーターフィンチという淡水の魚を餌にする鳥を見かけた保安官がとある悪魔の噂を聞いて協力を仰ぎ始まっていくストーリー。
修行を兼ねて旅に出ることになったピュアな悪魔の王子&愚痴の多いシーフという魔物と正義感の保安官が、関係を築きながら様々なトラブルに向かっていくロードムービーで、何が起きるのか、どんな対応が出来るのかとワクワクドキドキ。
出来事も背景もとてもわかり易く、腹黒さや悪とは何か、信じるべきは何かを問いかけみせてくれるし、「友情・努力・勝利」のこれぞ少年ジャンプという感じ。
もちろん、ご都合主義やツッコミどころも多々あるけれど、そんなことを言ったらヤボと思わせてくれる作品だった。
いつでも誰でも大丈夫‼️
老若男女。誰が見ても楽しめるのはもちろんですが、朝、昼、夜、どの時間帯で見ても楽しいし、前向きな余韻を味わえます。
今日は朝8:30の回で鑑賞、繁華街にある映画館を出てもまだ開店前のお店が多い時間帯でしたが、全然平気❗️
アクション映画やスパイ映画などを見た後は、主人公と美女が織りなした目まぐるしい興奮の熱を冷ますために、美味しいお酒を飲みながら大人の時間を過ごしたいし、ホラー映画を見た後には真昼の太陽を浴びたくない。
恋愛映画やファンタジーを見た後に、家電量販店の騒がしい宣伝アナウンスは聞きたくないし、まだリアルな生活時間が半日以上残っていると、就寝までにはすっかり現実感が戻ってしまうので、やはり遅めの夜に見た方がいい。
鳥山明さんの作品は、明るくて素直で正直でちょっとこどもな登場人物たちが、いつも全力で、それぞれがやるべきことをきちんとした覚悟をもって、諦めずに必ずやり切ります。
だから、見終わったあと心に残る余韻は、未来に向かっての前向きな気持ちがベースとなります。
朝であろうが、夜であろうが、必ず未来はやって来ますから、こういう余韻がストレスなく心地良いのは自然なこと。
なんだか『ミッション・インポッシブル』でAIが出したクイズの解説みたい🤣
Q:必ずやって来るけど到達できないものって何?
A:明日
原作は見ていませんが・・
鳥山明の真骨頂!冒険!バトル!そして友情!
圧巻の映像美
時代の進化を感じた
アニメーションが凄すぎる
ただ顔の表情の変化はここが今の限界なのかな?
心情によっての顔の表情変化が固いよーな気がする…感情移入がしにくい
自分はそう感じた
ストーリー的にも面白いし、ちょうどいい感じに難しく考えて見る必要も無い
映画予告、ベルゼブブの「歯磨きしなかった」の発言が幼稚すぎて、観に行くのをためらったが、いざ観てみると、なかなか味のあるストーリーだった
流石の鳥山明先生が送り込んでくるキャラクターの豊富さに、次のシーン展開が期待しどおしだった
ドラクエのモンスターみたいなのを、もっともっと欲しいなぁ…て思ったけど
オルゴとかラプソーンとか…
それは求めすぎか
でも観に行ってよかった
鉄板
6歳の子どもと見ました
ユートピア
鳥山先生の短編という情報以外は予告でしか得ておらず、原作は未読のまま鑑賞。斜めにいたクs…活発な学生が劇中よく喋るので非常に鬱陶しゅうございました。特典はイラストボード&カードでした。とても嬉しいです。
そんな映画以外の事は置いておいて、今作最高に楽しかったです。水が枯渇する国、サンドランドで水を見つけるために町の保安官ラオと悪魔の息子で王子のベルゼブブとそのお供のシーフが繰り広げる冒険活劇といった感じの作品でした。少年漫画の王道をゆくストーリーはとても分かりやすく、それでいてアニメーションの滑らかさも相まって常に楽しいオーラを纏って進んでいきました。
舐めてた爺さんが最強クラスの元軍人で、殺陣でも圧倒的な強さを見せつけてくれますし、砲撃の腕前はもう完璧も完璧で、破壊しない箇所を確実に狙い済まして撃ち抜き、上空に撃てない戦車の欠点をベルゼとシーフの力を借りて上空へと砲弾を誘ったりと、早い段階で共闘を見せてくれるのがとても良かったです。
登場人物は少なめですが、その分キャラを濃いものにしているので、全員の名前と性格が覚えやすくなっていました。意外な戦闘スキルを持つラオ、自称世界一のワルのベルゼブブ、ベルゼブブとお供で面倒くさがり屋のシーフ、正義感あふれるアル将軍、機械を体に纏うゼウ将軍、いかにも胡散臭い国王、やられ役の匂いがプンプンするスイマーズと、個性豊かな面々が顔を揃えていました。
ラオがシヴァと名乗っていた若い頃に命令とはいえ、自身の手で部族を壊滅させてしまっていたのを悔やんでおり、裏の意図を含めてその命令を下したのがゼウ将軍だったという事を知り復讐に向かうという、実は主人公はシヴァだったというのがまた意外でした。
物語の真相が明らかになってからも、物語がダレる事は全くなく、むしろシヴァが主人公になってからこそ物語のテーマが浮き彫りになっていきました。「偏見」というテーマを自然に盛り込んでいて、それに対して登場人物がどう対処するかというのを分かりやすく描いているのがとても好印象でした。ここを深掘りしすぎるとくどくなってしまうので、分かりやすさに焦点を絞ったのはナイス判断だったと思います。
悪魔たちと心を通わせていく描写が戦闘中含め自然なのも良くて、戦いの中でお互いの長所を知って協力していく、そして友情と絆が深まっていくという王道が突き刺さりました。シーフが文句を垂れつつも、全力で物事を運んでいく姿が印象的でした。
最終決戦も3人の協力プレイでケリをつけるというカッコいい締め方でしたし、資源を国民に戻すこともやってのけますし、正義感の強い人物に国を託したりと、シヴァかっこ良すぎるよ…と惚れ惚れする展開の嵐にゾクゾクしました。
アニメーションは3D多め、たまに2Dが入る感じのドラゴンボールの形式と似ていて、とても自然に動くので観ていてワクワクしますし、アクションシーンはダンスの如く激しく動き回りますし、蟲人間はじめ敵の造形もしっかりと仕上がっていて良かったです。
音響がとてもしっかりしていて、砲撃する際の音がとてもリアルでインパクトがあり、実際の戦闘を観ているかの如くの体験をする事ができました。
エンドロールでその後のハッピーな様子が映されていてとても良かったですし、imaseさんの「ユートピア」の童謡的なメロディと前へ進む歌詞がハマっていました。
勧善懲悪ものですが、悪役サイドもどうしようもない悪役なのでやられてもスッキリしますし、観終わった後の爽やかさはまさにサマームービーでした。戦いの後も交流を続けているシーンが映されて嬉しかったですし、これからも彼らの物語は続いていくと思うとワクワクさせられました。原作も読んでみようと思います。悪魔よりワルいことは許されない、これお決まりです。覚えておきましょう。
鑑賞日 8/18
鑑賞時間 15:25〜17:25(IMAXレーザー)
座席 M-11
全288件中、221~240件目を表示















