「人の温かさ、戦争の罪深さを感じられる」映画 窓ぎわのトットちゃん 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0人の温かさ、戦争の罪深さを感じられる

2024年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

トットちゃんの周囲の人間を明るい気持ちにさせる天真爛漫さと、映画全体の鮮やかで美しいアニメーションが、観ていて心が温まる映画。

トットちゃんの級友の泰明が、トットちゃんと出会う前は小児麻痺を理由に塞ぎ込みがちだったのが、彼女との出会いによって苦手なことにも挑戦するようになる様が感動する。苦手なりに一生懸命取り組む姿は見ている人達の心を動かす。そして勇気を出して何事にも挑戦することが、その人の世界を広げることになる。そのようなことをトットちゃんに教えられた。

戦争の罪深さもひしひしと伝わってくる。
空襲によって多くの建物が破壊されたり、疎開を強いられるのは、人々の大切な思い出まで引き裂くことになる。そのような大変な時代を生き抜いた人の映画なので、ストーリー全体に重みが感じられる。当時と比べて、戦争に怯える必要も食べる物の心配もしなくていい現代の豊かさに感謝しなければいけないと感じた。

根岸 圭一