劇場公開日 2024年12月13日

「自分の体が愛おしくなる」はたらく細胞 やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0自分の体が愛おしくなる

2025年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

公開前から、近所の駅にポスターがどーんと貼られていて、正直佐藤健の白塗り姿を見ただけで軽んじてました。
評判が良いと聞いて、遅ればせながら見てきました。
いやあ、知りもしないで「キワモノ映画」にふるいわけていて申し訳なかった!
評判が良いのにはやっぱり訳があるのですね。面白かったです。

一言でいえば【自分の体が愛おしくなる】映画だと思いました。
体内に永野芽衣やら佐藤健やらがいるわけないけれど、そんな風に擬人化したくなる。
日々健気に働く細胞を思うと、雇用主?としてはブラック企業にはさせられませんね。
これ、中年以降の人は、ヘタにお説教されるより効くんじゃないだろうか。
先日ぶつけてできたすり傷も、ちびっこ血小板の努力で治っているようで傷に向かって感謝のひとつも伝えたくなりました。

前半のおばかなノリと、後半のシリアスのふり幅が大きいです。
ひとつの映画で2種の違うテイストが味わえます。
前半では、くだらないことを全力で。その姿に声をあげて笑い。
変わって後半では、白血病を発症。細胞がどんどん駆逐されて絶滅した時は切なかった(骨髄移植と聞いて分かっていたことだけど)。からのー骨髄移植で新しい種が蒔かれる。新たな幕開けの光で救われました。
天使が、主のいない赤い帽子を手に取った時はやっぱり涙腺が緩んだけれど。
どんなに追い込まれても最後まで自分の任務を全うする、細胞たちの志は美しかったです。
いやぁ、前半と後半の対比で、笑って泣かせる。ずるいわぁ。

有名役者さんが惜しげもなく出てくるし、エキストラもわんさかと。そんな豪華さも魅力。
みなさま振り切った演技が素敵でした。阿部サダヲと芦田愛菜ちゃんの親子もヨカッタ。
ちょっと『翔んで埼玉』風味が入ってる?と思って帰ってから調べたら、監督も脚本も一緒なんですね。(加藤諒くんを見ておやっと思った)

いい時間を過ごせました。

やあやあ