釜石ラーメン物語

劇場公開日:

釜石ラーメン物語

解説

「仮面ライダーゼロワン」を皮切りにドラマやバラエティ番組でも活躍するモデル・俳優の井桁弘恵を主演に迎え、岩手県・釜石市を舞台に、家族の再生と人々の人情を描いたドラマ。

山と海に囲まれた岩手県釜石市のラーメン店「小川食堂」。東日本大震災で店を切り盛りしていた正恵が行方不明になってから、残された夫の剛志と次女の仲良が店を守ってきたが、客足はいまいちだった。そんなある日、3年前に家を飛び出したきり音信不通だった長女の正美が突然帰ってくる。厨房に立つ仲良に「お前にお母ちゃんの味は出せない」とダメ出しし、店を畳もうとまで言い出す正美。姉妹はぶつかりながらも、かつての母の味に迫ろうと、街の人々を巻き込み奮闘する。

正美役を井桁、妹の仲良を「17歳は止まらない」「20歳のソウル」の池田朱那が演じ、2人の父親である剛志役の利重剛をはじめ、藤田弓子、村上弘明、佐伯日菜子、大島葉子らベテラン勢が脇を固める。「ライカ」「恋恋豆花」の今関あきよしがメガホンをとった。

2022年製作/85分/G/日本
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
劇場公開日:2023年7月8日

スタッフ・キャスト

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(C)「釜石ラーメン物語」製作委員会

映画レビュー

3.5なかなか面白く観れました

2024年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ラーメン屋を舞台にした親子の人情物語。
井桁目当てで鑑賞したのですが、ゼロワンの頃と全然違いますね?
それと妹役がうまくて、エキセントリックな井桁とうまい感じのコンビになってました。
正直終始大味な芝居でしたが、墓参りの芝居はその表情も合っていてすごい良かったです。ここは涙出ました。
良くあるっちゃ良くある話なのでしょうけど、なかなか面白く観れました。

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白波

3.0肝心なところが

2024年8月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

①主人公は女性 ②舞台は地方都市 ③嫌な奴がでてこない ④話は平坦でいい

こんな日本映画は観たくなってしまいます。今作も、こんなのあったんだと思って観ました。

うーん、普通に終わってしまいました。もうちょっと感動したかったです(震災が描かれると、いつも辛いです)。悪くはないんですけど。今関監督、調べてみたら一本も観てなかったです。失礼しましたと言う感じです。

ヒロインの二人も初めてでした。井桁弘恵さんはどこかで聞いたなと思ってましたが、それはわたしがイバタジュリさんとの勘違いと判明、仮面ライダーに詳しくないので全くの初見でした。(ちなみに仮面ライダーはアギレラ様しか知りません)これ、流れを総合すると、彼女の役は2011年で高校卒業だから、30歳くらいですよね。ちょっと無理があったような。別の作品で、再会したいです。

今どきなんでネットを絡めたストーリーになるんですね。少し前なら、地域のお祭でライバル店と対決するとか、風来坊みたいな料理人にお墨付きをもらうとか、どうもネット社会のノリに入ると安っぽくなるように思います。

肝心なところとは、2人が作った釜石ラーメンが全く美味しそうに見えないところです。あれ、わざとですか、それともリアルなんでしょうか。なんか助監督さんが作った袋のラーメンみたいでした。

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ウルスアベイユ

3.0「家族であること」とは「妻(母)の味を守ること」と見つけたり

2024年8月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

一軒のご当地ラーメンの店を舞台に、本当は仲の良かった二人の姉妹の確執と和解を描く-。
そんな感じの一本だったでしょうか、本作は。

姉の正美が3年前に出奔した理由については、本作が審(つまび)らかに描くところではなかったと思いましたけれども。
しかし、妹の仲良としては、父・剛志との店(小川食堂)の切り盛りに忙しい毎日だったとはいえ、やはり正美の(突然の?)失踪には、心の奥底に蟠(わだかま)りを抱き続けていたのでしょう。

正美と仲良とは、むろん血を分けた姉妹。
そういう親(ちか)しい間柄にあってみればこそ、お互いに、お互いのなりふりをどうしても受け入れられず、激しいケンカに行き着いてしまう-。
そういうことって、あり得ることだと思いますし、実際に起こってもいるとも思います。

そして、その二人を和解に導いたのは、他ならぬ二人の母・正恵であった…否、正確には、姉妹二人の「震災で行方不明になってしまった正恵を想う気持ち」であったことは、疑いがなかろうと思います。

置かれた境遇こそ違っても、二人に通う「血」は、争うことができなかったのだろうとも思います。

その点を見事に描いている点で、本作は、佳作の評価が適切だったと思います。評論子は。

(追記)
<映画のことば>
麺は細いが、人情と根性は太い。

世上「柳に雪折れなし」とか「柔よく剛を制す」とか言われますけれども。
もちろん「柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを支配することができる」というほどの意味合いです。

細麺は、その食感の柔らかさだけでなく、その細さ故にかえってスープによく絡(から)んで、独特の美味しさがあるのでしょう。

他者の思惑に囚われずに、そういう個性的な生き方が、もしできれば、人間としては幸せなのかも知れないとも思いました。

(追記)
寡聞にして、評論子は知らなかったのですけれども。
釜石ラーメンというのは、いわゆる「ご当地ラーメン」としては、有名だったのでしょうか。
「釜石」と言われると、「鉄のまち」「ラグビーでは強豪のまち」というイメージで、なかなか「ラーメン」には結び付かなかったのですけれども。

むしろ、ラーメンというと、寡聞にして、札幌ラーメン(味噌味)、喜多方ラーメン(醤油味)、博多ラーメン(濃厚な豚骨味)といったイメージしかなかったので。

画面で見る限り、極細麺に薄口のあっさり醤油味のスープといった感じのようです。

当地に足を運んだ際には、是非とも一杯、賞味してみたくなりました。

(追記)
姉妹二人のケンかを仲裁しようとして、興奮のあまり倒れてしまった剛志が緊急搬送(?)されたのは、「せいてつ記念病院」でした。

実は、同じく「製鉄のマチ」である評論子が住むマチにも製鉄記念病院があります。
当地域でも、地域医療の一担い手として、信頼の厚い医療機関です。

地元の基幹産業として、多数の従業員の福利厚生や地域への(医療面での)貢献なとについては、彼我に差はないのかとも思いました。

(追記)
正美の帰郷に合わせて、3両編成のディーゼルカーの走行シーンがありました。

その釜石線は、岩手県の花巻駅と釜石駅を結ぶ全長100㎞弱のローカル線です。
前身である岩手便鉄道が、宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』のモデルといわれ、そのことから「銀河ドリームライン釜石線」の愛称もあると聞き及びます。

ほんの僅かなシーンではありましたけれども。
鉄男君(鉄道ファン=評論子の場合は「乗り鉄」の鉄男)としては、嬉しいシーンでもありました。

これからは、密かにライフワークとしてきた「良いお父さんが出てくる映画 ザ・ベスト」のほか、鉄男の端くれとして、「味のある鉄道風景が出てくる映画 ザ・ベスト」も追い求めてみようかと思えた一本にもなりました。

因(ちな)みに。
ずっと男社会(?)でしたけれども。この世界にも今日日は女性の進出が目覚ましく、最近はごついカメラを無造作に抱えた「撮り鉄」の鉄子さんも、珍しくなくなりました。

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talkie

2.0麺は細いが絆は太い 人情根性 釜石ラーメン

2024年4月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

監督と脚本は『アイコ16歳』『すももももも』『恋恋豆花』の今関あきよし
脚本は他に『恋恋豆花』のいしかわ彰

人情コメディらしいがどこに人情があってどのあたりがコメディなのかはっきりとはわからない

粗筋
釜石の大衆食堂「小川食堂」
食堂の屋台骨を背負っていた小川正恵は震災の津波で行方不明になった
長女は家を飛び出し花巻のパチンコ屋で働いていたが実家の小川食堂に戻ってきた
父は体調を崩し料理下手な妹が厨房に立っていた
度々激しく衝突する姉妹

この作品は大ヒットしたとは言い難い
上映期間は極端に短かった
観ようと思ったがびっくりするほど終了が早く映画館では鑑賞できなかった

ラーメン屋を題材したコメディー映画といえば伊丹十三監督の『たんぽぽ』だがそれに比べると雲呑いや雲泥の差がある
あっちは醤油ラーメン一本だがこっちは所謂町中華
ラーメン屋だがカレーライスやカツ丼もメニューにある
『幸福の黄色いハンカチ』で高倉健がラーメンとカツ丼を注文したようなああいう食堂だ

なぜ主人公はこんなに言葉が汚いんだろうか
そして態度がでかいのか
なぜ子供でもない姉妹がこんなにも衝突するのか理解に苦しむ
この怒りとはなんなのか
そしてこの映画の盛り上がりはどこにあったのか
淡々に進んだというかグタグタに進んであっという間に終わった

タイトルとして『釜石ラーメン物語』がダサい
ラーメン物語と言いながらラーメンの蘊蓄がほぼない
ラーメンの出来不出来が湯切りの甘さのみとは話としてあまりにも安易でチープで杜撰すぎる
それくらいいくら不器用とはいえ父がアドバイスはするだろうし回数を重なるうちに本人が気づくだろうしYouTubeで上手なラーメンの作り方なんていくらでも動画があるだろう
タイトルの釜石にしたってご当地映画として釜石全体を盛りあげるような気概が感じられない
富田靖子デビュー作『アイコ十六歳』の大ベテラン監督がメガホンを取ったわりに欠点が多い残念な作品

ヒロインの名前がダサい
正実じゃ女か男かわからない
「まさみ」なら普通「雅美」だろう
大林雅美さんを思い出すが
いまどきなら彩美じゃないかな
あと妹にしたって姉が正実なのになぜ「仲良」という奇抜な名前なのか
妹が「なかよし」なら姉は「りぼん」とか「マーガレット」とか「花とゆめ」にすれば良かったのに歯がゆい

自分は釜石市民ではない
文化は多少違うだろうが岩手も宮城も方言はほぼ一緒のはずだ
全否定するつもりはないが不快に思うことはあるのは確か
普段は気取って標準語に近い言葉を使うくせに負の感情が込み上げると途端に汚い方言で捲し立てる人が身の回りに多い
罵倒の類しか思いつかない
まず生理的に「おめー」って言われるのが嫌だ
自分は岩手県と宮城県の境目で育ったが親は東京生まれの東京出身のためか地元の言葉がうまく喋ることができない
そのためか地元の言葉は好きになれない

自宅からは2時間ほどかかるが釜石に行ってラーメン食べたくなったのでこの作品を制作したことには意味があった

ちなみに関口アナンは竹下景子の息子
関口宏や関口メンディーとは関係ない

配役
小川食堂の長女の正実に井桁弘恵
小川食堂の次女の仲良に池田朱那
正実と仲良の父の剛志に利重剛
剛志の妻で正実と仲良の母の小川正恵に佐伯日菜子
町内会長に岡村洋一
YouTuberのマリリンに木月あかり
仲良の先輩の土井直人に佐々木琉
花巻に住む正実の彼氏の小笠原幸彦に関口アナン
小川食堂の常連で理容師の福田真弓に大島葉子
小川食堂の常連で酒屋の松岡和男に栩野幸知
小川食堂の常連の佐々木康太に厚木拓郎
小川食堂の常連に山崎将也
中学生の正実に森湖己波
看護師に長田涼子
美しきラーメン評論家に椿かおり
髭のラーメン評論家に島本和人
小川食堂の常連の畠山常吉に渡辺哲
医師の中谷に村上弘明
地元の婆さんの梅に藤田弓子

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野川新栄