ブルックリンでオペラをのレビュー・感想・評価
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アンハサウェイ
ニューヨークで繰り広げられるちょっと大人なお洒落な作品。アンハサウェイの魅力が活かされ作品全体を覆っていてアダルトでユニークなものに仕上がっていた。ハッピーエンドは欠かせないわけだが、それが何とも素晴らしい終わり方で、こう言うエンディングをやれるのもアンハサウェイの都会的な大人の女性ならでは出来る事なのかも知れない。
想像の斜め上を行く
コロナとハリウッド映画人のストライキの影響によるハリウッド大作の弾不足だろうか。4月に入って観たい映画がとても少ない。 仕方なく小規模公開の作品にも目を向けたところ、アン・ハサウエイの名前が目に留まった。しばらく見ていないし、「これだ」と思って観賞。
【物語】
現代オペラ作曲家のスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)は、精神科医パトリシア(アン・ハサウェイ)とニューヨーク・ブルックリンで暮らしていた。夫婦仲は良好だったが、スティーブンは曲を掛けない大スランプに陥っていた。ある日、スティーブンは気晴らしに愛犬と街に出た。
ふと立ち寄ったバーでタグボートの船長カトリーナ(マリサ・トメイ)に声を掛けられる。話の流れで彼女の船に乗り込んだスティーブン。しかし、思いもよらぬ展開が彼を待ち受けていた。
【感想】
広告を観たときにアン主演かと思い込んだのだけど、ダブル主演でもなく主演は完全にピーター・ディンクレイジでした!(笑)
勝手な思い込みではあったが、改めてポスター画像を見てもそう見えちゃうよなあ・・・
というところで、まず減点。
作品的にはかなり風変りな作品と言える。宣伝文句に「ハッピー・ストーリー」の文字が有るが、これもそれを鵜呑みにして観賞したら、「え?」となること間違いない。 確かに、スティーブは居場所を見つけてこれから幸せになるかも知れないが、「ハッピー・ストーリー」から想像する展開とはかなり違う。
そんな感じなので、「意外性のある展開が面白い」とも言える。
一方で正直「何言いたいのがわからない」とも思ったけど、その割にはイライラすることもなく、ほんわかした空気も味わえた。
多くを期待しないで観れば、不思議とそれなりに楽しめます。
アン・ハサウェイのお陰で何となく見れる
タイトルに惹かれて見に行きました。ごちゃごちゃした人間関係さに不自然を感じ、ラストのメインを占める若者の駆け落ち、修道女への出家などが唐突すぎて良い話だがあまり感動できない。挿入シーンのオペラやアン・ハサウェイの存在感はさすがかな。
若者の船出
それぞれに様々な迷いや悩みを抱える大人たちが、この先を真剣に考える若者を協力し合って後押しする作品。
デフォルメされた大人たちは今を生きる人間を象徴しているようにもみえました。
気持良い空気が漂う作品でした。
久々にスクリーンで観たマリサ・トメイさんがカッコ良かったです。
人生前向きになる映画なのかもしれない
小さいおじさんの話。
小さいことに関しては作中で一切触れられていない。
おじさんは才能ある音楽家だが自信を無くして引きこもり気味。
このおじさん、なぜか美人の精神科医を妻にしている。
髭もじゃで潔癖症の女が好むようには見えないのだが。
犬の散歩に行って色情船長とセックスして帰ってくるのだが、
それがそのままオペラになる。ここ笑うところ。
その後船長ともめてしまうが、息子がヤバい家の娘と恋仲になって娘の父とトラブルに。
船長とのごたごたもあって妻は離脱。
おじさんと息子たち、船長に船を出してもらって逃走成功。
この逃走劇もオペラになる。ここまた笑うところ。
映画を見終わって、一体何の話だろうと思ったね。
みんなで逃走するところはちょっとワクワクもしたけど、妻は離脱してるしなあ。
ふと思ったのは、妻と結婚した話はオペラにしてないんだなってこと。
ドラマチックな展開であったに違いないのにね。
この映画のテーマは、人生とはオペラだとかオペラになるような人生を楽しもうぜみたいなことなのかなーと思ったりする。
経験したことを最大限に使って次の面白いことを引き寄せよう、というのもあるかな。
前向きでいいんじゃないの。
それで妻の行動原理だけがどうにもよくわからなかったのだが、潔癖症で慈善活動が好き、燃えるようなセックスナイトはお断り、この辺から考えるに、おじさんとの結婚も慈善活動の一環なのかなと思う。
おじさんが一人でやっていけるようになったことで離婚して修道女になりたいと言い出したんだろう。
なるほど妻と離婚する話ならオペラになるかもしれんね。
ジャンル不明映画😂
ラブコメ(?と言ってもいいのかなコレは😅)あるあるだけど、“原題と邦題のギャップがすご過ぎ”パターンwww
まぁ、確かに『She came to me. 』をまんま訳したら『彼女の方から来た』と、さもホラー映画のタイトルか何かになってしまうから全然違うアプローチで挑むのは理解できるけど、それで『ブルックリンでオペラを』???取り止めもなくいきなり??オペラムービーかと誤解しちゃうよ〜😂
ストーリーは予告から受けた印象の斜め上をいく感じ。まぁ、ディンキー主演って時点で予想通りの展開にはならんのでしょう。
見どころは……
・ディンキーとワンちゃんのお戯れ
・垢抜けアンハサ
・いい歳して恋愛依存症の船長(←ってなんじゃい!)
子供達の意外に真剣な恋愛、ってとこは正直要らなかったかも(小声)
オペラ作品が直喩なのに、才能があると言えるのかは微妙
2024.4.12 字幕 MOVIX京都
2023年のアメリカ映画(102分、G)
スランプ中の現代オペラ作家が思わぬ出会いに翻弄される様子を描いたヒューマンコメディ映画
監督&脚本はレベッカ・ミラー
原題は『She Came To Me』で、劇中オペラのタイトル「彼女は降りてきた」のこと
物語の舞台は、アメリカ・ニューヨーク
現代オペラ作家として人気を博しているスティーブン・ローデム(ピーター・デインクレイジ)は、潔癖症の精神科医パトリシア(アン・ハサウェイ)と結婚し、彼女の連れ子であるジュリアン(エヴァン・エリソン)と3人で暮らしていた
ジュリアンにはテレザ(ハーロウ・ジェーン)と言う年下の彼女がいて、すでに大人の関係になっていた
テレザの母マグダレナ(ヨアンナ・クーリグ)は法廷速記者のトレイ(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)と恋人関係になっていて、結婚はしていないものの、テレザの養父的な存在になっていた
ある日、パトリシアから「行動パターンを変えなさい」と言われたスティーブンは、愛犬リーバイの行くままに町を散策することになった
リーバイは港町の方に向かい、スティーブンは海沿いのバーで一服することになった
バーテンダー(トミー・ブック)と何気ない話をしていたスティーブンだったが、そこにカトリーナ(マリサ・トメイ)が話に入ってきた
彼女は曳き船の船長で、今は休暇を楽しんでいると言う
カトリーナは「船を見に来ないか?」と言い、スティーブンは赴くままに彼女の船に足を入れる
そして、船室の誘惑に耐えきれず、体の関係を持ってしまうのである
物語は、スティーブンとカトリーナ、パトリシアの三角関係と並行して、テレザとジュリアンの許されざる恋を描いていく
テレザは16歳で、ニューヨークでは未成年と性的関係を持つことは犯罪だった
トレイは立腹し、裁判を起こすとイキリだし、そこでスティーブンは「結婚すれば良いのでは」と助言を与える
だが、ニューヨークは16歳の結婚を認めておらず、そこで彼らは「デラウェアなら親の許可があればOK」と言う情報を見つけ、そこに向かうことになった
だが、トレイは法廷速記官として、方々に顔が効く存在で、そこでスティーブンは陸路を行くことを諦め、カトリーナに助けを求めることになるのである
映画は、スティーブンのスランプが「カトリーナとの一夜」「ジュリアンとテレザの恋愛」に触発されて作品を生み出す過程を描き、それによってパトリシアとの関係が破綻する様子を描いていく
パトリシアとの破綻はカトリーナの存在が大きいものの、不倫が問題というよりは、かねてから聖職に興味を示していたパトリシアが目覚めたという感じになっている
この流れが結構雑多な感じがするので、映画的には群像劇だったのかな、と感じた
いずれにせよ、思ってたのと違う系の映画になっていて、もっとオペラが前面に出ている作品なのかと思っていた
オペラは要所を締めるものの、物語の核は「それぞれのキャラが生きたいように生きる」という感じになっていて、一応はハッピーエンドのように結ばれていた
トラブルから着想を得たオペラ2作品はそのまんまという感じで、メタファーなどではないところは何とも言えない部分がある
スティーブンは人気作曲家ということだが、才能があるのかどうかはわからず、演じた人々の力量に依るという感じがしたので、それで良かったのかも微妙かなあと感じた
主役夫婦のふたりが好きで鑑賞
アン・ハサウェイとピーター・ディンクレイジが好きで見に行った。
2人をまとめて見られるなんてお得ラッキーと。
期待した程にはふたり一緒の見せ所がなくて、若いカップルや曳舟船長の話が長かった。
ストーリーは悪くないんだけど、恋愛感情が軽く扱われてる気がした。
大人達、相手を見限るの早くない?若いふたりはお互いを信じてるけど。。この子達も30歳くらいになったら別れたりして?(本人達の雑談通りに)とか思っちゃう。
個の時代なんですね。みんな、思い思いに生きてる。その時合う相手と一緒にいる。それも良いけど。私はもっと真摯な恋愛感情を、映画では見たいなー。
ピーターの「シラノ」のひたむきな愛に感動したから、そう思ったのかも。
Crush
アン・ハサウェイとピーター・ディンクレイジが出ているという情報頼りに鑑賞。
オペラを作る話かな〜くらいで観にいきましたが、嫌がらせなのか寂しがりなのか前日に誰もいないのを確認して取った席のホント隣に爺さんがいてムキーッ!てなりました。もっと席空いてるじゃないっすか…。
モヤっとした気持ちで観ましたが、映画はそのモヤつきを晴らすかのごとくぶっ飛んだ作品になっていました。
オペラがメインかと思いきや、子供たちの婚姻問題に徐々に物語がフォーカスしていき、それをどう解決するかを軸に周りの人物が右往左往していくので、とっ散らかっている感じがずっとありました。
人物関係が浅く掬っただけで進んでいくので母娘関係の市民権がーとか、裁判だーとかが取ってつけただけの様にしか思えず、修道女になりたい理由も突発的なのが訳わからんまま進んでいくのがかなり気になりました。
ただ脱出させるために協力的に動く人物たちや、船の上でのハッピーな雰囲気は好みでした。
序盤のスティーブが船曳きの女性とイチャっとした話からオペラが生まれた過程まではいいコメディだなぁ、この後どういう展開になっていくんだろうなと思っていたのに、重めの話、しかも日本住まいなのもあって州によって結婚できる年齢が違うというのもピンとこなかったのも後半ハマれなかった要因だと思います。
ストーカーのやり方が常習犯のしれだったのは面白かったです。
役者は抜群に良かったと思います。お目当てだったディンクレイジは渋さとコミカルさがうまく噛み合っていて、哀しげな表情とかがたまらなかったです。
アン・ハサウェイは文字通り体を張っていて良かったです。絶叫しまくるシーンはホラー映画の怪物くらい迫力があって笑ってしまいました。
邦題を考えた人はちゃんと本編を観たのか?と疑いたくなりましたし、原題を直訳した方がカッコは悪いですが様になっていたよなぁと思いました。
まだオシャレなコメディに肌は合わないみたいです。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 12:50〜14:45
座席 H-3
生きることは予想外
上手くいかないこともあるけれど
物語を彩るのは
過去に何かうまくいかなかった経験を持つ
大人たち。
そして、今も上手くいっていない。
でも、あることがきっかけで
人生が回り始める。
その回り始めたことで、
滞っていたことが動き出し、
成功する。
その成功も
上手くいったところと
予期せぬところが。
未来のある若者にも、
些細なことから、トラブルが降りかかる。
でも予期せぬことが
布石になって、
そのトラブルが
回避され、
再び成功する。
結果、今、
上手くいってなかった大人たちの人生も
それぞれ進み初めて終わる。
今のアメリカも垣間見える。
興味深い映画。
色んなエピソードがうまく組み上がる
アン・ハサウェイが主人公かと思ったら、ピーター・ディンクレイジとマリサ・トメイがメインなのかという驚きがあったね。
オープニングは良く分からないんだよね。二つの家が並行で語られる感じなんだけど「なんで?」って感じで。そのうち分かるけど。
それで、ひたすら色んなことが起こるね。
ピーター・ディンクレイジとマリサ・トメイが出会ったり、アン・ハサウェイの息子の恋人の母親が家政婦だったり。
南北戦争の再現劇にはまっているお父さん役の人の位置づけが良く分かんなかったんだよね。あれは、ちょっと、人種差別的ってことの表現なのかな。そうでないと強引に訴えたりしない気もするし。
そして「さあ、どうする」となって、これまで振っていたエピソードを回収して、ラストだった。
エピソードの散りばめ方や、回収の仕方は、すごくうまいの。
でも、それだけの話しといえばいえるかな。
そしてアン・ハサウェイはへんてこな役がめちゃくちゃ似合うね。
キャメロン・ディアスばりに色々やって欲しいな。
米国ニューヨーク、ブルックリン。 現代オペラ作曲家のスティーブン(...
米国ニューヨーク、ブルックリン。
現代オペラ作曲家のスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)は、5年も新作が書けていない大スランプの真っ最中。
精神科医で再婚相手のパトリシア(アン・ハサウェイ)は「いつもと違う行動を」と薦め、愛犬とともの散歩に送り出した。
たまたま入った昼間のバーで、曳き船の女船長カトリーナ(マリサ・トメイ)と出逢い、彼女の船を案内してもらうことに。
ところが、彼女は恋愛中毒症候群。
スティーブンをベッドに誘った・・・
といったところからはじまる物語で、この物語と並行して、パトリシアの息子の恋愛模様が描かれる。
パトリシアは医学生時代に大恋愛の末に妊娠、息子を生んだ。
息子は18歳、優秀な学生で大学進学目前。
息子の彼女は16歳。
彼女も優秀で、飛び級で大学進学しようというところ。
彼女の母親も、高校生のときに妊娠、出産をして、結局、離婚。
若い時の恋愛は、人生を棒に振ることになるのが身に染みている。
若気の至りの大恋愛、中年になってからの巻き込まれ型恋愛、さらにさらに「あるお人」との恋愛・・・と米国型恋愛のトライアングル。
レベッカ・ミラーのオリジナル脚本、これがいける。
恋愛シーンはスタンダードサイズ、一般シーンはスコープと画面サイズを変化させる演出は、ちょっとやりすぎな感じがしないでもないけど、まぁ許容の範囲かなぁ。
旧式ハリウッド映画だと、若いふたりの大恋愛はショットガン・マリッジ(女性の父親がショットガンで交際相手の男に結婚を迫るというもの)が定番だったけれど、最近ではそうはいかない。
若気の至りの結婚は、破滅への道・・・
さらには、犯罪者の烙印まで押されかねない・・・
と展開する後半は、かなりのドタバタ感がありますが、まぁ面白いですよ。
アン・ハサウェイ、マリサ・トメイ、ピーター・ディンクレイジと俳優陣も好演。
特に、マリサ・トメイの上手さが光ります。
これがアメリカか
ちょうど時間が合う映画だったので、前知識なく観てみました。
歴史ものとかSFとかじゃなくて、日常を描いたアメリカの映画はものすごく久しぶりかも。
アン・ハサウェイの再婚相手が小人症な事には全く触れてないのに少し驚いたけど、アメリカって本当にそういう感じなら、ステキだなと思った。
曳舟のキャプテンも、外見を珍しがるわけでもなく、人柄に惚れてるのもすごいなと思った。
みんな各々に悩みやトラブルを抱えてて、でも動いて解決していくのがいいですね。
しいていえば、彼女のお母さんがちょっと童顔な感じなので、「お母さん」と認識するのに時間がかかってしまった…
そして原題は「She Came to Me」
me ってダンナさんのことなのかな?
応援モード
54本目。
タイトルのオシャレ感に、恋愛モノかと思ってたけど、方向性が中々見えてこない。
どう収拾つけるか、釈然としないまま帰るのかと思ってたら、そう展開するのかと、応援モードになってしまう。
でも、アン・ハサウェイのキャラ設定は製作に名を連ねてるから、自身のアイデアなのかも知れないけど、ちょっと微妙な感じはある。
でも、アン・ハサウェイ観れただけでも、眼福だから、それはそれで良しかな。
自由を求めて(別の法、宗教、海)
2023年。レベッカ・ミラー監督。ニューヨークに住む作曲家と精神科医の夫婦。スランプに悩む作曲家の夫はある日出会った小型船の女性船長にひきつけられることで新曲を完成するが、彼女につきまとわれる。一方、美しい精神科医の妻は潔癖がたたって何もかも投げうって出家しようとし、彼らの息子は女子高生と付き合ったことで相手の親から訴えられそうになる。
社会の束縛から逃れ、収まるところに収まるラブコメディ。逃げ場は、法律が異なる土地、宗教施設の中、海の上にある。
自分の心に正直な選択の末〜
見終わった後、
スッキリ、爽快な気持ちになりました✨
別れもあったけど、
みんなそれぞれ、
今の自分の気持ちと向き合い、
選択し、これから進む道を自分で決めました。
みんな幸せになってね✨
音楽はよかった。
映画館からの帰り道、この映画は二人の母親の物語と気づいたら、スッキリした。
一人は、アン・ハサウェイ演ずる精神科医パトリシア(美しい!)、もう一人はポーランドからの移民、マグダレナ(ヨアンナ・クーリグ)。パトリシアがまだ高校生の時にできた肌の色の濃い18歳のジュリアンと、マグダレナが若い頃、生まれた肌の白い16歳のテレザは、同じ高校で付き合っている。この4人の間を、ちょこまか(失礼!)動いて、狂言回しを務めるのが、パトリシアの伴侶で、現代オペラの作曲家スティーブン(ピーター・ディグレイジ)と、彼に降ってくる(She came to me:原題)タグボートの船主、カトリーナ(マリサ・トメイ)。最後の一人が、マグダレナと暮らすテレザの養父で裁判所の速記者を務める厳格なトレイ。この7人が主要人物。ただこれだと映画の構造が地味なので、真ん中にいる狂言回しの二人を強調したのだろう。
一番素晴らしいのは、オペラが流れるところ。冒頭のパーティの場面で、天才ビゼーが作曲したカルメンの「ハバネラ」が、カウンターテナーで出てくる。美しい。しかも、トゥールーズ・ロートレックのような出立で現れる短躯のスティーブンとぴったり。スティーブンが、この映画のプロットに沿って作曲した(本当の作曲者は気鋭のブライス・デスナー)オペラの一曲目が「タグボート・オペラ」。メゾ・ソプラノのアリアが圧巻(演技も)。彼女はリハーサルで口を出すスティーブンにキレまくり、全く従わない。何とこの歌手は、あのバースタインの映画で、マーラーの「復活」の再現の時にも出ていたらしい。2曲目のオペラ(これもブライス・デスナー)は、最後に出てくるエイリアン・オペラ。ただ、劇中劇で出てきた部分は、映画の流れとはフィットしていなかった。他の2曲のうち「keep on the sunny side」は船に乗って海上を移動する時に流れ、気分が良かった。もう一曲のBruce Springsteenの「Addicted to Romance」は、映画全体を締めた。
気になるところもたくさん。まず、偶然が2回。最初は、マグダレナがパトリシアの家の清掃員になること、それから恋愛依存症のカトリーナが、あろうことかパトリシアの精神科クリニックを受診するところも。ドタバタ・ロマンス・コメディなのだけれど、監督も務めたレベッカ・ミラーの脚本が弱い。そういえば、市民権の取れていない移民のマグダレナの英語はたどたどしいけど、娘のテレザの英語は完ぺきかつ自然で、しかも高校でも飛び級らしい優等生。一方、ジュリアンの影の薄いことがやや気になった。個人的には、二人の母親(パトリシアとマグダレナ)にこそ、もっと幸せになってほしかった。
それでも、裁判制度に特徴のある東海岸のデラウェア州が出てきたのはよかった。子供のころから慣れ親しんでいるブドウの由来は、同じデラウェアでも、中西部オハイオ州の都市らしいが。
軽快な語り口が楽しい映画 こういう映画をたくさん観たい 俳優たちによって活き活きと演じられる魅力的な人々が織り成す人生劇 特にアン・ハサウェイ、ピーター・ディンクレイジ、マリサ・トメイがいい
軽快な語り口が楽しい映画でした。
こういう映画をたくさん観たい。
個性的な登場人物たちが織り成す、ハッピーな大騒動。
様々な立場の人々が反応し合って、パズルのようにはまっていく展開が面白い。
「スクリューボール・コメディ」というらしいが、笑わせようとするようなコメディでは全くない。
「スクリューボール・ラブストーリー」とでもいいたい。
いや恋愛だけではない、人生模様のようなもの。
そのキャラクターたちが魅力的で、演じる俳優も、特にアン・ハサウェイ、ピーター・ディンクレイジ、マリサ・トメイがいい。
完璧に思える女性が、潔癖症で、修道女になりたかったりする。
今風の家具やキッチンに囲まれたハイソな生活。
しかし、部屋を隅々まで掃除しないと気が済まない。
それがやがて、ミニマルな生活に憧れるようになる。
煩わしい日常の様々な雑多な事柄をすべて捨てて、一つの世界に没頭したい。
その気持ちは、とってもわかる。
身に染みる。
オペラ作家の男は、5年のスランプの最中で、人づきあいがうまくいかない。
偶然知り合った女性は、ストーカーのようだったが、実は理解されにくく実は傷つきやすくつらい過去を経験している。
厳格な父親は、法廷速記者で、趣味は南北戦争の再現劇。
聡明な若い二人の恋は、互いにしっかりした考えを持っていて、自然と応援したくなる。
親に応援されて、駆け落ち同然で結婚式を挙げるのも楽しくてハッピーになれる。
こういう恋を日本映画で観てみたい。
邦画だと、妊娠して親に反対されて悲劇的な展開になる映画ばっかりで嫌になる。
なんと、ブルース・スプリングスティーンが主題歌を書き下ろしたのも凄い。
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