「今週、安牌(麻雀ではないけど)はどうみてもこちらか…。」ブルックリンでオペラを yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
今週、安牌(麻雀ではないけど)はどうみてもこちらか…。
今年132本目(合計1,224本目/今月(2024年4月度)6本目)。
(前の作品 「毒娘」→この作品「ブルックリンでオペラを」→次の作品「リトル・エッラ」)
地獄(?)のホラー映画3連発から、のんびりとアメリカが舞台の音楽(オペラ)をテーマにした映画です。深くは問われませんが、楽譜の読み方や和音(コードネーム)に関すること、また一部の楽器名などは普通に出ますので(「フィドル」など。小型バイオリンを言うが、アイリッシュ音楽では欠かすことができない楽器)注意かなといったところです。
この映画、実にいいなと思ったのが「良いところに隠しタネがある」点で、無駄なシーンがあまりないところです。序盤に何か無関係なシーンがあったよなぁ…といった点は確かに中盤からラスト前まで出てくるんですが、この「無関係なもの」についても見事なまでにクリーンにされているので良かったです。
今週迷ったらまずおすすめの一作といったところです。
一方、法律系資格持ちとして気になった点としては、「裁判官書記(だったか、速記だったか)をやっていた男性」の妙なまでのこだわりの部分です。日本で言えば弁護士であろうと行政書士であろうと、「特に離婚など、当事者の意思が重要なもの」について、要件不備があるとしても、それをどうこういうのは行政(戸籍行政)なのであって、そこに入ってくるかなぁ…という気がします。ただ、映画内では明示的に描写はされないものの「差別論からくる人種差別的な発言から来たもの?」とも思え(映画の描写参照のこと)、この「裁判官書記・速記」のこの方、やや「やりすぎ」な気がします(この点が極端に気になった)。
映画の展開的に「オペラ会場」とは程遠い「ある場所」にいって「ある場所」に向かう展開になりますが(ネタバレ回避)、この展開も序盤の「どうでもよさそうな描写」と、中盤あたりで「壁にぶちあたって悩んでいるシーン」ほかにヒントがあります。もう一つヒントを書けば、アメリカのリアル地理(どこに何州があるか、等)に詳しいとよいかな…といったところです。これ以上はネタバレですよね。
採点上は、確かに「妙に法律ワードを持ち出して混乱させる謎の正義感」からくる一部わかりづらい字幕がある点が気になったところですが、まぁそれとて誤差の範囲だし、良い作品だなと思えるところで減点なし(仮に上記を指摘しても、思想良心の自由に触れる範囲なので大きく引けず、0.2では4.8以上あるためフルスコア)にしています。
なお、この映画であると有利なものは
(ぜひあると有利) アメリカの州の並び方(どこに何州がある?)、州制度
(あると有利) 音楽に関する言葉など
…といったところです(ネタバレ回避のためさくっと書いておきますが、このヒントで少しでも楽しく見ていただければ、といったところです)。