碁盤斬りのレビュー・感想・評価
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映画館へ行く価値はあった。
キャスト、演技、美術、脚本、演出、どれもハイレベル。そして、主人公・草彅剛氏は流石の貫禄で圧巻だった。満足してエンドロールを全て見て退席した。
何か突き抜けるものがあれば、語り継がれる名作となったであろうが、そう言う意味では、あともう一押し欲しかった。山場はやはり、囲碁の対局やその心理戦となろうが、ここに鬼気迫る臨場感を出すことの難しさはあったと思う。しかし、ここの描写に凝るとテーマがブレるし・・とか色々考えながら帰路を楽しんだ。
まぁ、そもそもは、天才・草彅剛氏の演技を堪能しに行った訳であって、その目的は達成できた。
ラストでシラケた
なんか講談のような話だなあと思ったんですが、落語なんですね
まあ、講談も落語も詳しくないのでよく分かりませんが、”だれかとtoなかい”で神田伯山が赤穂浪士で討ち入りした人達を題材にするのが講談で、出来なかった多くの人達を題材にするのが落語という話をしていてなるほどと思ったのを思い出した
落語ってお笑いだと思っていたけど、落語の人情噺というところかな
落語では50両紛失の疑いまでで、敵討ちの話はオリジナルのようです
ふたつの話が都合よく同時に起こっているのに、格之進がなんの言い訳もしないのが変だなあと思ってたんですよ
無理やり引っつけたんですね
この無理矢理感がラストまでドタドタと引きずったのが良くなかったかな
あと、お決まり事のようにひとりで放浪の旅に出るのはシラケたよ
結婚式の途中だし、囲碁を再開しようと望まれたのを失礼にもほったらかしてだから、いっそうよくわからない
落語を知っていればわかるのかなあ?
このままじゃ、結局、疑惑のわだかまりが残ってんのかとか、囲碁はもうコリゴリなのかなんて勘ぐってしまいます
海外向けを意識したような作りなのに、日本人でもよくわからないラストじゃ外人さん戸惑いますよ
この途中で退席して放浪な旅に出たのは、自分が不正を暴いたために路頭に迷った同僚への贖罪の旅に行ったというのが作者の意図なんだろうけれど、もしそうだとすれば彼の人柄がわかる
娘の結婚相手は首を切ろうとした男です
許すには、相当の時間がかかったはずです
その間に行けばいいのに、呑気に後回しにしていた事になる
このあたり、どこまで真剣なのかというと、ただの思いつきくらいだったのかもしれない
そして、結婚式の途中であり、囲碁友の再戦の頼みを無視して旅立った事からから、相当な自己満な人間なんでしょう
周りの人間の都合を考えない、迷惑な男です
そもそも、同僚の不正を暴いた事に対し、毅然とした態度ができないのが小市民なんです
今の自民党の失態を見ればよくわかる
誰も悪い事をやったと思っていない
既得権程度に思っている
これで国会議員辞めましたで、同情していては世の中は変えられない
誰かが搾取されるのを、見過ごしてはならない
彼は告発すればどうなるかわかった上なのに、彼らに同情している
このあたりが、講談ではなく落語にしかならない人物だったんだろうな
よく考えると、何でもひとりで背負い込み、昇華しようとする所など、社会人として欠落しているところがある
囲碁はわからなくても。
とりあえずは草彅剛の気迫は凄かった。
裕福な大旦那より長屋で家賃にも困ってる侍のほうが格上、士農工商って本当なんだな。
斎藤工との対決シーンが「碁盤斬り」の意味かと思ったら、ああその後のアレがタイトルの意味だったのか。しかし私、囲碁って全くわかりませんがハラハラでした、囲碁詳しい人ならより堪能できたでしょう。
最後は國村隼との未完の対局を始めるとこでエンディングでも良かったのに。
草彅剛さんの迫力ある演技に引き込まれた作品。 本年度ベスト!!
期待しないで観た事もあってなのか満足度は高め!
草彅剛さん演じる妻を失った柳田。
髭面が格好良い!
ある濡れ衣により清原果耶さん演じる、お絹とひっそりと暮らしている感じ。
金貸し業の國村隼さん演じる源兵衛と囲碁を楽しむ中、大金が消える。
囲碁の対局のシーンが多めだけど全くルールが解らずだけど全然大丈夫だった(笑)
大金が紛失した犯人として柳田が疑われる展開。
柳田は妻を失い濡れ衣となった相手の復讐の旅に出かけるものの、娘のお絹の決断に泣ける。
お絹役の清原果耶さん。
やっぱり美しい。
期待した泣きの演技は無かったけど、涙が無くても素晴らしい演技(笑)
柳田が濡れ衣にされた相手との命を懸けた勝負も引き込まれる。
現実味の無い強引な勝負のやり方だったけど全然問題無し(笑)
終盤の大晦日の除夜の鐘の鳴るシーンの緊張感がハンパ無かった!
年を越すと、お絹が…。
ってシーンのスリル感がたまらなかった。
吉原の遊郭の女将の小泉今日子さん演じる、お庚が恐ろしい女と思いきや優しい人でホントに良かった。
金貸し業の國村隼さんが柳田の人生を変えてしまった感じだけど2人の関係は崩れる事が無く安心する。
ラストは囲碁の対決の続きが終わってからでも良かったのでは?
と思ってしまった感じ。
タイトルの意味を知った時、思わず笑ってしまった作品でした( ´∀`)
良い話なんだけど。。。
話の大枠も良いし、豪華な出演陣も如何なく良いお芝居でした。たた、出てくる出演陣がみんな良い人ばかりで、悪者は斎藤工だけと言うストーリーがお話を軽くしてしまったような気がします。
清原果那には吉原に身を沈めて欲しかったし、中川大志と國村隼にはジタバタと命乞いして欲しかったし、小泉今日子にはもっと冷徹になって欲しかったし、草彅くんももっと身勝手でも良かった、そうすればもっと人間の悲哀が大きく感じられたような気がします。原作の落語なら悪者は少なくハッピーエンドで終わる必要があると思うけど、映画なんだからもっと人間の汚い部分を描いて欲しかったような。
そんなこと感じる自分が汚れちまってるんでしょうか?
義と情の時代劇をリブート
智に働けば角が立ち…。「草枕」の冒頭が思い起こされた。とかく住みにくいこの世は今も昔も変わりませんね。落語が原典とのことで、義理人情の世界にどっぷり浸かれた2時間でした。
全体的に暗いトーンではあるものの、時代劇と意識しなくて良いくらい観やすく仕上がっていて、まったく飽きなかった。一昔前の劇を設定を変えずに現代風に作り直したら、確かにこうなるかなと、納得感があった。
草彅剛演じる実直な浪人柳田格之進は、普段のそこはかとなく優しい雰囲気と、激情ほとばしる怒りの感情との両面がよく出ていた。剛直というより、しなやかな強さを持った人物という感じで、この辺も現代風のアレンジだろうか。娘のお絹である清原果椰が、父娘の良い関係をうまく醸し出していた。父譲りの一本芯の通った実直さがあり、最後まで義を通すところが清々しく、最近公開の「青春18」とはまた違った感じ。映える見映えだが悪目立ちせず、画面に馴染むところが良い。商家萬屋の主人 國村肇や、遊郭の女将 小泉今日子、敵役の斎藤工も、変に時代がかってなくて、物語に馴染んでいた。
そうそう、タイトルの「碁盤斬り」てっきり剣の技の名前かと思っていたら全然違いましたね。
時代劇? いや、囲碁ウエスタン
正義感が強すぎて恨みをかった今や浪人の柳田が、濡れ衣を晴らし、白黒つけがたい複雑な人の世でいかに己の正義を貫き通すのかを、囲碁勝負における精神性を通して描く骨太時代劇。
だが、観ていて過ったのはウエスタンだった。しかもイーストウッドの「許されざる者」。
筋は異なるが、弱り目に祟り目と不遇重なる主人公が、頑固なまでに踏ん張り続ける展開に同じニオイを感じ取る。
そのどっしり安定感あるシブい演技は主演のみならず、ワキのワキまで行き届いており、ゆったりしたテンポで進むからこそ隅々へ目が行く本編へ、逆に見ごたえを与えていたように感じる。
せかせかした目を引く派手さはないが、そんな演技に美しいセット等々、とても贅沢な時間だった。
正しいことは大いに歓迎すべきだが、正しいからと言ってみなが幸せになるとは限らず。戯作にもよくある「右を立てれば左が立たぬ」世の中は、今も昔も変わらないよなと思うばかり。
囲碁に詳しいと面白さがさらに倍。
観るたびに胡散臭い役で出てくる斎藤さんが今回も、裏切らなかった。
難を言えばラストがやや急転直下で、一気に丸くおさまっている双方にこちらの心がついて行かず。ちょっとホラーでは、と感じたところか。あそこまで克明な描写はトゥーマッチだったかなと感じている。
(追記)
娘の身売りの件で思うのは、冒頭、店のおかみと囲碁に興じるやり取りがキモだと思っている。双方の信頼関係とリスペクト(師弟関係であり、謝礼と多めに篆刻代金を支払う、生活の事情を知ってさりげなく援助するイキな人物)が描かれている。
50両、貸して貸せない金でもないが大金で、社長としては建前(表面上の理由)が必要だろう。つまりおかみは娘を買い取ったのではなく預かった。信頼する柳田なら、必ず取り戻しに来ると猶予さえつけ、賭けたのだ。双方何ら口にはしないがこれぞ暗黙の了解、柳田も自身の今後を思えば(生死)悪いようにはしない人だろうと預けたフシが「うかがえる」。
なにより一日遅れても無傷でかえしてくれた、それが全てを物語っており、約束が建前でないならもう絶対に返してはくれなかったろう。
なんとやくざな世界か、と思わずにはおれないが、そこがシブイ、と理解した。
つまり全員が全員、己の正しいと思う所を成したわけで、ならば必ずどこかで矛盾するはずも、その矛盾を飲み込む力が人情ものの醍醐味だと感じている。
私はこれまで清廉潔白であろうと生きてきた。はたしてそれが正しかったのだろうか。
落語「柳田格之進」の映画化ということで楽しみにしていた。先に小説も読んだ。小説の世界は、融通のいかない堅物の食い詰め浪人の柳田のキャラが見事に浮き上がっていて、そこに文七元結の佐野槌の女将のような存在までも加味されていて、「柳田格之進」のアンチが嫌う、"娘お絹が吉原に身を堕としてしまったことの取り返しのつかなさ"がないのがとてもよかった。吉原に身を置くにしても、あれなら許せる範囲。萬屋の手代を登場させることも、"お絹と番頭"よりも恋物語らしくていい。題名が「碁盤斬り」では落語のオチじゃないか!という焦りと憤りがあったが、そのあとの物語がとても心地よいカタルシスを味わえて、「異聞」とあったがこれが本筋でいいと思えた。
そこで映画だ。バイオレンスが得意な監督でありながら、時代劇もお手の物だった。映像は美しいし、カメラアングルが今までの時代劇と違っていて新鮮味もあった。
ただ。なにか、時代物としては考証が些末に思えた。草彅が、肩をバタバタさせて走るのを見て刀が暴れるぞって危ぶんだし(大刀は差してないけど武士の心得として)、だいたい、片腕を斬られた斎藤工が見た目普通に会話をすることに、なんだそりゃ激痛だろ?ってズッコケた。そして、小説にある最後の物語が欠けている。そりゃない。柳田の贖罪のようなあの行動があるからこそ観客は柳田に惚れこむのだ。そして、萬屋源兵衛のあの決断と再会があるからこそ、柳田と萬屋の友情が美しいのだ。あれを削るのは手落ちとしか思えないくらいの失態だと思う。
外国でも上映してほしいな
囲碁、将棋まったくやらない自分が観に行って楽しめるか気になりながらも、草彅剛の作品にハズレ無しと思ってるので観に行きました。
時代劇のストーリーではあるが現代人でも納得のストーリー。
草彅剛のアップでの表情での演技と言うか感情が顔で表現されているのは圧巻。
あの眼力には監督でなくても画面いっぱいにフレーミングしたくなる、それに引き込まれて行きました。
正しく生きること、人に優しくすることが大切だけれど裏で苦しむ人もいることにも目を向けなければ本当の正義にはならないと気付く。
皮肉にも気付かせてくれたのは自分を嵌めた相手。
それでも人を陥れるために嵌めるのはいけないよね。
ケチで有名な國村隼演じる質屋の人間性が草彅剛と碁を打つに連れ変わっていく様も嬉しい気持ちになる。
娘の清原果耶の健気さに惹かれる、青春18x2で現代映画のヒロインを演じるのを観た直後、若いのに演技力あるな~と
感心した。
侍としての生き方を通して人間として大切なものを教えてくれるので、海外の映画ファンにも是非観て欲しい一本だと思います。
足裏を揉む間もないぐらいに没入しました
映画は平日の真っ昼間に行くことが多いのですが、たいていがらからに空いています。真ん中より後ろの座席で、横の列に誰も坐っていないところの真ん中にどっかと座ります。おもむろに靴を脱ぎ、靴下の上から、足の裏を揉みながら映画を鑑賞します。(横列に誰か人がいればしません。)足つぼではなく、反射区と言われる平面を揉むので、素人でも十分にできます。薄っすらと汗をかくほど、からだがほかほかして効果抜群です。
ところがです。今回は、途中で足裏を揉むのを忘れてしまうほど、物語に没入してしまいました。大好きな山本周五郎や藤沢周平の小説を読んでいるような心地良さがなんともいえません。草彅剛さんの演技がまた素晴らしい。物静かな演技、激高した時の演技、こんなに芝居のできる人だとは思いませんでした。ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、結末も文句なしです。変にこねくり回さないのがいいのです。
ただ気になったのは、最後の囲碁での決闘の大逆転のシーン。実力が伯仲しているどうしの囲碁ではまず考えられない展開だと思います。将棋であれば、大逆転は、別にめずらしいことではありませんが、囲碁ではまず考えられないのではないでしょうか。冒頭の小泉今日子への囲碁指南のところで、現実ではありえないと、伏線をはっているのでこれはこれでいいのだろうと思います。
それにしても囲碁も将棋も、賭け事から発展してきたのですね。江戸時代に幕府が保護をしたのは文化に対する造形が深い人が、幕府の中枢に沢山いたということになるのでしょうね。昭和に入って、囲碁、将棋を、賭け事から、すぐれた文化とした社会に認知させて成長させてきた、関係者の努力には頭がさがる思いです。勝ち負けも大事ですが、すぐれた文化としての一面も大切にしていただきたいと思います。柔道がオリンピックの競技になって世界の勝利主義の波に翻弄されているのを見ると、剣道、空手は絶対にオリンピック競技にしてほしいとは思わないですね。どんなものになるのか想像するだけで恐ろしい。
映画とは関係のない話にそれちゃいましたが、お勧めです。ぜひ大勢の人に鑑賞してほしいです。
かっこつけすぎ?
やはり期待してしまった代償なのか。ちょっと物足りなかった。逆に今の草なぎ剛を生かし切る脚本、作品は難しいと思う。
わがままな期待だとはわかっているけど、草なぎ剛の中にある美しい魂の輝きを引き出せる作品にまた巡り合って欲しい。私が自分の目で見えることのできるうちに、あの魂の眩しさを再度見せてくれる作品に出逢って!それが今の正直な気持ちです。
カッコイイ時代劇!
映像が綺麗でカッコよかった!その映像とともに流れる音楽も最初から最後まで良い!
白石和彌監督は死刑にいたる病でトラウマを植え付けられたのでかなりグロくてウッ…ってなるかと思いながら観ましたが、グロいシーンはあったけどそこまででもなかった印象でした。
序盤から多くある囲碁を打つシーン。
ただうってるだけなんだけど草彅剛の表情もよくめちゃくちゃカッコいい!
ストーリー的にも大満足!
退屈することなく観れました!
素晴らしい!
清廉潔白に生きる柳田格之進。正しくあろうと実直に生きてきたのに迷い苦しむ。草彅剛さんの格之進が素晴らしい!心情が風貌や表情や眼差しから醸し出されて見てて涙が出る。娘役の清原果耶さんも父上を真っ直ぐに信じて優しく明るく強く泣ける。ラストシーンの格之進の温かい眼差しが素晴らしい!白石監督の映画への愛が溢れる作品。何度も観たくなる。
映画館で観たい映画が観られて幸せ
久々に映画館で、しかも初めて映画館で時代劇を鑑賞。先ず映画の色合い、渋い陰影の仄かな灯り、乾いた感じ、美しい文字に惹かれた。江戸の風情、人の暮らしや活気、四季の流れを表現する調度品、仄暗い灯りを着けて消す音、足音などから江戸に生きた人たちが居た。囲碁の白黒が人の白黒、表裏、そしてグレーを表現しているようで面白い。演者の喜怒哀楽、可笑しみの表現が愛おしい。落語の話だからか、人情エンターテイメント映画として面白い。ゆっくり、不便でも工夫し、矜持を持って生活している人々の様、心意気が感じられて心地よかった。今、この作品を観て感じられるという幸せ、作品を作り上げた方々に感謝。また映画館でやっぱりもう一度観たいな。
碁?…中身はかなり硬派な武士の物語です
やたら、碁を打つ人が多く、女性まで金を賭けて碁を打つ始末。時代考証的に、どうなんでしょう?
そんなことはさて置き…草薙…やるな😳
見事な武士ですぞ。殺陣も必要十分!役柄はどちらかというと弱々しい武士の役なんですが…剣もまともに使えない、という馬鹿げた設定ではなくて、基礎はきちんと備えている。腕の筋肉も隆々として(役作りで筋トレか?)、剣さばきも鮮やか。怒鳴るシーンも腹から声が出てる!キムタクより演技は上!と感じました。少なくとも、時代劇では草薙に軍配が上がる、と思いました。
あと、清原果耶がいい!この娘はいい女優になりますぞ!微妙な感情の揺れを微妙な表情の変化で表現てきる!これは才能ですな😳
小泉今日子の遊郭の女将役は…ごめんなさい…あまりにハマり役で笑ってしまった😄
この映画は、落語の「柳田格之進」をベースに作られています。その落語を知らなくても十分楽しめます😄時代考証云々など野暮なことは言わないで…ってオイラか!?
おあとがよろしいようで😅
美味いおにぎりのような作品
美味いおにぎりは力を入れず空気をよく忍ばせ、食すおりにほどけやすいように三度だけ握るとか。
テレビの時代劇とは違い派手な立ち回りも少なく、時代考証も細部までこだわりぬいた仕上がり(とりわけ昼夜の室内の明るさが)は、力が抜けたようでいて力の入った作品に感じました。
だがしかし、ひねくれ者のわたしにはやや物足りなさはありました。
落語が元ネタゆえか善人が多すぎるのと、熱演には違いないが草彅剛殿の声の高さに若干の違和感がありましたね。
わたしごときのそこを、差し引いても丁寧に創られた志高い良作には間違いございません。
番頭、歌ってる場合じゃない!
草彅のいい人からの波状攻撃の様に衝撃的な出来事があってからの闇堕ちの落差は素晴らしい。
敵役の斎藤工も憎憎しい。
囲碁のルールや手がさっぱりわからないけど、ほのぼのと打つシーンと緊迫感ありありのシーンは引き込まれてしまいました。
劇中の重要なトピックスに番頭が関わっていましたけどよくもまあぬけぬけと…。
柳田格之進だった
落語の柳田格之進を聴いていたので、どこまで柳田格之進なんだろうという気持ちで観ていた。
思った以上に柳田格之進だった!
SMAPの頃から役者の草彅剛さんがすきだったのだけど、碁盤切りも素敵でした。
碁盤のアップや、碁を置く手の動きや、光の差し込み方や、碁を置く音まで、とても美しく描写されていて、碁がわからなくても、あれほどまでに夢中になる気持ちがわかるような気さえした。
中川大志さんがとてもいいなと思ったし、キョンキョンもとてもよかった!
ただ、武士道を全面に押し出している割に、娘も刀も売ってしまったところはちょっと…と思ってしまった。
落語では娘を売るのがポピュラー。
武士にとって刀は命より大事みたいな位置付けらしいから。
現代において、娘より刀のが大事ってのは意味不明なのですが、現代の人に合わせてか、娘ではなく刀を売るという落語もある。
わたしは娘でなく刀を売って欲しいけど。
映画としては、あの時代になぞって娘を売ったんだなと。
刀まで売るのはちがう!って言いたいが、もうそんな事はどうでもいい。
娘が無事だったことにホッとして涙が出た。
全体的に面白かったし、音楽もとてもよかったし、時代劇は見ないわたしにとっても、あっという間に終わるほど夢中で観れたから。
無念を果たして吉原へ向かう途中の橋の上を走るシルエットが妙に印象に残った。
多分、時代劇の良いとこが凝縮されたシーンだったんじゃないかな。ちょっとモヤがかかってとてもハッとするような景色だった。
囲碁がやりたくなりました、
評判どおりとても良かった。
特に、囲碁はまったくわからないのに囲碁をさすシーンに不思議とひきこまれる。そして、その囲碁の碁盤を斬るとゆう意味が深い。
ただ、そこがこうなるんだ、え…急に誰?、きっかけそれ?みたいなのは否めない。
私の主観だけど、俳優草彅君は良い意味で普段のイメージからかけ離れすぎる俳優の一人。優しさの奥にある凄み、凄みの奥にある芯の強さなどすべてやってのける。本当に凄い。
娘役の清原果耶、かわいいけど凛としてぶれない女性をやらせたら右に出るものはいない。
実は《ミッドナイトスワン》は草彅君と清原果耶だったらもっと素敵なんじゃないかしら…と思っていたから、今回の共演を知り楽しみにしていた。予想どおり相性ピッタリ、実際に本当の親子みたいだったし。
そして、忘れてはいけないのは小泉今日子と國村隼。この二人が脇を固めたら最強でしょ、居るだけで半端ない存在感。特にキョンキョン最高だった👏
白石和彌監督、時代劇は初めて撮るらしいけど、にわかに信じられないクオリティ。
監督の作品は《悪人》《孤狼の血》が好きなんだけど、碁盤斬りも仲間入りした。
気になっていてもそうでなくても、是非ぜひ!
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