劇場公開日 2023年8月11日

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「正直もうちょっとどん底の恐怖を味わいたい」ミンナのウタ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0正直もうちょっとどん底の恐怖を味わいたい

2023年8月21日
iPhoneアプリから投稿

もっとモキュメンタリー的に軽〜く作っているのかと思っていたら LDHというのをのぞいたら普通に、というかがっつりフィクショナルなホラーをやっていた。
どうもこの手のものは白石晃士監督の十八番みたいな気がしちゃっているが、「ラジオ局に寄せられてた未開封の30年前のカセットテープ」を開けてしまってからはマキタスポーツの探偵登場で、30年の時を超えやってきたサナの呪いと対峙する。

テープです。アナログはいい。ものすごく丁寧に演出されていて、なんか優香の出ていた「輪廻」あたりを思い出す。ただ自分が随分擦れてしまったのかそれほど怖くはない。一番怖かったのはサナの母親のリピートと自販機下をもぞもぞ動くサナ。こういうのはうまいです。マリオバーヴァ「ザ・ショック」オマージュの廊下シーンは劇場ではあまり反応がなかった。さすがにここはまるまる予告編で見せすぎたからか。

どの辺から怖くないって思ったかというと、襲われた人が物理的に消えてしまったところか。本当にどこかに連れていかれたりするのは怖いけど、別の次元に閉じ込められてる感があり、そうすると呪いが解けたら戻ってくるな、と思える点(そりゃ人気グループだから消えたままって訳にはいかない)あと、割と早々にテープの送り主の住所と名前がわかること。書いてあるじゃん、と。しかも探偵が同級生という設定が短時間処理でしか活きてないこと。など。こうなってくるとアメリカンインディペンデントホラーのほうが面白い、と思えてしまうことはある。

ONI