おまえの罪を自白しろのレビュー・感想・評価
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罪とは何か
「おまえの罪を自白しろ」と言われたとき、自分ならどう答えるだろう。
極めて難しい問題なのは、罪の意識は人それぞれで濃淡あり。
例えば「いじめ」の常習者が、そのことを罪に感じているかは問題の一つ。
自覚がなければ、告白もないわけで。
懺悔や告解を日常的に行うキリスト教圏では異なるかもだが、
そうした風習があまりない本邦では極めて難しいかも。
ところが本作の主要な登場人物たちは、
同じように迫られた時に身に覚えが。
政治家としての権勢を利用し
知己への利益供与のために立ち回った過去、
またはこれからしようと企んでいることに思い至る。
自分への利益誘導にならなければ良しとの見方もあろうが、
とは言え利益を得る一方で不利益を被る人も出るわけで。
国会議員『宇田清治郎(堤真一)』の孫娘が誘拐され、
送られて来た脅迫文に書かれていたのは身代金の額ではなく
タイトルの一文。
それも、残り二十時間程度のうちに
記者会見を開かねば孫娘は無事ではすまぬとの内容。
当人も事務所のブレーンも
イマイマ進行中の案件と考え、
告白を行うことの判断とともに、小さくは自分の議員としての立場を、
大きくは与党政権をどうすれば維持できるかを考える。
ここで丁々発止の政権内のやり取りが繰り広げられ、
えもいわれぬ緊迫感。
ただ「指揮権発動」云々の箇所は
かなりわかりにくい。
なにせ戦後実際に「指揮権」が発動されたのは
一回しかないのだから。
とは言え、与党政権内でのライバルを貶める策謀や
裏切り・裏切られによるアップダウンは、
実際にこんな腹の探りあいが行われているのだろう、と
見ていて憐憫と侮蔑の感情がないまぜに。
こんな人たちが選良であり、
国民の税金を食べて国を回しているのかと。
『清治郎』の選択は極めて良識的なもの。
嘗て「人命は地球より重い」と語った総理大臣もいたことを思い出す。
しかし事件はこれで終わりではないのが
{クライムサスペンス}の二転三転。
次の展開が待ち受けており、
原作者のの『真保裕一』と脚本の『久松真一』の面目躍如。
が、ここで気になるのが
次男で父の議員秘書『晄司(中島健人)』の良すぎる勘。
些細なことからそこまで推理できるか!と鼻白んでしまい。
更にそれに賭けて動く警察も、なんだかぁとの印象も、
まぁそうしないとお話が続かないからね。
ラストのシークエンスは素晴らしいの一言。
多くの民の幸せを望み政治の世界に飛び込んだ有為の若者が
次第に清濁併せ吞むようになる古今東西で必然の流れ。
〔オール・ザ・キングスメン(1949年)〕を想起し、思わずにんまりとしてしまう。
1回目より2回目3回目
テレビなどの宣伝されている時、気になっていましたが、少し難しそうな内容だなと思っていました。ですが、なかなか理解力に乏しい私でも内容の大方は理解することができました。主人公の頭の回転の速さや清史郎の苦悩、なんとも言えないむしゃくしゃした気持ちに共感し、社会を知るいいきっかけの映画になれたかなと思います。欲を言うならば、情景描写や心情を映すシーンなどがあればもう少し理解が深まったかなと思いました。ですが、映画自体楽しんで見ることができました。この映画は1回目観るより2回目3回目と回数を重ねた方がより面白さが増すのかなと思うのでまた映画館に観に行きたいと思います。
良い意味で思っていた作品とは違った
テンポ良くストーリーが進んでいくので中弛みなくラストまで楽しめました。
少し気になった点は、主人公がとある官僚に考えがいきつくのが突然に感じてしまったり、事故案件なのでは?と思ったりはしましたが(でも人はパニックに陥ると冷静な判断は出来ないですよね)
これがスローテンポだともっと気になってしまっていたかもしれませんが、どんどん話が進んでいくので、そこまで気にならなかったです。
もっと重苦しい社会派サスペンスかと思っていたら良い意味で裏切られました。(重い題材を求めていた人には物足りなさはあるかもしれませんが)政治を舞台とした作品ではあるけど幅広い世代において見やすい作品だと思います。
原作未読ですが、ラストも主人公のこれからをワクワクさせられた展開で絶妙なタイミングで主題歌B'zがかかるので爽快な終わり方でした。
役者さんは重鎮な方々ばかりで安心して見れますし、主人公の若さをぶつける演技も個人的には好印象。
あと、本作には色々な自白シーンがありましたが個人的に最後の父の自白に1番驚きました。罪ですね…。
色んな感情が生まれるヒューマンドラマ
さくっと楽しめる映画 中身は薄い
原作未読で鑑賞しました。
良かった点
・役者陣の演技は申し分なし、たくさんの大御所俳優陣の演技を見れて楽しかったです。
・カメラワークと画の構図やライティングがすごく綺麗で銀幕で見るべき画だなと感じました。
・角野卓造さんと中島健人くんの対峙シーンは迫力満点で、良かったです。
中島健人くんの表情の変化にゾワっとしました。
悪かった点
・ストーリーは微妙にリアリティに振り切っていないような気がして、かといってエンタメに振り切っているかと言われたらそうでもなく中途半端だなと思いました。
犯人の素人なのにハッキング技術があるのとか特に...
・テンポ良くストーリーが進んでいき面白いは面白いのですが、それぞれの人物の心情描写が少なく、行動心理などが読めない点が多くあまり感情移入が出来ませんでした。
・予告からして、父を取り巻く政界の闇へもっと切り込んでいき、罪の自白までハラハラドキドキで楽しめるのかと思いきやそうではなく割とあっさりと自白、その後中盤から
主人公の謎解きが始まった時はちょっと醒めてしまいました。
結局何を重点的に伝えたかったんだろう、という感じです。
家族愛なのか、社会の闇についてなのか....いずれにせよ全部薄いなと思いました。
予告と本編の温度差を結構感じたかなあという印象です。
原作を読んでもっと話を深く知ろうと思います。
色んな要素が多かった
小説は未読で映画を観たのでストーリーの展開に違和感は特になく、最後...
中島健人を見たい人のための映画
ケンティー目当てで観に行きました。
感想としては、ケンティーで映画を作りたい人が作った映画って感じでした。
私がうーんと思ったのは以下の通りです。
○起業した会社が潰れ、国会議員の父親の秘書になったにも関わらず、やけに態度のでかいコウジ(中島健人)にイライラしてしまう。視聴者目線だとコネで仕事に就いてるように見えるけど、なんでそんなに偉そうに父親に口がきけるんだ?そんなに父親の仕事の姿勢が嫌なら、さっさと自分の好きな職についた方が良くないか??と思ってしまう。
○誘拐された娘の父親(浅利陽介)が娘を心配したり、妻を気遣う様子が少ないせいで、娘が返ってきた時に、感情移入しづらく良かったねの気持ちがあまり沸かない。
○ずっと血がついたシャツを着ている妻(池田エライザ)が気になってしょうがない。事件現場で頭から血を流してる人がいたら、事件のことを聞くより心配しようよ、刑事さん。脳震盪とか起こしてる可能性だってあるよ?そして病院から帰ってきてからも、血のついた洋服を着替えさせてやろうとするまともな人間はいないのか?
○コウジの父(堤真一)がコウジの会社を潰してまでも、コウジに仕事を継がせようとしたかった理由をはっきりと教えて欲しかった。兄だって能力が無いようには見えないのに、何故コウジに肩入れしてたのかよく分からなかった。むしろ正義感の強いコウジを鬱陶しく感じてそうにも見えたのに、あれは期待してる分当たりが強いって事だったのか??
○コウジに見せ場を作るためとはいえ、10人程の警察が待機してる中、犯人の1人を逃す展開が警察無能過ぎてそうはならんやろ。なんで4人で1人にだけ向かっていくんだよ。そりゃもう1人逃げるだろ。ちょいちょいそうはならんやろって展開があって、イライラしてしまった。
少し物足りない
予告を観て面白そうだと思ったけれど本編を観ると政治的要素はそこまで強くなく派閥争いによる駆引きも浅いやり取りが少しある程度で思っていた映画と違った。サスペンス要素もそれほどなく動機も弱い。子供を攫われた母親が最初に連絡したのが兄弟というのも違和感がある。普通なら子供の父親である夫にかけるのがまず第一のはず。物語上、主人公または議員の父親に子供が誘拐されたことを知らせなければ話が進まないので理解はできるが現実味がない。主人公が真相に迫る場面もなぜその発想に至ったかの過程が雑である。全体的に予告やポスターから受ける印象とはかなり違って内容は薄いが、出演俳優がベテランの実力派揃いで見応えがある。主人公も若さ溢れる真っ直ぐな青年の役がよく似合っていて、緩急のつけ方などまだまだ力み過ぎ感があるもののこれからが楽しみになる。ただ、歌舞伎の人か分からないけれど若い刑事役の人が随分と大袈裟なお芝居をしていて1人浮いていたのが気になった。全体的に展開は早く飽きずに観られて悪くないが、もっとしっかりとした内容を求めている人には物足りなく若い人に向いている映画かもしれない。
その動機で、その犯行はしないですね!
映画化する原作選択の失敗が最大の問題点ですが、演出にも問題ありです。
キャスティングで前半すぐに犯人分かってしまいますし、唖然とする犯行動機の判明後に、犯人の流す涙のアップなど、そうじゃないでしょ感で全編溢れてます!
中島健人さんのファンの方だけ、どうぞご鑑賞下さい。
政治的思惑の絡む誘拐事件とその先には…
政治家の孫娘が誘拐され、要求はタイトルの通り「おまえの罪を自白しろ」。さまざまな政治的な思惑の中、ハラハラしながら冒頭からひきこまれました。後半は政治的な思惑よりは親子、家族を考えさせられました。後半の推理要素は、たしかにそう言えば…なぜだろう…と主人公と一緒に楽しめました。
父が息子に何を択したかったのか、息子はそれをどう受け止めたのか…そして、続きが観たくなる映画でした。
堤真一さんはもちろんのこと、日本の名優さんがたくさん出演されていて、豪華なキャストが脇を固めていて大変見応えある映画でした。
1作品でこんなにたくさんの名優の演技を見られるのも本作の醍醐味だと思います。
そんな中、主演の中島健人さんは少し鬱屈とした若い議員秘書を丁寧にそして力強く演じられていました。池田エライザさんの母親役、そして子役さんも素晴らしかったです。
親子の物語
さっくり楽しめる社会派エンタメ
画がいい
三度目の会見
安っぽくダサいポスター、「タイトル強すぎ!」という無駄に若者ぶった予告、『新・中島健人編』のトレーラー。
何より、週末から爆発的に伸びるレビュー数。
もしや主役は…事務所は…
『Gメン』はよかったが、今作は嫌な予感が的中してしまった。
ミステリではないので犯人を予測できる構成でなくてもいい。
でも、「まさかコイツが!?」とか「アレってそういうことだったの!?」といった驚きが欲しかった。
あるいは最低限、犯人に到る過程をちゃんと見せて欲しい。
よもやPCカタカタして犯人突き止めて、その片方が話にすら出てなかったキャラとは。
麻由美が気を失った(これも不自然だが)のは偶然だし、柚葉の方が大怪我してたらどうしたのか。
声明も攫ってから打ち込んでるし、ハッキングスキルが謎すぎるし、そもそもクラッキングする意味がない。
車を盗む意味も感じないし、マンションが建ち並んだからって深夜なら掘り返せるだろ。
自己破産もほぼ自業自得だし、誘拐の目的は自らの罪の隠蔽でしかないので共感も同情もナシ。
演技や演出は悪くないが良くもない。
逆にあれだけシナリオがペラペラだと、重めの演技が上滑りしていた印象すらあった。
序盤、身体を半分戻しながら答弁する堤真一の動きは秀逸。
議員秘書と記者と警察があんなに仲良く並んで歩くもんかな。
とりあえず、エライザの血の付いたシャツは早く着替えさせてあげてほしい。
最初は義理の息子と父の話かと思った
義理の息子と父の政治との葛藤かと観てました!!後日王様ブランチとかシューイチのインタビュー聞いて実の息子と父の葛藤に人間らしいさを感じました。出演俳優さんたちが豪華で相関図必要だと罪の自白生産でお互い勘違いしていた家族の絆が少し戻った様な気がします!お金と政治は臭いものに蓋をする様なことは人を幸せしないと語りかけられたような感じました。私も市議会議員で嘘は市民を幸せしないと心に刻み反省し誰にでも近くへ言って話を聞きたいなぁと思いました。ミステリーとヒューマン好きな人におすすめしたいです!自白のずる賢さを観てきてください(笑)!!
あっという間の101分
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