ノートルダム 炎の大聖堂

劇場公開日:

ノートルダム 炎の大聖堂

解説

「愛人 ラマン」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」などで知られるフランスの巨匠ジャン=ジャック・アノーが、2019年に起きたノートルダム大聖堂の火災を題材に、消防士たちの命懸けの救出劇を描いたドラマ。

2019年4月15日、パリのノートルダム大聖堂で火災が発生した。警報器が火災を検知するも大聖堂の関係者たちは誤報だと思い込み、その間にも火は燃え広がっていく。消防隊が到着した頃には大聖堂は激しく炎上し、灰色の噴煙が空高く立ち昇っていた。複雑な通路が入り組む大聖堂内での消火活動は難航し、貴重なキリストの聖遺物は厳重な管理が裏目に出て救出に困難を極める。消防士たちはマクロン大統領の許可を得て、最後の望みをかけた突入作戦を決行する。

実際に大規模なセットを炎上させてIMAXカメラで撮影した映像とVFX映像の融合により、圧倒的リアリティで緊張感たっぷりに描き出した。

2021年製作/110分/G/フランス・イタリア合作
原題または英題:Notre-Dame brule
配給:STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2023年4月7日

スタッフ・キャスト

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Photo credit:Mickael Lefevre

映画レビュー

3.5映像のクオリティは見応えあり

2023年4月27日
PCから投稿

世界に衝撃を与えた火災事故を描くとなると、ハラハラドキドキのエンタメ傾向に走るのも不謹慎だし、かといって力強い見せ場がなければドキュメンタリーと同化しかねない。その難しい部分をどうバランス良く紡ぐか。個人的に注目したのはジャン=ジャック・アノー流の経験豊富な采配だった。何しろこの人は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の時、アルゼンチンでのロケに加えて、秘密裏にチベット派遣したスタッフによる現地映像も織り交ぜて本編使用したというこだわりの持ち主。『ノートルダム』でもセットを駆使した臨場感あふれる火災現場の撮影に加え、ノートルダムとよく似た大聖堂でのロケや、一般募集した当時のリアルな火災映像を散りばめて、独自の臨場感あふれるタッチを作り上げている。こうした細部が質感を同じくしてスムーズに繋がっているのはさすが。ストーリー的な推進力には欠けるが、映像のクオリティは見応えあるレベルのものだった。

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牛津厚信

4.0復元セットで炎を調節して撮影したスペクタクル映像は迫力満点

2023年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

3月の「エッフェル塔 創造者の愛」から、パリの観光名所にまつわる映画の日本公開が続くのも何かの縁だろうか。歴史ある宗教建築のノートルダム大聖堂には世界中から観光客が訪れ、そのことを序盤の団体客を引き連れるガイドたちの各国の言語で分かりやすく表している(日本語のガイドも登場してちょっと嬉しい)。2019年4月の火災は日本でも大きく報じられ、パリを旅行で訪れたことがある人などはよく覚えているのではなかろうか。わずか4年で劇映画化されたスピード感に驚くが、公式サイトでも大々的に謳っているように「死者ゼロ」だったことも製作の迅速化の一因だったろうと推測される。 誰でもスマートフォンで動画撮影できる時代になったこともあり、本作にも火災当時に撮影された大聖堂の遠景や周辺で見守る人々をとらえたスマートフォン動画を含むフッテージが適宜挿入されている。本編の大半を占める再現ドラマパートとの編集によるつなぎが巧みで、映像の質感もうまくなじむよう処理がなされたようだ。マクロン大統領が執務室で火災の報告を受け現場に出向くシークエンスもあるのだが、驚いたことに消防隊長を演じる俳優と言葉を交わす場面まである。あの部分は大統領が再現ドラマの撮影に協力したのだろう。ただしジャン=ジャック・アノー監督は、消防隊のトップたちが“ダミーの指令所”を設置してお偉いさんやマスコミなどの応対をさせた話まで皮肉たっぷりに再現している。完成した映画を観てマクロンはどう思っただろう。 クライマックスの鐘楼内などは実物大のセットを作り、多数の調節可能なノズルから炎を出して、内部の燃え具合を正確にコントロールしながらIMAXカメラで撮影していったという。もちろんポストプロダクションでCGの炎なども追加しているものの、火災現場で命懸けの消火活動に臨む消防士らの奮闘が一級のスペクタクルとなっている。消防士の活躍をヒロイックに描いた「バックドラフト」や「オンリー・ザ・ブレイブ」、大規模施設の火災と懸命の消火を再現したという点では「バーニング・オーシャン」など、ハリウッド大作にもひけをとらない迫力だ。 ラストに描かれる“ささやかな奇跡”は、キリスト教信者向けのサービスのつもりかもしれないが、底の浅い伏線回収というか、信者以外の人にとっては蛇足のような気もするがどうだろうか。

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高森 郁哉

4.0パリの消防士の勇気ある行動と重要文化財等を救い出すスリリングで ま...

2024年8月21日
スマートフォンから投稿

パリの消防士の勇気ある行動と重要文化財等を救い出すスリリングで まるでハイグレードの「再現VTR」。人々の避難は完了したので人命救助ではなくて、登場人物の深掘りも無い。だから『タワーリング・インフェルノ』や『バックドラフト』と比べるんじゃなくて[実際の火災の映像]と[大規模セットを炎上させIMAXカメラで撮影した映像]と[VFX映像]の融合を楽しむ映画。

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ナイン・わんわん

4.0木造建築への消火活動が鳥肌

2023年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

2019年4月15日、パリのノートルダム大聖堂で火災が発生した。警報器が火災を検知したが、大聖堂の関係者たちは誤報だと思い込み初動が遅れたため、火は燃え広がっていった。消防隊が到着した頃には大聖堂は激しく炎上し、灰色の煙と火柱がが立ち昇っていた。大聖堂は築700年以上と古く、複雑な通路が入り組んでいて、多くの扉に鍵がかけられていたため、消火活動は難航した。また、貴重なキリストの聖遺物は厳重な管理により救出に困難を極めた。消防士たちはマクロン大統領の許可を得て、直接大鐘に放水するための突入作戦を決行し、・・・という実際に起きた火災を再現した作品。 実際に大規模なセットを作り、炎上させて撮影した映像とVFX映像を融合させたそうで、リアリティが凄く、緊張感たっぷりだった。 至る所に扉があり、ご丁寧に殆どの扉に鍵がかかっているのには笑えた。 あの大鐘が燃え落ちていたらもっと大変なことになったのかも。 いばらの冠を購入したためフランスは国家財政が大変だったとか。今はルーブル美術館へ移されたそうで、展示されているのか興味が湧いた。もし展示されてるのなら、一度観てみたいと思った。

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りあの