アナログのレビュー・感想・評価
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繊細で綺麗な大人の恋愛映画
ビートたけしさんの恋愛映画ということで、私生活のこともあり正直複雑な気持ちでしたが、見終わってからは紆余曲折を経てここへ辿り着いたんだろうと感じました。
奇を衒っていないストーリーだからこそ役者の力が光る。アドリブ満載で演者同士の掛け合いは思わず笑ってしまう箇所も多く、なのに全く違和感を感じませんでした。普通の人を演じる二宮和也はすごかった。波瑠さんも美しかったです。
一方、アドリブを多用したのか編集のぶつ切りが気になって集中が途切れるところもありました。あとはカラオケシーンの音量が急に大きくなってビックリ。ファン受けを狙ったのかな?
それでも、ネットやSNSにすっかり慣れてしまった昨今、懐かしくてノスタルジックな雰囲気は好きです。心の洗濯をしたくなったらまた観たいと思う映画でした。
わかりやすくてよい
唯一無二の素敵なアナログ
おもしろそうな予告に惹かれて鑑賞を決めていたものの、上映時間の都合が合わず、公開から10日経っての平日鑑賞となりました。おかげで観客は3人のみというほぼ貸切状態で、周囲に憚るとなく気持ちよく涙してきました。レビューサイトの高評価はダテじゃなく、とても素敵な作品でした。
ストーリーは、自身が内装を手がけた喫茶店・ピアノで、偶然出会った女性・美春みゆきに運命を感じた水島悟が、携帯を持たない彼女と毎週木曜日だけの待ち合わせを重ねながら想いを募らせ、やがて結婚を決意してプロポーズしようとした矢先に、みゆきが突然姿を消してしまうというもの。
ストーリーの70%ぐらいは予告で観せているので、驚くような展開はないです。それでも、悟がときめき、日常が色づき、重ねた出会いが二人の距離をを少しずつ縮めていく様子が、程よいテンポで丁寧に描かれ、作品世界に気持ちよく浸ることができます。そして、明らかになるみゆきの秘密と物語の結末。極めて現実的なオチで、既視感はあるものの、これがかえって共感を誘い、熱いものがこみ上げてきます。そこからの悟の誠実で献身的な姿に、最後まで涙の乾く間がなかったです。
タイトルの「アナログ」には、“手間ひまを惜しまず直接触れることで、そこにある温もりや想いを感じてほしい”、そんなメッセージが込められているように思います。ぬか床の漬物と鍋で炊いたご飯、細部までこだわった装飾、使い込まれたオーダーメイドのバッグ、模型に起こされたデザイン、手土産を携えての見舞い、会いたい思いがあれば会える待ち合わせ、面と向かってなんでも言い合える悪友、海辺での凧揚げや糸電話など、描かれるものすべてからそんな訴えを感じます。
作中でみゆきが、「同じ楽譜でも演奏者や指揮者によってまるで異なるからクラシック音楽はいい」というようなことを言いますが、まさにこれです。アナログは、デジタルや他のものに置き換えられない、唯一無二の存在でもあるのだと教えてくれます。しかし、決してデジタルを否定しているわけでもないと思います。そんなアナログを大切にする時間生み出すために、デジタルもハイテクもうまく使えばいい、置き換えるものではなく、補完し合うものだと訴えかけてくるようでした。
主演は二宮和也さんで、みゆきへの一途な想いがあふれる演技が涙を誘います。共演の波瑠さんも、複雑な思いを抱えるみゆきを好演しています。脇を固める、桐谷健太さん、浜野謙太さん、板谷由夏さん、高橋惠子さん、リリー・フランキーさんらも申し分ないです。中でも、リリー・フランキーさんの温かな眼差しと存在感は、作品全体を優しく包み込むようです。
丁寧に作られた作品
大人にこそ観て欲しい映画
誰かに好きと伝えたい
期待以上でした。
原作ビートたけしということでちょっと敬遠していた映画でしたが、竹内結子さんがヒロイン候補だったというネット記事がきっかけになって観ることにしました。
携帯を持たない相手とどうやって次に会うのか…
簡単には連絡が取れないからこそ、自分が感じたことを次に会ったときに伝えたい
自分にとって大切な人との向き合い方を見つめ直すきっかけになりました。
家族になることの責任、それは一瞬ではなく一生続いていく…
もう一回、大切な人と観に行きたいなと思っています。
これから原作となった文庫本を読みます。
たくさんの人に観てほしい今年一押しの映画です。
じんわりくるのです。
はぁ。
素敵な映画でした。
たけしさんの頭ん中はどうなってるんでしょう。
俳優陣が皆、なんとも素晴らし過ぎました。
私は俳優としての二宮さんをスクリーンで見ると、なぜかうっすら涙が浮かぶのです。顔を見ただけで、もうその先の切なさが伝わってくる。そんな感じがして、目がじんわりしてくるのです。
本日も悟を演じる仔犬のような瞳をした二宮さんを、没頭からじんわりしながら鑑賞しておりました。
みゆき役の波瑠さん。美しく素敵でした。素敵すぎました。とても素敵で慎まやかで、それでいて儚げだけれども、優しく海のような女性を演じてました。
そんな悟とみゆきのやりとりもとても微笑ましく、楽しい。悟の友達ふたりも漫才かと言うくらい面白く、すごく良い奴ら。
ピアノのマスターのリリーフランキーさんも、セリフは少なくとも表情だけで重要な役どころを果たしていてさすがでした。
携帯を使わないアナログなデートを重ね、悟はプロポーズを決意するが、どうしてかみゆきは姿を消してしまう。
どうしたんだろう。
会えないまま月日は過ぎてしまい、悟はある時事実を知る。
この辺りから じんわりどころではなくなってまいりました。
ラブストーリーにはありそうなお話しでもありましたが、この俳優陣だからこそ深く突き刺さったのです。
みゆきの姉役の板谷さん。みゆきを大切に思う気持ち、そして、悟の未来をも気遣う優しさがより心に染みました。
どこまで行っても 2人にとって幸せと思える結末であって欲しいと私は思います。
はぁ。
素敵な映画でした。
ベタだが見入ってしまうラヴストーリー
ピュアな恋愛映画✨
気持ち悪いセリフを言いたくなるのもわかる
「携帯電話を持っていない」と言われたとき、今の時代にあえて持たないという選択をした人に「どうして?」と聞けるだろうか。聞いたところで納得する答えは返ってこない気がする。しかもこちらが何を言ったってその人の考えはたぶん変わらない。携帯電話を持たないことで連絡がつきづらいという不便さがあったとしても。
本作を観る動機となったのが、毎週カフェで待ち合わせていた女性が突然来なくなった理由はなにか?ということ。携帯電話を持たない女性だから、リアルで会っている時間だけで相手のことをどこまで知ることができるかという問題も気になっていた。
いや、もちろん携帯電話がなくても固定電話を聞くなり、PCでやりとりできるメールアドレスを聞くなり、連絡手段は何かしら見つけることはできなかったのか?と思うところはある。でも、アナログなやりとりをする2人の関係を微笑ましく見させてもらった。
そして桐谷健太と浜野謙太が演じる友人との関係も微笑ましい。ふざけたり、いじったり、冗談を言い合うのに、とても相手のことを思っている。あのアドリブっぽいやりとりが楽しかった。この映画が温かいものになっていた一因だと思う。
ものすごく驚く秘密が隠されていたというわけではない。いや、それなりには驚くか。そもそも謎解きの映画ではないから、彼女に何があったんだ?ということよりも、これからどうなる?という未来のことに自分の関心がシフトしていったんだと思う。2人の心の通わせ方や愛の育み方がとてもよくて、後半まんまと泣かされてしまった。こんなにも泣ける話の原作を書いたのがビートたけしだってことにも驚く。
彼女が携帯電話を持たない理由は、私が今まで聞いてきたいろんな人の理由とは全く異なるものだった。こんな理由なら納得する。そして、持ってもらえる未来も感じる。いい映画だった。
とても良い映画です
冒頭、水島悟役の二宮和也さんが部屋で美味しそうな朝ご飯を作ってるシーンで自家製のぬか漬けを切って一口食べて美味しそうな顔を見せた瞬間から丁寧で実直な人柄や世界観に引き込まれました。作品全体が海や空の風景などとても美しい世界観でした。みゆき役の波瑠さんも最高です。こんな素敵な女性がいたら誰でも好きになってしまいますね。悟と桐谷健太さんと浜野謙太さんとの友情物語としても素晴らしかったです。あんな友達がいたら良いですよね。桐谷健太さんはルーキーズの時は良かったのですが、その後少しオーバーな芝居や表情が苦手でしたが(個人的な主観ですので)本作ではとても良かったです。苦手な芸人起用についても今回の宮川大輔さんは芸人臭がなく自然に溶け込めていて良かったです。
マスター役のリリーさんも抑えた感じが素晴らしいです。
ビートたけしさん原作の純愛恋愛小説の映画化。泣いたです。
2023年劇場鑑賞17本目。「アナログ」
泣いたですー。😭
2017年に発表されたビートたけしさん原作の恋愛小説「アナログ」。コロナ禍を経てますます時代がデジタル化されている今、映画化されたこの作品。
〜 会えるのは毎週木曜日。僕が恋をしたのは携帯を持たない君でした。 〜
謎めいた彼女と少しづつ育む恋。
いつまでも少し遠慮がちな言葉遣い(敬語)でも、確実に縮まっていく2人の距離感。安心感。温かみ。
共に「お話ししたいことがあります。」と約束したはずの次の木曜日、彼女は現れなかった。翌週も。翌月も。。。
1年後、明らかになる真実に衝撃。すれ違った現実に涙します。😭
2人だけの特別な木曜日は? 2人は再び巡り会えるのか?
PS、2人が巡り合うきっかけとなった馴染みの喫茶店「Piano」のマスター、リリーフランキーさん。いつも2人を優しく見守る姿が最高に素敵でした。☕️
大分脚色されているが原作の良さを損なっていない良作
秋に映画館で観たい映画
まず見終わった後に思ったのは、ビートたけしが原作なのか!といういい意味での驚き。
しかも「北野武」として活躍する前に書いたものなのかと思ったら、逆に割りと最近、コロナのちょっと前の作品らしい。
(そりゃそうか、北野武の初監督作品の頃はまだポケベルとかPHSが主流だったかも)
淡々としていて暗転がちょっと多い気もしたけど、これは2時間ドラマではなく映画館で観たい映画。
音楽とか、変にジャニーズ色も無くて良い。
(と思ったら後輩が1人出てたみたいだけど)
きっと「嵐・二宮和也」ファンの人は、彼の唄うサザンと涙と「ん?」に堪らない気持ちになるのでしょう。
それにしても彼は「なんだかんだでいい息子」役がうまい。
次はまた大御所との共演も観たいな。
アナログな時だけが刻む 秒単位のきもち
澄んだ水たまりを眺めているような時間だった
ふと気がつくと
気になって仕方ない自分がいて
そこには雨が降り注ぎ
にごってなにもみえなくなったり
雲が風にとばされ
晴れ渡っていく様子にわくわくしたり
風に吹かれて小波ができ
ただただ収まるのを待つしかないのを知ったり
ふいに虹がううり込み
ほほえむ誰かを映す瞬間を迎えたり
アナログな時だけが刻む
秒単位のきもち
一瞬で答えを出すことに慣れた
私たちが
速度をゆるめることで
つかめる感覚が
その水たまりにはみえていた
あいかわらず
そこにいるかのような
二宮さんの何気ない佇まいとあたたかさ
波瑠さんが醸し出す
〝丁寧に向き合う〟ことと
手が届きそうで届かなそうな透明感
ふたりのおもいの交差に
アナログ時代が
やさしくじんわり
よみがえる
お金や名誉だけじゃない
ましてや争いごとなど…
誰かを大切に感じられる気持ちが
続く世の中でありたい
キレイゴトではなく
普遍的な心からの願いがみえる
人間・北野武さんの純粋さが滲む物語ではないだろうか
出演者の自然な演技に脱帽
デジタルの時代のアナログは…?
当初見る予定が無かった映画。でも「幾田りら✖️二宮和也✖️波瑠」の動画を発見。幾田りらファンとしてはしっかりチェックしなければ。(幾田りらファン歴10日)
最近配信された曲はこの映画のインスパイアソングだった。インスパイア?作品を見てインスパイアされて…。公開前じゃん。実は完成作に付け足した?確認必要。
スマホ時代に携帯を持っていない。何故?深い理由が有るに違いない。
でも理由はあったの?中盤予想外の展開になるもの、理由何も無かったよね。
木曜日にしか会えない理由も無かったよね。(休日にデートはしているが) その辺はクリアにして欲しい。
事故に遭う直前に、実は携帯を買っていた。そんならもうちょっと早くに買っておいて頻繁に会っていたのなら、事故には遭わなかったかも。携帯を持たない理由が気薄だからどうしても納得がいかない。
でも『アナログ』のこだわりを持っていても、結局『デジタル』。
「ラストのみゆき」は悟が近くにいてくれたから。大阪勤務のはずが、東京からのリモート会議で3D図案を提案できる環境があったから。
人それぞれ思い入れがあり、こだわり、アナログを懐かしむのは良いが、人は「今」しか生きられない。今、時代がどう変化しているのか理解する必要はあるかも。嫌でも。
で、当初の目的…。インスト曲でした。でも彼女のソングライティングだろ。インスト曲入れれるんなら、ヴォーカル曲入れろよ。映画は「デジタル」で制作されているのだから。
全291件中、121~140件目を表示