プーチンより愛を込めて

劇場公開日:

プーチンより愛を込めて

解説・あらすじ

ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンの素顔をとらえた2018年製作のドキュメンタリー。

1999年12月31日、ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンが辞任し、自身の後継者としてプーチンを指名した。3カ月後に行われる大統領選挙までの間、ロシアの新しい憲法と国旗は若き指導者に引き継がれることに。プーチン大統領候補の選挙用PR動画の撮影を開始したビタリー・マンスキー監督は、大統領選挙への出馬表明も公約発表もしないまま“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録。プーチンが大統領代行に就任してからの1年間を追った映像を編集し、ドキュメンタリー映画として完成させた。

選挙運動では控えめな印象のプーチンだったが、徐々にその本性が見えはじめる。プーチンがいかにして権力を握り、現在の統治国家を築きあげたのかを浮かび上がらせていく。

2018年製作/102分/G/ラトビア・スイス・チェコ・ロシア・ドイツ・フランス合作
原題または英題:Putin's Witnesses
配給:NEGA
劇場公開日:2023年4月21日

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(C)Vertov, GoldenEggProduction, Hypermarket Film-ZDF/Arte, RTS/SRG, Czech Television2018

映画レビュー

4.0【”そして、独裁政権が始まった。”愚かしきロシア連邦初代大統領・エリツィンから大統領代行に選ばれたプーチンが出馬表明、公約を一切せずに大統領となり、その後一年を追った恐ろしいドキュメンタリー。】

2025年4月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

■1999年12月31日、ロシア連邦初代大統領・エリツィンが”感動的なスピーチ”を国民にし、辞任し、後継者としてウラジーミル・プーチンを指名する。
 プーチン大統領候補の選挙用動画の撮影を依頼されたマンスキー監督は、選挙への出馬表明をせず、公約も一切出さずに“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録していく。
 そして、プーチンは50%を超える得票率で大統領となり、一年目の政権運営を始めるのである。

◆感想<印象的なシーンのみ>

・今作は、大変興味深く鑑賞した。手元にはこの映画のフライヤーがあるのだが、そこには若きプーチンと、彼の腰巾着のメドベージェフが映っている。

・プーチンが“選挙運動”を展開する中で、恩師の老いた女性を訪れるシーン。彼女と同級生と思しき男性は感激の表情で出迎え、満面の笑みで一緒に写真を撮るのだが、プーチンは口角を上げつつも目が笑っていないのである。
 そして、そそくさとその小さなアパートを去るのである。彼が少年時代に暮らしたペテルスブルグのアパートを思い出したのだろうか。

・エリツィンがご機嫌で、”彼を20名の中から選出したんだ。”と言いながら選挙の推移を家族、親戚とTVで観ているシーン。
 ゴルバチョフがTVに映り、コメントを求められると途端に不機嫌になり”何時まで喋っているんだ。”と言うシーン。そりゃあそうだろう。自分が追放した男は、ノーベル平和賞を受賞し、欧米では常に自分より遥かに人気があり、国内でも厳然たる影響力を持っていたのだから。

・そして、プーチン当選が確定し、自ら祝いの電話を掛けるもプーチンは不在。そして、マンスキー監督が述べる言葉”私が知っている限り、プーチンからの電話は無かった。”後半でも触れられるが、プーチンにとっては、大統領になった時点でエリツィンは不要なものになったのだから。

■最も、恐ろしいシーン。
 プーチンの当選祝いをする当時のシーンが映されるが、再びマンスキー監督の言葉が流れる。”この中で、現在もプーチンの傍に居るのはメドベージェフだけだ。多くは野党に行き、妻とも離婚。謎の死を遂げたモノもいる・・。
 プーチンが、異様に権力に固執するのは、信じるモノが自分だけという思想からだろうと、昔から思っていたが矢張り、そうらしい。

・プーチンが旧ソ連国家に異常に拘るインタビューシーン。彼は旧ソ連国歌のメロディを復活させ詩を付けてロシア国歌を「ロシア連邦国家」とした意味を饒舌に語るシーンは実に印象的である。
彼がKGBの叩き上げであり、そこから巧みにエリツィンに取り入って、政治家となった事は周知の事実であるが、今作を観ると実に頭の良い男である事が分かるし、彼が旧ソ連に深い愛着を持っている事が分かるのである。

<ラスト、再び家族と新年を迎えるエリツィン。だが、彼の顔に笑みはない。TVから流れる「ロシア連邦国家」。
 プーチンは一人、プールで泳ぎ身体を鍛え、愛犬と思しき犬と共に暗闇に去るのである。
 今作は、愚かしきロシア連邦初代大統領・エリツィンから大統領代行に選ばれたプーチンが出馬表明、公約を一切せずに大統領となり、その後一年を追った恐ろしいドキュメンタリーなのである。>

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NOBU

4.0貴重な映像

2023年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

プーチンが大国ロシアの大統領となり、指導者となる様を描いた貴重なドキュメンタリー映像です。
映画のパンフレットに監督のインタビュー記事がありますが監督は

「自由は美しくデリケートな花で、絶え間ないケア、直射日光からの保護、水やり、風からの保護が必要です。自由は非常にデリケートで傷つきやすい生物であり、注意深く監視することが必要です。そのため、自由を守ってください。自由がなければ人生に意味がないので、注意深く、慎ましく自由を庇護してください。(略)どの国であっても、どの民族であっても、自由と民主主義が保証されているわけではないと強く申し上げておきたいです。」と自由の大切さを力説しています。これは、同じパンフレットに記載がありますが、プーチン大統領が就任して1年目に、全ての独立系のメディアを根絶してしまったことを受けての感想になると思っています。

私は常々、自由である国、日本に生まれたことに感謝しています。ロシアとプーチン大統領に興味のある方にはお薦めします。素晴らしい映画を製作してくれた監督と関係者のみなさまのご尽力に深く感謝いたします。
ありがとうございました。

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松村 訓明(まつむら のりあき)

3.5プーチンのしたたかさと選んだエリツィンのマヌケさ

2023年6月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

1999年12月31日、ロシア連邦初代大統領エリツィンが辞任し、後継者としてプーチンを指名した。3カ月後に行われる大統領選挙までの間、プーチンは大統領代行として執務に当たった。プーチン大統領候補の選挙用PR動画の撮影を開始したマンスキー監督は、大統領選挙への出馬表明も公約発表もしないまま、全国を駆け巡り問題を解決し、実質の“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録していった。プーチンが大統領代行に就任してから2000年3月の選挙で51%の得票を得て大統領となり、2001年の新年を迎えるまでの1年間を追ったドキュメンタリー。

選挙運動では控えめな印象のプーチンだったが、エリツィンの指名で大統領になったようなものなのに、エリツィンが当選祝いの電話をしても出ず、折返すと返事しておいて、1時間半経っても無視。結局電話はしなかったらしい。
当選直後から恩を仇で返すような事を平気でやってた人物だとわかる。
その時の選挙事務所にいた人たちのうちほとんどが追放されたり不可解な死亡をしたりと、プーチンは権力を握るまではおとなしくしてて、一旦トップに立つと並び立とうとするものを次々と粛清していく、怖い奴だとわかる。
ソ連回帰が目的だとわかり、エリツィンが言ってた、プーチンになったら自由が拡大、なんで夢の夢。
題名はプーチンより愛を込めて、だが、プーチンから愛は全く感じられなかった。この邦題は皮肉なのだろう。
それと、もう20年以上前の映像ばかりで、それからのプーチンを追っかける事が出来てたらもっと良かったが、プーチンが消えるまで、それは無理なんだろう。
奴がウクライナ戦争に負けて戦争犯罪者になった時の楽しみにしておこうと思う。

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りあの

4.0人は見かけによらないこともある

2023年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

プーチンは不気味な人物という印象だったが、映像を見る限り意外と親しみやすく、気軽に会話、反論もできる感じ。これが曲者たる所以なのかも。

小柄で控えめで腰が低く、声のトーンが高めで早口でよく喋る。威圧感がない。
遅刻グセがあり叱られるし、嘘が言えない(言葉を濁す)ところも人に対して強気に出られないタイプに見える。
エリツィンみたいな堂々たる体躯で重厚で口の重いタイプだと人々はその存在を重く感じるが、プーチンみたいな人にはどうだろう、無意識に格下認定して軽く見てしまう傾向がないか。
それがプーチンには逆にアドバンテージになったかも。
彼の異例の出世には、周囲の警戒感を薄める存在感の軽さが役立っていないかと思う。
中身は自身の考えに鉄の確信を持ち、実に用意周到で目的遂行の障害は躊躇なく排除する恐るべき性質なのだ。

次期大統領をプーチンに譲ってからのエリツィンをしつこく追っていたのも興味深かった。
大統領当選の本人からの一報の電話をそわそわ待つがついに連絡なし、の心中、当選から1年後の様子からは、子飼いのはずのプーチンにしてやられた、自分は用済みなのが確定した屈辱感がもろに伝わってきて「歴史上の人物」の人間性を直に観られるとは凄いことだと思った。
だけど、いくら密着取材が命とはいえ、入浴中の娘をしつこく撮るのはいかがなものでしょうか。(怒らせて相手の本性を出させる手法、ってことですかね)

プーチン大統領就任後、次々離れていった側近たちへのインタビューがあったら観たい。
生き伸びた人たち限定ですが。 …おそろしあ。

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かばこ