バービー : 特集
【もしバービーが人間界に行ってみたら──】
キラキラ・ムービーの印象が180度一転! 悩みの
尽きない生活を通じ彼女が最後に選んだ決断とは?
“この夏観たいNo.1映画”の結末は、まさかの展開に!
※2024年1月23日更新:記事冒頭に第96回アカデミー賞7部門8ノミネートの情報を追記しました。
世界的な人気を誇るファッション・ドール“バービー”を、マーゴット・ロビー主演で映画化した「バービー」が、8月11日から公開されます! 実はこの映画、オシャレでかわいいだけじゃなく、あなたの想像をはるかに超える“まさかの展開”が待っているのです(しかも第96回アカデミー賞では7部門8ノミネートという称賛ぶり!)。
物語は「もしもバービーとケンが人間の世界に行ってみたら、どうなる?」という、好奇心をくすぐる設定が中心となります。なにもかも完璧な世界を離れ、悩みの尽きない現実の世界で過ごしてみる二人。そこで予想を超える“秘密”を知り、“完璧よりも大切なもの”に気がついて……。
アメリカでは7月21日から公開され、全米の興行成績は2日間で1億5500万ドル、全世界で3.56億ドルを記録し、55カ国で圧巻の首位デビュー! 今年4月に公開された映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」(1.46億ドル)の全米週末興行収入を上回り、2023年に公開された“すべての作品”のうちNo.1のオープニング成績に。さらに監督を務めたグレタ・ガーウィグにおいては女性監督作品史上No.1という記録を樹立しました。
そんな映画「バービー」がピンク旋風と共にいよいよ日本上陸! 日本では“この夏に観たい映画No.1”(ワーナー・ブラザース調べ)に選ばれ、予告編が公開されるや世界中のSNSのタイムラインを席巻。各紙もこぞって「この夏のベストムービ一」として猛プッシュし、前売り券の売れ行きから「特大ヒット確実か」とも称されている大注目作の魅力を、たっぷりとご紹介していきましょう。
「バービー」を観て、笑って、泣いて、ハッピーに!
すべてが完璧で今日も明日も明後日も≪夢≫のような毎日が続くバービーランド! バービーとボーイフレンド?のケンが連日繰り広げるのはパーティー、ドライブ、サーフィン。
しかし、ある日突然バービーの身体に異変が! 原因を探るために二人は人間の世界へ。そこで待ち受けていたのはバービーランドとはすべて勝手が違い、悩みの尽きない現実の世界。行く先々で大騒動を巻き起こすことに――?!
彼女たちにとって完璧とはほど遠い人間の世界で知った驚きの<世界の秘密>とは? そして彼女が選んだ道とは――? 予想を裏切る驚きの展開と、観た人すべての明日を輝かせる魔法のようなメッセージが待っている!
【バービーランドと人間界のギャップすごい】
初めての“人間の世界”は、驚きの連続!
主人公のバービーは、かわいくておしゃれが大好きな人気者。そんなバービーが人間界へ行く――この設定だけでもかなりワクワクしますが、まず気になるのが、もともとどんな生活を送っていたの?ということ。ここでは、バービーたちが住んでいるバービーランドの基本情報、そして人間界に行ったバービーがどうなってしまうのかをまず解説していきます。
超ハッピーな毎日♡ ピンクに彩られた夢のような世界
まずは、バービーランドについて。たくさんのバービーたちとケンたちが住むこの場所は、ピンクで彩られたキラキラな景観で、バービーにとって完璧&毎日が人生最高の日だと感じる世界。こんなところが実際にあったら行ってみたい!
バービーランドは毎日が夏で、毎日が晴れ。ボーイフレンド(?)のケンとかわいい水着を着て海に行ったり、サーフィンをしたり、バービーたちとおしゃべりしたりと、それぞれ好きなこと“だけ”して生活をしているので、みんな自然と笑顔が絶えないんです。
バービーランドは“人形”の世界。だからバービーのかかとはハイヒールを履いているみたいに上がったままだし、バービーランドの海は、実はプラスチックでできているし、暑いはずなのにアイスは溶けません。シャワーも水は出ないなど、本物の水分が登場しない“人形”としてのバービーの世界観を忠実に再現しています。
昼はビーチに行くなど活発に過ごしていますが、夜は……? もちろん、夜も完璧で楽しいに決まっている! バービーたちと派手なパーティーを開いて、連日みんなで歌って踊って大盛り上がり! パーティー中にふとバービーが「死ぬことを考えたりする?」と疑問を投げかけると、みんなの空気が一変(ドン引き)。“死”について考えることなんてあるはずないほど、踊ればとにかくハッピーになる楽しい世界なんです。
ハッピーな瞬間も、アンハッピーな瞬間もたまにある 想像と違ったリアルワールド
そんなバービーですが、身体に起きたある異変の原因を探るためにケンと人間界へ行くことに。未知の世界への期待に胸を膨らませて人間界に到着しますが、現実は思っていた世界とは全然違くて……。想像と全然違った現実世界(リアルワールド)でのバービー、どうなっちゃうの!?
大勢でにぎわうビーチに降り立ったバービーとケンは、なぜか周囲からじろじろ見られています。それもそのはず、蛍光色のレオタードにローラーブレードという、どう考えても目立つファッションをしていたんです。変な人にも絡まれて、服を着替えてみたものの、今度は真っピンクのウエスタンスタイル。バービーは人間の世界でも“自分らしく”いますが……。
バービーといえば、世界で一番有名なファッション・ドール。人間の女の子たちに愛されてきた存在です。人間の世界でももちろん人気者……そう思って女の子たちのもとに駆け寄ってみたけれど、返ってきたのは「私たちバービーは卒業したの」という悲しい言葉。想像と違う反応と自分の存在意義にショックを受けてしまいます。あれ? 現実世界、大丈夫そ?
すべてが“完璧”だったバービーランドでは、毎日ハッピーだったバービー。人間の世界で自分の存在を目の当たりにし、次第に心がざわつき始めます。そして、目からは水みたいなものが流れてきて……。バービー、徐々に人間のことを知っていきます。
バービーランドではみんな、“悩み”にぶつかることもありませんでした。だって、完璧な世界だから。でも、人間界で出会う人々はみんな悩みを抱えています。そんな人間たちと触れ合ううちに、バービーにも「私って何者? 何がしたいの?」という疑問が芽生えてきます。悩んで、たまには感情をぶつけ合うこともある人々との出会いを通して、現実世界は完璧とは程遠いけれど、いろんなことに挑戦できる可能性にあふれていることに気付くのです。
そこから……物語は、まさかまさかの展開をみせ、胸に深く深く刻まれるような結末へと突き進んでいくのです――。
【実際に観た】期待と予想を何倍も超えるサプライズ!
めちゃめちゃ深い展開&ストーリーが心に刺さる――
ここからは、実際に本作を鑑賞した編集部員のレビューを掲載します。予告編から受け取ったイメージは「かわいくてキラキラした、みんなが憧れるバービーの物語」。しかし、実際に鑑賞してみると、このイメージが良い意味で大きく裏切られました。
こんなに心にグサッと刺さるなんて、予想していなかった……。驚きの連続&映画好きとして唸ったシーンの数々をつづっていきます。
バービーから受け取った、前向きなメッセージ
まず驚いたのは、劇中でバービーが誰よりも“人間らしく”悩んでいたことでした。完璧だった世界を生きてきたバービーですが、人間界に来てからは、時に困難にぶつかりながら、完璧じゃなくても良いということを学んでいきます。私たち人間も、自分の人生を生きるなかで楽しいことがたくさんありますが、「なんでうまくいかないんだろう」と悩むことも多々あります。全部がうまく進んでほしいと何度願ったことか――。
本作でのバービーを見ていると、悩むことがあっても「それでいいんだよ」「今のあなたのままでいい」と全力で肯定し、優しく背中を押してもらった気分になるんです。数々の挑戦、失敗を繰り返してきたからこそ今があり、少しずつ前に進んできたことを改めて教えてくれます。苦悩することもあるけれど、だからこそ人生って面白い! 困難も明るく乗り越えていこうと思える、前向きでハッピーなメッセージが込められています。
マーゴット・ロビーはもちろんライアン・ゴズリングも最高
映画好きとしてどうしても語っておきたいのが、バービーを演じたマーゴット・ロビーと、彼女とともに人間界に行くケンを演じたライアン・ゴズリングの熱演です。ロビーは完璧にバービーそのもので、かわいい&パーフェクトなバービーはもちろん、人間界に行き、それまで知らなかった感情が少しずつ芽生える様を演じ切りました。そしてゴズリングも「ラ・ラ・ランド」で注目された歌声&ダンスは、本作でも「I’m Just Ken」という曲でたっぷりと披露。バービーの影に隠れる自身の存在意義に疑問を持ち始めたケンが、誰かに認めてほしいという切ない思いを力強く歌い上げるナンバーです(全米では予告編を超える再生回数を記録するほど大バズり!)。
ケンは人間界で過ごすうちに、人間たちのある“常識”に強い影響を受けていきます。彼はピュアであるがゆえにどんどん暴走していって、やがてとてつもない変ぼうを遂げてしまいます……。
そんなケンですが、どこか共感できてしまうのはゴズリングならではの技。SNSでは「アカデミー賞級の演技」という声が上がっているほど、新たなハマリ役を生き生きと演じています。ファンもそうじゃない人も、必見です!
最初はただただ楽しく観ていましたが、予想できない展開の数々に驚き、人間らしく成長していくバービーに励まされ、最後にはある“大きな決断”をする姿が胸に迫りました。その決断に至るまでのドラマ部分が濃く描かれていますが、それだけじゃありません。音楽とセットのセンスも飛びぬけて良くて、映像もかわいくて、キャストも最高で……エンターテインメント性だけでも120点!
そして本編を観終わって、すぐに編集部のみんなと「どうだった?」「私はあのシーンが」「メッセージが刺さったよね」など語り合い、そのままでももちろん楽しめるものの、さまざまな角度から深掘りする楽しさも◎。何時間も話が止まらないくらい、笑って、共感して、ハッピーになれる魅力がぎゅっと詰まった作品でした!
きっと誰かと感想を語りたくなる!
本作の鑑賞後にまず思ったのが、「この面白さ、誰かに伝えたい! そして、語り合いたい!」ということでした。観る前のイメージを大きく覆して、予想の何倍も心に刺さるタイプの作品に出合える経験は、めったにありません。自分はこう感じたけれど、他の人は何を感じとったのか興味をそそられるストーリーであり、映画好き同士であれこれ語り合いたくなる魅力があります。
鑑賞前後に味わったこの「思ってたのといい意味で違った!」という嬉しい体験は、たぶんずっと忘れられないと思います。皆様も劇場へ足を運び、最高のひと時をご堪能ください。