「人形の家」バービー 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
人形の家
ピンク色のワーナーロゴから「2001年宇宙の旅」のパロディを経て、バービーランドを紹介するタイトルバックまでは快調で、これは傑作かもしれないと思っていたら、バービーが現実世界を訪れ、どうやら男社会と女社会の二項対立がテーマらしいと見えてきたあたりから、思考停止して物語が機能不全に陥ってしまう。
奇しくもイプセンの表題作も同じようなテーマで、もちろん大事なことではあるのだが、それを今さら声高に教条的に語っても、映画は空回りするだけだ。グレタ・ガーウィグは「フランシス・ハ」以来のファンだし、出演作も監督作も女性の生き方にこだわっているフシもあるが、いずれにしても今回はどうもボタンのかけ違いがあったようだ。
監督本人がバービーを演じるのは確かにタイプも違うし年齢も考慮して排除したのかもしれないが、彼女より年上のライアン・ゴズリングがケンを演じるのも同様に無理があるのでは?
最後に、ガーウィグさん、結婚おめでとうございます。既に長年のパートナーではあるけれど。
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