ノーバディーズ・ヒーローのレビュー・感想・評価
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声が大きすぎる娼婦
独身男のメデリックはランニング中に見かけた売春婦イザドラにひと目ぼれし口説こうとするが、彼女の嫉妬深い夫に邪魔されてしまった。その頃、街の中心部で大規模な爆破テロ事件が発生し、その後メデリックのアパート前にアラブ系青年セリムが現れた。混乱する近隣住人たちとホテルフロントの老人と少女など、メデリックの周囲でトラブルが次から次へと発生し、人々は疑心暗鬼に陥り・・・さてどうなる、という話。
熟女の娼婦は夫が居ても売春を続けるし、嫉妬深いみたいだが、仕事なんだろうしよくわからなかった。その時の声が大きすぎるし、レートは何も付かなくて良いのか?なんて観てた。
それぞれの『なんかちょっと変』を楽しもー
タイトルなし(ネタバレ)
クリスマスイブの日、仏国の地方都市。
ジョギング中の中年男性メデリック(ジャン=シャルル・クリシェ)は、客待ちをしている中年で年上の娼婦イサドラ(ノエミ・ルヴォフスキー)にひと目惚れする。
恋をしたのだから、コトはタダで行いたい。
イサドラを巧みに誘い出し、ホテルでコトに及んでいる最中、イサドラの嫉妬深い情夫が闖入し、さらに市内広場で無差別テロが起こる・・・
といったところからはじまる物語で、メデリックのアパートに現れたホームレスのアラブ系青年(テロ犯の残党と周囲では思われている)や、青年を追っかける悪漢らしき一味に、アパートのやさしげな住人などが加わっての予想もつかない展開となる。
「社会風刺喜劇」とポスター右下にあるが、風刺しているかどうかは微妙。
微妙だけれど面白い。
最終的には、ジェンダーや人種の垣根を越えて行くような、全然行かないような展開となって、メデリックとイサドラの残念な恋の結末へと決着する。
どうなってんだかわからないけど面白い類の作品で、今回の特集上映ではいちばん面白かったです。
服に対する関心の薄さ
ギロディはフランス国内の批評家からはとても高く評価されているらしいが、日本ではアテネフランセ、アンスティチュ・フランセなどでしか観られなかったがその理由も頷ける。要するに服に対する意識というか関心が異様に低い。映画なんてビジュアルアートなんだからどれだけ嫌でも服に凝ってしまう。おしゃれ映画じゃなくたって、コンセプトなどで表現される。フランス映画の着こなしを参考にするのが好きだからフランス映画を観る人も少なくない。それなのにこのギロディは服に対する関心がとても低い。低いというか意図的に服を評価から排除している。服で加点されるようなことはあってはならないと考えているような拒絶の仕方。ゲイ映画文脈とも聞いていたのでカラフルだったり、キャンプなセンスがあるのかと思うと全くない。この硬派な態度が批評家から愛されているのかもしれない。それとデブ専・デブセンスがとても優れている。性愛をイケメンや美人などの商品化された美意識に基づかないワイルドなものとして捉えるこの硬派さも評価されるのかもしれない。だけれど観客を圧迫したりするような攻撃性として表現しないのも不思議だ。ユーモアとおちょくりを含むデブって面白い、ゲイって面白いのような軽薄な態度をされても構わないような風通しの良さも面白い。
絶叫系
娼婦のおばちゃんに恋してナンパした押しに弱い男の話。
イザドラに惚れて抱きたいけれど金は払いたくないとか宣い電話番号を教えて始まったと思ったら、まさかの最中にテロが発生して寸止めとなり巻き起こっていくストーリー。
そもそも夫がいて仕事は公認というのはあるけれど、浮気を怒るのは嫉妬じゃないだろというナンセンスな設定に、そのタイミングで登場した上に妙に厚かましいアラブ系の家出少年が加わってなかなかのグダグダっぷりをみせていく。
内容的にはドタバタコメディだけれど、終始すっとぼけた様なぬろ〜っとした空気感なので、愉しくはあるけれど、イマイチ盛り上がりに欠けるし、ある意味人情味はあれど、これを社会派というのか?という気もした。
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