パリタクシーのレビュー・感想・評価
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最高の思い出。
老人ホーム行きを決めた92歳のマダム(マドレーヌ)と老人ホームへ送る46歳中年タクシードライバー(シャルル)の話。
金無し、免停寸前、無愛想のタクシードライバーシャルル、会社からの連絡で以来先へ向かうと待ってたのは92歳のマダム、マドレーヌ、目的地へ向かうまでの二人の寄り道ストーリー。
目的地は老人ホーム、老人ホームへ向かうも思い出の地を廻りたいと言うマドレーヌ、目的地へ早く送って仕事を終わらせたいと内心思うシャルル。
話したがるマドレーヌと話したがらないシャルルの距離が時間経つにつれ縮まってくのが良かった。正直マドレーヌの若き頃の思い出(暴力描写)は観てて嫌だったけど、目的地に着く前の夜のディナー、最初はあった壁も無くなり楽しそうに会話する二人の姿が観てて幸せな気持ちになりました。
目的地へ着くもタクシー代は未払い、ディナー代もシャルル持ち、完全仕事としては赤じゃん!なんて思ったけど金では得られない何かそれ以上の物をシャルル自身得たのかなと思ったし、彼の真の優しさみたいのが見れた気がした。
ラストのマダムの死は予想外で悲しかったけど、サプライズの手紙は泣けた。
美しいパリの街並みで心が通じ合う二人。
金なし、休みなし、免停寸前のタクシー運転手のシャルルと終活に向かう92歳のマダムの名はマドレーヌ。なんでシャルルはこんなに不機嫌なんだろう?マドレーヌが車中で語りだす自身の過去の話を渋々聞いていくうちに心が少しずつ解れていく。聞かなければ分からないほどの苦労をしてきたマドレーヌの言葉だからこそ、八方塞のシャルルの心を解すことが出来たのだろう。最愛の息子を亡くしたマドレーヌにとって、車中で話している内に、シャルルが息子であり孫でもあるかのような気持ちになったところも有ったのではないかと。タクシーに乗ってからの数時間の間に半世紀以上前の女性の人権も存在しなかった頃にまで遡る。マドレーヌの波乱の人生を辿りながら、投げやりで荒くれたシャルルの気持ちが前を向いて生きて行こうと変化する心の動きにほっと心が温かくなった。タクシーの窓から見える昼のお洒落な街並みや夜景に輝く景色が美しい。パリに行ってみたいと増々思いが強くなる。
意外な人生、本当に意外な
地球3周分の日々
パリの、青い空、 人生の手練れ
出会った瞬間からイライラして怒りっぽいタクシー運転手と上手にコミュニケーションしてお互い気分良く心開けるように持っていく92歳の老婆。言葉の端々に見える、相手への思いやり。
これはタダモノではない。少なくとも世間知らずな奥様ではない。おそらく山あり谷ありの道を歩いて、酸いも甘いも嗅ぎ分けて、種々様々な人々と接して付き合い方を身に着けた人生の手練れに違いないと思わせるところがあり、この老婆のリクエストを叶えることでどんなことが起きるのか興味が途切れない。
「あのこと」を観たときも思ったが、自由と平等の国と思っていたフランスが、女性に対する差別が割と最近まで強かったのに驚く。彼女がDV夫を殺さず、バーナーで焼くにしたのは、暴力夫の非道さを世間に訴えて戦う気持ちがあったからだ。(今のフランスに事実婚が多いのは、結婚すると女性の立場が極端に悪くなる歴史がある、またはその名残りからかも、と思った。)裁判の過程にムカムカしたが、話を聞いているタクシー運転手のシャルルも憤慨する。今はそういう時代だ。
父は殺されDV夫に苦しめられ、理不尽に(当時は普通!)投獄され、愛する一人息子と再会するも釈放翌日に別れたきり海外で死なれる、女性として考えられる不幸のフルコンボだが、へこたれずに晩年は女性の権利獲得運動のリーダーとして活動してきた素晴らしい女性、彼女の人としての奥深さはこういう生き方から自然に身についたものなのだろう。というか、元々が理不尽とは戦う、という芯の一本通った人だったんだろう。
パリの町並みと青い空が美しく、気持ちがいい。
シャルルがマドレーヌに徐々に惹かれていくのがなんか嬉しい。
彼がタクシー代を受け取らなかったのは、「次に来るときにもらう(絶対にまた来る)」という根拠を残すため。この気持ちが、最晩年をひとりぼっちで迎えたマドレーヌにはどれほどかうれしかっただろう。最後の晩餐として自腹でディナーに招待してくれたりもして。
ラストは出来すぎだけど、マドレーヌとシャルルの、お互いの心意気がもたらした最高の収まり方だと思う。
殺伐とした世の中だけど、こんな「いい話」があってもいいです。
誰の人生にもストーリーがある
気になっていたので観に行った。パリの街中をタクシーに乗りながらお婆さんの人生を振り返っていく。派手な演出はないがお婆さんの苦悩や喜びを丁寧に分かりやすく描いていた。つまらない人生なんてなくて、みんな一生懸命生きている事を改めて思える映画だった。
フランス社会の戦前からの変様 2つの人生上質なドラマ(今、生活危機タクシー乗務員➕92歳女性の生涯の終活)・・その先に・
パリで生活が危機に格っていて常にイライラ毒づいているタクシー乗務員シャルルと、人生の終活をしようとする92歳の女性マドレーヌがひとり住まいをやめて、老人ホームへ向かうヒューマン・タクシー・ロードムービー。
内容は、タクシー車窓から見える観光では味わえない生活道路や下町街を共に乗車して風景を楽しみながらドラマを楽しめる、ほのぼのの進行(映画予告編から)勝手に思っていたら、
車中マドレーヌ女性の口から驚く戦前からの(家族や個人の権利、男女の地位・・法律・裁判)波乱に満ちた人生を語られていく。
聞くはめになったシャルルは、最初こそそっけなく対応していたものが、だんだんに自分自身の事にも思いが巡り、心通うようになっていく。
その過程が、秀悦に語られる言葉や仕草、その時代の音楽を通して進行。
やがて、タクシー運転手シャルルは、マドレーヌとの出会いにより自分の(家族)の新たに向き直る事になっていく。
マドレーヌのサプライズと共に、シャルルも新たな未来へ向けて・・・。
★シネスコ・サイズ
★Digital5.1ch
★重低音 1
★音圧 1
★分離度 3
★サイド(左右、後、活躍度)1
★サラウンド 2
ほぼ全編スクリーン側のみ使用。
音楽、その他で、残響成分サラウンド使用。
人生の儚さと重さ
100倍返しにしたったわ
へ?何で満席?しかも女子だらけ?え?どうして?
いやいやいや。途中で分かりましたよ。女子だらけだった理由が。フェミニズムですね。これはれっきとした、左寄りになってない純粋なフェミニズムの物語、だったりする。女子で満席になるのも理解できる内容でした。
いやいやいや。
しっかし、怖いっす。と言うか、痛そうだ。
女子供に手を出す野郎は、それくらいの目にあっても当たり前ですか?
それは現在においても、そうはならんとは思うけど。
タマ一個を焼き切るくらいなら、賛成ですw
縁は異なもの味なもの
「縁は異なもの味なもの」とはよく言ったものです。
いつも仏頂面のタクシー運転手シャルルと、
終活のため生家を後にするマドレーヌ92歳。
世代はもちろん、生まれも育ちも違う2人が
徐々に心を引き寄せられ互いに「大切な人」とまでさせる
数時間のフランスはパリの旅🇫🇷🗼🚗³₃
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マドレーヌが語る、女性が生きづらかった時代
甘く切なくそして苦しく痛々しい記憶。
そんな記憶をなぞるかのように
パリの街並みを走らせるシャルル。
すぐ目的地に向かわないその寄り道に、
最初はイラつきを見せますが、
次第に、彼女の「人となり」に惹かれていく様が、
彼の表情と行動やひとつひとつの言葉の変化で
読みとることができます。
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ユーモラスでチャーミングな2人
人との繋がりが希薄になりつつあるこんな時代だからこそ
世代を越えて「人として」惹かれ合う2人に
ラスト15分、涙なくては観られません。
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追記)
マドレーヌが最も幸せな記憶は米兵マットとの短い恋だからか
舞台はパリであるのに、音楽はアメリカの曲ばかり流れる。
まとわりつくようなフランス語のラブソングとかも聴きたかった。
ホッコリ
この映画をチョイスした自分。エライ!
あんまりよく分からずパリの名所観光巡りをするのかな?ぐらいの軽い気持ちで観たのに。
このおばあちゃんの半生凄過ぎる。その時代に女性が生きるのは、すごく大変だったんだなと思う反面、やりすぎではと思う自分もある。でもそこまでしないと世間は変えられない。でも…ううーん。
中身が何か知らないとはいえ、手紙をあんなに簡単に渡しちゃうんだ。映画として余分な説明は要らないのだろうけど。
でも本当にいい映画に出会えて良かった。
ほぼ実年齢のおばあちゃん 、エイズ活動などもしている凄い女優さんだったんですね。
おばあちゃんとばかり言っていては失礼ですね。リーヌ・ルノーさんです。
アカデミー賞主演賞をあげたい。
想定外の展開…フランス映画、大好き。
「ドライビング Miss デイジー」みたいな、ほのぼの系かなと想像して鑑賞したら、昨年観た「アプローズ アプローズ」、「あのこと」に続き、フランスらしいエスプリに満ちた物語。
フランス映画は、映像もしゃれてるし、今の自分に刺さる内容で、やっぱり面白い。
最初からイライラしているドライバーのシャルルと、見るからに癖の強そうな乗客のマドレーヌ。
気が付けば、押しの強いマドレーヌのペースにはまり、彼女の過去の話に引き込まれる。
若くして結婚せずに妊娠し、母親と同居して男の子を育てる20代のマドレーヌ。
やがて再婚するが、夫の子どもを妊娠することを拒否するマドレーヌに夫が暴力をふるう。
ある日、息子にまで手をあげた夫に、マドレーヌは重傷を負わせ、逮捕される。
このくだりは、ホントに驚いた。
私は刑務所無理なので、同じ仕返しでも、夫を全裸にして近くの公園に縛り付けるくらいにするけど、マドレーヌは想像以上に闘士で、このシーンは目を覆ってしまった。
マドレーヌの昔語りやわがままに付き合ううちに、シャルルとマドレーヌは打ち解け、気づけば友人のようにビストロで夕食を共にする。
このあたりの人との距離感、ヨーロッパの人たちの素敵なところだと思う。
パリでは、私はいつもメトロを利用していたので、車窓から眺めるパリの風景は新鮮だった。
来年のパリオリンピックも楽しみだ(*^-^*)。
近々、またパリを訪れたいな~と思った。
タイトルなし(ネタバレ)
予告編から受ける印象と随分違う。
話が上手くまとまりすぎている。
最後ご都合主義ではあるが、劇伴も相まって後味よく劇場を後にできる。
余韻たなびく、いい映画。
回想がザリガニの鳴くところぽい。
間違いなく名作
ストーリーは単純です。特に捻っているところもない(観ていた自分の先読みが捻りすぎていたw)ので素直に楽しむのがいいでしょう。
場面、場面の作り込みが細やかで丁寧で素晴らしい映画です。タクシードライバーの気持が少しづつ解れていくところ、イライラがニコニコに少しづつ変わっていく様子を観察してみて下さい。また、パリのドライブも楽しめる(というか、みたフランス映画が数少ないせいか、街の風景をうまく撮影するのがフランス映画の特徴なのかなあ?)のもいいところです。
「あ、そうだよね、そうなるよね」「やっぱり」というラストですが、ホロッとさせられたのは正直悔しい。でも、そうさせるだけの名作なんですよねえ。
心が凍ってるかなあ、と感じた時にこそ刺さる作品です。
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