パリタクシーのレビュー・感想・評価
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この映画をチョイスした自分。エライ!
あんまりよく分からずパリの名所観光巡りをするのかな?ぐらいの軽い気持ちで観たのに。
このおばあちゃんの半生凄過ぎる。その時代に女性が生きるのは、すごく大変だったんだなと思う反面、やりすぎではと思う自分もある。でもそこまでしないと世間は変えられない。でも…ううーん。
中身が何か知らないとはいえ、手紙をあんなに簡単に渡しちゃうんだ。映画として余分な説明は要らないのだろうけど。
でも本当にいい映画に出会えて良かった。
ほぼ実年齢のおばあちゃん 、エイズ活動などもしている凄い女優さんだったんですね。
おばあちゃんとばかり言っていては失礼ですね。リーヌ・ルノーさんです。
アカデミー賞主演賞をあげたい。
想定外の展開…フランス映画、大好き。
「ドライビング Miss デイジー」みたいな、ほのぼの系かなと想像して鑑賞したら、昨年観た「アプローズ アプローズ」、「あのこと」に続き、フランスらしいエスプリに満ちた物語。
フランス映画は、映像もしゃれてるし、今の自分に刺さる内容で、やっぱり面白い。
最初からイライラしているドライバーのシャルルと、見るからに癖の強そうな乗客のマドレーヌ。
気が付けば、押しの強いマドレーヌのペースにはまり、彼女の過去の話に引き込まれる。
若くして結婚せずに妊娠し、母親と同居して男の子を育てる20代のマドレーヌ。
やがて再婚するが、夫の子どもを妊娠することを拒否するマドレーヌに夫が暴力をふるう。
ある日、息子にまで手をあげた夫に、マドレーヌは重傷を負わせ、逮捕される。
このくだりは、ホントに驚いた。
私は刑務所無理なので、同じ仕返しでも、夫を全裸にして近くの公園に縛り付けるくらいにするけど、マドレーヌは想像以上に闘士で、このシーンは目を覆ってしまった。
マドレーヌの昔語りやわがままに付き合ううちに、シャルルとマドレーヌは打ち解け、気づけば友人のようにビストロで夕食を共にする。
このあたりの人との距離感、ヨーロッパの人たちの素敵なところだと思う。
パリでは、私はいつもメトロを利用していたので、車窓から眺めるパリの風景は新鮮だった。
来年のパリオリンピックも楽しみだ(*^-^*)。
近々、またパリを訪れたいな~と思った。
タイトルなし(ネタバレ)
予告編から受ける印象と随分違う。
話が上手くまとまりすぎている。
最後ご都合主義ではあるが、劇伴も相まって後味よく劇場を後にできる。
余韻たなびく、いい映画。
回想がザリガニの鳴くところぽい。
間違いなく名作
ストーリーは単純です。特に捻っているところもない(観ていた自分の先読みが捻りすぎていたw)ので素直に楽しむのがいいでしょう。
場面、場面の作り込みが細やかで丁寧で素晴らしい映画です。タクシードライバーの気持が少しづつ解れていくところ、イライラがニコニコに少しづつ変わっていく様子を観察してみて下さい。また、パリのドライブも楽しめる(というか、みたフランス映画が数少ないせいか、街の風景をうまく撮影するのがフランス映画の特徴なのかなあ?)のもいいところです。
「あ、そうだよね、そうなるよね」「やっぱり」というラストですが、ホロッとさせられたのは正直悔しい。でも、そうさせるだけの名作なんですよねえ。
心が凍ってるかなあ、と感じた時にこそ刺さる作品です。
過ぎ去り日々を巡る
住んでいた家を出て施設に入ることに
なったマドレーヌ92歳
そんな中タクシーのなかで自分の
若い頃の恋愛を話はじめる
これまでの波乱万丈の人生など…
少しずつ。
タクシー運転手のシャルル
シャルルも借金、今度違反したら
商売できなくなる一歩手前で崖っぷち
でイライラが隠せない
マドレーヌの人生を聞いているうちに
自分の妻や娘のことを思いやる
…いつの間にか
ふたりは会話を楽しむ様に
パリの街並みと夜景の素晴らしいさ
観光した様な気分です
マドレーヌは
誰かと話したかった
…自分の話を聞いて欲しかったのかも
二人にとって最高の一日になった
人生辛いことばかり、と誰が言ったか。
曰くありげな高齢の婦人の半生を、自宅から終の住処となる老人介護施設...
曰くありげな高齢の婦人の半生を、自宅から終の住処となる老人介護施設へ向かうタクシーの中で、寄り道を交えながら振り返る映画
交通ルールが終わってるパリでタクシー運転手という、決して良いとは言えない労働環境の中で働く主人公の荒んだ心を、これまた壮絶な人生を歩んできた高齢婦人の半生を追体験することで、もう一度頑張ろうと再起させていく
フランス映画ぽい ロードムービー
他人の人生を 第三者視点で、 映画の予告編的に接せられる職業はないから、タクシー・運転手に纏わる映画は 面白いから、ほぼ全部観ます。
楽しい 語り合い時間が持てて、20万円超の支払いがあれば、夕食くらいは奢りますねぇ~
相手の過去を知れば、当然 情もわく
母親の職業と生活、主人公の人生の永くを費した期間を考えると、最期のプレゼントには映画をブチ壊す破壊力があり、フランス映画の味付ではなく、ハリウッド映画的結末に、僕は腰を抜かしました。椅子に座っていたけど。。。
ネタ的には良いが、まだ大学生の脚本家なので、解らないかもしれないが、
こう言う 初見どうしの 語り合い って 事実と真実が混じりあい、 自分の人生で悔いる事を、あえて 願望を込めた 希望と言嘘が混入するものだが、
それがないと、文芸ものにはならない。本作の脚本家は黒澤監督の「羅生門(芥川龍之介さん)」を3回観た方が良いでしょう。
それでも、ロードムービーの掟である 映画の最初と最期には 各自とふたりの関係性がちゃんと 変化していた。
撮影等は丁寧で、多々でてくる古今エピソードに混乱する事は、全くなく 大学生にしては、良いシナリオ構成でした。
眉毛の造作が上手いのか? 主人公老婆の今と過去の女優さんが 、よく似ていて、好感が持てました。邦画はもっと この点を見習って欲しい。
この映画が好きなら、フランス映画の様なハリウッド映画「グリーンノート」を観ると良い。
どんな人生も素敵に
この映画を見たのは1ヶ月くらい前。友人とランチをしていてこの映画の話題になった。あまり良くなかったと友人は言いたかったようだが、その点でいえばわかるし、、、。一方で、レビューを書いていなかった事に気づき、、、
マドレーヌの個人としての人生は総すれば辛い人生だったであろう。しかし、最後に素敵な人生だったと思えるほど、シャルルとの時間は離れがたくとても素敵な一時だったのだと。それはシャルルも同じで。出会った時はこんな時を共有できるとはお互い思うこのとない関係であった。
シャルルが切符をきられそうになるシーン。守ってばかりだった自分が守ってもらったあのシーン。シャルルの表情は重荷を下ろした様な何かリセットされた様な。
結末はもう一つ何かあってもと思ったが、二人の思いに浸るにはまあまあかなとエンドロールは二人の思いに浸りました。
いい話だったなあ
老女と中年男性のタクシー運転手の話。
パリの端から端までタクシーで行くという老女。「向こうの端だぜ?」と聞く運転手に「隣の家なら歩いて行くわよ」と切り返す老女。ここは、どんな感じのやりとりだったのだろう。パリの端から端までというと10kmくらいか。であれば、運転手にとっては手頃な距離だと思うが、やはり「わざわざ呼んだなら、もっと遠距離を頼むよ〜」という心からの憎まれ口と、それに対するカラッとした切り返しってところか。
そんなやりとり一つで、主人公ふたりのプロフィールというか、こんな感じの人ってのを俺たち観客に、瞬時に伝えてくる。このあたりは、脚本や監督の腕だよね。「あなたって苛立っていて憎まれ口きくけど荒っぽいわけじゃ無さそうな人ね」とか「お、口は悪いが、気持ちのよさそうな婆さんだな」なんて説明的なセリフをいかに入れずに、人物紹介していくか。俺にとってのいい映画の条件の一つは、そんな感じ。
そして、やはり楽しいロードムービー。タクシーだけに二人の会話と回想が中心となる。自分の過去を語り出す老女と、最初は運転手の儀礼として事務的に相槌を打つが、生来の人の良さからかだんだん真剣に聞くようになる運転手。ちょこちょこ寄る先々で、彼女の波乱の人生が語られ、回想される。苛立っているばかりだった運転手の顔に、本来の彼を示す笑顔が徐々に増えていく。そしてその合間で、ふと差し挟まれる他の人との関わり。本作では、トイレを借りるシーンと到着して入所するシーンくらいか。いずれのシーンも、二人の外側にあって二人にやや冷たく、二人の結びつきを強固にする役割。ロードムービーって、この「二人の繋がりの変化を時系列で観る」ってのが、醍醐味だよね〜。
ラストは、正直、「お、都合が良いな」と思うけれど、お話には都合の良いことも必要だと思うんだよね。俺の心の中で「そんな風にあってほしい」と思っていることは真実なのだから、そんな風にあったことを、素直に感動したい。
いい話でした。そして自分もパリを旅した気になれる綺麗な映画。拍手。
おまけ1
味がしたのは、クリスマスと正月に出るアイスだけ。壮烈。
おまけ2
一つの怒りで歳をとり、一つの笑顔で若返るのよ。知って得した。
おまけ3
あなたはすごくロマンチック、内に秘めてるだけ。見抜く力。
最高!!
乗り越えた人の言葉
これぞロードムービーなのだろうか?
舞台はパリのタクシーの中だし、内容は人生を生きてきた女性の話だ。
日々の生活に困窮する運転手と、見るからに上品な92歳の女性。彼は彼女との旅を通して解放されていくようだった。
彼の境遇を見ながらどこの国もドン詰まりで、金に縛られながら生きてんだなぁなんて思う。冒頭のBGMもギスギスした感じだし。
彼は終日イライラしているようにも見えてた。
そこにかかってくる配車のインフォ。
事態は何も好転しないのだけど、BGMがポップな感じに変わり、空の絵になる。
…案外、俺の気分も良くなった感じがした。
乗せた客は92歳の女性。
自宅を離れ老人ホームに入るらしい。よく喋る。
自由を手放す状況は、2度目の収監にも通ずるのだろうか?
彼女は自身の半生を語りだす。
ファーストキスから始まるのだが…今の風貌からは想像もつかないような人生が語られる。
始まりのキスからして、兵隊に遊ばれたんだろうって思ってしまうのだが、生きて行く中で美化もされているのだろう。
16歳で妊娠、シングルマザーになり、子供は私生児として誕生する。中絶が禁止されてる時代でもあったのだろう。結婚した夫がDVで、裁判起こしたら男尊女卑の社会だから25年の禁固形。
13年経って出てきた息子は、犯罪者の息子として辛い青春のようだし、再会して2週間後に向かったベトナムで、戦火に巻き込まれて死亡。
…なぜ、今、貴女はそんなに楽しそうに笑っていられるの?そんな世界を名残惜しそうに見つめるの?
思い出ってのは、愛した人との時間っていうのは、そんなにも人生を強く豊かにしてくれるのだろうか。
運転手も、楽な人生ではないのだけれど、そんな人生を経て尚、笑顔を絶やさぬ老婆に勇気づけられていくようだ。
「たいした事ないわよ。大丈夫。」
そんな風にも思えたのだろうか?冒頭険しかった表情は、次第に柔らかくなっていく。
目的地につき、施設に入っていく老婆はとてもとても寂しそうだった。思えば、タクシーの運転手とはいえ、ここまで彼女の話に耳を傾けた人はいなかったのではなかろうか?どこか、自分の生立ちを残していきたかったんだろうかと、ふと思う。
とても地味な映画であったけれど、人生を歩き続ける上で色んな教訓が詰まった作品だったと思う。
92歳の言葉は分厚かった。
運転手のように自分も励まされていたように感じる。
さすがはフランス映画。赴きがあり深い。
心に染みるストーリー
カッコいい人生の送り方
マダムとタクシー運転手の掛け合いが温かい感動作。
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