GOLDFISH

劇場公開日:

解説

1978年から活動するパンクバンド「アナーキー(亜無亜危異)」のギタリスト・藤沼伸一が、永瀬正敏を主演に迎えて撮りあげた映画監督デビュー作。

1980年代に社会現象を巻き起こしながらも、メンバーのハルが傷害事件を起こして活動休止に追い込まれたパンクバンド「ガンズ」。30年後、リーダーであるアニマルの不純な動機をきっかけに、メンバーのイチが中心となって再結成に乗り出す。しかしリハーサルでは、バンドとしての思考や成長のズレが浮き彫りになっていく。ためらいながらも音楽に居場所を求めて参加を決めたハルは、仲間たちの成長に追いつけない焦りによって次第に追い詰められ、かつてのように酒と女に溺れていく。

主人公・イチを永瀬、ハルを北村有起哉、アニマルを渋川清彦が演じる。藤沼監督が音楽も手がけ、「宮本から君へ」などの港岳彦が脚本に参加。

2023年製作/99分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2023年3月31日

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(C)2023 GOLDFISH製作委員会

映画レビュー

3.5パンクであり続ける

2023年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

1970年代後半のセックス・ピストルズやザ・クラッシュら英国発のパンク・ムーブメントが世界中に波及し、日本のパンクシーンにおける初期の代表的なバンドになった「アナーキー(亜無亜危異)」。同バンドのギタリストとして、またセッションプレーヤーとして活躍する藤沼伸一による映画監督デビュー作であり、アナーキーの歴史に緩やかに基づくバンドの半自伝的映画でもある。

アナーキーをモデルにしたバンド「ガンズ」が、長い活動休止期間を経て再結成に向けて動き出すところから映画は始まる。活動休止の引き金になったメンバーのハルの傷害事件というのも史実に基づいていて、1986年にアナーキーのギター担当・マリが元妻でPERSONZのボーカリストJILLを刺して重傷を負わせた(ちなみに映画公式サイトにJILLもコメントを寄せている)。

死の影が迫るハルを、27歳で死んだ大物ミュージシャンたちを指す「27クラブ」と同格で語るのは、さすがに持ち上げすぎというか、身びいきが過ぎるのではと思う。ロバート・ジョンソン、ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーンらはいずれも、独創的なクリエイターや圧倒的なパフォーマーとして出身国のみなららず世界の音楽シーンにも多大な影響を与えたからこそ、その早すぎる死が衝撃的だった。そもそも本作のハルは、再結成に動き出す時点ですっかり中年になっているし。

本作の受け止め方は、かつてのパンクシーンを懐かしく思い出せるか、またパンクロックという音楽ジャンルが好きかどうかでずいぶん違ってくると思う。映画としての物足りなさもある。それでも、理論やテクニックに関係なく主張したいこと、伝えたいことを表現するという、パンクの精神が間違いなくこの「GOLDFISH」にも宿っている。藤沼伸一は映画監督になってもパンクであり続ける。

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高森 郁哉

3.0後半からの失速

2025年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

永瀬正敏が好きなので鑑賞してみた。
前半の、ヤンチャなジジイがやる気を出してバンド再結成する処までは楽しかったが、ハルが出てきてからいきなり深刻になり、最後は試練を乗り越えての感動ものみたいなトーンになって、しんどくなったし興醒めした。
実話を基にしているらしいので、その通りにトレースせざるを得なかったのかも知れないが、最後までハチャメチャなるトーンのままで突っ切って欲しかった。
思わせぶりに登場する娘も意味不明。

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だるちゃ

3.0音楽映画か、自伝映画か。

2025年1月18日
PCから投稿

どっちにしろここまで「パンクス」を題材にするなら
そこはやはり音楽映画でしょう。
となると、音楽シーンが一番キモなのに
演奏シーンはオマケ程度…。
そこがいちばんダメなところ。

かつて、体制(七三分け)に対する
反体制としてロックが台頭した。
だから当時のロッカーはみんな(ロングヘア―)。
しかしいつしかロックも市場経済にまみれ、
体制←→反体制とかそれさえも蹂躙するように
パンクが生まれた。”無政府主義者”として。
だからパンクの人は(スキンヘッドかモヒカン)。
って、当時なんかの雑誌で読んだ。

アナーキーのことはよく知らないが、
ロック(市場経済)に向かおうとする”イチ”と
無意識にパンクであり続ける”アニマル”の間で
魂だけが燻りつづける”ハル”の内面を
垣間見ようとする。
それこそがこの映画のテーマなのでは?
だとすると、陰謀論チックに散りばめられた
メタファーは邪魔でしかない。

そしてエンドクレジット。
”本物の”アナーキーがフル尺で演奏。
これはいらない!
そこで”本物”出しちゃったら、
「ここまでの約2時間は偽物でした」って
なっちゃうじゃない⁉
だから役者に演奏させなかったのか?
音楽映画は音楽が主役じゃなきゃね。

俳優陣のおじさんパンクスがみんな
カッコよかっただけに残念。

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にゃろめ

3.0亜無亜危異回顧録

2023年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

亜無亜危異のファンとしてはまぁ、感無量だが、映画作品としては厳しいものがある。脚本をはじめ作り方が雑であり、もう少しキャストの役割を深く掘り下げる必要があったと思う。早い話が表現が浅薄なのだ。永瀬正敏一人が孤軍奮闘して内容を盛り上げている感じだけが伝わる映像が残念でもある。友情出演のバンドマンたちが沢山出ていたのだが、作品としては、正直なところ要らなかったと思う。イチの娘役の設定も中途半端に終わってしまっている。有森也実を起用しながらも、インパクトだけで全く活かせていない演出力の弱さ。北村有起哉の頑張りも半減している。 やはり演出力の稚拙さが目立つばかり。素人の監督だから仕様がないのかもしれないが、もう少し脚本は練った方が良かったと感じた。それと録音と音声が酷くて台詞が聞き取り辛い箇所が多過ぎた。それなりの役者と劇場公開をするならば、もう少しプロフェッショナルな仕事をしてもらいたかった。スタッフとアドバイザーにテレビでは無い映画のプロフェッショナルを後何人か起用すべきだったのではないか?予算的に厳しかったのは理解出来るが、せっかくのプロットがその分雑なものになってしまったと思う。

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shanti