ナルヴィクのレビュー・感想・評価
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中立宣言が、何故無力なのかを教えてくれる映画
ノルウェーの苦悩と失敗を題材にしたWWⅡものです。陸軍兵士の夫と、通訳としてナチスへ協力するしかなかった妻という、象徴的対比です。
ゴタゴタはありますが、最後は家族の愛と結束で締めます。
当時のノルウェーは中立を宣言していたものの、反ナチス・反ソ連・親英などなどの世論が混在し、国が揺れていた時期。この映画の題材となったナルヴィク攻防戦は1940年5月のこと。パリ陥落は1940円年5月から6月の事。有名なダンケルクの戦いから、イギリスの一斉撤退は、1940年5月から6月4日にかけての事。要するに、当時の英仏軍には、ナルヴィクのドイツ侵攻を食い止める余力など無かった、って事です。
ナチスと連合国の間に立たされる苦悩は去り。ノーサイドでこころをひとつに。って言う映画。
親ソ連と親ナチスで国が二分。更にロシアの調略で議会を乗っ取っられたリトアニアは、同じ民族同士がソ連軍とドイツ軍に別れて戦闘を繰り広げました。それに比べれば、遥かにマシですけどね。
歴史に学ぶとしたら、日本も他国に議会を乗っ取られたら終わりですから。スパイ防止法は待ったナシ。って事で。
ナルヴィクは戦略的価値が高すぎるが故に、ナチスは力で侵攻した。第一列島線突破は中国共産党の悲願。これを死守する事は、西側諸国の安全保障上の必要条件。台湾も尖閣も、日本人が知らないだけで、軍事的にはナルヴィク以上の重要拠点なんですけどね...
何のため戦う…
国のため、それとも愛する家族を守るため。ノルウェー軍人であるグンナーはドイツに捕虜として捕らえられ、妻イングリッドはドイツ語が話せるため、占領したドイツ側の通訳と重宝される。夫の安否も分からない中、一人息子のオーレの体調悪化のために味方であるイギリス領事官の居場所を教えてしまう。。しかし、これは責められない。誰のために行動するのか、国家は個人より尊重されるものなのだろうか。映画はノルウェー軍が束の間の勝利をした後、グンナーが帰還するが、裏切った妻を叱責するのだが、思い直し、共に避難するところで終わる。戦争は普通の精神状態ではなく、グンナーの気持ちも分からないではない。互いの生死も分からない不安なまま、生きるのに必死な極限状態、繰り返してはならない。映像が暗く、また軍服がどちら側なのか分かりづらい部分があった。
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