「生きづらさはよくわかる」私、オルガ・ヘプナロヴァー mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
生きづらさはよくわかる
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モノクロの映像で早口の独白のような淡々とした語りで物語が進んで行き、ある意味、スタイリッシュに作られてました。(スタイリッシュなんてこの映画の内容に合わない表現かもしれませんが) オルガの孤独がよく伝わってきます。しかし、主人公オルガに同情したり共感したり、ということはあまりなかったです。もちろん、彼女の「生きづらさ」はよくわかります。事の経緯としてこういう結果になってしまったというのは認識はできますが。
オルガが被害者として直接的に描かれたのは、精神病院でリンチにあったシーンだけ。父親の虐待の描写もなく、どの程度のものだったかは不明。母親にしても、無愛想で冷ややかだけど、薬が欲しいといえば処方箋を書き、お金といえば財布から札を出し、小屋では冬は寒すぎるといいオルガに冬は家で過ごした方がいいと告げたりするところをみると、めちゃくちゃな母親でもなし。ただ、かなり以前から精神は不安定で病院に入院したり、カウンセリングを受けたりしていたので、どこかで理解しあえる人と出会っていれば、あのような結末を迎える以前に何とか食い止められたかもしれないと思います。(まったく普通の感想ですが)
雨降る中で洗濯物を干したり、大雨の中、テントを張って、中年男と時を過ごしたり。ちょっと信じられない光景があり印象的でした。オルガは普通の路線では生きていないことをあらわしたのか?
ラストは衝撃的です。家族が静かにスープを飲む姿が悲しい現実でした。
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