「一つ一つ着実に、ムダを削ぎ落した快作」ロスト・フライト にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)
一つ一つ着実に、ムダを削ぎ落した快作
ジムノペディという曲が有名な作曲家の
エリックサティが言ってました。
「音をプラスして壮大な音楽を作るのが
オーケストラなら、私の音楽はマイナスの音楽だ」
映画ファンなら「ここでこうなるだろうなぁ」
というフラグの乱立にうんざりするシーンが
多く食傷気味になりそうだったが、
ほぼ、そうはならなかった。
機長と客の対立、ウザ客がパニックに陥る、
バディと機長の過去の話、敵ボスの背景、
本社との意見の相違、乗務員との友情愛情、
ラストに再開する家族愛…。
アクション映画にありがちなフラグは
全部立っていたが、立てただけ。
映画のテンポ、緊張感の邪魔をするような
要素は削ぎ落したために、
飛行機パニックとテロ島からの脱出という
胃もたれしそうな題材にもかかわらず、
最初から最後まで楽しめました。
エリックサティの音楽に比べれば
だいぶ派手ではありますが。
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